かなり私の思う方向と違う方に爆走しててびっくり。
とはいえ、AIさんが自由に書いてもうまくまとめられてないのでAIここまで。
戦闘は、一方的だった。
五条悟が前に出れば、それだけで戦線が崩れる。
家入硝子が支えれば、隙が消える。
総監部の術師たちは、成す術もなく退いた。
「……チッ、撤退だ」
最後の一人が消え、静寂が落ちる。
⸻
「終わったね」
五条が軽く手を振る。
「派手にやったなぁ」
「そっちが来るからでしょ」
硝子は肩をすくめる。
だがその腕の中には、まだ夏油がいる。
力の抜けた体。熱を帯びた呼吸。
「……傑、寝すぎじゃない?」
「寝かせたの」
「いやそれは分かるけどさ」
五条は覗き込む。
その瞬間だった。
⸻
――ぱちり。
⸻
夏油の瞼が、ゆっくりと開いた。
「……ん……」
視界が揺れる。
思考が、うまくまとまらない。
ただ、最初に見えたのは――
「……硝、子……?」
至近距離の、顔。
自分を抱える腕。
触れている体温。
⸻
その瞬間。
なにかが、決定的に“噛み合った”。
⸻
(……なんだ、これ)
胸が、強く打つ。
呼吸が浅くなる。
視界が、硝子以外を拒絶する。
思考が――歪む。
⸻
「……っ」
無意識に、手が伸びる。
硝子の服を、掴む。
「おい、傑?」
五条の声がする。
だが、遠い。
どうでもいい。
⸻
ただ一つ。
目の前の存在だけが、異様に鮮明だった。
⸻
「硝子……」
名前を呼ぶ声が、甘くなる。
自分でも分かるほどに。
「……効いてるね」
硝子が、静かに呟く。
理解している。
完全に。
⸻
「なにそれ」
五条が眉をひそめる。
「説明して」
「後で」
「今」
「後で」
短いやり取り。
だが、その間にも――
⸻
夏油の様子が、明らかにおかしい。
「……離れたく、ない」
ぽつり、と落ちる言葉。
普段の彼からは考えられない、率直すぎる感情。
⸻
五条の目が、すっと細くなる。
「……それ、術式?」
「まあね」
硝子は否定しない。
「ちょっと強めの“縛り”」
「ちょっと?」
「解除条件付き」
⸻
「……内容による」
五条の声が、低くなる。
⸻
硝子は一瞬だけ視線を落とし、そして笑った。
「簡単だよ」
「言えよ」
「この状態で目覚めたら――最初に見た相手に執着する」
「は?」
「それを解除するには――」
ほんの少しだけ、間を置く。
「“最後まで”付き合うしかない」
⸻
沈黙。
⸻
「……は?」
五条の声が、さっきより低い。
笑っていない。
⸻
「いや、だってさ」
硝子は軽く言う。
「実験だし?」
「実験でそれやる?」
「やるでしょ」
「やらねぇよ普通は」
⸻
その間にも。
夏油は、完全に硝子に寄りかかっている。
視線も、意識も、全部。
⸻
「……傑」
五条が呼ぶ。
反応は、薄い。
ちらりと見るだけ。
すぐに視線が戻る。
⸻
「……なるほど」
五条は理解する。
これは、“本物”だと。
無理やりねじ曲げられた感情。
だが、今この瞬間の夏油にとっては――真実。
⸻
「で?」
五条は言う。
「どうすんの、硝子」
⸻
硝子は、少しだけ考える。
腕の中の重みを確かめるように。
そして――
「責任は取るよ」
あっさりと、そう言った。
⸻
五条の表情が変わる。
「……マジで言ってる?」
「うん」
「後悔しない?」
「しない」
⸻
即答だった。
⸻
「……そ」
五条は一歩引く。
そして、ポケットに手を突っ込む。
⸻
「じゃあ、任せる」
「いいの?」
「傑が自分で選んだわけじゃないのは気に入らないけど」
一瞬だけ、目を細める。
「……でも、それでも傑が見るなら」
言葉を切る。
それ以上は言わない。
⸻
「外、見てるから」
背を向ける。
「終わったら呼んで」
⸻
そのまま歩いていく。
軽い足取りで。
でも、少しだけ早い。
⸻
残されたのは、二人。
⸻
「……硝子」
夏油が呼ぶ。
縋るように。
熱を帯びた声で。
⸻
「分かってるよ」
硝子は答える。
静かに。
逃げずに。
⸻
「全部、引き受ける」
⸻
その言葉の後。
扉が閉まる音だけが、静かに響いた。
♡♡♡
目が覚めたとき。
最初に感じたのは、静けさだった。
⸻
天井を見上げる。
見慣れない。
いや、見慣れている種類の天井だ。
だが――“ここにいる理由”が、分からない。
⸻
「……は……」
喉が乾いている。
体が、重い。
頭が、妙にクリアだった。
⸻
(……昨日、何を)
思い出そうとして――
止まる。
⸻
記憶は、ある。
はっきりと。
途切れずに。
曖昧でもない。
⸻
レストラン。
笑い合って。
菓子を食べて。
酔って。
そして――
⸻
視線が、横に動く。
⸻
隣に、人がいる。
規則正しい呼吸。
長い髪。
無防備な寝顔。
⸻
「……硝子」
名前を、呼ぶ。
声は、驚くほど落ち着いていた。
⸻
胸は、静かだった。
昨日のような高鳴りはない。
焦がれるような衝動もない。
ただ――
⸻
(……理解は、している)
⸻
何が起きたのか。
何を選んだのか。
全部、覚えている。
⸻
だが。
⸻
(……これは、“私”か?)
⸻
その一点だけが、決定的に違っていた。
⸻
ゆっくりと体を起こす。
視界が安定する。
思考も、完全に戻っている。
⸻
(術式……いや、薬か)
硝子のやり方だ。
納得は、できる。
だからこそ――
⸻
「……やってくれるね」
小さく笑う。
怒りではない。
呆れでもない。
⸻
純粋な、分析だった。
⸻
そのとき。
「……起きた?」
寝ぼけた声。
硝子が、目を開ける。
⸻
視線が合う。
一瞬だけ、沈黙。
⸻
「おはよう、夏油」
「おはよう、硝子」
自然な挨拶。
だが、その裏にあるものは、お互いに分かっている。
⸻
「……どう?」
硝子が聞く。
短く。
⸻
「正直に?」
「うん」
⸻
「面白かった」
即答だった。
⸻
硝子が、少しだけ目を細める。
「……それは予想外」
⸻
「感情が“上書き”される感覚は初めてだったよ」
淡々と続ける。
「しかも、完全に自覚がある状態で」
⸻
「……怒ってないの」
「怒る理由がない」
⸻
あっさりと。
⸻
「私は了承した」
「それは、術式の影響でしょ」
「影響下でも、選択はした」
⸻
そこで一度、言葉を切る。
⸻
「それに」
ほんの少しだけ、視線を逸らす。
⸻
「……不快ではなかった」
⸻
硝子の呼吸が、わずかに止まる。
⸻
「……へぇ」
短く返す。
だが、その奥にある感情は、読み取れない。
⸻
「ただ」
夏油が続ける。
⸻
「“本来の私”ではない」
⸻
その一言で、空気が変わる。
⸻
「……うん」
硝子も分かっている。
それが、一番重要な点だと。
⸻
「だから、整理は必要だ」
「なにを」
「これを、どう扱うか」
⸻
静かな会話。
だが、内容は重い。
⸻
そのとき。
コンコン、と扉がノックされる。
⸻
「――起きた?」
軽い声。
⸻
「悟か」
夏油が呟く。
⸻
「入っていい?」
「どうぞ」
⸻
扉が開く。
五条悟が顔を出す。
⸻
「……おはよ」
少しだけ様子を伺うような声。
⸻
「おはよう、悟」
夏油はいつも通り返す。
⸻
その“いつも通り”に。
五条の肩の力が、わずかに抜ける。
⸻
「……大丈夫そうじゃん」
「何をもって大丈夫とするかは難しいけどね」
「いつもの傑だ」
「それは安心材料かい?」
「俺にとってはね」
⸻
短いやり取り。
だが、それで十分だった。
⸻
五条は視線を硝子に向ける。
⸻
「……で?」
「で、って?」
「どうすんのこれから」
⸻
少しだけ間。
⸻
答えたのは、夏油だった。
⸻
「何も変わらないさ」
⸻
二人が見る。
⸻
「少なくとも、“今の私”はね」
⸻
静かに。
しかし、はっきりと。
⸻
「昨日の私は、昨日で完結している」
⸻
線を引く言葉。
⸻
「……そ」
五条はそれ以上聞かない。
⸻
ただ、一言。
⸻
「ならいいや」
⸻
それだけで、終わらせた。
⸻
それは、ほんの些細な違和感だった。
⸻
高専の廊下。
見慣れた風景。見慣れた空気。
そして――見慣れたはずの、二人。
⸻
「硝子、今日ヒマ?」
「仕事ある」
「じゃあ終わったら」
「寝る」
「冷たっ」
⸻
いつも通りのやり取り。
軽くて、雑で、距離が近い。
⸻
(……いつも通り、だ)
⸻
夏油傑は、それを見てそう判断する。
判断は、正しい。
だが。
⸻
(……“そう見える”だけだ)
⸻
どこか、引っかかる。
⸻
硝子が笑うタイミング。
五条が距離を詰める角度。
言葉の間。
⸻
全部、ほんのわずかに。
ズレている気がした。
⸻
(……いや)
違う。
ズレているのは――
⸻
(私か)
⸻
思考が、止まる。
⸻
視線を逸らす。
考えないようにする。
だが、無意識は正直だった。
⸻
硝子が近くを通る。
その瞬間。
⸻
「……っ」
⸻
胸が、微かに反応する。
⸻
昨日のような強制的な衝動ではない。
だが、確かに“名残”がある。
⸻
(……消えていない?)
⸻
ありえないはずだ。
術式は解除された。
効果も消えた。
⸻
なのに。
⸻
(なぜ、残る)
⸻
分析が追いつかない。
だからこそ、厄介だった。
⸻
「傑?」
声がする。
⸻
顔を上げる。
⸻
五条悟が、こちらを見ていた。
⸻
「ぼーっとしてんじゃん」
「少し考え事をね」
「珍しい」
「そうでもないよ」
⸻
軽く笑う。
いつも通りに。
⸻
五条は、少しだけ黙る。
⸻
「……体調、大丈夫?」
⸻
その一言。
妙に真っ直ぐで。
⸻
「問題ない」
即答する。
⸻
「ほんとに?」
「疑う理由があるかい?」
「……ある」
⸻
短い沈黙。
⸻
五条は、視線を逸らさずに言う。
⸻
「昨日のやつ」
⸻
核心だった。
⸻
「影響、残ってない?」
⸻
その問いに。
夏油は一瞬だけ言葉を選ぶ。
⸻
「理論上は、ない」
「理論じゃなくてさ」
⸻
一歩、近づく。
⸻
「実際どうなの」
⸻
逃げ場のない距離。
⸻
夏油は、わずかに息を吐く。
⸻
「……ゼロではないかもしれない」
⸻
正直な答えだった。
⸻
五条の目が、細くなる。
⸻
「どのくらい?」
「観測中だよ」
「便利な言い方」
「便利な状態だからね」
⸻
冗談めかして言う。
だが。
⸻
五条は、笑わなかった。
⸻
「……傑」
⸻
低い声。
⸻
「それ、“残ってる”ってことじゃん」
⸻
核心を、突く。
⸻
夏油は否定しない。
⸻
「可能性はある」
⸻
そこで、五条は一度目を閉じる。
⸻
数秒。
⸻
そして、開く。
⸻
「……そっか」
⸻
それだけだった。
⸻
軽く肩をすくめる。
いつもの調子に戻る。
⸻
「じゃあさ」
笑う。
いつも通りに。
⸻
「しばらく俺、近くにいるわ」
⸻
「監視かい?」
「違う」
⸻
一瞬だけ、言葉を止める。
⸻
「……念のため」
⸻
曖昧な表現。
だが、それ以上は言わない。
⸻
夏油も、追及しない。
⸻
「好きにするといい」
「うん、そうする」
⸻
会話は終わる。
⸻
だが。
⸻
その後も。
⸻
五条は、やけに近かった。
⸻
廊下でも。
授業でも。
任務でも。
⸻
さりげなく、だが確実に。
距離を詰めてくる。
⸻
(……過保護だな)
⸻
そう思う。
だが同時に。
⸻
(……違う)
⸻
それだけではない、と分かる。
⸻
理由を言語化する前に。
ふと、硝子の姿が視界に入る。
⸻
その瞬間。
⸻
また、微かに胸が揺れる。
⸻
(……厄介だな)
⸻
小さく息を吐く。
⸻
その横で。
⸻
五条が、ほんの一瞬だけ。
⸻
硝子を見る。
⸻
そしてすぐに、視線を外した。
⸻
何も言わずに。
⸻
ただ。
⸻
夏油の隣に、立ったまま。
マシュマロ
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