カルチャースクールに通ってるんだ   作:かりん2022

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デートをするぞ

というわけで休日の夜は精神修養の練習で、昼はエスコートである。

 

あれから2ヶ月が過ぎた。

 

「傑」

 

 悟が私の手を引いて歩道側に誘導する。

 

「なんかバカにされている気分だ……」

「なんでだよ」

「私にその必要はないよ」

「必要だからやってんだろ、テスト実は7回落ちてたって聞いたぞ」

「こんな事をして受かるのかい?」

「そうやって疑ってるうちは受かんねーだろうな。いやさ、良く考えろ? 女の子は無力! ランダムに身体能力激落して体の感覚も変わるんだ。気をつけねーとあぶねーだろ」

「気をつけてるよ」

「いいや、気をつけてないね」

 

 悟はため息をついた。

 

「答え言っていい?」

「嫌だ。君の手を借りなくても私は受かってみせるよ!」

 

 その姿勢がダメなのである。

 

「五条。私にも夏油のエスコートさせろ」

 

 楽しそうに硝子は自分の存在をアピールする。

 硝子は2回目の試験で受かったのである。

 誘惑されたら即顔を覆ってダッシュ。それで合格だ。

 

 男試験も女試験も、自分の不利を理解し、逃げる事が試験の本質なのだ。

 

 五条は試験開始後に防犯ブザーを渡されて、シミュレーションでナンパされてすぐブザーを押した事で合格した。

 

 荷物を移動させる試験では事前にスマホを渡されていたし、ナンパと挑発も防犯ブザーを押せば事足りた。

 物が倒れてくるテストでは、ムキムキマッチョの青年に協力を依頼すればそれで合格だったのだ。なに自分の身を挺して庇ってんだ。

 

「自分じゃ無理!!」と理解し、「他を頼れる」。この二つが出来て初めて合格。傑は両方出来てなかったので、余裕で不合格なのも頷ける。

 

 ヒントというか答えを直球で事前に言ってても落ちるのである。

 傑の独立独歩な気質は常軌を逸していると言えた。

 

「意外と頑張り屋さんだもんな、お前」

「急になんだい?」

「俺が監督するから、傑女の子になってエスコートの練習出来ないか聞いてもらえる?」

「む。本格的な練習を使用ってことか。確かに……女の子になってみないと女の子の気持ちなんてわからないか」

「そーそー」

「わかった。頼んでみるよ。世話を掛けるね」

「私もする! 夏油のエスコート!!」

「試験で一回失敗した人は本物の女の子のエスコートはダメでーす」

「ぐぬぬ」

「いいよ硝子。君にどうこうされる私じゃないしね」

「そういうとこだぞ、傑」

「?」

 

 俺は再度ため息をつく。

 もはやなんで傑がこんなに女の子試験に拘るのかはわからないが、傑の為なら人肌脱いであげよう。

 多分向きになってるんだろうけど、諦めが肝心ってのも勉強して欲しかったことの一つである。これだけ注ぎ込んでダメなら諦めようぜ。

 

 その後、堀田先生はしっかり俺が責任持って護衛するならという条件付きで性転換薬をくれた。

 

 こうして、俺と硝子(♂)と傑(♀)の3人でデートをする事になったのだった。

 




マシュマロ
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