「呪術界の最近の風紀の乱れはあまりにも目に余る!」
「はい」
「そこの所、どう考えいるのだ駄狐!」
「えっ 私の責任ですか?」
「性転換はいかん! 全面的に禁止とする!」
「あ、はい。硝子と悟にも伝えておきますです」
珍しく総監部の英断により、浮ついた空気は無事鎮静化された。
たまには総監部も良い事をするようだ。
後には妊娠した女と男に戻ったけど赤ちゃんがお腹にいる男が残った。
やればできる。やればできるのである。
襲撃者も責任を取らされてて3人は笑った。ザマァ。
そんなわけで硝子は産婦人科医に転身である。
それはともかく、5年生になると、堀田先生から珍しくミッションが下された。
一年もの大掛かりなミッションだ。
『並行世界で修行してきて』というのがそれである。
いくら五年生はボーナスタイムとはいえ、1年間の留守は無理だ。
とはいえ、両面宿儺が復活するのであれば修行は必要だろう。
そういうわけで、長い時間を掛けて調整をすることになった。
そうして、ついに3人は並行世界に修行に行く事になったのだった!
ミッションは5つ!
うずまきを覚える事!
赫と虚式茈を覚える事!
反転術式を覚える事!
領域展開を覚える事!
そんな五条と夏油をサポートする事!
いざ、並行世界の高専へ!
3人は魔法の鏡で移動したのだった……!
「百鬼夜行を執り行う!」
パシャパシャパシャパシャ
スマホで教祖夏油を撮りまくる一行。
「私を取らないでよ、悟、硝子!」
モッフモフの狐人間夏油の抗議にぽかんとしながら、ひとまず負けじとスマホでパシャパシャしかえす若人達。
めちゃくちゃ大きくてフワッフワな尻尾を抱えて隠そうとする姿はとってもファンシー。
「ああっ もう、やめてよー!」
「傑、えせ僧侶ファッション似合うじゃん」
「夏油、ちょっと痩せてない? 診察してやろうか?」
スタスタと夏油に歩み寄る猫耳硝子。その手をさわさわさわ。
「硝子……俺、何度も言ったよな? 傑を口説いたら殺すよって……」
「し、診察だけだし……」
そう言いながら、そろそろと教祖夏油から手を引く猫耳硝子。
首輪がキュッとしまって苦しそう。
教祖は心配して首輪に手をやろうとするが五条に牽制される。
そう、猫耳と狐っこにはゴツい首輪の呪具がついている。
そして、五条は宣言した。
「並行世界の僕、並行世界の傑、並行世界の硝子。僕らちょっと修行に来たから、1年間それぞれ預かってくんない? 当然百鬼夜行も一年後に延期してね。無期限でもいいぜ」
「は?」
「よろしくね、私!」
狐夏油は教祖夏油の手を握る。
「えっと、私達にも都合というものがあるのだけど。というか狐? 狐なのか。尻尾は九つじゃなくてたった一本なのか……」
「お礼は非術師を術師にする方法でどうかな? 要は全日本人類術師になれば文句はないんだろ」
「!? そんな事、出来るはず……」
「非術師皆殺しよりは簡単だと思うけど」
「ちょっとそこ〜! 傑に何を吹き込んでるわけ!」
「俺は修行させてもらってる間仕事手伝う! 役に立つよ、俺」
「怪我の治療は任せろ〜」
「君ら何者なわけ?」
「魔法使いの五条悟」
「妖狐夏油傑」
「猫又の家入硝子」
術師や呪詛師が教祖や教師達に問う。まじなんです? 夏油様も狐?
そしてブンブンと首を振る3人。
「まあ、どっちみち一年間帰れないから、こっちで勝手に好き勝手やってもいいんだけど」
「その場合、術師増やしまくって実験だなー」
「うずまきと赫と虚式茈と反転術式と領域展開を覚えたら帰るよ! ちゃんと仕事も手伝うし、お土産もたくさん持ってきたし」
その言葉に、五条は言う。
「狐の傑もこっちこい。こっちで監視を受けるなら預かってやる」
「いや、それには及ばないよ、悟。狐の私は預かるよ。非術師もいずれ術師になるというのなら、無闇に殺せないしね。今日のところは帰るよ」
「高専にはこっちの私がいるし、私は教祖の方を見てるよ」
「駄猫は目の届く所にいろ」
ギンっと五条に睨まれ、尻尾をブワッと立たせて、耳がぺたん。
「命の洗濯が……」
しょぼんとした様子はとってもかわいそう。とても自業自得とは思えない。
「あんまり被害が出ないように頑張るよ。悟も頑張ってね」
「傑。辛かったらすぐ俺を呼べよ」
「夏油と私の扱い違いすぎんだろ! 差別! 差別!」
という事で、1年間の滞在が決まったのだった。
マシュマロ
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