ジョブ[魔王]の単独反乱   作:バターもどき

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クソ職業魔王

クソ職業(ジョブ)である。

それが俺が職業(ジョブ)[魔王]に対して感じた飾り気のない率直な感想である。

 

職業(ジョブ)[魔王]

魔王サリギアの魂を身に宿し暴虐の限りを尽くす存在。

7つのスキルをこの職業(ジョブ)についている際、使用可能になる。

人間に対する戦闘力が著しく上昇し、キルしたときに得られえる経験値が大幅に増加する。

 

ここまでは有用である。ここまでは。見た目が黒を基調とした悪魔っぽくなること以外は。

問題はこの先にある。

 

代償にモンスターに与えるダメージが著しく減少し、

撃破したときに得られる経験値が大幅に減少する。

 

この一文でもうすべてが終わりだよ。

どうすんだよ最北端(ここ)人いないよ

モンスターしかいないよどうすればいいんだよ。

 

この職業(ジョブ)は他のプレイヤーに殺害された瞬間に効力を失い称号と化す。

その時までに貯めたカルマ値によってリザルトが決定され、

貯めたカルマ値が多いほどより良いリザルト、よりよい報酬が手に入る。

貯めたカルマ値が規定値より低かった場合、様々なデメリットが発生する。

 

 

つまりこの職業(ジョブ)はプレイヤーを殺して殺して殺しまくるべき職業(ジョブ)

であり、人がいないこの地では救いようのないごみである、ということだ。

リスポーンで帰るべくサクッと自分を切り飛ばしたが

リスポーン地点が魔王城に固定されていやがる。クソが。

 

 

結論!

人を殺そうにも人がいない!

モンスターしかいない場所でモンスターに弱くなる!

採取しかやることがない!

カス!クズ!ゴミ!魔王!

 

もとより俺はPvP(人と戦う)よりPvM(モンスターと戦う)方が好きだからなぁ。

普通に友達とRPGしていたいのにこのままじゃ[魔王]のデメリットで一緒に狩りもできない。

さっさと捨てたいぜこんなクソジョブ。だけどデメリットを被るのもなぁ。

理想はサクッと虐殺してカルマ値の規定値超えてからプレイヤーに狩られることか。

でもなぁここ人いないんだよなぁ。

 

現実(ゲーム)逃避に

ギラギラした最北部マップをうろちょろすること3分、

翼が生えた鋼鉄の巨大ガマガエルのようなモンスターに遭遇したが、

無視された。ジョブのおかげだろうか、少しだけ[魔王]の評価を上げた。

試しに対モンスター用魔王産スキル【色欲:傀儡支配(シタニツケ)】を使ってみた。

レベル差でレジストされた。[魔王]の評価を下げた。

腹が立ったのか普通に襲ってきた。死んだ。[魔王]の評価をもっと下げた。

 

散策がてらいろいろ試して分かったことがある。

まず[魔王]は使用武器に制限がない。

通常、職業(ジョブ)[大剣使い]などは他の武器の使用に恩恵が乗らない。

これは誰が[魔王]になっても戦えるようにという配慮だろう。敵いないけど。

次に、姿に加えありとあらゆる使用する武器が

黒と赤を基調としたものに変化するということだ。

魔王が聖剣っぽい武器を持たないようにだろう。

わあお気に入りの大剣が真っ黒に赤のラインが入ったなんかかっこいい感じになってる。

 

得られる場所的にも得られる能力的にも最後の町までたどり着いたプレイヤーたちに、

軍勢をけしかけ暴れるタイプの職業なんだろう。

ああでも人がいない。従えられる自分より弱いモンスターもいない。

ああどうしよう。

 

____________

 

 

とりあえずいろいろ拾いながら人里まで走って行こうと思う。

城の周辺に位置する森をまず抜けようと全力ダッシュ!!

三秒間熟考した俺の超合理的行動である。

 

 

 

 

「ぐえっ」

 

理由は知らないがこの土地の全ては金属のようなものでできている。

それはモンスターも、地面も、そして植物も。

つまり…

 

「まさか茂みに突っ込んだら死ぬとは…」

 

その辺の葉っぱはすさまじい切れ味を誇るナイフである、ということだ。

茂み側が一切変化しない茂みはまさに針山であった。

 

出鼻をくじかれたのでのんびり行こうと思う。

茂みと葉を避け鋼鉄の林を探索すると、稀に収集可能アイテムがある。

それは金色の輝きを持つ柄…のような皮、

乳白色の刃…のような果肉をもつそのアイテムの名は…金属甘蕉(メタルバナナ)

「バナナじゃねーか!!」

金色のサーベル…のようなでかいバナナや、

短剣…のようなスナップエンドウ、

大楯…のようなブロッコリーなどなど…

なんと武器として装備可能であった。

こんなネタの塊のような武器が今までのどんな武器より強いことに諸行無常を感じる。

そんなこんなで武器を収穫をしながら南に歩いてゆくと開けた場所が出現した。

 

 

そこにいたのはギラギラ輝くこの地において最も強き輝きを持つ金色の龍だった。

…エリアボスだこいつ。

なんかこっちがん見してますね。

あっこんにちは横通らせてもらいますね…

 

ギシャァァァァァ!!!!

ですよねーーー!!!!!

やっぱり道ふさぎのエリアボスは無視して通ることできなかった!

噛みつき!横に飛ぶ!

城で謎にレベル上がってたおかげで避けれた!

しっぽの薙ぎ払い!!キャベツを出し足場とし大ジャンプ!!

わあ体が軽い!!羽のおかげだ!!

ブレス!!!避けられそうにない!大楯(ブロッコリー)で防ぐ!

わあ焼きブロッコリー!耐久値ないなった!!

 

やばいなこれ火力も速さも赤ゴリラ以上だ。

救いがあるとすれば予備動作はゲームらしく存在し、

ステータスさえあれば避けられそうってことか。Lv上げて出直せってことね。

っとまた薙ぎ払い!足場(キャベツ)が尽きたら死ぬなこれ。

おーキャベツがぶっ飛んでる…ぶっ飛ぶ!それだ!

 

装備は行きと同じぶっ飛びよう軽量化装備!!

魔王産スキル【怠惰:王権譲渡(ヒトマカセ)】 

効果は自身の能力大幅低下の代償にモンスター一匹の超強化!!

最強になったこの龍に吹っ飛ばされて街に帰る!!

人狩り行こうぜ!!!

 

噛みつきをよけてしっぽの薙ぎ払いモーション!!

ここだ!!!

 

こうして男は南に音速でぶっ飛んだ。(三時間ぶり二度目)

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