異世界帰りのTS転生ロリババア、ひ孫のヒロインになる 作:ひさなぽぴー
前話の見逃しにご注意ください。
『クックック、やっと見つけたよグレンセイ。おかしな魔法を使いやがって、おかげで妙な国を駆けずり回るハメになったじゃないか』
『やっぱりテメェらも来てやがったか。どうせテメェ一人じゃないんだろ? 他のやつらはどこだ?』
『ハッ、どうだろうねぇ? アタイ一人かな? それとも他にもいるかな? どうだろうねぇ、ハッハー!』
二人の会話は、日本語ではなかった。
というか、恐らく地球上に存在する言語ですらない。そこまで言語に詳しいわけではないけれど、少なくとも英語や中国語と言った、メジャーどころの感じはまったくしないのだ。
おかげで何を言い合っているのか、さっぱりわからない。せめて何を言い合っているのかわかれば、何か糸口になるものが見えてくるかもしれないのに。
現状わかることと言えば、せいぜいこの角が生えた兎の獣人が、セティと同じ異世界から来たであろうこと。そしてセティと敵対しているらしいこと、くらいだ。
『チッ、それで俺に何の用だ』
『決まってんだろう! お前を殺すのさ!』
『はん、テメェごときができるとでも?』
『おいおい、わかってんのかい? こっちには人質がいるんだよ。こいつの命が惜しかったら、動くんじゃないよ!』
『テメェ……!』
言葉がわからないので、どういう会話がされているのかは推測するしかない。しかし一歩前に出たセティに対して僕を拘束する手の力を増したということは、恐らく動くなとか何もするなとか、そういう話がされていると思われる。
苦しさが一層増したけれど……まだ耐えられるレベルだ。溺れているシーンの研究のために、わざと溺れてみたときに比べればどうということはない。
さて、考えよう。確かに状況は悪い。首を絞められているという恐怖がないなんて、口が裂けても言えない。かすかに手が震えているのがわかるから。
けれど、だからってこのまま黙って捕まったままは嫌だと思う。僕がこうしているせいで、セティが動けないでいるのは明らかなんだ。彼女の足手まといにはなりたくない。
あとは、セティにいいカッコしたいという想いもちょっとある。男ってのはいくつになっても、気になってる女の子の前じゃカッコつけたい生き物なのだ。
苦しさに耐えながら、横目でちらちらと獣人の様子を確認する。どうもセティとの会話に夢中なようで、僕のほうにはあまり注意を払っていないように見える。いつでも僕を殺せる、という確信でもあるのだろうか。
しかしこれは好都合だと思われる。こっそり僕がズボンのポケットに手を忍ばせても、それを察した様子もない。
さては素人か、こいつ。そう思えば、恐さも和らいだ気がした。
であれば。
『殺す前に一つやってもらうことがある。お前が造っていた魔石浄化装置の類を全部破壊してもらおうかい!』
『……テメェバカなのか? あれはもう主要な国や街には無償で作り方をバラまいてる。今さら俺が持ってる分を破壊しようが、大勢に影響は出ねぇぞ?』
『騙されないよ! お前が完全にアタイたち悪魔を人間に戻す装置を作ろうとしてたことはわかってんだ!』
『未完成のものを壊せと言われてもな……そんなもの、手元にはないぞ?』
『バカにしてんのかい!? 研究成果全部を、破壊しろって言っ「バ〇ス!」グアァッ!?』
僕は兎の獣人が会話に夢中になっている隙にスマホを取り出してそいつの眼前にかざすと、ライトをマックスで展開した。
眼前でいきなり放たれた眩しい光に、兎の獣人は反射的に僕から手を離して目を覆う。元ネタと同じく、目が、目がぁという状況だ。
そうしてするりと手元から抜け出した僕は、その手を片方と相手の襟首をつかんで引き寄せることで重心を崩しつつ、腰にひねりを入れて足元を払った。
柔道の払腰。これによって兎の獣人は軽々と持ち上がり、僕の身体を軸にしてくるりと一回転。そのままコンクリの陸橋に背中から落下した。
『ウガァ!?』
悲鳴が上がるが、知ったことじゃない。どこぞの仮面ヒーローに変身するイケオジ探偵も言っていたぞ、撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだとね。
僕はそのまま兎の獣人に対して馬乗りになると、襟を両手で引っ張って突込締に持ち込む。このまま締め落とさせてもらおう!
「ゆ、優一! 待て! 自力で抜け出してくれたのはありがたいが、そいつは──」
『ザコの人間が! 舐めんじゃないよ!』
「ぅおわぁっ!?」
「優一ーっ!?」
ところが、兎の獣人は僕の身体をあっさりと持ち上げると、そのまま思いっきりぶん投げてしまった。技も何もない、純粋に力だけの……文字通り強引な力技だった。
僕はそのまま宙を舞う。陸橋から落ちるコースだ。その空中で、僕はようやく相手を正面から見ることができた。
兎の獣人の身体は、どう見ても僕より小柄だった。声から察していたけれど、体格からしてまず間違いなく女性だろう。
にもかかわらず、あんな無理な姿勢から僕を力づくでぶん投げられるなんて、どんな力をしているんだ? 種族が違うというのはあるだろうけれど、だとしてもこんなに違うなんて。信じられない。
そして夜の風を感じながら、僕は思った。いやあ、撃っていいのは……というのは、盛大なブーメランになってしまったなぁと。
さて、ここからどうしたものか。三階……いや、四階くらいの高さだけれど、ここから落下したらよくて瀕死、悪ければ即死かなぁ。
けれど不思議なことに、僕の心はわりと凪いでいた。ほとんど最悪な状況だっていうのに、なんとかしてペンを持つ利き手だけは死守したいなぁ、などと考えていたくらいだ。
諦めの境地と言うか悟りの境地と言うか……人間本当にどうしようもなくなると、一周回って落ち着くんだなぁ。
あ、十年以上も前に亡くなった紫乃ばあが口に両手を当てて、何やら声を張り上げているのが見える……。遂にお迎えが……。
「優一、しっかりつかまってろよ!」
「うわ!? いつの間に!?」
しかしそのお迎えは、紫乃ばあにとっての伴侶であるセティによって阻止された。いつの間にか出現した彼女によって、僕は抱えられていたのだ。紫乃ばあの盛大な拍手が聞こえた気がする。
いやけど、まばたきの間もない一瞬のことだったはずなのに、一体いつ、どこから?
けれど混乱する僕がそれ以上の思考を回す前に、セティがその小さな手で空中をなでた。すると僕たちの身体は突然落下をやめて滑り出す。まるで滑り台を滑っているかのようにだ。
明らかに物理法則を無視した動き。それを目の当たりにして、僕の混乱は吹き飛んだ。吹き飛んだっていうか、いちいち細かいこと気にしても仕方ないと悟ったというか。
最終的に僕たちの身体は空中をしばし遊泳するようにぐるりと回り、陸橋のすぐわきにある公園に着地した。
地面を踏みしめて、ようやく助かったらしいという実感が湧いてくる。思わず深いため息が出た。
「ふう……ケガはないか?」
「あ、ああ。大丈夫だ、ありがとう」
「これくらいどうってことねぇさ。……お前が無事でよかった」
「……助けてくれたのはありがたいけど、どうしてそこまで。言っても僕たち、まだ出会って二時間程度だろ?」
「バッカ野郎、ひ孫を見捨てられるわけないだろ。たとえ身体が変わって血の繋がりがなくなってるとしても、お前は間違いなく俺のひ孫なんだ。そうじゃなかったら、俺はこっちに戻って来れてないんだからな」
先ほどまで電車ではしゃいでいた同じ顔に、誰にも否定させないと言わんばかりの決意みなぎる凛々しさを浮かべてセティが言う。
……待ってくれ、それはズルい。僕好みのかわいらしい顔で、そんなかっこいいことを言われたら本気で好きになっちゃうだろ。めっちゃきゅんと来た。
あの、ひいばあさん。あなたの旦那さんめっちゃカッコいいですね?
「さーて、おいでなすったぞ」
セティが放つかわいさとかっこよさのギャップを真正面から食らったせいで、この場にそぐわない決意を密かに固めた僕をよそに、先ほどの兎の獣人が陸橋から降りてきた。
セティはそれを、じろりとにらむ。
……いかんいかん、この緊急時に何を考えてるんだ僕は。もっとしゃきっとしろよな!
『これで人質はいなくなったぞ。ぶっ飛ばしてやるから覚悟しろ』
『ほざけ! 人質なんていなくってもなぁ……アタイはお前なんかに負けやしないんだよ!』
獰猛な表情で身構える兎の獣人。誰が見ても、殺意マックスという感じの様相だ。兎の顔でそういう顔されると、ちょっと違和感があると思ったのは僕だけか?
ところがその殺意に応じるかのように、兎の獣人の額から生えている黄色い角がらんらんと輝き始めた。夜に映える華やかな色合いのはずなのに、僕にはそれが、なぜだか禍々しく見えた。
だからってわけじゃないけれど。
異世界って物騒なんだなと思いつつ、セティに思わず声をかけた。
「あんなのに勝てるのか?」
「……問題ねぇよ。こう見えても俺ァ、魔法については結構得意なほうなんだ。ひいじいちゃんに任せとけ」
「だといいんだけど……この世界に戻ってきたばかりだろ。消耗してるんじゃないのか?」
殺意を受け止め身構えたセティだったけれど、僕のこの質問に驚いた顔でこちらを見てきた。どうやら、僕の懸念は当たっていたようだ。
けれどそのことにセティが何か言うよりも早く、兎の獣人がとびかかってきた。
地面を蹴った低い音と一緒に、凄まじい勢いの蹴りが迫って来る。速すぎる!
当然、僕はそれにまったく反応できなかったわけだけれど……セティは違った。即座に僕をかばう形で前に出て、ためらうことなく腕で蹴りを受け止めたのだ。
瞬間、コンクリートに鉄球がぶつかったかのような、鈍くも激しい音が鳴り響いた。断じて人体同士がぶつかった音ではない。
『よそ見とは余裕じゃないか!』
『ハッ、実際余裕なんだよ!』
にもかかわらず、セティが堪えた様子はまるでなかった。小動もしない。とても小さなその身体が、屋久杉のような巨木に感じられた。
しかし対する兎の獣人に、驚いた様子はゼロ。この程度は当然と言わんばかりだ。異世界ではこれが普通なんだろうか?
だから、なのかはわからないけれど。
セティはそのまま流れるように、今受け止めたばかりの足をわしづかみにした。何かしらの技をかけようとしているのだろう。
……と思ったけれど、勘のいいことに兎の獣人はさっと身を翻し、距離を取った。ああ、あとちょっとだったのに!
「優一。お前の言う通り、今の俺には魔法を連発する余力がない! だから、悪いが巻き込む!」
その間を縫う形で、セティは僕に日本語で、早口で声をかけてきた。これまでの喋りが比較的緩やかだっただけに、その早口がいかにまずい事態なのかを示している気がする。
この呼びかけに、僕は少しだけ遅れて彼女に目を向ける。
「今からこいつを逃がさないために、魔法でこの広場を封鎖する。お前がここから脱出する時間も取れそうにない。できるだけ隅のほうに避難して隠れてろ!」
「……っ、わかった!」
「『ディメンション』!」
そうして急かされた僕がセティから離れ始めたのと、兎の獣人が再び向かってくるのと、それからセティが英語で魔法の発動を宣言したのは、同時だった。
走る僕の耳は、バイブレーションのような音がかすかに響いたのをとらえていた。きっとセティの魔法が、効果を発揮し始めた音なんだと思う。
それを確かめたくて、目で見てわかる保証なんてないのに、僕はセティのほうに振り返る。
案の定、何か変わったことが起きているような気配はなかったけれど……それはそれとして、セティと兎の獣人の攻防は始まっていた。どちらも武器の類はなく、拳や足を使った肉弾戦だ。
けれどセティの攻撃は何一つ当たらず、逆に相手の攻撃はすべてセティに当たっている。その動きをすべて追えているわけじゃないが、そのたびにすごい音が聞こえてくるのはわかる。リズムには程遠い、不規則な音の連続だ。
どうやら、一瞬でカタがつくような簡単な相手ではないらしい。セティが弱っているからなのか、それとも相手が強いからなのかはわからないけれど……セティにひるんだ様子が一切ないのは、守られている立場としては安心要素と言えるか。
そう思ったところで、広場の端のほうにある木のもとにたどり着いた。さらに外に出ようとしたところ、見えない何かに遮られて先に進めない。まるで透明な壁がそこにあるような、そんな感じ。
手で触った感触としては、温度のないガラスって感じかな。妙な硬さがある。
なのにトイレの空きを確かめるようにノックをしてみても、特に音が鳴る様子はない。興味深いなこれ……。
なるほど、これがセティの言っていた「封鎖」か。そういえば、先ほどから風を感じない。完全に外部とは切り離されているんだろう。魔法ってすっげぇな……。
と思わずそんなことを考えたけれど、セティと兎の獣人の戦いは続いている。激しい衝撃音が何度も聞こえていて、僕の意識は無理やりそちらに引き戻された。
ここから出られないなら、せめて戦いの行く末はきちんと見届けよう。そう思って、僕は木の陰に身をひそめながらセティたちに目を向ける。
あんな激しい音が出る、高威力の戦闘だ。こんな木があったとてって感じだけど、これはもう仕方ない。
というのもこの公園、安全な場所なんてないのだ。ちょっとした木がいくつかあるくらい。セティが言ったように、マジでただの広場なんだよ。
だから現状、一番マシな安全策が木の陰に隠れることってわけ。
もちろん怖い。あんな蹴りを受けたら、一体どうなってしまうことやら。
しかし同時に、漫画家としての僕はその戦いの様子にワクワクしていた。
だって仕方ないじゃないか。こんな激しい戦い、本気で命を懸けた戦いなんて、平和で魔法のまの字もない現代日本じゃ絶対に見られないんだから。
であればこれは……この戦いは、描かざるを得ない!
気づけば僕は、持っていたバッグから取り出したスケッチブックを広げ、お気に入りのシャーペンを走らせていた。戦いの音に紛れて、黒鉛が紙に擦れる小気味いい音が僕の耳に届く。
……スケッチとは、人物や風景を描写することだ。そのためには、対象をきちんと目で見て理解しなけければならない。目の前の戦いを余すことなく見ることはできないけれど、それでも絵を描くものとしての目には少しばかり自信がある。
だからだろうか。わからないなりに戦いの様子から目を逸らすことなく、ほとんど無心にペンを動かしていると……戦えない僕でも朧気ながら見えてくるものがあった。
「……無傷? あんなに攻撃を食らっているのに?」
ここまでそれなりのやり取りがあったにもかかわらず、セティの攻撃は一つも当たっていない。逆に相手の攻撃は、ほぼすべて命中している。
そのたびに大きな音が響くものの、セティの身体に致命的なダメージが入った様子はない。痛がるそぶりすら。
一応ノーダメージと言うわけではなく、ところどころ腫れたり擦り傷ができたりしている。それでも、兎の獣人が放つ攻撃の様子からすると、はるかに軽傷という他ない。
ペンを動かす手はとめないまま、考える。一体どういう仕組みなんだろうか。
先ほどセティは魔法と言ったから、それなんだろうけれど……呪文を唱えて発動する、いわゆるゲーム的な魔法ではないということか?
いやしかし、それより何より異常なのは、兎の獣人の回避力だ。本当に、すべての攻撃が当たらない。まるでどこに攻撃が来るかがわかっているかのような。
ほら、今もそうだ。セティが横から仕掛けた不意打ち気味の蹴りが、するりと避けられている。あのタイミングで放たれた蹴り、僕なら回避できる自信はないというのに。
セティは続けて身体を横回転させながら右足、左足と蹴りを連発するものの、これも全部不発。一つとして相手に当たらず、なんならかすりもしていない。
一応は格闘経験者の僕から見ても、セティの攻撃や立ち回りが稚拙だとは思えないのに、これは一体どういうことなんだろう?
「相手の心を読んでいるのか? ……いや、未来視という可能性もあるな。他にもあるだろうけれど、可能性が高いのはこの二つか」
しばらく様子を見ている中で、ふと独り言が口をついて出た。
純粋に格闘技術が高すぎる、という可能性もあるけれど……たぶんそれはかなり低いだろう。もしそうだとしたら、先ほど僕が投げ技をかけたときにきちんと受け身を取っていただろうからね。
あれは演技じゃないはず。格闘技には多少の心得があるから、そういうのはなんとなくわかるのだ。
まあ僕の場合、その心得は主にバトルシーンを描くための資料という意味合いが強いから、実戦を経験したことはほぼないけれど……そこはまあ、師匠の教えがよかったといったところかな。
ともかくそういうわけで、何らかの方法でセティの攻撃が事前にわかる。兎の獣人は、そういう魔法を使っているのだと思われる。
「とはいえ、それがわかったところでこの距離で僕に何ができるかと言うと……。声をかけるくらいしかできることないよなぁ」
さらにそうつぶやいたけれど、待てよ。
普通なら声掛けは悪手だろうけれど、相手は日本語がわからない様子。それなら、普通に話しかけてしまっても、情報は伝わらないんじゃないか? なら声をかけるくらい、問題ないんじゃなかろうか。
……よし、やるか。
あんなに殴られ蹴られと、苦戦しているセティの助けになりたい。たとえほとんど意味がなくても、やれることはやりたい。素直にそう思えたから。
だから僕は意を決して、口を開いた。
「セティ! たぶんそいつ、心を読むか未来を見てるかしてるぞ!」
直後、セティがくるりと横に回転して相手の攻撃を避ける。その際に、彼女の顔が見えた。
余計なことはするなとか、お前というやつはとか、そんな感じのどこか呆れたような顔だった。相変わらず、かわいい幼女の顔に似つかわしくない老成な表情である。
「ああ、俺もそう思う!」
やっちまったかなと思ったけれど、彼女はすぐに悪ガキを見るような顔でフッと笑ってそう言った。
なんとなくだけれど、その様はセティーア・グレンセイという少女ではなく、脇田光太郎という青年のものに感じられた。なんというか、それくらい「男」っぽい仕草に思えたのだ。
にもかかわらず、見た目は百三十センチちょっとの可憐な美少女。そのギャップに、僕は改めてTSというジャンルの奥深さを感じ入った。
セティの顔が見えた一瞬に僕がそんなことを考えている間に、彼女は回転の勢いを乗せて裏拳を放つ。
これも当然のように回避されたけど、距離が開いた。
『チッ、噂通りの魔力放出量だね! 埒が明かない!』
兎の獣人が、少し離れたところに着地しながら何やら言う。相変わらず何を言っているかわからないけれど、どうやら焦れているようだということはわかる。
明らかに優勢なのは向こうなのにな。それなのに焦れているのは、向こうの攻撃は全部当たっているけれど、どれもこれも大したダメージになっていないからだろう。
まあ、気持ちはわかる。同情はしないけどな。
しかし、さて。こういう状況にあるとき、人間ならどうするだろう?
そうだな……大抵は何かしらの方法でそれを打破しようとするんじゃないだろうか。今回で言えば、より威力の高い技を繰り出すのが最もシンプルでわかりやすいだろう。
あるいは、この場から逃げて仕切り直すと言う手もある。セティがここを封鎖しているからできないはずだけれど、試みる可能性はゼロじゃないだろう。
では兎の獣人は、どういう方法に訴えたか? 答えは──
主人公、ヒロインのみならず、今後出てくるメインメンバーのキャラ属性は大体ひねってますが、物語という点では王道な展開を目指しています。
異能力バトルものなラノベのボーイミーツガールって、こういう感じが王道だと個人的に思ってる。
現代では古いかもしれないけど、ボクはこういう話が好きだから・・・!