「独白にて」
僕は落ちこぼれだ。
体術も忍術も普通以下、訓練ではよくぼこぼこにされたり、的当てでは線香花火みたいな火遁が出てきたりしてる。
幻術もかける能力は普通、唯一の取柄はかかった幻術を解くことくらい。
だけどこれも、自分にかけられる幻術は全部右目の能力ではじき返してしまうから、誰にも見せたことはない。
多分、運良くかからなかっただけだと思われて、よく幸運男なんて揶揄われていたりする。
一応スサノオも月読も使えることは使える。
まあ、月読は擽り月読なんて笑われているけど。
他の月読と違って、多人数同時だったり、中で色々なものや状況を出せたり、五感に刺激させられたり。
できることは多いけど、肝心の攻撃能力が擽りレベルなんだよね。
それに連発も僕のチャクラ量だと厳しい。
スサノオもうまく使いこなせていない。
訓練で試してみたけど、チャクラを全く消耗していない状態から動かないで、10秒で気絶してしまった。
後で周りに聞いてみると、5割程度しか出てきてなかったらしい。
「旦那様、朝食の用意ができましたよ。」
おっと、嫁がぷんぷんと怒りながら話しかけてきた。
やっぱり朝から稽古場に一人こもって瞑想しているのはよくなかったか。
嫁もうちはの出身だけど、嫁の方は忍術もなにも使えない。
うちはの嗜みとして写輪眼は普通に使えるらしいけど、肝心の体が付いていかない。
「きゃ!」
ほら、また何もないところで躓いてる。
慌てて倒れる前に受け止める。
「ほら、身重なんだから気を付けて。おなかに悪いよ。」
もう、とてもひやひやする。
「私だってうちはですよ、そう簡単に転びません。」
ぷんぷんしているところもいじらしい。
よく、お似合い夫婦だと言われる。
ああ、この子が生まれてきたら、三人で色んなところに行ったり、おいしいもの食べたり忍術を教えたり。
色々と楽しみなことがいっぱいだ。
はやく生まれておいで、僕たちの子供、アゲハ。
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「家にて」
今日はご近所に引っ越してきた女の子、アゲハとの料理会。
アゲハのお家でやることになった。
だけど…家の中に入ったとたん思った、この家何かがおかしい。
一見普通の家だしキッチンも普通、違いと言えば外から見た時より明らかに広いくらい…
ってそこがおかしいやろがい!
「なんであんな小っちゃい家にこんな豪勢なシャンデリアがくっついてるのよ!
なんで壁をカニや緑の毛の生えた何かや黄色いヒラメが這ってるのよ!
なんで中庭なんてものがあって、そこに琥珀色のモアイ像が何体も立ってるのよ!
何なら中庭の空ピンクだし!
なんで、なんで…なんでこんなに意味不明なのぉー!」
私は絶叫した。
料理をする以前に、突っ込みどころが多すぎる。
アゲハはなんか自信満々に笑っている。
こんなに小っちゃいのに同い年らしい。
「いいところに気が付いたな。何を隠そう、この私の髪留めにしている蝶が仙術エネルギーを抽出して、このすぺしゃるな像の中にため込んでいるのだ!ざっと1体1年分くらい。」
アゲハはむふー、といった感じで腕組みして答えてくれた。
私は壁にビタンと張り付き、震える声で言った。
「仙術エネルギーって、ナルトのあの力でしょ?あんなものがなんでこんなにあるのよ…。」
ざっと見て普通に10体以上いる。
信じらんない、このおバカ!なんてものを中庭に置いてるのよ…
って言うか、よく見ると髪留めじゃなくて足の生えた蝶だし。
もうこの子、おバカで決定だわ。
ええい、やってやるわよお料理くらい、こんな中でも!
「しゃーんなろー!!」