俺は今、極秘任務で大筒木を追っている。
朝、起きて木の上から降りる。
今日も手掛かりは少ないだろうが、前進はしている。
昨日の定期連絡ではいつも通り、シカマルから物資を送ると連絡があった。
この異空間に物資を届けられる奴なんて、一人しか知らないから、いつも通りだろう。
「おはよー、持ってきたよ。」
初めて会った時から変わらない背丈。
相変わらずな奴だ。
ひとまず荷物を出してもらって、受け取ることにする。
最近は忍具も進化して、持ち運びも楽になったものだ。
「調子はどう?」
「…ああ。」
簡単に答える。
荷物を確認していたが、今回は少し違った。
手紙の入った弁当がある。
差出人はサクラだな、シンプルな便箋だ。
医療忍者らしくなったな、と思う。
朝ごはんの代わりにお弁当を食べてみる。
悪くない。
そのついでに手紙を読み進めてみるが、サラダは大きくなったらしい。
初めてアゲハおばさんの料理を見て、ジト目になっていたらしい。
「…お前は料理が苦手なのか?」
「得意だよ。こないだはチゲ鍋を作ったんだ。とっても辛かったってみんな褒めてくれたよ。」
こいつの感性と大雑把な感覚はよく知っている。
みんな、大変だったな。
「また、次も頼む。」
「じゃあまたね。」
そのまま最初からいなかったかのように消える。
「相変わらずな奴だ。」
そのまま、歩き去った。
私は今、後悔している。
最近ナルトの考えでカワキを引き取ったけど、そのあと少ししてナルトがこの人を紹介してきた。
昔私を助けてくれた人、つまりアゲハだったので驚いた。
あの時は、私を攫った人の服をすべて剥いで落書きしたうえで、翌朝まで木の葉の里の広場に変な格好で縛って放置していたっけ。
懐かしい思い出だ。
それはともかく。
ナルト曰く、緊急時にはとても頼りになるから、知り合っておいた方がいいとのことで会ったけど。
まあ、料理教室で人となりは知ってるけど。
この空間、何?
空色の草原にピンクの空。クレヨンで書いたような雲と太陽。
遠くにはモアイ像が何体もあるし、ヒラメが這っていたり、三毛猫柄のカエルがにゃー、と鳴いていたり。
統一感はどこに行ったんだろう。
一番驚くのは、全部に気配もチャクラも、特別なものが何もないということ。
白眼で見てもこれだからびっくり。
いや、モアイ像だけなんかおかしいエネルギーしているけど。
目の前でアゲハがニコニコ笑ってる。
ちゃんと歳をとれているのか心配になる。
と、しばらく待っているとナルトがやってきた。
なんか、地面から生えてきた。
アゲハに文句言ってる。
「アゲハ、もっと格好いい登場にしてくれ、これじゃあ恰好が付かないってばよ!」
よく見ると地面から生えてきたのでなく、地面に生えた口の中にある舌の上に立ってる。
謎だ。
それにしても、頼りになるとはどういうことだろう。
アゲハはなぜかナルトに対してふんすふんすとしている。
「アゲハは前の大戦から結構裏で動いてくれててな、民間人だけど緊急時はとても頼りになる。知り合っておいて損はないってばよ。」
ナルトが褒めているのを少し羨ましいと思いつつも、この空間に対する謎が気になって仕方ない。
「ここは一体何なの?」
するとアゲハが答えてくれた。
「ここは私の万華鏡写輪眼の中だよ、面白いでしょ。」
遠くでアリが組体操している。
「わかったような分からないような…。でもいざってときはアゲハが頼りになるってこと?」
二人していい笑顔で頷いた。
その後しばらく、この空間について説明を受けたり遊んだりしたけど、さっぱりわからなかった。
いったいあれは何だったんだろうか。
まあ、一応ボルトには伝えておこうっと。