私は大蛇丸様の忠実な僕である。
最近になってサスケとかいう新入りが入ってきたり、君麻呂や音隠れの里の忍びが消えたが、実験として考えると些事である。
むしろもっと大事なことは別にある。
なんと大蛇丸様の両腕が封印されてしまったのである。
これは研究にも支障が出る大事であるため、早急に解く必要がある。
この封印の問題点はうずまき一族の封印であるということはわかっているが、肝心のうずまき一族がすでに消失している点にある。
つまり口伝を知っていたのがおそらくヒルゼンのみなのだ。
そのような理由から、急ぐ必要があるのにまずは情報収集から始めないといけないという問題点から始まっている。
また、問題点はほかにもある。
最近人が減ったはずなのに、調査資料の位置が移動していたり、ページがめくられていたり。
まるで幼い子供がやたらめったら触ったかのような痕跡がある。
このアジトに幼い子供などいないし、いたとしても実験体のみ、また、大蛇丸様の設計に間違いはないはずだから、誰かにばれているなんてこともないはずだ。
そういうわけで多少困りつつも実験は進めている。
うちはサスケ?
何か妙なことを一回だけ聞かれたな…
確か、うちはの細胞を培養していないか、だったかな。
だから大笑いして答えてやったよ。
もしうちはの細胞が手に入って、写輪眼のクローンに成功しているなら、私はここまで苦労していないし、大蛇丸様だって君を手に入れるために必死になったりしないってな。
本当、無駄な時間だった。
さて、あの資料はどこに置いたかな…
なぜかゴミ箱に突き刺さっているんですが、なぜだ。
私は火影である。
その、はずだ。
今はとても困った状況にある。
朝起きたらなぜか平原にいた。空色の草の上にショッキングピンクの空。
クレヨンで書いたかのような雲と太陽。
そのど真ん中に敷いた布団で寝ていた。
訳が分からなくて周りを見れば、なぜか土下座したアゲハがいる。
正直、状況自体が意味不明だが、聞ける人はここに一人しかいないため聞くことにする。
「アゲハ、これはいったい。」
「すみませんでした。」
間髪入れずに返答があるが、聞きたいのはそこではない。
「アゲハ、状況を説明してくれる?」
何度かやり取りすると、しぶしぶといった形で教えてくれた。
どうやらアゲハの左目に関する能力だが、結構制約が多いらしい。
具体的には、作る幻生物には目玉が2個以上必要、主従関係は絶対、ここまではいい。
いわゆる自分の持っている万華鏡写輪眼の数以上には性能上がらないし、下回りもしない。
知能は性能次第だけど、いうことはきちんと聞くということになる。
問題はこれ、設定を具体的に作りこむこと。
バカではなかろうか。忍は作家ではない。いや、作家をしているやつもいるが、忍に創作設定能力を求めないでほしい。
そして飛び切りの問題が一つ。
考え事をしていたら時々勝手に発生します。
初回は視界内に生成されるため暴走します。
飛び切りのバカではなかろうか。
…いや、だが確かにそう考えると今の状況とのつじつまが合う。
ひとまずアゲハのほっぺを引っ張りつつ問う。
「いったい何を作ったか教えなさい。」
半泣きでアゲハが答える。
「体内に異空間を持つカエルを作りました。ちょっと、自来也さんのカエルに興味を持っちゃって…。できたときに急いで迷家に戻したんですが、その時には綱手さんが食べられていました。」
ふと見ると、そこには三毛猫色のカエルが、にゃーと鳴いている。
正直、ジト目になるしかない。
そこでふと気が付いた。
「ねえ、今外はどうなっているの。」
しぶしぶアゲハが答える。
「今お昼ですが、綱手さんが職務ほっぽり出してギャンブルに行ったと思われて里中探しまわられています。
本当、すいませんでした。」
私は非常に慌てた。
「私の評判―!」
後日、アゲハに自分の万華鏡写輪眼について細かく説明させた。
平謝りしてくるから、月読の中で説明させたが、終わった時にはまた半泣きになっていたようだ。
閑話休題