カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜奇跡の先導者〜   作:バンドリーマーV

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第12話「月城ルナ」

 

ルナ「…で、新導クロノはポイント剥奪、と」

 

伊吹『落としどころとしては妥当だろう』

 

ルナ「まぁね…」

 

伊吹『それだけなら切るぞ。今忙しい』

 

ルナ「はいはい、分かってる」

 

 

月城ルナは通話を終え、ため息をついた。

 

 

ルナ「本人もだけど…アンも気にしてるだろうな…」

 

 

翌日、カードキャピタル2号店。

 

 

カムイ「ヴァンガードをやめる!?」

 

クロノ「……」

 

カムイ「聞いたと思うが、あの後シオン達が、お前が正しかったと証明してくれたんだぞ。お前は無罪なんだ。ポイント剥奪は残念だが…俺もユナサン支部にかけあってやる。結論はそれからでも…」

 

クロノ「もういいんです。…お世話になりました」

 

カムイ「えっ、いや、だから…!」

 

 

クロノはデッキが入ったファイカを起き、店を出た。その後、クロノはシオン、トコハ、アンにも、ヴァンガードをやめることを告げ、止めるのも聞かずに去っていった。

 

 

アン「……」

 

 

アンは一人俯き、公園のベンチに座っていた。

 

 

アン(私だって、あの時もっと冷静に対処していれば…新導くん…)

 

 

その時。

 

 

アン「ひゃうっ!?」

 

 

突然頬に冷たいものが押し付けられ、覚えのある展開に振り返る。

 

 

ルナ「また成功…」

 

アン「ルナさん…!」

 

ルナ「はい、これ」

 

アン「あ…どうも…」

 

 

ルナはアンに缶コーヒーを渡し、アンの隣に座る。

 

 

ルナ「コーヒーより苦い顔してるね」

 

アン「…そうですか?」

 

ルナ「…お友達の話は聞いてる」

 

アン「…っ…私、何もできなかった…」

 

ルナ「そうかな?」

 

アン「そうですよ…新導くんは、ヴァンガードやめるって…私には、何も…」

 

ルナ「……」

 

 

 

ルナ「…アン、ファイトしよ」

 

アン「え?でも…」

 

ルナ「いいから。…こういう時はこうするもんなの」

 

アン「…は、はい…」

 

 

 

 

 

ファイカを変形、テーブルとして、アンとルナは向かい合う。

 

 

「「スタンドアップ、ヴァンガード!」」

 

アン「《救装天機 レーシュ》…」

 

ルナ「《ジャッジバウ・撃退者》」

 

 

ルナの先攻だ。

 

 

ルナ「ライド、《誘いの撃退者 フィネガス》。ジャッジバウを移動。ターンエンド」

 

アン「私のターン…マールートにライド。レーシュは移動。レーシュのブースト、マールートでアタック」

 

 

ノーガード、ノートリガーで1ダメージ。ルナのターンとなる。

 

 

ルナ「ライド、《撃退者 ダークブレス・エンジェル》。ジャッジバウのブースト、アタック」

 

アン「ノーガード…」

 

 

ノートリガーで1ダメージ。アンのターンだ。

 

 

アン(新導くんが大変な時に…なんで私、ファイトなんてしてるんだろう…)

 

アン「ベカにライド。レーシュのブースト、ベガでアタック」

 

ルナ「ノーガード」

 

アン「ドライブチェック…クリティカルトリガー」

 

ルナ「ダメージチェック…ドロートリガー、1枚ドロー」

 

 

ルナはダメージ3。ルナのターンだ。

 

 

ルナ「心ここに在らずだね。そりゃそうか」

 

アン「…っ」

 

 

 

ルナ「──来て、私の分身。その激情を、力に変えよ…!ライド!《撃退者 レイジングフォーム・ドラゴン》!」

 

 

ルナはキーカードにライドする。その時。

 

 

アン「…!」

 

 

アンの視界を光が満たした。

 

 

─────

 

 

アン『…!』

 

 

マルクトメレクにライドした自分に、レイジングフォーム・ドラゴンの攻撃が、三回に渡って直撃する。更に、レイジングフォームの姿は闇に飲まれ、巨大な漆黒の竜が…

 

 

─────

 

 

アン「!」

 

 

アンはハッと我に返る。

 

 

ルナ「どうかした?」

 

アン「あ、いえ…」

 

アン(前にも、こんなこと…あれは、クロノとハイメがファイトした時…あ…)

 

 

あの時の楽しそうなクロノと、今の塞ぎ込んだクロノの姿が浮かび、アンの表情は再び曇る。

 

 

ルナ「……」

 

 

 

ルナ「──余所見してると…このターンで消し飛ぶよ」

 

アン「!」

 

ルナ「ダークブレス・エンジェル、フィネガス、《詭計の撃退者 マナ》をコール。マナのスキルで、山札から《血気の撃退者 マウル》をコール。マウルのスキルで、山札からレイジングフォームを手札に加える」

 

 

一気に盤面が埋まる。

 

 

ルナ「マナでアタック」

 

アン「ガード…!」

 

ルナ「ダークブレスでアタック」

 

アン「ガードです…!」

 

ルナ「レイジングフォーム・ドラゴンでアタック」

 

アン「ノーガード…!」

 

 

お互いトリガーはない。アンはダメージ2。

 

 

ルナ「フィネガスのスキルで、レイジングフォームのリミットブレイク発動…!マナ、マウル、ダークブレスを退却。手札から、スペリオルペルソナライド…!パワー+10000!」

 

アン「!?」

 

ルナ「ダークブレスのスキル、山札からマウルをコール。マウルのスキルで、山札からレイジングフォームを手札に加える。レイジングフォーム、再びアタック!」

 

アン「の、ノーガード…!」

 

ルナ「ツインドライブ…!クリティカルトリガー!」 

 

アン「!ダメージチェック…ドロートリガー、1枚ドロー…!」

 

 

アンはダメージ4。

 

 

ルナ「さて…次の手は、分かるよね?」

 

アン「…!また…!」

 

ルナ「限界を斬り捨てろ…リミットブレイク!スペリオルペルソナライド・アゲイン!」

 

 

再び新たな肉体を得たレイジングフォームが咆哮を上げる。

 

 

ルナ「レイジングフォーム、三度目のアタック!」

 

アン「…!完全ガード!」

 

 

アンは先程ドロートリガーで引いた完全ガードを出す。

 

 

ルナ「ツインドライブ…ノートリガー。ターンエンド」

 

 

アンはほっと息をつく。

 

 

ルナ「…うん、やっとファイトに意識がいったいかな」

 

アン「…!」

 

ルナ「ヴァンガード、楽しい?好き?」

 

アン「…はい」

 

ルナ「新導クロノも、同じじゃないかな」

 

アン「え?」

 

ルナ「…ほら、アンのターン」

 

アン「は、はい…」

 

 

 

 

 

アン「ストライドジェネレーション…!《奇跡の運命者 レザエル》!」

 

 

アンはストライドする。

 

 

アン「マルクトメレクのスキルで、マールートをコール。更にハールートをコール。ハールートでアタック!スキルで、ヒーリングパレスをコール」

 

 

 

ルナ「ガード」

 

アン「レザエルでアタック!スキルでブロークンハートとミリオンレイペガサスをコール!」

 

ルナ「ノーガード」

 

アン「トリプルドライブ!ノートリガー…」

 

 

しかしアタックはヒット。ルナはダメージ4。

 

 

アン「ヒーリングパレスのアタック…!」

 

ルナ「ガード」

 

アン「ブロークンハート!」

 

ルナ「ガード」

 

アン「ターンエンド…」

 

 

 

ルナ「ストライドジェネレーション…!《真・撃退者 ドラグルーラー・レブナント》!」

 

 

ハイメとの試合でも使ったGユニットだ。

 

 

ルナ「《幽幻の撃退者 モルドレッド・ファントム》、《氷結の撃退者》をコール。

 

レブナントのスキル。《氷結の撃退者》を退却させて、山札から《撃退者 ダークボンド・トランペッター》をスペリオルコール。自身とダークボンドにパワー+3000。

 

更にダークボンドのスキルで、山札から《恐慌の撃退者 フリッツ》をスペリオルコール。

 

レブナントでアタック…!」

 

 

パワー29000のアタックだ。

 

 

アン「…!ガード!」

 

ルナ「トリプルドライブ…クリティカルトリガー。効果は全てモルドレッドに。モルドレッドでアタック」

 

アン「ガード、ハールートでインターセプト…!」

 

ルナ「ターンエンド」

 

 

 

ルナ「──イメージ」

 

アン「え?」

 

ルナ「アンにとって、新導クロノはどんな子なのか、イメージ」

 

アン「イメージ…」

 

ルナ「ヴァンガードと同じ。イメージすれば分かる」

 

 

 

ルナ「──アンの友達は、そこで終わるほど弱い人だったの?」

 

アン「…!」

 

アン(…私にとっての、新導くん…)

 

 

同じ日にヴァンガードを始めて、共に過ごした時間。

 

ぶっきらぼうだけど、本当は優しくて。

 

素直てないせいで、なかなか本当の自分を人に見せられくて。

 

でも…ファイトしている時は、普段からは想像もつかないぐらい、本当に楽しそうで。

 

 

ルナ「…すぐに立ち直れるんて言わない。けど、新導クロノはヴァンガードが大好きなんでしょ?」

 

アン「あ…」

 

 

 

ルナ『新導クロノも、同じじゃないかな』

 

 

 

アン「…はい」

 

ルナ「だから捨てない。きっと戻ってくる。ヴァンガードが好きなら」

 

アン「ヴァンガードが、好きなら…」

 

 

アン(新導くんは、ヴァンガードが大好きなんだ…私と同じで…。だから私は…新導くんが戻ってくることを信じて…!)

 

 

アン「──行きます!」

 

ルナ「来なよ、アン」

 

 

ルナは笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

アン「ストライドジェネレーション!《聖霊熾天使 ラジエル》!」

 

 

アンはストライドする。

 

 

アン「スキル発動!ダメージゾーンのカードをすべて山札に戻し、山戻したカード1枚につき、山札の上から1枚をダメージゾーンに表で置く。

 

これにより、ナース・オブ・ブロークンハート、サウザンドレイ・ペガサスのスキルが発動!」

 

 

ダメージの増減を引き金に、全体のパワーが大幅にアップする。

 

 

アン「マルクトメレクのスキルで、ハールートをコール!ブロークンハートでアタック!」

 

ルナ「ノーガード」

 

 

ルナはダメージ5。

 

 

アン「ラジエルでアタック!」

 

ルナ「完全ガード」

 

アン「トリプルドライブ!ファーストチェック…セカンドチェック…クリティカルトリガー!効果は全てハールートに!サードチェック…クリティカルトリガー!効果は全てハールートに!

 

ハールートでアタック!スキルでのヒーリングパレスをコール!」

 

ルナ「完全ガード。《カルマ・コレクター》のスキルでカウンターチャージ」

 

アン「…!ヒーリングパレスでアタック!」

 

ルナ「ガード」

 

アン「ターンエンド…!」

 

 

 

 

 

ルナ「いい目になった。けど…まだまだそう簡単に勝たせないよ」

 

アン「!」

 

ルナ「黒き刃で、未来を阻むもの全てを斬り払え…!ストライドジェネレーション!」

 

 

現れたのは、アンが先程のイメージで見た黒き竜。

 

 

ルナ「《暗黒竜 ファントム・ブラスター “Diablo”》…!」

 

アン「…!」

 

ルナ「Gペルソナブラスト。パワー+10000、クリティカル+1、更にスキル獲得。マナをコール。スキルでフィネガスをコール。マナでハールートにアタック!」

 

アン「ノーガード…!」

 

ルナ「《ファントム・ブラスター “Diablo”》で、ヴァンガードにアタック!スキル発動。リアガード3体を退却。このアタックは、リアガード2体を退却させなければガードできない…!」

 

アン(クリティカル2…このアタックを通したら負け…けど、手札のガードはかなりギリギリ…!クリティカルが出ないことに懸けるしか…!)

 

アン「ヒーリングパレスとサウザンドレイペガサスを退却…!ガード!」

 

ルナ「ドライブチェック…クリティカルトリガー。効果は全てモルドレッドに。クリティカルトリガー。こっちも全てモルドレッドに」

 

アン「…!」

 

ルナ「モルドレッドでアタック…!」

 

 

そのアタックを防げず、アンのダメージは6となった。

 

 

アン「負けました…」

 

ルナ「悩みは晴れた?」

 

アン「私は…新導くんを信じます!」

 

ルナ「そっか」

 

 

ルナは笑みを浮かべ、デッキを片付け、歩き出す。

 

 

ルナ「それじゃあ」

 

アン「──ありがとうございました!」

 

 

 

 

 

そして…

 

 

クロノ「ファイカのポイントが消えた事が、あんなに悲しかったのは、楽しんでいた記憶を、消された気がしたからだ…溜まったポイントは、これまであいつらと積み重ねてきた歴史だったから…」

 

 

伊吹コウジとファイトすることになったクロノは、ファイトの中で吹っ切れていた。

 

 

クロノ「けど、全然消えてなかった。俺の中では…!もう、迷わねえ。俺は行く!ギアクロニクル、お前達と一緒に!」

 

 

ファイトには敗れたが、クロノは笑顔を取り戻していた。

 

 

伊吹「次に会うまでに、精々腕を磨いておくんだな」

 

クロノ「今度は必ず、お前を倒す!そして、お前の名前を言わせてやる!」

 

 

その夜。

 

 

ルナ「ふ~ん、伊吹も案外優しいんだね」

 

伊吹「別に心配したわけじゃない。ここで折れられては困るというだけの話だ」

 

ルナ「へ~」

 

伊吹「なんだその目は」

 

 

ルナと伊吹は、喫茶店で話していた。

 

 

ルナ「伊吹」

 

伊吹「……」

 

ルナ「色々動いてるみたいだけどさ…あんまり、1人で無理しないで。私も、同じ本部の人間。手伝えることはあるよ」

 

伊吹「…すまないな、月城」

 

ルナ「こういう時は、謝るより"ありがとう"」

 

伊吹「フッ…そうだな」

 

 

《~続く~》

 

 

 

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