カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜奇跡の先導者〜   作:バンドリーマーV

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第4話「安城トコハ」

 

ヴァンガード普及協会・ドラゴンエンパイア支部。

 

アン「ここが…」

クロノ「ドラゴンエンパイア支部」

シオン「基本的には協会のオフィスなんだけど、1階から3階までは、ヴァンガードのアミューズメントスペースになってるんだ」

クミ「へぇ〜…」

トコハ「みんな、クエスト受けてくれてありがとうね〜!」

 

先に来ていたトコハが、四人を出迎える。

 

トコハ「見ての通り、今やってるイベント大盛況でさ〜、とにかく人手不足で!」

 

ツネト「トコハちゃ〜ん!クエスト受けて来たぜ〜!」

 

トリニティドラゴンの三人もやって来た。

 

トコハ「多度達も受けてくれたんだ、ありがと!じゃあ早速…」

 

トコハが説明しようとしていると、二十代半ば程の青年が歩み寄って来た。

 

「トコハ!イベント手伝ってくれる人、見つかったかな?」

 

トコハ「あ、兄さん!友達が受けてくれたよ」

 

「そっか、みんなありがとう」

 

ツネト「ま、マモルさんッ!」

 

アン「多度くん?」

 

ツネト「た、多度ツネトっていいますッ!マモルさんとお会いできるなんて…!」

 

アン「…?あ、日下部アンです」

 

マモル「あぁ、トコハから聞いてるよ。よろしくね」

 

トコハ「あ、紹介しとくね。私の兄さん、安城マモル。ここで働いてるんだ」

 

ツネト「あ、アンちゃん知らないの!?かげろうのクランリーダーであるマモルさんを!?」

 

アン「クランリーダー?」

 

トコハ「クランリーダーっていうのは、普及協会が認めたトップファイターのこと。各クランに1人ずついるの」

 

マモル「あはは…まだまだ修行中だけどね」

 

「有名人だねぇ、マモルきゅん」

 

そう言って歩み寄って来たのは、アロハシャツでヒゲ面のおっさん。

 

マモル「支部長!?仕事はどうしたんです!?」

支部長「あ、え〜と、ちょっとだけ参加者とファイトを〜と…」

マモル「支部長…今朝確認した時は、そんな暇はなかったはずですが?仕事してくださいッ!」

支部長「…声かけるんじゃなかった」

 

アン「えっと、ここの支部長さん…なんですか?」

支部長「うんうん、よろしくね〜!ところで君?挨拶がわりにボクとファイトでも…」

 

マモル「支・部・長!!」ギロリ

支部長「ひいっ!」

マモル「じゃ、僕は一旦戻るから、みんなよろしくね」

支部長「ごめ〜んマモルきゅ〜ん!引っ張らないで〜ッ!」

 

マモルは支部長を引きずって歩き去った。

 

クロノ「……あんな人が支部長で大丈夫か?」

トコハ「あ、アハハ…。いざって時には頼りになるんだよ。ファイターとしても一流だし」

アン「そうなんですか?」

シオン「なるかみのクランリーダーだからね。あの人の強さは底知れない」

アン「へぇ…!」

 

トコハ「兄さんはいつも大変そうだけどね」

シオン「そっか…けど羨ましいな。」

トコハ「え?」

シオン「お兄さん。身近にあんな凄いファイターがいたら、学べることだらけじゃないか」

トコハ「……っ……」

 

アン「…?」

 

トコハ「……めんどくさい時もあるよ」

シオン「そっか…実の妹なら、そんなものかもしれないね」

 

アン「…………」

 

トコハ「──さぁて、始めるわよ!」

 

 

 

 

 

その後はチラシ配りや入場者案内などをしてあっという間に時間が過ぎる。

 

休憩時間、アンはトコハとツネトがファイトしているのを見ていた。

 

トコハ「私の勝ちね!」

ツネト「ぐぬっ…地区予選では、俺の実力を見せつけてやるからな!覚悟しろ!」

 

ツネトは悔しそうに言うが、

 

トコハ「私、出ないし」

 

トコハはあっさりと言った。

 

ツネト「なんでなんで?どうして出ないの大会!」

トコハ「いいじゃない別に」

カル「自分の力を示すチャンスですよ!?絶対出るべきですよ!」

トコハ「…興味ないから、そーゆうの」

ツネト「えぇ~!?一緒に、てっぺん目指そうよー」

 

トコハはやたら乾いた態度で受け流していたが……

 

ツネト「マモルさんの妹の名が泣くぜ?」

 

トコハ「…!」

 

その言葉を聞いたとたんに冷静さを無くす。

 

トコハ「うるさいッ!もうほっといてよ!!」

 

怒鳴られてビクッとするツネト達。

 

トコハ「……ごめん」

 

トコハはデッキを片付け、歩き去った。

 

アン「…………」

 

アンは黙って後を追う。

 

 

 

 

アン「トコハちゃん」

トコハ「あ…アンちゃん。……さっきはごめんね?気まずい感じにしちゃって」

アン「いえ…お気になさらないでください」

 

うつむくトコハ。

 

トコハ「なんとなく、出る気になれなくて…」

 

アン「……勝てば、安城マモルの妹だから……負ければ、安城マモルの妹なのに……ですか?」

 

トコハ「…!……うん、そう。よくわかったね」

 

アン「あはは…なんとなく」

 

トコハ「兄さんのせいじゃない、私のせいでもない。分かってるけど…」

 

アン「…………」

 

トコハ「……あぁあもう!うじうじしてたって仕方がない!アンちゃん!ファイトしようファイト!気分転換したい!」

 

アン「あ…は、はい!」

 

アンはデッキを取り出した。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」

 

 

 

 

 

トコハ「アーシャでアタック!」

 

アン「ガード…!」

 

 

ファイトが続く中…

 

 

アン「トコハちゃん」

 

トコハ「なに?」

 

アン「蒸し返すようで申し訳ないんですけど……私もあったんですよね、似たようなこと」

 

トコハ「え?」

 

アン「私、5つ年上の姉がいるんですけど…姉さん、昔から勉強もスポーツもなんでもよくできて…だから私も色んな人から期待されちゃって」

 

トコハ「……」

 

アン「あの子の妹さんなら安心だね〜とか、あの子の妹ならきっと才能あるだろうとか。けど私は、何をやっても平均程度の結果しか出せなくて…大人の人達は表面上は繕ってるつもりだったんでしょうけど、内心がっかりしてるのが子供の私に分かるぐらい隠せてなくて」

 

アン「姉さんがやってるのを見て楽しそうだなって思って、スポーツやってみたりピアノ弾いてみたり…色々やったなぁ…。最初は下手なりに楽しかったのに…。比べられてばっかりなのが嫌になって、結局全部やめちゃいました」

 

トコハ「アンちゃん……」

 

アン「でも、姉さんのお友達が…」

 

 

 

?『アンはアンなんだから、リンにはなれなくて当然。勝手に期待して勝手に失望するような阿呆共の視線なんか気にしてるからつらいんだよ』

 

?『そんな自分勝手な奴らなんて、クソ喰らえって言ってやればいい。アンはアンにできること、自分らしくやれればそれでいいんだから』

 

 

 

アン「言い方は乱暴でしたけど、おかげで吹っ切れたのはほんとです。自分が自分らしくいられれば、誰が何て言っても関係ないんだって」

 

トコハ「…………」

 

アン「……長く話し過ぎちゃいましたかね。続き、しましょうか」

 

トコハ「……うん」

 

 

 

 

 

アン「降臨せよ、全てを癒す鋼の翼…!ライド!《特装天機 マルクトメレク》!」

 

 

鋼の天使が舞い降りる…!

 

 

アン「ストライドジェネレーション!《聖霊熾天使 ラジエル》!」

 

 

新たなGユニットをストライドするアン。

 

 

アン「スキル発動!ダメージゾーンのカードをすべて山札に戻し、戻したカード1枚につき、山札の上から1枚をダメージゾーンに表で置く。

 

これにより、ナース・オブ・ブロークンハート、ミリオンレイ・ペガサス、サウザンドレイ・ペガサスのスキルが発動!」

 

 

ダメージの増減を引き金に、全体のパワーが大幅にアップする。

 

 

トコハ「パワーが…!」

 

アン「ブロークンハートでアタック!」

 

トコハ「の、ノーガード!…トリガーなし」

 

アン「ラジエルでアタック!」

 

トコハ「ノーガード…!」

 

アン「トリプルドライブ!」

 

 

懲罰の守護天使 シェミハザ

 

ナース・オブ・デンジャーハート

 

 

トコハ「ダブルクリティカル…!?きゃあっ!?」

 

 

一気に3ダメージ。このままではダメージ6だ。

 

 

トコハ「…!」

 

 

二枚目まではトリガーなし。

 

トコハ「……」

 

 

 

トコハ(……私は、私らしく……)

 

トコハ(どんな時も前向きに、突き進む…!それが、私!)

 

 

【《フェアリーライト・ドラゴン》治】

 

トコハ「ヒールトリガー!ダメージ1回復!さらにアーシャにパワー+5000!」

 

アン「…!ミリオンレイでアタックします!」

 

トコハ「まだまだ!お願い、《100%・オーランジュ》!」

 

 

【《100%・オーランジュ》守護者】

 

 

アン「完全ガード…!た、ターンエンドです」

 

トコハ「ふふ…!安城トコハは、これくらいじゃビクともしないんだから!」

 

アン「トコハちゃん……はい、その意気です!」

 

トコハ「よぉし、次は私の番!ジェネレーションゾーン、解放!」

 

 

【コスト《開墾の戦乙女 パドミニ》】

 

 

トコハ「今こそ咲き誇れ、我が輝ける未来に! ストライドジェネレーション! 」

 

 

時空を越えてやってきた、春を象徴する乙姫。

 

 

トコハ「《立春の花乙姫 プリマヴェーラ》!」

 

 

【《立春の花乙姫 プリマヴェーラ》G4 15000+15000→26000】

 

 

────────────────

トコハの盤面

R(ケラ) V(ヴェーラ) R(空き)

R(ディアン) R(オズ) R(空き)

 

ダメージ5

────────────────

 

 

トコハ「行くよ、アンちゃん!ディアンのブースト、ケラでアタック!」

 

アン「ガードです!」

 

トコハ「よぉし!プリマヴェーラでアタック!スキル発動!」

 

 

カウンターブラスト3に加え、ドロップゾーンからノーマルユニットを5枚選び、山札に戻すという高いコスト。だがその分メリットも大きい。

 

 

トコハ「リアガードを2枚まで選び、そのユニットと同名のカードをそれぞれ2枚までスペリオルコール!」

 

アン「!!?」

 

トコハ「私はケラとディアンを選ぶよ!」

 

 

既にアタックを終えたケラとディアンは入れ替えで退却し、新たにケラとディアンが2体ずつコールされた…!

 

────────────────

トコハの盤面

R(ケラ) V(ヴェーラ) R(ケラ)

R(ディアン) R(オズ)    R(ディアン)

 

ダメージ5

────────────────

 

アン「ノーガードです…!」

 

トコハ「トリプルドライブ!」

 

 

【《開墾の戦乙女 パドミニ》なし】

【《メイデン・オブ・ディモルフォーセ》☆】

【《フェアリーライト・ドラゴン》治】

 

 

トコハ「クリティカルはプリマヴェーラ、パワーは右のケラに!」

 

アン「きゃあっ!?」

 

5ダメージ。

 

 

トコハ「左のケラでアタック!」

 

アン(どっちかは必ず通っちゃう…!なら…!)

 

アン「ノーガード…!」

 

 

アンのダメージは6となり、トコハが勝利した。

 

 

トコハ「そっか…そうだよね。自分のファイトが出来れば、他の人がなんて言ったって関係ない。…うん、なんかスッキリした。ありがとう、アンちゃん!」

 

アン「い、いえ…!」

 

トコハ「そうだ、アンちゃんは地区予選出ないの?」

 

アン「え!?私まだ初心者ですし…。…でも…ちょっと出てみたい、かも…?」

 

トコハ「そっか…大会は三人のチーム戦だし…よかったら、一緒に出ない?」

 

アン「…!はい!」

 

 

 

 

その後、イベントの手伝いに戻り、アンがトコハと別れてチラシ配りをしている時のことだった。

 

アン「あっ…」

「…ん?」

 

以前会った白い長髪の青年と目があった。

 

アン「ど、どうも…」

「…あぁ」

アン「えっと…」

 

 

マモル「伊吹くん!」

「ん…」

マモル「やっと見つけた!本部の人が呼んで…あれ、アンちゃんも」

アン「あ…お疲れ様です」

 

マモル「ありがとう。そうだ、紹介しておこうか。彼は伊吹コウジ君。ユナイテッド・サンクチュアリ支部で働いていて、僕とは…」

 

伊吹「…安城、何か用があるんじゃなかったのか」

 

マモル「あぁ、そうそう!本部の人が伊吹くんを探してたんだ」

 

伊吹「そうか。すまんが俺は戻るぞ」

 

伊吹は歩き去った。

 

マモル「ごめんね、ドタドタしてて」

 

アン「いえ。お疲れ様です」

 

マモル「ありがとう。そうだ、トコハから聞いたよ。一緒に大会に出るんだって?」

 

アン「あ、はい」

 

マモル「あの子にいい影響を与えてくれたみたいで、本当にありがとうね」

 

アン「い、いえ、そんなこと…!」

 

マモル「そうかしこまらないで。…これからも妹のこと、よろしくね」

 

アン「──はい!」

 

 

《続く》

 

 

 

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