終焉に愛された子は開拓の旅を歩むか?   作:Jr.404

2 / 6
 ようやく書き終わったので投稿します。まだ1話だけの投稿にも関わらず見ていただきありがとうございます。


2話「壊滅の使徒」

 

「本当に、ソーマ...なのか?」

 

「その声...ヴェルト、先生ッ⁈な、なぜ貴方が...!」

 

 

 ソーマは本来ならこの世界には居ないはずの人物..."ヴェルト・ヨウ"の姿を見て絶句してしまう。ヴェルトのそっくりさんではないかと疑ったが、かつて自分のいた世界でキアナ達と共に世界を守る為に戦い、ブローニャと同じように師として導いてくれた数少ない尊敬する大人のひとりでもあった。

 

「少し...場所を変えよう」

 

「わ、分かった...」

 

 目立つ事を危惧してヴェルトはソーマに場所を変えるように促し、あまり人気のない所へ移動する。宇宙ステーションの廊下エリアまで移動するとようやくお互いを確認し合う。

 

「...オレの見間違いじゃなければ、ソーマ...君本人で間違いないか?」

 

「ああ...合ってるよ、ヴェルト先生。...かつて聖フレイヤ学園の生徒であり、先生たちと共に戦った...ソーマ・アストラ本人で合ってる」

 

「ッ⁈...やはりソーマ、お前なんだなッ...!」

 

 ヴェルトは生き別れた息子を見るような目でソーマを抱き止め、感動の再会を喜ぶ。

 

「何があったのかは知らない...だか、よく...無事でいてくれた...!」

 

「ヴェルト先生ッ...!本当に、ただいまッ...」

 

 父親のように抱き止められた事にまんざらでも無かったのかソーマは静かに口を緩ませながらヴェルトと再会を喜ぶ。

 その後しばらく落ち着いてからはお互いに自分達の身に起こった状況や出来事を知る為に情報を共有する事にした。

 どうやらヴェルトはソーマとは別口の手段でキアナ達のいる世界とは違う別宇宙へ目的があって渡ってきたみたいでその道中、自身の宇宙船が故障し彷徨ってた所を"星穹列車"と呼ばれる宇宙船?の人達に保護され、今はその人達...ナナシビトと呼ばれる仲間達とともに宇宙を旅しているのだとか。

 その際にたまたま偶然宇宙ステーションヘルタに入港していたタイミングでまさかの奇跡の再会を果たすという結果となったのである。

 

「まさかそんな事が...それじゃあ今はヴェルト先生達はその人達と行動を共にしているって事?」

 

「ああ、正確にはもうひとり連れがいたんだが...まぁ途中で下車してしまってな。とりあえずこの話はいいだろう。それよりも...お前がまさかあの大天才のひとりであるマダム・ヘルタの元で保護されて働いているとはな」

 

「ちょっとクセの強い人だけど、彼女に拾われたおかげで今こうして先生に奇跡的に会うことができんだ。偶然とはいえ、まさか故郷の知り合いに再び再会できるなんて...」

 

「フッ、確かにそうだな」

 

「その...ヴェルト先生、キアナ達は...元気にしてた?」

 

「...正直に言ってあまりよくはない。勿論皆無事だがソーマのことを見つけ出す事が出来なかったせいでひどく彼女達は気を病んでいる」

 

「やっぱり...」

 

「だかようやくこうして奇跡的に出会う事が出来たんだ。...やっとオレも心の重荷が降りた気持ちだ」

 

 やはりというべきか、最後に別れたキアナ達は今でもひどく落ち込んでおり、ソーマのことを未だに見つけられてない事にかなり精神的なダメージを負っている。出来る事ならすぐにでもキアナ達に無事である事を伝えたい所だか、それが出来ていたらもうとっくにヘルタの手腕で地球に帰る為の座標を特定できているはずである。

 

「ソーマ、もし良ければだか...お前もオレがお世話になっている星穹列車の元へ来てみないか?オレとしてもソーマを連れて帰る為に手元に置いておきたいという理由もある。どうだ、考えてみてくれないか」

 

「それは是非とも願ってない事だけど...ただ今の俺はヘルタの助手という役職があるから一旦帰って彼女に相談してみないと」

 

「なるほどな...そういう事なら分かった。なら先に一旦"星穹列車"の仲間たちと会ってみないか?彼らにもこの事を相談したい」

 

「それで構わない。けどさっきから行っていた星穹列車?ってまさか今宇宙ステーションの港で停車してるあの列車型の宇宙船のことだったりするのか?」

 

「フフ、ああそうだ。その様子だとまだよく見れていない感じだな?ならばオレが案内しよう」

 

 

 ヴェルトの提案でソーマは一度星穹列車の人員に会ってみるという形で話を進むが、そのやり取りの途中で何やら宇宙ステーション内の様子が慌ただしくなり出した。

 何らやら良くない事態が発生しており、ソーマの手元にある携帯端末からは室長であるアスター本人から緊急の救援要請の通達が鳴り響いていた。

 

「...先生、悪いけど予定はキャンセルだ。どうやら宇宙ステーションで異常自体が発生したみたいだ。俺は室長達の安全を確保しないといけないからヴェルト先生は先に仲間達の元へッ!」

 

「ひとりで大丈夫なのか⁈」

 

「これでも長い間ヘルタの助手をやってたんだ、大丈夫!それに先生は俺がキアナと同じ最強格の律者である事を知っているだろ?」

 

「...分かった。だか無茶はしないでくれ。それと、もしかすると道中で列車の仲間達と鉢合わせするかも知れん、そのときは彼らも保護してほしい!」

 

「分かった、ヴェルト先生!貴方も無事で!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 急いでアスター室長達がいる場所まで急行するとそこでは研究職員が逃げ周りながら、アスターの護衛であるアーランが必死に迫り来る敵を自身の大剣で受け止めながら反撃していた。

 

「コイツはまさか...反物質レギオンッ⁈何でこんなところにも...ッ‼︎アーラン今助けるぞ‼︎」

 

「ソーマか!助かる‼︎」

 

 急行するソーマはアーランに襲い掛かるレギオンの怪物達をいつの間にか手にしていたハンドガン状の武器を両手に持ち、狙いを定めて的確に敵の急所を撃ち抜く。

 ソーマの存在に気付き、包囲するようにレギオン共が襲い掛かるがそのまま鮮やかな動きを繰り出しながらムーンサルトの要領で空中ジャンプし、レギオンを足場にしながら手にした二丁拳銃でガン・ガタ戦法を駆使し、銃口から放たれるエネルギー弾の弾幕で次々と撃ち抜いていく。

 

「ソーマ、悪いが向こう側の通路エリアの避難者の救助を頼む!お嬢は先に避難誘導をしているが、別口側にもレギオン共が侵入している!」

 

「分かった!アーランの方は無事か⁈」

 

「まだ軽傷だ、自力で何とかなる。頼む、今お前しか急行できるヤツがいない」

 

「分かった、けど無茶はするな。アーランは先にアスター達と合流を!」

 

「すまん!」

 

 

 

 

 

 逃げた先の避難者を追いかけているレギオンを排除する為にアーランに頼まれたエリアルートを急行すると、そこには見知らぬ者達が撤退しながらレギオンを相手に応戦している様子が見えた。

 黒髪の見慣れない服装をした槍を持つ青年に、ピンク髪が特徴的な弓使いの少女が戦っており、初めて見る顔ぶれからしてもしかすると彼らがヴェルトが言っていた例の列車の仲間達である可能性が高いと察知し、救援に向かう。

 

「そこのふたり!救援に入る、援護をッ!」

 

「えっ⁈だ、誰なの⁉︎」

 

「三月、どうやら援軍のようだ、感謝する!」

 

 その場に飛び込んだソーマはレギオン共を手にした二丁拳銃で撃ち抜き、列車組のふたりに援護してもらいながら、次々と迫り来るレギオンを撃退していく。

 味方を減らされて不利を悟ったのか一体だけ逃走を図ろうとする個体が現れる。

 

「逃すか!」

 

 ソーマのいる背後から背中を向けて逃げようとするが自身の力で指先から形成したエネルギーワイヤー状の糸で相手の足を絡め取り、此方へ引き込む。しつこく地面に刃を立てながらしがみつくレギオンを力尽くで引っ張り寄せ、空中に投げ出された敵を素早く手にしたハンドガンをバット型の武器に変質させながら全力でフルスイングをかます形で此方に引き寄せたレギオンに叩き込む。

 

「そのまま星に...なって、こいッッッ‼︎」

 

 ホームランの球のように撃ち飛ばされたレギオンは丁度自分達で突き破ってきたステーション天井の防護バリアーの穴から打ち返されて飛んでいき、流れ星のように消えていく。

 その後は直ぐに破かれた天井の穴が自動修復され、何ごとも無かったように元の透明な天井ルームに戻る。

 

「ふう...スッキリしたぜ。...そこのお二人さんは無事か?」

 

「 あ、ありがとう、ウチらを助けてくれて!え〜と...」

 

「ああ、まだ名乗ってなかったな。俺はこの宇宙ステーションヘルタの持ち主であるマダム・ヘルタの助手員をやっているソーマ・アストラという者だ。よろしく」

 

「あ、うんよろしく。ウチは三月なのか!で、こっちは」

 

「丹恒だ、よろしく頼む」

 

「三月なのかさんに丹恒さんか...うーん、聞き慣れない名前だな?ということはやっぱりアンタ達は例の星穹列車の人達で合ってるか?」

 

「うん、そうだよ。って、あ!忘れてた!あの〜ソーマ、さん?ちょっと保護してほしい子がいるの!」

 

「保護してほしい子?もしや身元がわからないのか?」

 

「此方で一旦保護している。来てくれ」

 

 なのかと丹恒に案内されながらその場所に来るとそこには気絶しているのか灰色の髪色をした特徴的なジャケットコートを羽織っている少女を見つける。

 どうやらふたりにはここの関係者なのではないかと聞かれるが残念ながらうちにはこんな見た目の女の子は見た事は無く全く見に覚えもないのでおそらく列車組の人達のようによそからやってきた客人だろうと結論をつける。

 しばらくしてから例の女の子が目を覚まし、身元確認の為に質問する。

 

「お前さん、自分が誰なのかわかるか?仲間や所属とかは?」

 

「...分からない。...多分、名前は..."星"だと思う」

 

「星か...。分かった、それ以外は分からないか?」

 

「何も、思い出せない...」

 

「参ったな...どうすれば」

 

 ソーマが身元の分からない彼女の扱いをどうするか頭を抱えて悩んでいると、例の女の子、星は何かを思い出すようにソーマの顔を見つめる。

 

「あなたは...あのときの」

 

「?俺のことを知っているのか?けど俺はアンタと顔を合わせた覚えは...」

 

「うーん、私の気のせい?」

 

 埒があかないので一旦話は後にし、記憶喪失気味な星を抱えて丹恒達と共にアスター室長やアーラン達がいる避難先に合流することを急いだ。

 

「アスター、アーランすまない遅れた!」

 

「大丈夫だよ。ソーマやアーラン達が阻止してくれたおかげでみんな安全エリアに避難させることが出来たから」

 

「ハァ...良かった。一応俺と列車組の人達で何体か殲滅出来たからもうほとんど脅威は排除できたと思う。そっちは?」

 

「こっちは星穹列車の"姫子"さんの支援もあってあらかた脅威は片付いたからもう大丈夫よ」

 

「そうなのか?」

 

(今、姫子って...気のせいか?)

 

「あら?アスター所長さんの所の研究者さんかしら?こんにちは、私は開拓の道を目指す星穹列車のナビゲーターをやっている"姫子"よ。同じ研究の道を目指す者同士、仲良くしましょ?」

 

 アスターからの話に反応してソーマの前に現れ、自身の事について自己紹介をしてきた女性が現れる。

 その姿を見た途端、ソーマはまるで金縛りにあったかのように固まり、頭を鈍器で殴られたような、或いは信じられないものを目にしたかのような表情をして目を見開く。

 

「え...?ウソ、だろッ...?だって...彼女は...」

 

「えーと、どうかされたのかしら?」

 

 最初は幻覚を見ているのかと自身の目を疑った。しかしどう見ても見間違いようがなかった...その姿、声、髪色...どれを見ても似ていた。いや...似過ぎていた。

 だが、あの人はもういないはず...。ならば目の前にいるのは...。

 

 ソーマが目の前の彼女に衝撃を受けていると、突然宇宙ステーション内から侵入者警報のエラーが鳴り響く。

 急いで監視モニターを確認すると、宇宙ステーションヘルタの特殊防壁ミラーを突き破って侵入を試みて来る巨大な怪物の姿が画面いっぱいに映っていた。

 

「アレは...確か"終末獣"⁉︎なんでこんな奴まで!」

 

「ッ‼︎皆は直ぐにこの場を脱出して!あとは私が何とかするから!」

 

「みんな急ぎましょう!」

 

「ソーマ、あなたも彼らの脱出の支援をお願い!」

 

「大丈夫なのか!」

 

「港を封鎖されてもしたらどの道みんな逃げる事が出来なくなる!お願いソーマ、こっちはアーランと一緒に何とかするから!」

 

「分かった!無茶だけはするな!」

 

 宇宙ステーションの制御管理をアスター達に任せて、ソーマはなのか達列車組の脱出ルートを支援する為に共に同行することになる。

 宇宙ステーションの港区近くまで来るとそこにはいくつかの宇宙船の中にヴェルト本人が言っていた例の星穹列車らしき大型の運行車両と思われる宇宙船が確認できた。

 後は列車組の人達が何とか星穹列車に乗り込めれば、護衛対象が減る分、此方の状況はマシなってくる。だが列車まで後少しというところで例の宇宙怪物に宇宙ステーション内へと侵入されてしまい、此方の行手を遮るように割り込んでくる。

 

「チッ、後もう少しってところで!星、悪いけどアンタも戦える準備をしてくれ!」

 

「う、うん!分かった!」

 

 合流する最中に一人だけ手ぶらだと危険な為、なのかあたりが見つけて渡してくれた武器であるバットを片手に構える星。それを見ていたソーマはそのバットを見て昔の幼馴染であったキアナのことを一瞬思い出すが、一旦考えを振り払い、戦闘体制に入る。

 例の巨大な怪物、終末獣が咆哮を上げ、体内から虚数エネルギーらしき力を纏わせて此方に襲いかかってくる。

 

「みんな構えて‼︎攻撃が来るわよ‼︎」

 

 姫子の合図と共に全員身構えて終末獣の巨大な腕による振り払いを回避していく。

 敵の攻撃を回避した後、なのかは弓で氷元素の矢の弾幕を撃ち込み、姫子は自身の自立ドローンでレーザーを撃ち込む。

 そのタイミングで丹恒と星、そしてソーマが終末獣の弱点らしきコア部分を執拗に狙いながら自分達の近接武器で叩き込んでいくが、中々に硬いのか金属の壁に阻まれたように弾かれてしまう。

 

「離れろ!俺が直接破壊するッ‼︎」

 

 列車組が応戦して注意が散漫になっている終末獣に対してソーマは虚数空間から取り出した特徴的な黒い大剣を持ち出して突貫していく。ソーマの気配に気付いた丹恒と星がその場を退避し、終末獣も迫って来るソーマを排除する為に虚数ゲートから何本ものレーザー弾を撃ち込んでいくが、それら大半を吹き飛んで来た残骸などを盾代わりにしながら回避していき、ソーマ自身も虚数ゲートを利用してワープするように瞬間移動をして肉薄していく。

 終末獣は自分と同じ力を使って挑んでくるソーマに驚き、巨大な両腕を振り回して薙ぎ払うが逆に腕を足場にされ、そのタイミングでソーマは手にした大剣の力を解放していく。

 

「硬くて破れないなら直接焼いて溶かしてやるまでだッ‼︎受け取れ、"天火聖裁"ッッッ‼︎」

 

 手にした大剣が変形するように刀身がスライドし、蒼く激しく燃え広がる炎が暴れ狂い、終末獣の周りを囲むように蒼炎が包み込んでいき、レーザーソードのように伸びた炎の大剣を直接敵のコアに目掛けて叩き込む。

 終末獣が咄嗟に両腕を構えてコアを守ろうとするが、終末獣の腕がバターのように溶けて斬り裂かれ、そのままコアごと斬られながら爆炎に包まれていく。

 炎が晴れ出すとそこには溶けて剥き出しになった無防備なコアが見え、ソーマは素早く星達に反撃の合図を送る。

 

「今だッ‼︎全力でコアを狙えッ‼︎」

 

「ッ!分かった!」

 

「す、すごい!あんなデッカい怪物がボロボロに...!」

 

 ソーマの合図と共に列車組全員で自分達の持てる最大火力の一撃を叩き込んでようやく終末獣は沈黙をするが、完全に核を砕ききれなかったのか再びボロボロな体を無理矢理叩き起こして暴れ出す。

 道連れにするつもりなのか、自爆覚悟で自身の虚数エネルギーを最大火力に変換して大出力のレーザーを解き放とうとしており、ソーマ達は絶体絶命な状態に陥る。

 

(こうなったら奴を虚数空間ごと封じ込めて...いや、ダメだッ!防げても結局余波で無事じゃすまない!こうなったら俺が...‼︎)

 

 予断を許さない状況で覚悟を決めて自身が盾になろうと律者の力を解放して虚数空間を開こうとしていると近くに居たはずの星がいつの間にかなのか達を守るように前に立っており、終末獣のレーザーが解き放たれたのと同時にその余波が襲いかかってきた。

 ソーマによって無理矢理レーザーを虚数空間に送り込んでいくが、そのエネルギーの奔流が星の元へ直撃する。しかし、その場で予想外なイレギュラー現象が現れた。

 

「なッ⁈」

 

 余波をまともに食らってしまったはずの星から見た事もない黄金色のエネルギーの奔流が胸元から溢れ出し、次の瞬間にはその場にいた終末獣を謎のエネルギーで覆い尽くし、蒸発するように消滅させてしまう。

 

「うぐッゔがあああッッッー‼︎」

 

「きゃああッッ‼︎」

 

「なのか離れろッ‼︎」

 

 謎の力に暴走したように悶え苦しむ星を何とか抑えようとソーマが掴みかかるが、彼女に触れた瞬間に謎の力の逆流と意識の干渉攻撃を受け、弾き飛ばされる。

 

「くゔッッ‼︎」

 

 ソーマの意識内に不可解な虚数エネルギーの力と深淵の宇宙から覗き込んでくる此方を見据えた長髪の白髪の褐色肌をした男の顔が見えた。

 

(また"あの男"かッ...!)

 

 どうやら星は例の存在に一瞥された可能性が高い。これから彼女にどんな災厄が降りかかるかは分からない。しかし今は暴走している彼女を押さえ込まなければ。

 しかしその時、エネルギーの奔流で爆発しそうな状態に陥っている寸前の星の目の前に思わぬ助っ人が現れ、その人物は星のいる懐に飛び込んで来た途端に手にした杖らしき得物を星の顔元に軽く叩きつける。すると先程までの暴走が嘘みたい収まり、倒れてきた星を慌てて抱き上げ、容態を確認すると気絶しているだったようで脈は正常な状態であったことにホッとする。

 

「ハァ、良かった...。随分と登場するの遅くないか?ヴェルト先生?」

 

「すまないな。だがヒーローは遅れて登場するものだと相場が決まっているだろう?」

 

「相変わらずだな先生は。ハァ...後始末...ヘルタにどう説明するか...」

 

 ニヒルに笑いながら眼鏡を正す同郷の恩師を見ながらこの後の後始末対応に溜息が止まらないソーマであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。