夕日が落ち、薄暗くなってきた人気の少ない道を、買い物を終えた明音は帰路に着いていた。自転車のカゴには、夕飯の食材が詰め込まれた袋。その隙間から、買ったばかりのネギがひょこりと顔を覗かせている。明音はそんな日常の光景を横目に見ながら、何気なくペダルを漕いでいた。
その背後から、危険が迫っているとも知らずに。
明音の後方。夕暮れの薄闇から、ゆっくりと現れたのは、先程彼女に痛い目を見せられたあの男だった。
男は明音の姿を確認すると、口元を歪める。先程まで人間の顔をしていたその表情には、邪悪な笑みが浮かんでいた。
そして次の瞬間。男の身体が、異形へと変貌する。
男は、日頃から道行く気弱そうな人間に難癖を付けては、金品を巻き上げる行為を続けていた。大人しく差し出すなら、それでよし。愚かにも自分に刃向かったり、恥をかかせた者には──こうやって人気の少ないところで待ち伏せして、正体を現した上で両爪の餌食にしてきたのだ。
いつしかそれが、人を襲う化け猫の都市伝説として噂になっていたのだが、それを男自身が知る由も無い。
黒い怪猫のトルドボーグ。それが、男の正体だった。
キャットルド
明音に狙いを定めたキャットルドは、右爪を構える。その黄色い目に、獲物を逃がす気など微塵も無い。そして──。
地面を蹴った。明音へと一気に突撃する。
「変身!!」
──走りながら変身を終えた真由。
そのまま勢いを殺すことなく、仮面ライダーシルク渾身の体当たりがキャットルドを捉えた。黒い怪猫の身体が宙を舞い、雑草の生い茂る空き地へと吹っ飛ばされる。
突然の物音に気付いた明音が振り返る。しかし、そこには誰も居ない。何が起きたのか分からず、明音は首を傾げる。だが、いつまでも立ち止まっているわけにもいかない。
明音は再び自転車をこぎ、何事も無かったかのように無事に家路につくのだった。
「テメェ……
「あの人には、指一本触れさせない!!」
「舐めやがって……やんのかゴラァ!」
キャットルドが跳躍し、襲いかかる。シルクはその姿を捉え、テレポーテーションで攻撃を回避する。
空を切った爪。その勢いのままよろめくキャットルドの背後へと、シルクが瞬時に回り込む。そして、拳を叩き込んだ。
続けざまに二発、三発。
パンチのラッシュを繰り出し、キャットルドの身体を後退させていく。最後に、勢いを乗せた回し蹴り。まともに食らったキャットルドは、大きく吹き飛ばされた。地面を転がった後、よろよろと立ち上がる。
キャットルドは忌々しげにシルクを睨み、喉の奥から唸り声を鳴らした。
「チッ、ここじゃやり辛くてかなわねえ」
起き上がったキャットルドが跳躍する。そのまま屋根へと飛び乗り、屋根伝いに逃走を開始した。シルクは逃がすまいと、すぐさま後を追う。
テレポーテーションを使いながら、屋根から屋根へと移動する黒い怪人を追跡していった。
*
どのくらい、その追跡が続いただろうか。夕暮れの街を駆け抜け、屋根から屋根へと飛び移り、テレポーテーションを繰り返す。やがてキャットルドは、とある路地裏の奥へと姿を消していった。シルクも逃すものかと、そのまま薄暗い路地裏へと突入する。
そこには、外の街とは明らかに異なる空気が漂っていた。
まるで外界から切り離されたような、異様な静けさ。鉄とコンクリートで出来た迷路を、シルクは右へ左へと駆け抜ける。遠くから聞こえる街の音も、ここまで来ると随分と小さく感じられた。
ただ、自分の足音だけがやけに大きく響いている。
「あれ……?」
路地裏の最奥部。
袋小路までやってきたシルクは、そこで足を止めた。キャットルドを完全に見失っていた。
ここで行き止まり。確かに奴はこっちに来た筈だ。一体、キャットルドはどこへ──。
「ニャアアアアアアゴオオオオオ!!!!」
「きゃあっ!」
悍ましい奇声が頭上から響いた。
シルクが反応するより早く、キャットルドが上空から奇襲を仕掛けてくる。その姿を捉えることすら出来ない。次の瞬間、シルクの身体に強烈な衝撃が叩き込まれた。そのまま奥の壁へと叩きつけられる。背中から伝わる硬い衝撃に、シルクの身体が大きく揺さぶられた。
地面に着地したキャットルドは、爪を顎に当てながら悠々と近付いていく。まるで、今度こそ自分の狩りを楽しめるとでも言わんばかりだった。
「馬鹿が、俺の狩り場に誘い込まれた事に気付かなかったのか? いつもは獲物を此処に追い込んでいたが……へっへ、
上機嫌になりながらシルクの下へと迫るキャットルド。その姿を睨みながら、シルクは立ち上がる。身体に走る痛みを押し殺し、蹌踉めきながらもキャットルドを念力で捉えようとする。
だが──。
「シャーーッ!」
キャットルドは跳躍した。シルクの念力による拘束を、紙一重で躱す。そのまま壁や出っ張り等を足場として蹴り上げ、縦横無尽に跳び回りながらシルクを翻弄する。
壁を蹴る。
反対側へ飛ぶ。
そこからさらに別の足場へ。
その動きは予測がつかず、まるで狭い路地そのものを自分の縄張りにしているかのようだった。シルクは目視でキャットルドを追おうとする。しかし、高速で上空を跳躍する敵を捕らえる事が出来ない。視界の端に黒い影が映ったと思った時には、もうそこにはいない。
「こっちだオラ!」
声に反応してシルクが振り向く。キャットルドは、余裕の態度でシルクの真正面に降り立っていた。そのまま右腕を振り抜く鋭い爪の一撃が、シルクの身体を切り裂いた。
装甲の表面で火花が散り、シルクの身体が大きくよろめく。
*
「姫山さん、大丈夫かな」
シルクとキャットルドの追跡劇について行けず、途中で見失ってしまった志遠は途方に暮れていた。真由はどこまで行ったのか。不安になりながらも、その行方を捜す。
胸の奥に嫌な予感が膨らんでいく。
と、路地裏へと続く道を横切ろうとした時だった。奥から、何かがぶつかり合う様な音が微かに聴こえてきた。
「今のって……!」
聞き間違いではない。志遠は迷うこと無く、非日常の境界たる路地の奥へと足を踏み入れた。
ジグザクの路地裏を進む。何度も角を曲がり、薄暗い道を駆け抜ける。奥へ進むほど、先程の衝撃音がはっきりと聞こえるようになっていく。
そして、開けた場所に出た先で見たものは──。
「!!」
危うく真由の名を叫びそうになる口を、志遠は慌てて塞いだ。
彼が見たのは、一方的にキャットルドに暴行を受けるシルクの姿だった。
*
「はぁっ、はぁっ……!」
「オラどうした。少しは楽しませろよ」
既に全身傷だらけとなったシルクは、それでも何とか両足で立っていた。呼吸は荒い。身体のあちこちから伝わってくる痛みに、意識を持っていかれそうになる。それでも倒れるわけにはいかなかった。
そんなシルクを前に、キャットルドは余裕綽々といった様子で右中指を動かし、挑発する。
正直に言えば、シルクはキャットルドの事を侮っていた。弱者から金を巻き上げるような小悪党。そんな相手に、絶対に負けるはずがない。そう、どこかで慢心していたのだ。
だが、実際に戦ってみればどうだ。キャットルドは猫由来の身体能力と、路地裏という地の利を最大限に活かした奇襲戦法を仕掛けてくる。
そして何より──相手に暴力を振るう事に、一切の躊躇が無い。人を殴る事も、傷つける事も、痛めつける事も。そこに一切の迷いが無いのだ。
ケンカ慣れをした人間特有の、相手が怯んだ瞬間を逃さず畳み掛ける動き。戦闘に於いては素人であるシルクが、余裕で勝てる相手では無かった。
ふらり、と身体が傾く。足に力が入らない。
このまま倒れる──そう思った瞬間だった。
急接近したキャットルドが、倒れかけたシルクの身体を受け止めた。
「おっと! そう簡単に逝けるなんて思うなよ? 俺の獲物を台無しにしやがったんだ。良い悲鳴が上げられなくなるまで、たっぷり
ぞっとするような笑み。その言葉と同時に、キャットルドの腕が振るわれる。シルクの身体へと、鋭い爪が叩き込まれた。
続けざまに一撃。
さらに一撃。
まともに防ぐことすら出来ない。
フラフラの状態のシルクへと、キャットルドは容赦なく連続で爪の一撃を喰らわせる。
そして、シルクの足を踏みつけた。逃げることも、体勢を立て直すことも許さない。そのまま動きを封じられたシルクへ、キャットルドの頭突きが叩き込まれる。
「かはっ、きゃあっ!」
「はっはは! もっと鳴けオラッ!!」
*
「あいつ、強い!」
物陰から様子を見ていた志遠は、思わず息を呑んだ。身体が強張る。今までにも、志遠はシルクの戦いを何度も見てきた。だからこそ分かる。
あのトルドボーグは、今までの奴とは違う。
単純な強さだけではない。何と言うか──相手への容赦が無い。シルクが傷つこうが、苦しもうが、倒れようが。それを気にする様子がまるでない。実力差は歴然だった。このままでは、シルクが負けてしまう。
──負けたら、どうなる?
その考えが浮かんだ瞬間、志遠の背筋に冷たいものが走った。
嫌な想像が、頭から離れない。
「あぐっ……!」
キャットルドがシルクの首を掴んだ。そのまま、ギリギリと力を込めて締め上げる。装甲越しにも苦痛が伝わるほどの力だった。シルクの身体が持ち上がり、彼女の口から声にならない悲鳴が漏れる。
「オラ、その姿のままだと辛いだろ? 人間態になれよ。その方が俺も締め上げ甲斐があるってもんだ」
嗜虐的な笑みを浮かべながら、キャットルドはさらにシルクの首へと力を込める。抵抗しようとするシルクの腕が、キャットルドの腕を掴む。
だが、その力は徐々に弱まっていく。指先から力が抜けていくのが、見ている志遠にも分かった。
「どうしよう、姫山さんが……!」
不安を隠しきれず、志遠は呟いた。助けなければ。そう思う。
だが、何の力も持たない自分にはどうする事も出来ない。飛び出したところで、瞬殺されるだけだ。
頭では分かっている。それでも、身体は勝手に震えていた。
「……結局、何も出来ないのかよ」
ポツリと、志遠が呟く。その言葉をきっかけに、頭の中へ過去の記憶が蘇った。
中学時代。
あの日も、そうだった。
目の前で苦しんでいる人がいた。
助けを求める目を向けられた。
それなのに、自分は怖くて動けなかった。
結局、自分は逃げた。
そして──その人は死んだ。
胸の奥に、あの日と同じ感覚が蘇ってくる。胃の辺りが重くなる。呼吸が浅くなる。指先が冷たくなる。
まただ。
結局、自分は怖くて逃げ出して。目の前で苦しんでいる人を、見殺しにする。自分には何の価値も無い。そう思ってしまう。
──そんな自分が変われるかもしれない。そういう姿勢を見せてくれた女の子が。目の前で、殺されかけているというのに。
「ちくしょう、俺は……姫山さん、姫山さん……!!」
何度も、その名前を口にする。それでも身体は動かない。
怖い。
怖くて仕方がない。それでも──。
志遠の中で、何かがキレた。
*
「化け猫野郎、
突然、路地裏に響き渡る絶叫。
陰惨な空間に不釣り合いな程の、腹の底から放たれた圧倒的な感情の籠もった叫びだった。
恐怖も。
怒りも。
悔しさも。
全部が混ざった声だった。
何事かと、キャットルドが周囲を見渡す。そして、志遠の姿を捕捉した。同時に、シルクもそれを見つける。
「あぶかわ、くん……!?」
「あ? 何でここにガキが紛れ込んでる。コイツの連れか?」
シルクにとって、志遠がここにいること自体は想定のうちだった。彼なら、この場所を見つけるくらいは出来てしまうだろう。
だが──まさか、トルドボーグ相手に挑発までするとは思っていなかった。キャットルドは鬱陶しげにシルクを壁へと放り投げる。そして、そのまま志遠の下へと跳躍し、一気に距離を詰めた。
「誰かに喋ってここをバラされるのも面倒だ。始末するか……」
クキクキと首を鳴らしながら、キャットルドが志遠へと迫る。志遠は恐怖からか、その場に尻餅をついた。
立ち上がれない。
膝が笑っている。
身体が、逃げろと訴えている。
だが、それに反比例するように──目だけは、恐怖に屈することなく真っ直ぐにキャットルドを見据えていた。
「無謀を度胸とはき違えたな、ガキ……死ねや」
キャットルドの凶爪が、無慈悲に志遠へと振り下ろされる。迫り来る爪。死の恐怖が、志遠の全身を凍り付かせる。
「ガッ……!?」
だが。
突然、どうした事か。キャットルドの動きが止まった。見えない何かに身体を縛られたかのように、その巨体が空中で硬直する。
「な、何だこりゃ!?」
キャットルドが苦しげに身体を捩る。そして、背後に気配を感じて視線を向ける。
そこには、立ち上がり体勢を整えたシルクがいた。彼女の手の平には、念力によって生み出された糸が幾重にも伸びている。その糸が、キャットルドの身体をしっかりと捕らえていた。
「阿武川くん……今のうちに……っ!」
「な!? てめぇっ!!」
「ぐぅ……はああああっ!!」
シルクが力一杯、念力の糸を振り回す。キャットルドの身体が大きく振り回された。まるで砲丸投げのような勢いだった。そして──キャットルドの身体が壁へと激突する。これまでのお返しと言わんばかりの一撃。
だが、シルクの追撃は止まらない。キャットルドが立ち上がる前に、シルクは必殺の構えをとった。
『LastAttack GravityCurse』
「はっ!」
立ち上がろうとしたキャットルドの身体が、再び念力の糸に捕らえられる。そのまま上空へと持ち上げられた。手足をばたつかせても、逃れることが出来ない。
宙吊りになったキャットルドを見上げながら、シルクは静かに口を開く。
「──貴方を倒す前に一つだけ聴きたいことがある。
「クソがぁ! 離しやがれええええ!!」
「そう……なら、貴方に用はない!」
「ぐがあああっ!!」
シルクが手に力を込める。念力の糸が一斉に締め上げられた。キャットルドの身体が、内側から圧し潰される。
そして──爆発。黒い怪猫の身体は、一気に圧壊し、爆発四散した。
*
戦いが終わり、路地裏は本来の静寂さを取り戻した。先程まで響いていた怒号も、衝撃音も、もう聞こえない。既に空には月が昇っている。その淡い明かりが、戦いの痕跡を残す路地裏を静かに照らしていた。
真由は変身を解く。そして、志遠の元へと早足で歩いていった。
志遠は未だ腰が抜けて立ち上がれずにいた。それでも何とか身体を持ち上げる。そして、無事だった真由の姿を見て、心の底から安堵した。
「姫山さん、勝てて良かっ──」
パシン。
乾いた音が、路地裏に響いた。
志遠の頬が横を向く。
真由が、勢いを込めて彼の頬を打っていた。
頬に残る痛み。
だが、それ以上に志遠の胸を突いたのは、目の前の真由の表情だった。
「……自分が何したか分かってる? 私が起き上がる力残ってなかったら、君殺されてたんだよ!? 一般人の阿武川くんが、トルドボーグに勝てるわけ無いんだよ。自己犠牲とかそんなの欲しくない、迷惑だからやめてよ!!」
力の限り、真由は怒りの慟哭を志遠にぶつける。その声には怒りだけではない。恐怖があった。震えるほどの恐怖が。
身を挺して真由を助けようとした志遠に対し、彼女が真っ先に抱いたのは感謝の気持ちではなかった。志遠が殺される。その恐怖だった。
もし自分が、あの瞬間に立ち上がれなかったら。
もし念力を使えなかったら。
もし、あとほんの少しだけ遅れていたら。
考えれば考えるほど、胸の奥が締め付けられる。涙交じりに自身の無事を案じる真由を見て、志遠はようやく理解した。
自分は、真由を助けたかった。だがその行動で、今度は真由を悲しませた。
「ごめん」
ただ一言。
それしか、志遠には言えなかった。
「……君の中学時代に何があったのか、明音さんから聴いた」
不意に放たれた真由の言葉に、志遠は顔を上げる。胸の奥がざわついた。
秘密にしたかった訳ではない。けれど、自分から話す気にもなれなかった過去だ。何時の間に話したのだろう。困惑する志遠をよそに、真由は言葉を続ける。
「阿武川くん、凄く辛かったと思うし同じ後悔をしたくないって気持ちも何となく分かる。でも、だからって無謀な事するのは駄目だよ。万が一があったら明音さんが悲しむし……私も、嫌だよ」
「うん……」
志遠は、小さく頷いた。反論する気にはなれなかった。真由の言葉は、どれも正しかった。そして何より……最後の一言が、胸に残った。
──私も、嫌だよ。
自分が死んでしまったら、真由は悲しむ。その事実が、妙に現実味を持って胸へと染み込んできた。
「二度とこんな無茶しないで……正直、今回は本当にやばかったかも知れない。だから、助けてくれた事は感謝してる。だから……ありがとう」
そう言うと、真由はゆっくりと出口へと向かい歩き出す。志遠はその背中を見つめる。
怒られた。
それでも、最後には礼を言ってくれた。
胸の奥にあった重たい何かが、ほんの少しだけ軽くなった気がした。
ふと、何を思ったのか、真由が歩みを止める。
「後、それから」
「え?」
「……呼び方」
困ったように、真由は顔だけを振り返った。志遠は一瞬、何のことか分からなかった。
だが──先程の戦いの最中。自分が叫んだ言葉を思い出す。
──真由。
今まで一度も、そんな呼び方をしたことはなかった。
「ご、ごめっ! 勢い任せについ、姫山さんのこと」
「……はぁ、もう《真由》で良いよ。改めてさん付けされるのも、なんか嫌だし」
「え……良いの?」
思わず聞き返す。真由は少しだけ照れくさそうにしながら、それでも頷いた。
「その代わり、私も君のこと《志遠くん》って呼ぶから。それでおあいこ」
そう言うと、真由は今度こそ歩き出した。志遠も、その後に続く。
中学時代。あの日以来、後悔に囚われて動けなくなっていた身体が。今は、不思議なほど軽かった。
「帰ろ、志遠くん」
歩きながら、真由が言う。
「……うん」
志遠は小さく答えた。
月明かりに照らされながら、二人は路地裏を後にする。その背中を、淡い月の光が静かに追いかけていた。
《次回、仮面ライダーシルク》
「あの! 真由が嫌がってるじゃないですか!」
「私に口ごたえする気か!?」
「プロフェッサーからの寵愛を受けながら同族狩りを続ける裏切り者……ユーはこのワタシが処刑しマス」
「あんなの、どうやって勝てば良いんだよ!?」
「アイツに勝つ力ならある。でも……」
「……いやまさか、あの娘の事ですか?」
今回のラストの展開は結構難産でした。
「非力な主人公がヒロインピンチに出しゃばって命を賭ける」
これ、一歩間違えば余計な事をして状況を悪化させかねない諸刃の剣なんですよね。作者としては、志遠なりの過去との決別、勇気、過ち等を表現したかったのですが、ちゃんと伝われたでしょうか?