アムロの必殺技はコロニー落としなんでしょ   作:匿名

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第17話「ガイア!マッシュ!オルテガ!ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」

 

「よう、キリコ!」

「ガイアさん!? オルテガさんにマッシュさんも!」

「言っただろう。次に会ったとき、ぶっ飛ばすとな」

 

 ガイアが笑っている。通信越しでもわかる。

 

「シャア少尉が訓練相手を頼んできたんでな。断る理由がないだろう」

 

 三連星は、キャスバルさんのことをまだ「シャア少尉」と呼んでいる。

 正体は知らないらしい。

 

「3対3。いくぞ」

 

 キャスバルさんの声。

 

 俺、アムロ、キャスバルさん。

 対。

 ガイア、オルテガ、マッシュ。

 

 開始と同時に、三連星が散開した。三方向から同時に圧をかけてくる。

 

「散れ!」

 

 キャスバルさんがガイアを正面で受け、俺はオルテガ、アムロがマッシュ。

 二週間前なら怖かった。だがもう、Gにも実機にも慣れている。オルテガの突進を読んで右に跳び、脚に一発当てた。

 

 マッシュがアムロを振り切って横から来た。アムロの声で沈む。斬撃が頭上を通過。入れ替わりにアムロがマッシュに食らいつく。

 

 ——連携できてる。キャスバルさんがガイアを押し込んでいる。

 

 このまま押し切れる——

 

 と、思った瞬間。

 

 三連星が、同時に後退した。

 

「……?」

 

 三機が離脱していく。逃げるんじゃない。距離を取っている。

 

 そして——縦に並んだ。

 

 前にガイア。その背後にオルテガ。さらに後ろにマッシュ。

 三機が一つに重なって——

 

 レーダーの反応が、三つから一つに変わった。

 

「オルテガ、マッシュ! モビルスーツにジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」

 

 ガイアの声が響いた。

 

 三機が一直線に加速する。

 ガイアを先頭に、影の中にオルテガとマッシュが隠れている。

 

 ガイアが正面から突っ込んでくる。速い。

 

「避けろ!」

 

 キャスバルさんの声。三人が散開する。

 

 ガイアが左に逸れた——瞬間、その背後からオルテガが飛び出す。

 

「うおっ!」

 

 俺の正面。至近距離。避ける。ギリギリ。機体が擦れた。

 

 さらに後ろから——マッシュ。

 

 三段目。本命。

 

 マッシュのヒートホークが振り下ろされる。

 

「キリコ!」

 

 キャスバルさんの機体が割り込んだ。マッシュの一撃を正面で受け止める。

 金属が軋む音。キャスバルさんの機体が押されている。

 

 だがその間に、ガイアが反転していた。キャスバルさんの背後を取ろうとしている。

 

 ——三段で終わりじゃない。反転して追撃まである。

 

「させるか!」

 

 俺はガイアに向かった。マシンガンを撃つ。当たらなくていい。ガイアの動きを止めればいい。

 

 ガイアが回避に動く。その隙に——

 

「今です!」

 

 アムロの機体が、マッシュの横を抜けた。

 マッシュがキャスバルさんに集中している一瞬。その死角から、アムロが撃った。

 

 マッシュがよろける。

 その隙に、キャスバルさんがマッシュを蹴り飛ばし、そのまま反転。ガイアに突進する。

 

 ガイアが俺のマシンガンを避けた先に——キャスバルさんがいた。

 

「挟まれ——」

 

 ガイア、被弾。

 

 残ったオルテガに、三機が向き合った。

 

「……やめだ」

 

 オルテガが、両手を上げた。

 

「やるじゃねえか」

 

 ガイアの声に、悔しさと——笑いが混じっていた。

 

「ジェットストリームアタック、凄かったです」

「あれはお前のアドバイスだぞ」

 

 ああ——あの時だ。

 シミュレーターの後。「もっと間隔を詰めて、一つに重なって」と言ったやつ。

 

 ガイアが笑った。

 

 ◇ ◆ ◇

 

 12月下旬。

 空気が——変わっていた。

 

 シャリアさんとキャスバルさんが、よく二人で話している。

 顔が険しい。声が低い。

 通信機を握るキャスバルさんの拳が、白くなっている。

 

 シーマさんも、最近よくどこかに通信を入れている。

 壁に背を預けて、小声で。

 通信が終わると、いつも——唇を噛んでいた。

 

「シーマさん、大丈夫ですか?」

「……大丈夫だよ。坊やは余計な心配しなくていい」

 

 大丈夫じゃない顔だった。

 でも、それ以上は聞けなかった。

 

 アムロは、毎日テムさんと一緒にザクをいじっている。

 親子で並んで工具を握っている姿は——普通の、父と息子に見えた。

 

 みんな——わかっているのだ。

 もうすぐ、何かが始まることを。

 

「カスタム機は、あと数日で仕上がる」

 

 テムさんが言った。

 

「クワトロさんとアムロの機体は操縦系を全面的に書き直した。ついでにカラーリングも変えてある」

 

 奥には、赤いザクと、白いザクが並んでいた。

 

「キリコ君の機体には——希望通り、大剣を作っている」

「本当ですか!」

「両手持ちの大型実体剣だ」

 

 大剣。ザク用の大剣。

 俺のための大剣。

 

「テムさん……! ありがとうございます!」

「礼はいい。君も何かカラーリングに希望はあるかい」

 

 俺は少し考えて、言った。

 

「左肩だけを、赤くしてください」

「ほう?」

「レッドショルダーカスタム、です」

 

 俺は、ニヤリと笑った。

 

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