アムロの必殺技はコロニー落としなんでしょ   作:匿名

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第21話「Gクロスオーバー」

 

「ジェットストリームアタックだ!」

 

 俺が叫んだ。

 4機のザクが一列に並び、加速した。

 三連星に叩き込まれた陣形。キャスバルさんが切り込み、アムロが死角を撃ち、シャリアさんが意識を揺らし、俺が斬る。

 

 キャスバルさんの赤いザクが、ジョニーの懐に潜り込んだ。反応は速かった——だが、半拍遅い。

 

『バカな——速すぎ——!?』

 

 頭を蹴り抜かれ、ジョニー機が錐揉みに吹き飛んだ。

 

 マツナガが斧を振りかぶった。その腕をアムロが撃ち抜き、よろめいた足をシャリアさんの一射が貫いた。

 

『……見事だ』

 

 静かに、マツナガ機が沈黙した。

 

 ガトーだけが、まだ立っていた。片腕を失いなお前に出る。

 

『退かん……退かんぞぉ!』

 

 だが、俺の大剣が、その最後の武器を叩き折る。

 

 最後に残ったのは、ガルマだった。

 

『行かせん』

「ガルマ。もう時間がない。コロニーが動き出す」

『知っている』

「お前が止めろ。ザビ家の人間として」

『——できない』

 

 ガルマの声が、苦しそうに歪んだ。

 

『父上の命令だ。兄上たちの総意だ。私一人が反対しても——止まらない』

「ならば——お前はなんのために前線に出た」

 

 沈黙。

 

「1日遅らせたのは、止めたかったからだろう」

『……違う。お前に時間を与えたかっただけだ』

「同じことだ、ガルマ」

 

 キャスバルさんの声が、優しかった。

 

「お前は、最初から——こちら側の人間だ」

 

 ガルマのザクが——動かなかった。

 ヒートホークを構えたまま、動けなかった。

 

『……卑怯だぞ、シャア。そんな言い方は、卑怯だ』

 

 ガルマのザクが、ゆっくりと——ヒートホークを下ろした。

 

 ◇ ◆ ◇

 

 4機のザクが、核パルス推進装置に向かって飛んだ。

 

 コロニーの外壁に、巨大な装置が溶接されている。

 工兵隊がまだ作業を続けている。もう、ほとんど完成していた。

 

 ——その時。

 

 推進装置に、火が入った。

 コロニーが、震えた。

 

「嘘だろ……もう動き出してる!?」

 

 コロニーが——ゆっくりと、軌道を変え始めた。

 

「止めるぞ!」

 

 4機が推進装置に急行する。

 

 ——だが。

 

 その前に、壁が現れた。

 

 モビルスーツの壁。

 

 ザク。ザク。ザク。ザク。ザク。ザク。ザク。

 数えきれない。20機。30機。いや、もっと。

 

 その中央に——一機だけ、異質な機体があった。

 巨大。重厚。指揮官機。

 

『やらせはせん!』

 

 腹の底から響く声が、宙域を震わせた。

 

『やらせはせん! やらせはせんぞぉぉぉ!!』

 

 ドズル・ザビ。

 ザビ家の三男。宇宙攻撃軍司令。

 

 その巨体に似合う巨大な機体が、俺たちの前に立ちはだかった。

 

「……勘弁してくれ」

 

 俺は呟いた。

 これでは、間に合わない。

 

 その時——宙域の端に、光が走った。

 

 ドズル隊の側面を、ビームの雨が貫いた。

 一斉射。正確で、容赦がない。

 

『なんだ!?』

 

 ドズルが叫んだ。

 

 宙域の向こうから、艦隊が現れた。

 

『地球連邦軍、レビル艦隊。ロンドベルに助太刀いたします』

 

 俺は——キャスバルさんを見た。

 

「まさか……」

「遅いぞ、レビル」

 

 ……やってくれるぜ、キャスバルさん。

 あんた、やっぱり本物の主人公だ!

 

 連邦艦隊がドズル隊と交戦を始めた。

 宙域が一気に戦場になる。

 

 だが——

 

「コロニーが……止まらない!」

 

 アムロが叫んだ。

 核パルス推進装置は、すでに起動している。

 

「ええい!」

 

 推進装置の周囲には、まだ護衛のモビルスーツが残っている。

 連邦艦隊がドズル隊を引きつけている今がチャンスだが——

 

「俺が行きます」

「キリコ——」

「俺が——あれを斬る」

 

 超大型ヒートソードが、星の光を反射した。

 

「テムさんが言ってたじゃないですか。この剣は艦船を両断するために作られたって」

「無茶だ」

「無茶は得意です」

 

「たかがコロニー一つ、ザクで押し出してやりますよ」

「キリコ、待て!」

 

 レッドショルダーのスラスターが、キャスバルさんの声を置き去りにした。

 

 ザクの壁が立ち塞がる。

 

「そこっ!」

 

 シャリアさんが、道を開く。

 

「出てくるから!」

 

 アムロが、それを広げる。

 

 気がつけば、核パルス推進装置が目の前にあった。

 巨大。熱い。光っている。稼働中の推進装置が、コロニーを地球に向かって押している。

 

 レッドショルダーが、超大型ヒートソードを構えた。

 この剣ですら、コロニーに比べればマッチ棒だ。

 

 でも。

 

 999時間。モンハンで過ごした、あの時間。

 溜め3のタイミングは、体が覚えてる。

 

 火竜の尻尾を切り落とすのと同じだ。

 

 溜め1。ヒートソードの刃が、赤く輝いた。

 

「行け、少年」

 

 流れ込んでくる、シャリアさんの思いが。

 刃が膨れ上がる。赤い光が、刀身の倍まで伸びた。

 

 溜め2。

 

「僕の分も!」

 

 アムロの声だ。

 光の剣が、灼熱する。

 

 溜め3。

 

「キリコ……やれ!」

 

 キャスバルさんの思いが、背中を押す。

 

 光が爆発的に広がった。

 刀身が、コロニーを覆うほどに巨大化する。

 

 ——これが

 

「俺たちの、Gクロスオーバーだ!!」

 

 光の大剣が、核パルス推進装置を両断した。

 

 一瞬の沈黙。

 それから——光が、膨れ上がった。

 

 推進装置が内部から崩壊し、閃光が宙域を白く染めた。

 意識が、遠くなっていく。

 

 これは死ではない。人類が生きるための——

 

『キリコ!!』

 

 最後に聞こえたのはみんなの声だった。

 

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