呪力は呪力でも呪力かよ!?   作:パンツ男

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12スレ目

「み恵を受けても背く敵は篭弓羽々矢もてぞ射落とす……裂空魔弾!喼急如律令!!」

 

 ︎︎ロボットが壊したビルの残骸を掴み呪力を込めて発射する。

 

『ゴギャッ!?』

 

『グウェッ!?』

 

『ガァッ!?』

 

「ふぅ……100Pから先は数えてないが……大分減ってきたな」

 

 ︎︎辺りを見渡すと受験生がロボットを潰しまくっている。開始直後大量に配置されていたはずのロボットはほとんど壊されている。

 

「……」

 

 試験開始から︎︎サーチ&デストロイで動き続けていたが、本当にこれでいいのだろうか。ただ、ロボットを壊すだけなら不適切だが敵にだってできる。ヒーローに戦闘は付き物とはいえ、ここまで戦闘系“個性”有利な試験でいいのか。

 

「まぁ……考えても仕方ないか」

 

 ︎︎試験中に召喚した鴉型の式神がまだ残っているロボットの居場所を知らせてくれる。式神と同期した視界を頼りに他の受験生に取られる前に最速で向かう。

 

 

 

2:竜舞ガブ

やっぱり洗練されとるなぁ。

 

3:名無しの転生者

ヴィジランテ時代経験が活きてるんですかね。

 

4:竜舞ガブ

純粋に褒められへんけどな。

 

5:縁柱ドンモモタロウ

強くなったからいいじゃないか!

 

6:聖剣使いのプロブレーダー

そういう話じゃないだろ……。

 

7:レジェンドプロデューサー

確かに褒められたことじゃないが……外野の俺たちが騒ぎ立てる程でもないさ。

 

8:竜舞ガブ

そんなことより試験に集中しようや!

この試験だけでも、裂空魔弾に沢山の呪装……眼福やわぁ。

 

9:名無しの転生者

ガブリアスニキが感動しとる。

 

10:名無しの転生者

いつもの事やな。

 

 

 

 

「後ろ危ねぇぞ」

 

「え!?あ、助かった!ありがとう!」

 

「……気にすんな」

 

 ︎︎まだ残っているロボットがいる方へ向かう途中に、背後からの攻撃に気づいていない受験生を助ける。この受験生からポイントを奪った形になるが、嫌な顔されるどころかお礼を言われた。

 

「……ヒーロー科志望ってみんなこうなのか?」

 

「ん?なんか言ったか?」

 

「なんでもねぇよ」

 

「そうか!まだ時間はあるしお互い頑張ろうな!」

 

 

12:名無しの転生者

銀髪の子って確か……原作にいましたよね?

 

13:レジェンドプロデューサー

あぁ鉄哲徹鐵だな。

 

14:名無しの転生者

え?

 

15:レジェンドプロデューサー

鉄哲徹鐵(てつてつてつてつ)だ。

 

16:名無しの転生者

……ヒロアカって登場人物の名前は“個性”にちなんだものですよね。

 

17:レジェンドプロデューサー

そうだな。

 

18:名無しの転生者

安直すぎませんか?

 

19:レジェンドプロデューサー

言うな。

 

20:名無しの転生者

あ、はい。

 

 

 

 

 ︎︎鉄哲と別れ街の奥へと進んで行く。鴉型の式神が上空で旋回している。

 

「クロ!ありがとうな!」

 

『カァ!』

 

「さてと……」

 

 ︎︎伝わっているのかわからないが、鴉型の式神は嬉しそうに鳴くと霊符に戻る。

 ︎︎霊符をケースに戻し大剣を構える。試験時間も終わりに近づいている。施設長は金の心配はするなと言ってくれたがやっぱり気にしてしまう。特待生制度を受けるために俺は1Pでも多く稼がないといけない。

 

 

 

BOOOOOM

 

 

 

街が揺れた。

 

 

 

22:名無しの転生者

なんだ!?

 

23:竜舞ガブ

こっからが試験の本番やで!イッチ頑張りや!

 

24:名無しの転生者

本番って……なんだあのでっかいの!?

 

25:縁柱ドンモモタロウ

実技試験の説明で言ってたろ、あれが0P敵だ。

 

26:名無しの転生者

ヤバくないですか!?

試験ですよね!?

 

27:聖剣使いのプロブレーダー

それ含めて試験だよ。

 

28:名無しの転生者

スケールが違いすぎる……。

 

29:縁柱ドンモモタロウ

雄英だもん仕方ないよね。

 

30:竜舞ガブ

そういうことや。

 

 

 

 

 爆発音がした方を向く、ビル群に紛れて頭と思われるパーツが見える。もう一度、鴉型の式神を召喚して0Pの方へ向かわせる。

 

『ブッ殺ッ!?』

 

「今、そういう時間じゃねぇから」

 

 ︎︎俺が0P敵の出現に気を取られている隙を襲ってきたロボットを破壊する。仮面に貼りつけていた霊符から鴉型の式神の視界が共有される。

 

「これは……」

 

 ︎︎0P敵の登場でビルは壊され、近くにいた受験生はパニックになりながら逃げ惑っている。

 

「俺には関係ねぇな」

 

 ︎︎パッと見た感じ大怪我を負った受験生もいないようで、俺は目の前のロボットたちの方に向き直る。

 

「……ッ」

 

 ︎︎鴉型の式神の視界に倒壊したビルの中に取り残された女の子の姿が映る……葉隠透だ。声は聞こえないが、瓦礫に挟まって動けないのだろう。

 

「……なんで誰も助けないん……だ……」

 

 ︎︎俺は0P敵から逃げている受験生に苛立った、仮にもヒーロー志望なら助けろと……そして思い出した、彼女の“個性”は透明になること、助けないんじゃないそこにいることすら気づかれていないんだ。

 

「クソッ……!」

 

 ︎︎俺は目の前のロボットの群れに背を向け、呪装で強化した脚力で一気に走り出す。家族の声が頭をよぎる。

 

 ︎︎~ヒーローは困ってる人を助ける人のことを言うんだって……晴臣くんみたいだね~

 

「かぐやちゃん……」

 

 ︎︎仮面の位置を直し0P敵に接近する。大剣を構えて速度を乗せて勢いよく突進する。激しい衝撃とともに0P敵の装甲にヒビが入る、俺は受身を取りながら着地した。

 

「硬ぇな……」

 

 ︎︎0P敵が俺を捕捉したみたいだ、巨体を俺の方に向けてゆっくりと移動し始めた。

 

「タロー!葉隠を助けろ!!」

 

 ︎︎ケースから霊符を取り出し、成人男性くらいの大きさの狼型の式神を召喚する。式神は状況をすぐに理解したのか倒壊したビルに向かって走り出した。

 

「こっちだデカブツ!俺が相手してやるよ!!」

 

 

 

32:縁柱ドンモモタロウ

イッチ急に0P敵の方に向かったな。

 

33:名無しの転生

なんで急に?

目の前のロボットも無視して……。

 

34:レジェンドプロデューサー

LIVEモードだと分からないが、おそらく鴉型の式神から共有された視界から何かを見たんだろうな。

0P敵の前で葉隠さんを助けろと言っていたし、彼女のためにロボットを無視したんじゃないか。

 

35:名無しの転生者

なるほど……。

 

36:レジェンドプロデューサー

それに今のイッチの行動は決して無駄にはならないさ。

 

37:名無しの転生者

それってどういう……?

 

38:縁柱ドンモモタロウ

まぁ今は応援に徹しようぜ!

 

39:名無しの転生者

は、はい。

 

40:竜舞ガブ

よっしゃ!やったれイッチ!!

 

 

 

 

「十六夜彼岸の舞!!」

 

 ︎︎ビルを伝って0P敵の周りを高速で移動し、大剣で斬り続ける。0P敵はダメージを負っているないようで、デカイ腕を振るい俺を叩き落とそうとする。

 

「当たんねぇよ!」

 

 ︎︎呪装で強化した俺は腕を大振りの攻撃を回避し、逆に腕を重点的に斬りつけていく。

 

「硬ぇな……」

 

 ︎︎手数は多いが決め手に欠ける、本来は十二天将がそれを担うはずだが無いものはない。今ある力でコイツを止めないといけない。

 

「ん?」

 

 ︎︎0P敵に苦戦していると、狼型の式神が倒壊したビルからこっちに向かってくるのが見えた。背中には葉隠を背負っている。

 

「何やって……ッ!?」

 

 ︎︎鴉型の式神の目は葉隠の“個性”を無視できる。視界を共有している俺も彼女の素の姿が見えているわけで……。

 

「なんで服着てないんだよ!!」

 

 ︎︎上半身裸の葉隠の姿がはっきりと見えてしまった。

 

 

 

42:名無しの転生者

イッチ!今すぐ詳細な情報を伝えてくれ!!必要だろ!!

 

43:名無しの転生者

式神の視界をLINEモードにも共有してくれ!!

 

44:竜舞ガブ

必死すぎやろ……。

 

45:聖剣使いのプロブレーダー

欲求に正直すぎるだろ。

 

46:名無しの転生者

だって!

 

47:縁柱ドンモモタロウ

だってじゃない!

本当に……イッチ教えなくていいからな!

 

48:竜舞ガブ

少しは紳士であろうとせぇよ。

 

49:名無しの転生者

うるせぇ!ロマンだろうが!

 

50:レジェンドプロデューサー

はぁ……イッチ気にしなくていいからな。

 

 

 

 

「おい、大丈夫か?」

 

 ︎︎衝撃的な光景を見てしまった俺は、ビルの屋上に着地すると仮面を外し狼型の式神の近くに降りる。式神がわざわざ俺の方に来たということは、葉隠に何かあったのかもしれない。無視することもできず、攻撃を止めることにした。

 

「うぅ……あれ?さっきの人……」

 

「怪我してんのか」

 

 ︎︎さっきチラッと見えたが、足が紫に変色していた。瓦礫に挟まった際に怪我をしたのだろう。

 

「……タロー、クロあのデカブツを引きつけておいてくれ」

 

『ワン!』

 

『カァ!』

 

 ︎︎式神たちは、一斉に飛び出し0P敵の周りを高速で移動しヘイトを稼いでくれる。俺は葉隠を抱き抱えると近くのビルの中に身を隠した。

 

「アビラウンケンソワカ アビラウンケンソワカ アビラウンケンソワカ……足はどうだ?」

 

「うぅ……あれ?痛くない……なんで!?」

 

「俺が治したからな」

 

「そんなこともできるんだ……凄いね」

 

「……凄くねぇよ」

 

「え?」

 

「それより、なんであんなところにいたんだ」

 

 ︎︎傷が治ったことに驚き、俺のことを凄いという葉隠の言葉に胸が痛む。皆を助けられなかった“個性”なんか凄くない、葉隠に言っても仕方がないので話を変える。

 

「えっとねぇ、ロボットに見つからないように配線とかちぎってたんだけど、あのデッカイのが出てきて身体が咄嗟に動いたんだ……怪我してる人がいるんじゃないかって……」

 

「……」

 

「まぁ結果は見ての通り……怪我してる人を助けてたら、自分が怪我しちゃって……恥ずかしいね」

 

「恥ずかしくねぇよ……その行為は立派だろうが……」

 

「ッ!?……あ、ありがと///」

 

 

 

52:名無しの転生者

これってあれかな?

 

53:名無しの転生者

あれって?

 

54:名無しの転生者

でぇきてぇるぅぅ。

 

55:縁柱ドンモモタロウ

やめなって。

 

56:名無しの転生者

あれはもうそういうことだろうが!

 

57:竜舞ガブ

モテへんのに詳しいな。

 

58:名無しの転生者

ゴハッ!?

 

59:名無しの転生者

ウグッ!?

 

60:聖剣使いのプロブレーダー

コフッ……。

 

61:縁柱ドンモモタロウ

……。

 

62:名無しの転生者

ぜ、全体攻撃は禁止っすよね。

 

63:名無しの転生者

言っていいことと悪いことの区別もつかへんのか?

 

64:名無しの転生者

人の心とかないんか?

 

65:竜舞ガブ

俺ポケモンやし。

 

66:名無しの転生者

こういう時ばっかポケモンアピールしやがって……。

 

67:レジェンドプロデューサー

モテるモテないは今はいいだろ。

 

68:名無しの転生者

アンタはモテる側だからそんな態度取れるんだよ!!

 

69:聖剣使いのプロブレーダー

そうだそうだ!

 

70:縁柱ドンモモタロウ

俺たちの気持ちも考えろ!!

 

 

 

 

「何やってんだか……」

 

「え?」

 

「こっちの話だ……それより、怪我は大丈夫か?」

 

「う、うん……動かしてもなんともないよ」

 

「なら、ここから離れろ……俺はアイツを倒す」

 

「危ないよ!?一緒に逃げようよ!」

 

「俺が逃げたらアイツは暴れるだろ……それにアイツ程度で躓いてたら目標なんざ夢のまた夢だ」

 

 ︎︎葉隠が動けることを確認すると、俺は0P敵を倒すためにビルから出る。葉隠は危ないからと俺を引き止めるが、意思は変わらない。

 

「目標……?」

 

「どうしてもやらなくちゃならないことだ」

 

「でも……」

 

「心配してくれてありがとう……クロ!タロー!選手交代だ!!」

 

 ︎︎俺はビルから出ると、0P敵のヘイトを買っていた式神達を呼ぶ。葉隠も俺の後を追って外に出てきた。

 

「本当にやるの!?」

 

「あぁ……安心しろ無策で突っ込むつもりはない」

 

 ︎︎俺は牛型の式神を召喚して、予備の上着を葉隠に渡す。

 

「それ着とけ……葉隠はまだ逃げ遅れた人を助けてやってくれ」

 

「……無茶しないでね」

 

「わかってる……タロー、葉隠を手伝ってやれ」

 

『ワン!』

 

「よ、よろしくね」

 

『ワン!』

 

 ︎︎葉隠を背中に乗せた狼型の式神は、優れた鼻を頼りに逃げ遅れた受験生を救出するために走り出した。俺は0P敵の方を向くと仮面を付け直し、ケースから霊符を取り出す。

 ︎︎霊符には予め俺の呪力を込めている。この呪力の量で呪装の効果が左右される。

 

「……」

 

 ︎︎深呼吸して、霊符に呪力を込め直す。試験時間も残り僅か温存の必要はない。あの0P敵を倒すために呪力を注ぎ込む。

 

「韋駄天符!轟腕符!金剛符!星動読符!斬浄穢符!」

 

 ︎︎脚、腕、体、顔、剣に呪装をしていく。

 

「飛天駿脚!砕岩獅子!鎧包業羅!来災先観!万魔調伏!……喼急如律令!!」

 

 ︎︎更にもう一枚霊符を取り出して式神を呼ぶ。

 

「来い!クロ!……黒翼仇刃!喼急如律令!!」

 

 ︎︎まだ呪装していない石の短剣に鴉型の式神を呪装する。光とともに短剣の形が変わり、黒曜石のような刃の剣になる。

 

「式神呪装!黒鳥魔鏡!」

 

 

 

72:竜舞ガブ

式神呪装!?イッチそんなことできるようになっとたんか!?

 

73:名無しの転生者

ガブリアスニキがまた興奮してる。

 

74:ペンギンストライカー

僕たちが教えましたもんね。

イッチの成長率から考えてできていてもおかしくないでしょう。

 

75:名無しの転生者

ペンギンニキ!?いつからいたんだ!?

 

76:ペンギンストライカー

今さっきですよ。

試合中でしたので参加できませんでしたが、ここからは一緒に応援しますね!

 

 

 

 

 ︎︎軽く飛んで力を抜く、程よい脱力感から体を低く構える。呪装した剣を十字に構えて、勢いよく飛び出す。0P敵の体に突進し、装甲にヒビを入れる。

 

「強化した呪装でもこんだけか……なら、根比べだ!!」

 

 ︎︎地面に着地すると0P敵が動くよりも早く、突進し攻撃の暇を与えない。何度も何度も何度も全力で突進し装甲を破壊していく。

 

「朧蓮華の舞」

 

 ︎︎超高速の突進を繰り返す技。俺の記憶に残っている、アニメの双星の陰陽師の第一話で、ヒロインの化野紅緒が巨大なケガレに使用した技だ。

 

「ぶっ壊れろ!!」

 

 ︎︎全身が軋むように痛い、いくら呪装しているとはいえ限度はある。0P敵が壊れるのが先か、俺が限界を迎えるのが先か、温存していた呪力を呪装に使ったためこの攻撃が終われば、対抗手段は限られる。

 

「クッ!……呪装が」

 

 ︎︎体が鉛のように重くなる、大剣と剣を持っていた腕の呪装が解けたのだ。呪装は体や武器に込める呪力と、それを維持する呪力が必要になる。呪装が強力であればあるほどに、維持するための呪力は大きくなる。いつもより多く呪力を込めて呪装したため、限界も早く来たのだろう。脚の呪装も消えかかっており、次の突進が最後になる。

 

「これでどうだァ!!」

 

 ︎︎最後の力を振り絞り大剣と剣を構えて突進する。派手な音ともに装甲が砕ける。さすがの0P敵もこれは効いたみたいで、反応が悪くなっている。

 

「どうだ……は?」

 

 ︎︎0P敵は多少動きが悪くなっただけでまだ稼働している。地面に着地した俺を狙って腕を振り下ろした。

 

 

 

78:名無しの転生者

イッチ!

 

79:名無しの転生者

避けろ!!

 

 

 

 

 ︎︎駄目だ、間に合わない。先程の攻撃の反動と呪力をほとんど消費したことで、体が動かせない。

 

「危ない!」

 

 ︎︎後ろから声が聞こえると同時に浮遊感に包まれる。何が俺を引っ張って0P敵の攻撃から助けてくれたみたいだ。

 

「葉隠……?」

 

「無茶しないって言ったじゃん!」

 

 ︎︎葉隠は狼型の式神に跨り俺を叱りつける。

 

「なんで戻ってきた」

 

「周りの人、皆逃げたみたいだから君を助けようとしたの!」

 

 

 

81:名無しの転生者

ナイスキャッチ!

 

82:名無しの転生者

うおぉ!!

 

83:名無しの転生者

間一髪だな!

 

84:竜舞ガブ

寿命縮んだで……。

 

85:縁柱ドンモモタロウ

イッチ大丈夫か?

 

 

 

 

 狼型の式神は0P敵の攻撃が届かない場所で俺を離す。俺は埃を払いながら、黒曜石の剣を握る。

 

「まだやるつもり!?わかったじゃん無理だって!」

 

「無理じゃねぇ……まだ残ってんだよ」

 

「なんでそこまでするの!試験なんだよ!」

 

「関係ないさ……俺は止まれない、止まったら駄目なんだよ」

 

「目標ってやつ?」

 

「あぁ……だからやるんだ……タロー行くぞ」

 

『ワン!』

 

 ︎︎俺は狼型の式神に跨り0P敵に接近する。なけなしの呪力で鎧包業羅を呪装し直し、先程つけた傷に向かって一気に距離詰めていく。

 

 

 

87:名無しの転生者

イッチ……。

 

88:竜舞ガブ

……深刻やな。

 

89:レジェンドプロデューサー

俺たちがちゃんと見てやらないとな。

 

90:竜舞ガブ

せやな。

 

 

 

 

「タローそのまま突っ込め!!」

 

『ワンッ!!』

 

 ︎︎俺たちの接近に気づいた0P敵が腕を振り下ろす。狼型の式神は素早く腕を避けて、その上を走り装甲が壊れ中が露出している箇所まで運んでくれる。

 

「タローありがとよ」

 

 ︎︎狼型の式神から飛び降り、0P敵の傷に剣を突き刺す。

 

 

「黒鳥魔鏡……解放ッ!!」

 

 

 ︎︎剣の刃に蓄積されたダメージが衝撃となって0P敵を中から破壊していく。全身にヒビが走り白い光が漏れ出る。豪快な音とともに光が溢れていく。

 

 

BOOOM

 

 

 ︎︎黒い煙を上げながら0P敵は機能を停止した。腕を地面に垂らして力尽きたように頭部が下がる。

 

「……」

 

「大丈夫!?」

 

「あぁ」

 

 ︎︎地面に着地すると葉隠が心配しながら近づいてくる。俺は葉隠のそばに行き無事を知らせる。葉隠は胸を撫で下ろし大きく息を吐いた。

 

『終了~!!!!』

 

「終わっ……た?」

 

「みたいだな」

 

 ︎︎プレゼント・マイクの声が全ての試験会場に響く。受験生は入場ゲートの方に集まっているみたいで、俺たちも向かうことにする。

 

「あのさっ!君の名前を教えてよ」

 

「俺?」

 

「うん、せっかく会えたんだし……駄目かな?」

 

「……蘆屋……蘆屋晴臣だ」

 

「晴臣君だね!覚えた!」

 

 ︎︎葉隠は俺の名前を嬉しそうに呟くと、少しだけ早くゲートの方へ歩いて行く。

 

 ︎︎ゲートの近くでは試験官が点呼を取っており、全員が無事かどうか確認している様だった。

 

「合格してるといいね」

 

「そうだな」

 

 ︎︎0P敵を倒してもなんの加算もされないのは少し痛いが、それまでに獲得したポイントがあるからおそらく大丈夫だとは思う。

 ︎︎それにしても勇気を出して俺を助けてくれた葉隠が報われないのはどうかと思う、あの場でヒーローらしい行動をしたのになんのポイントにもならないのは少し納得がいかない。

 

「えっと……これいつ返せばいいかな?」

 

「雄英に合格したら返してくれ」

 

「え?」

 

「願掛けみたいな?……俺たちが合格してますようにって……悪い忘れてくれ」

 

「ふふ……雄英でまた会おうね!」

 

 ︎︎葉隠が腕をこちらに差し出す。仮面は既に外しているから、姿は見えないがなんとなく察した俺は拳を突き出す。コツンと拳を合わせてお互いの合格を願い、再会を約束する。

 

 ︎︎こうして俺の雄英高校ヒーロー科の入試が終わった。

 

 

 

92:転生者掲示板

 

LIVEモードを終了します。

 

 

93:ヒロアカ陰陽師

試験終わりました。

 

94:名無しの転生者

おつかれ!

 

95:竜舞ガブ

お疲れさん!

最後の凄かったなぁ!

 

96:ヒロアカ陰陽師

決め手に欠けてたんでそこを補うために作ったんですよ。

 

97:ペンギンストライカー

式神呪装で自分の足りない部分を補う……理にかなってますね。

 

98:ヒロアカ陰陽師

ありがとうございます。

そういえば、俺が何ポイント取ったか数えてる人っていますか?

100から先数えてなくて……。

 

99:フィジカルギフテッド石化中

パッと見た感じ140Pくらいかな?

 

100:ヒロアカ陰陽師

ありがとうございます。

 




コテハンニキネキの紹介

・フィジカルギフテッド石化中/フィジギフニキ
ディケイドニキと同じ最古参のコテハンニキ。
Dr.STONEの世界に転生した。
転生特典は、完全なフィジカルギフテッド。
原作一話で石化し数千年間意識を保ち続けている。
最古参の転生者の一人だが、石化中のため転生者掲示板を見るくらいしかやることがない。
最近、千空達は既に復活しているのでは?と不安になっている。
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