呪力は呪力でも呪力かよ!?   作:パンツ男

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20スレ目

 ︎︎エキシビションマッチ開始数分前

 

「この試合、僕らが勝つ可能性はほぼ無いと言っても過言じゃない」

 

 ︎︎エキシビションマッチが始まるまでの間、僕は同じヒーローチームの鉄哲と拳藤と作戦会議していた。

 

「やる前からなんだよォ!」

 

「鉄哲落ち着けって……物間、いきなり何言ってんの?」

 

 ︎︎僕の言葉に鉄哲が反応した。熱くなる鉄哲を拳藤が落ち着かせてくれる。2人は僕に何故こんなことを言ったのか説明を求める。

 

「よく考えてみなよ、僕たちは彼の“個性”をどこまで知ってる?」

 

「あ?そりゃ……札を使ってなんか色々できるってぐらいか?」

 

「……肉体強化に式神の召喚、武器も使えてたね」

 

「そう。はっきり言って手数が段違いだ……それにあれで全部なわけが無い」

 

「たしかに……トレーニング用の呪装もあるって言ってた」

 

「それがなんで負けることに繋がるんだ?」

 

「圧倒的に情報が少ないから……だよな?」

 

「拳藤の言う通りさ。僕らは晴臣の“個性”について知らないことが多すぎる。それに素の実力も僕らを上回っているだろうね」

 

「それがわかってるなら……なんでわざわざ挑発したんだよ……」

 

 ︎︎拳藤が試合前の僕の行動に頭を抱える。確かにこれだけの実力差があると知っていながら、晴臣を挑発した僕は命知らずとしか思わないだろう。

 

「君たちはさ……晴臣の目を見たことあるかい?」

 

「目?……見た事くらいあるさ」

 

「おう!あるぜ!」

 

「あの目を見て……君たちは何も感じなかったのかい?」

 

「何言ってんの?」

 

「目つきが悪いくらいしか……」

 

「彼はね……僕らを見ているようでまるで見ていないんだよ」

 

 ︎︎入学式の後、晴臣と話した時に違和感を持った。あの時かけてくれた言葉に嘘は無かった。だけど彼と僕の間に深い溝があることに気づいた。初めは初対面だからと思っていたけど、今日まで彼はクラスに馴染もうともうしなかった。人見知りをする性格じゃないことはなんとなくわかっていた、だから晴臣はあえて壁を作っていると考えた。

 

「何言ってんだ?ちゃんと見てるだろ、だから講評の時間でしっかり反省点とか良い点を教えてくれたじゃねぇか」

 

「僕はあの目に……もっと別の何かを感じた。“個性”柄人を観察するとこが多くてね……彼を観察していると、言動の節々に僕らのことを下に見てるんじゃないかって気がしてね」

 

「考えすぎだろ」

 

「そうだぜ」

 

 ︎︎2人は考えすぎと言うが、僕はそうは思わない。今まで“個性”について色々言われてきたからこそ、人の負の面についてはっきりと断言出来る。

 

「……仮に僕の考えが杞憂だとして……君たちは挑戦したくないのかい?」

 

「「……」」

 

「少なくともB組最強は晴臣だ。そんな彼に自分たちがどこまでやれるか……気にならない?」

 

「「……」」

 

「最強に一泡吹かせてみたくない?」

 

「はぁ……わかった、やろう」

 

「俺もやるぜ!」

 

 ︎︎2人の意思は決まったみたいだ。そうと決まれば作戦会議だ。残りの準備時間で何とかしないと。

 

「それじゃ作戦なんだけど……3人バラバラに潜入する」

 

「なんでだ!?3人で一気に行けばいいだろ?」

 

「私達3人で晴臣に勝てると思う?」

 

「拳藤の言う通り、僕達3人が晴臣と真正面から戦って勝てる可能性は低い……だから、会敵する可能性を減らす」

 

 ︎︎3対1という有利があっても晴臣に勝てる可能性は低い、だから戦わない道を選ぶ。晴臣が強くてもバラバラに分かれた僕達を同時に捕まえることなんて出来ないはずだ。

 

「私達は人数ってところで晴臣を圧倒してる……バラバラに潜入することで、誰か一人が核に辿りつける可能性に賭けたってわけか」

 

「そう……そして鉄哲!」

 

「おう!」

 

「晴臣が核を守っているなら……君が時間を稼いで欲しい!」

 

 ︎︎晴臣が核のある部屋に陣取っているなら、攻守共に優れた鉄哲に時間を稼いでもらい隙をついて核を確保する。

 

「任せろ!」

 

 ︎︎鉄哲は胸を叩き、快く引き受けてくれた。僕らは頷き合いバラバラに分かれる。

 

「物間!」

 

「ん?何かな?」

 

「私達の“個性”……“コピー”しなくていいのか?」

 

「大丈夫だよ……()()()()()()()()()()

 

「ん?」

 

「いずれわかるよ」

 

 ︎︎僕達は三箇所に分かれて試合開始の合図を待つ。自分たちにできる精一杯を晴臣にぶつけてやる。そう意気込んでいた時だった。

 

『エキシビションマッチスタートだ!』

 

 ︎︎オールマイトの合図が聞こえる。僕達はビルに潜入……できなかった。

 

「なんだこれ!?」

 

 ︎︎窓を塞ぐように透明な壁が現れて僕達の侵入を阻んだ。

 

『物間!どうする!?』

 

『俺の拳でも壊れねぇぞ!?』

 

「2人とも……潜入できる所を探してくれ……こうなったらバラバラ作戦は無理だ……3人で突入する」

 

『『わかった』』

 

「なんでもありかよ……」

 

 ︎︎僕はビルにいる晴臣に向けてそう零した。

 

 

 


 

 

 

 ︎︎鉄哲を殴り飛ばし、拘束した2人の前に立つ。2人は鉄哲が吹き飛ばされたことに驚き、拘束を解いて俺から離れようと必死にもがいている。

 

「不意打ちなんざ効かねェ!!」

 

「ッ!」

 

 ︎︎拘束した拳藤と物間を確保テープで捕まえようとしたが、起き上がった鉄哲の攻撃を回避するため、失敗に終わる。

 

「あれで倒せたとは思ってないがタフだな」

 

「当たり前だ!俺は鋼の男だぜ!」

 

 

 

251:縁柱ドンモモタロウ

鉄哲やっぱ硬いな……。

 

252:名無しの転生者

強化されたイッチの一撃を受けてダメージ無さそうだ……。

 

竜舞ガブ

ヒーローチームは依然劣勢やけど……ここからどうやって巻き返してくか……見物やな。

 

254:レジェンドプロデューサー

鉄哲1人でイッチの相手が務まるか……拘束された2人がどうするのか、まだまだ試合は始まったばかりだ。

 

255:聖剣使いのプロブレーダー

最後まで頑張れ。

 

 

 

 

「仲間は動けないんだぞ?お前1人で俺と戦うつもりか?」

 

「1人とか関係ねェ!ヒーローだからな!」

 

「そうかよ」

 

「速ェッ!?」

 

 鉄哲の意思を確認し、俺は一気に距離を詰めた。鉄哲が攻める前にこちらのペースに持っていく。いくら近接に強くてもペースが掴めなければ意味がない。

 

「硬ぇな……」

 

「それが俺の長所だからな!」

 

 ︎鉄哲はギリギリで俺の攻撃を“個性”で防御した。さっきもそうだったが、使い慣れてる分咄嗟に“個性”を使用してダメージを軽減している。呪装で強化しているとはいえ、鉄哲にダメージを与えるのは難しそうだ。

 

「まぁだからなんだって話だけどな」

 

 ︎︎俺は鉄哲に連打を与え続ける。攻撃は最大の防御という、鉄哲の“個性”が如何に近接に優れていても、攻撃し続ければそれを活かすこともできない。それに全身を金属化しているなら、消耗は激しいはずだし関節等は“個性”で硬くしても、ボロが出やすいだろう。

 

「ッ!?」

 

「いくら硬かろうと、防御だけじゃ俺は倒せねぇよ」

 

「鉄哲!」

 

「気にすんな!今は拘束を解くことだけに集中しろ!」

 

「格好いいな……そらよっと!」

 

「ぐッ……!?」

 

 ︎︎鉄哲は防戦一方になりながらも必死に耐え続ける。確保テープで捕まえればそれで終わりだが、今攻撃を止めればまた突っ込んでくるのが目に見えてる。だからこそ消耗させ確実に捕まえる。

 

 

 

257:名無しの転生者

イッチの容赦がねぇ……。

 

258:名無しの転生者

敵としては正しいんだろうけどヤベぇな……。

 

259:縁柱ドンモモタロウ

鉄哲粘れ!イッチも頑張れ!

 

260:竜舞ガブ

せや!どっちも頑張れ!

 

 

 

 

「どうした?辛そうだな」

 

「このくらいなんともねェ!」

 

「ならペースを上げてやるよ」

 

 俺は攻撃の手を早め鉄哲を壁際に追い込んでいく。俺の攻撃の速度に鉄哲の対応が遅れるようになり、腹や顔に拳が当たる。

 

「ッ!?」

 

「流石に鉄でも痛いもんは痛いか」

 

「効かねぇ……ッ!!」

 

「へぇ……」

 

 ︎︎鉄哲が防御を捨て反撃に出た。鋭い拳が俺の顔を目掛けて真っ直ぐ飛んでくる。俺は最低限の動きで回避するとがら空きの鳩尾に蹴りを叩き込む。

 

「ッ!?」

 

 ︎︎鳩尾に蹴りが突き刺さり、鉄哲の金属化が解ける。その隙を逃さず、俺は軽く跳躍すると踵を鉄哲の肩に目掛けて振り下ろす。

 

「鉄哲!」

 

「避けろ!」

 

「ッ……!根性ォ!!」

 

 ︎︎鉄哲は俺の脚を受け止め直撃を防ぐことに成功した。これには俺も驚いた。()()()を受け止めるなんてとてもじゃないが簡単なことではない、なのに鉄哲は鳩尾の痛みをものともせず脚を掴み耐えた。

 

「重ッ……!何キロあんだよ!」

 

「67kgだな」

 

「嘘だろッ……!?100キロ超えてるだろうがッ!」

 

「人をデブみたいに言うな」

 

 

 

262:名無しの転生者

鉄哲!!

 

263:名無しの転生者

お前すげぇよ!!

 

264:名無しの転生者

1人でイッチ相手に粘り続けてるぜ!!

 

265:竜舞ガブ

近接が得意やと言うとったが……これ程とはな。

 

266:レジェンドプロデューサー

……イッチが手加減しているとはいえ、俺たちの予想を裏切った活躍を見せてくれたな。

 

267:名無しの転生者

え?手加減……?

 

268:聖剣使いのプロブレーダー

考えてみろ……イッチの得意は武器を用いた戦闘だ。

それに加えて裂空魔弾や止縛法とかも使ってない。

 

269:名無しの転生者

た、確かに……。

 

270:名無しの転生者

でもなんでだ?

 

271:レジェンドプロデューサー

おそらくだが……3人にあえて付け入る隙を作り、攻略できるか試しているんだろう。

 

272:名無しの転生者

なんでそんなことを?

 

273:竜舞ガブ

イッチには俺たちと同じように前世を経験しとる。その分、この世界の同年代と比べて精神年齢が遥かに高い……親心かお節介か……真意はどうあれ、イッチなりのやり方で導こうとしてるんやろうな。

 

274:名無しの転生者

な、なるほど……。

 

 

 

 

「鉄哲が頑張ってるんだ……私達も捕まってるだけじゃダメだ!」

 

 拳藤が鉄哲の根性に触発され止縛法を破るために、身体を動かし始めた。スレ民が考察したように、俺はあえてヒーローチームの勝ち筋を残して戦っている。

 

「私の体と一緒に手を拘束したのは間違いだね!」

 

 ︎︎拳藤の手が巨大化し、体を拘束していた呪力の鎖を弾き飛ばした。拘束を外した拳藤は一気に俺達との距離を詰める。離れようとするが、鉄哲に脚を掴まれているせいで動くことができない。

 

「俺ごとやれ!」

 

「わかった!!」

 

 ︎︎鉄哲が全身を金属化し、脚を掴む腕に力を更に込める。俺は即座に腕で体と顔を防御し衝撃に備える。

 

「はぁッ!!」

 

「フンッ!?」

 

「ッ……!」

 

 ︎︎衝撃とともに壁に激突する。防御したことで致命傷には至らないが、今のはいい攻撃だった。

 

「だがまぁ……俺を離しちまったな」

 

「数的有利が取れたから無問題!」

 

「そうかよ……タローこっちに来い!」

 

『ワンッ!!』

 

 ︎︎核を守っていた狼型の式神を霊符に戻し、再度この場に召喚した。式神は2人に狙いを定め、いつでも飛びかかれるように姿勢を低くしている。

 

「これで数は互角になったな」

 

「やっぱり厄介だね……」

 

「関係ねェ!拳藤!俺が晴臣を相手する!お前は犬っころ倒して核を!!」

 

「目の前で堂々と作戦会議してんじゃねぇよ、タロー行け!」

 

『ワンッ!!』

 

 

 

276:名無しの転生者

イッチ対鉄哲、式神対拳藤の戦いか……。

 

277:名無しの転生者

人数差は無くなったけど、式神だからな。

 

278:聖剣使いのプロブレーダー

少なくともしっかりとした自我があることはわかるが……。

 

279:竜舞ガブ

そうやな。

式神と一緒に戦うなら、式神側に確立した自我ないと無理やからな。

問題は式神が拳藤相手にどの程度戦えるかや。

 

280:レジェンドプロデューサー

それに警戒するのは拳藤だけじゃないぞ。

 

281:名無しの転生者

え?

 

 

 

 

「タロー!下がれ!」

 

『ワン?』

 

 俺の命令で拳藤に突撃した式神だったが、違和感を感じた俺が戻るよう言うが遅かった。

 

『ワンッ!?』

 

「貰った!」

 

『キャウンッ!?』

 

 ︎︎式神の前足が()()()()()身動きが取れなくなる。拳藤がその隙を逃さず、巨大化した手で発勁を放ち式神を倒した。俺はこの柔い地面を用意した物間に視線を向ける。

 

「物間ッ!」

 

「ハーッハッハッハ!!」

 

 ︎︎俺が視線を向けると、物間は高笑し嬉々として話し始める。

 

「僕が君相手になんの仕込みも無しに戦うと思ったのかい!そんなわけないよねぇ!!」

 

「骨抜の“個性”か」

 

「そう!試合開始前に彼から“個性”を借りたのさ!まさか反則だなんて言わないよねぇ!!」

 

「構わねぇよッ」

 

「余所見してんじゃねェ!」

 

「私達もいるんだよ!」

 

「鬱陶しいなぁ!」

 

 ︎︎物間に集中していると、横から2人が攻めてくる。俺は攻撃を避けると同時に蹴りを放つ。

 

「足癖悪いな!」

 

 ︎︎2人は俺の蹴りをジャンプで避けると、物間の近くに着地する。拳藤が手を物間の拘束に突っ込み巨大化させることで、止縛法を強引に破った。

 

「これで形勢逆転だね」

 

「……」

 

 

 

283:名無しの転生者

やっぱり物間か!

 

284:名無しの転生者

ここぞって時に輝くよな……。

 

285:名無しの転生者

イッチどうするよ。

 

286:竜舞ガブ

まだまだ勝負はこれからやで!

 

287:縁柱ドンモモタロウ

最後まで頑張れ!

 

 

 

 

「七難即滅 七里離星……喼急如律令」

 

 3対1の状況になり、俺は上の階に行かせないために部屋全体を結界で覆い、外に出られないようにする。

 

「3人で一斉に行くぞ!」

 

「作戦を大声で喋んな」

 

「聞かれてもいいから喋るんだよ!」

 

 ︎︎部屋の中央で俺達は激突した。拳藤、鉄哲の2人の攻撃を捌きながら、俺も蹴りや拳を放つ。物間は2人に隠れて隙を伺っているようだ。

 

「これだけの攻撃を捌けるのかよッ!」

 

「拳藤、お前の“個性”による発勁や拳は脅威だ。だが、近くに味方がいると安易に“個性”を使えないだろ」

 

「そんなことわかってるよ!」

 

「そうかよ……鉄哲、お前の攻撃は安直すぎる」

 

「あ?」

 

「馬鹿正直にここを殴りますって相手に教えてるもんだ。もっとフェイントを混ぜろ」

 

「そんな漢らしくねェことできっかよ!」

 

「漢らしいとからしくないとか……命かかってる状況でも同じこと言えんのか」

 

「ぐッ……」

 

 ︎︎2人を捌きながら、粗を指摘していく。拳藤は自覚していたようだが、鉄哲は己のポリシーからか納得していような反応を見せる。

 

「2人とも!晴臣の話に惑わされるな!今は倒すことだけを考えよう!」

 

「物間、お前は見てるだけか?黒幕気取りも程々にしろよ」

 

「うるさいな……僕だって色々考えてるんだよ」

 

 ︎︎俺の言葉に反応する2人に物間が声をかける。少しは連携が乱れるかと思ったが上手くはいかないらしい。試合の残り時間もそろそろ終わる、このまま3人を捌き続けて時間切れを狙おう。

 

 

 

289:名無しの転生者

イッチはなんで式神を出さないんだ?

人数差は埋められるだろ。

 

290:竜舞ガブ

物間や。

アイツがクラスメイトの“個性”をコピーしたことで、択が大量に出てきたんや。式神を出すのもノーコストやない、考えなしに出してすぐにやられましたなんてことになったら、笑い話にもできへんで。

 

291:名無しの転生者

やっぱ物間やべぇな。

 

292:レジェンドプロデューサー

だが、残り時間は僅かだ。

この拮抗状態が続けばイッチの勝ちだぞ。

 

293:聖剣使いのプロブレーダー

逆に言えば、何かのはずみで拮抗状態が解けたら負けるかもしれないってことだ。

 

294:名無しの転生者

凄え……これが雄英に合格した子達の戦いか。

 

295:縁柱ドンモモタロウ

全員頑張れ!諦めるな!

 

 

 

 

「ッ!うぉぉぉ!!」

 

「ヤケになったか?」

 

「そんなわけないでしょ!」

 

 残り時間が迫ったからか、鉄哲がいきなり突進し俺の体を押さえつける。外そうとすれば拳藤が巨大化した手で鉄哲ごと握ってきた。

 

「2人ともありがとう!」

 

 ︎︎俺の動きを止めたことで静観していた物間が一気に走り出した。俺の顔目掛けて手を伸ばした。

 

苦哉大聖尊(くさいだいしょうそん) 入真何太遠(にゅうしんかたそく) 諸天猶決定(しょてんゆうけつじょう) 天人追換得(てんにんついかんとく) 痛哉天中天(つうさいてんちゅうてん) 入真如火滅(にゅうしんにょかめつ)……下剋破殿(げこくはでん)、喼急如律令」

 

 ︎︎俺が予め戦闘服の袖に仕込んでおいた霊符に呪力を込めて術を発動させる。俺を中心に小規模の爆発が起き、鉄哲も拳藤も物間も爆発に飲み飲まれ、衝撃によって吹き飛ばされる。

 

「ッ……鎧包業羅ありでこれか……」

 

「自爆かよ……」

 

「ッ……!」

 

「ふっ……ふはは……本当にめちゃくちゃだ……」

 

 ︎︎部屋を結界で覆っているから、核と拠点への被害は無し、俺は呪装していたのでダメージはあるが動けないほどではなく、鉄哲は“個性”である程度軽減できていたが衝撃が響いたのか満足に動けていない、拳藤は掌に火傷を負い衝撃によって吹き飛ばされ壁に激突した。一番距離があった物間は2人が壁になったからかそこまでダメージはないみたいだ。

 

『蘆屋少年!?』

 

「オールマイト……貴方が懸念している拠点と核の被害は結界を張っているので無しです。爆発もできる限り威力を下げて使いました」

 

『ムゥ……しっかり爆発の脅威を考え対策しているか……わかった!今回だけ認めよう!ただし、次使えば君の負けだからね!考えていたとはいえ、自爆は褒められたものじゃない!同じことはしないように!』

 

「はい」

 

 ︎︎インカムからオールマイトの声が聞こえ、先程の自爆について怒られる。他にあの状況を何とかできる方法はあったかもしれないが、手っ取り早く自爆したのは俺自身の意思のため反省する。

 

「話しは終わったかい?」

 

「もちろん」

 

「じゃあ……第2ラウンドを始めようか!」

 

「上等だ」

 

 ︎︎物間が意気揚々と、オールマイトと話し終えた俺に声をかける。拳藤は負傷し鉄哲も爆発のダメージで満足に動けない状況で、物間のテンションの高さに違和感を覚える。

 

「は?」

 

 ︎︎物間は爆発で飛び散った石を掴むと、見覚えのある構えをとった。

 

 

 

297:名無しの転生者

あれって!?

 

298:名無しの転生者

マジかよ!

 

299:レジェンドプロデューサー

あの爆発でイッチに触れていたのか。

 

300:竜舞ガブ

あの構えは裂空魔弾や。

 

 

 

 

「君の“個性”は強力だ!今日はそれを身をもって知ったさ!だから今度は君が受けてみなよ!文字通りさァ!!」

 

 ︎︎俺の“個性”が物間にコピーされた。

 

 ︎︎︎︎エキシビションマッチ残り……僅か

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