呪力は呪力でも呪力かよ!?   作:パンツ男

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21スレ目

 ︎︎~簡単な話や……イッチの呪力が前者の場合、コピー系の“個性”持ちにコピーされたら、その相手も陰陽術が使えるかもしれんって話や。~ 

 

 ︎︎10年前の会話を思い出した。物間の“個性”がコピーと聞いてもしかしたらとは思っていた。初めて会話した時はまだ半分ほど疑っていたが、目の前の光景を見て本当だったと考えを改める。

 

︎︎「君の“個性”は強力だ!今日はそれを身をもって知ったさ!だから今度は君が受けてみなよ!文字通りさァ!!」

 

 ︎︎俺の“個性”をコピーしたことで、呪力という未知の力を感じたのか、ハイになり声高々に叫ぶ。俺は物間の一挙手一投足に注意し攻撃に備える。

 

「体の奥から力を感じるんだ!これが呪力ってやつかァ!確かに(のろ)いじゃなくて(まじな)いだねェ!」

 

「ハイになってるな……借り物の力で強くなったのがそんなに嬉しいのか?」

 

「ハッ!強がっても無駄さァ!」

 

 ︎︎物間は俺の言葉を鼻で笑い、石に呪力を込める。スレ民の予想通り、俺の“呪力”は個性因子に由来のものだったようだ。

 

 

 

301:名無しの転生者

マジか!?マジで使えんのか!?

 

302:縁柱ドンモモタロウ

昔言ってた仮説……個性因子由来が正しかったみたいだな。

 

303:聖剣使いのプロブレーダー

懐かしいなあの頃はイッチもまだ五歳くらいだったな。

 

304:竜舞ガブ

>>2 せやな。

ただ、これでアイツがイッチの“個性”を使えることがわかってもうた。

 

305:名無しの転生者

え?

 

306:縁柱ドンモモタロウ

あぁ、アイツ……。

 

307:名無しの転生者

もしかして……■■■のことッ!?

 

308:竜舞ガブ

気ぃつけやネタバレ禁止のルール忘れたらアカンで。

 

309:名無しの転生者

そ、そうだったわ……ごめんなさい。

 

310:竜舞ガブ

次、気をつければええんやで。

 

311:名無しの転生者

>>310 は、はい!

 

312:レジェンドプロデューサー

そうだな。

複数回やると掲示板が一時的に使えなくなるから注意しろよ。

 

313:名無しの転生者

>>312 はい……。

 

 

 

 

「確か、こうだったよねェ!み(めぐ)みを()けても(そむ)(あだなえ)篭弓羽々矢(かごゆみははや)もてぞ射落(いお)とす!裂空魔弾(れっくうまだん)!喼急如律令!!」

 

「七難即滅 七里離星……喼急如律令!」

 

 物間が裂空魔弾の詠唱をすると同時に、俺は結界を張った。本音を言えば、物間が詠唱を終える前に潰したかったが、俺は物間の“コピー”について、触れた人物の“個性”をコピーすることしか知らない。今、幾つ“個性”をコピーしているのか、それを同時に使えるのか分からない。不確定要素が多いため、防御を選択した。

 

「なんてね……。君の“個性”は“スカ”みたいだ」

 

 ︎︎物間は落ち着いたテンションで手をヒラヒラとさせ、握っていた石を地面に落とす。“スカ”については分からないが、コピーした俺の“個性”は使えなかったようだ。

 

「ッ!2人はッ!?」

 

「ダメじゃないか……僕だけに集中しちゃ」

 

「ハァッ!!」

 

「オラァッ!!」

 

 ︎︎物間が落とした石に視線を向けた時に気づいた。先程まで爆発の影響で動けなかったはずの2人がいないことに……。気配を感じて振り向くと、2人が拳を振り上げすぐそこまで迫っていた。

 

「しまった!」

 

 ︎︎後ろに回避しようとしたが、物間の裂空魔弾用に張った結界がそれを阻む。横に避けようにも、迫る2人がそれを許すはずがない。

 

「なら!奇一奇一たちまちッ……!?」

 

「ツインインパクト解放(ファイア)

 

「貰ったァ!!」

 

 ︎︎頬に衝撃が走った。この衝撃は、庄田の“個性”によるものだ。俺の“個性”をコピーする際に仕込んだのか。詠唱の邪魔をされ、大きな隙ができた俺の腹に鉄哲の拳が突き刺さる。

 

「グッ……!?」

 

「いっけェ!!」

 

 ︎︎全身を衝撃が襲う。凄まじい腕力で押され結界にぶつかり、破壊しながら壁まで吹っ飛ばされる。

 

 

 

315:名無しの転生者

イッチ!!?

 

316:名無しの転生者

嘘だろ!?

 

317:縁柱ドンモモタロウ

物間が“個性”をコピーして動揺したのか……。

 

318:竜舞ガブ

しかもツインインパクトまで仕込んどったとは。

 

319:レジェンドプロデューサー

イッチに勝つために色々準備してたんだろうな。

 

320:聖剣使いのプロブレーダー

ダメージらいしダメージが入ったな。

 

321:名無しの転生者

負けちゃうのか?

 

322:名無しの転生者

まだ諦めるな!頑張れイッチ!

 

323:竜舞ガブ

せや!イッチ!まだ勝負は終わってへんで!

 

 

 

 

 ︎︎全身が痛い、3人にしてやられた。ナメていたわけじゃないが、まだ子供で年上の俺が導かないとと思っていた節はある。だが、俺は大学に行く前に転生したから、オールマイトや施設長のような大人ではない、ただの精神年齢が高いだけの子供なのかもしれない。

 ︎︎それにしても……。

 

 ︎︎~晴臣!どうだ!俺の必殺技は!!~

 

 ︎︎~行くぞ、晴臣!~

 

 ︎︎~3人とも!怪我しちゃダメだからね!~

 

 ︎︎()()()()()

 

 ︎︎久しぶりに心が昂るのを感じる。この試合が昔、聖達とヒーローになるために特訓していた、あの時の光景と重なる。

 

「子供なのは俺も同じか……」

 

「え?」

 

「なんでもねぇよ。さぁ!続きと行こうか!!」

 

「ッ……!?あぁ!もちろんさ!」

 

 ︎︎導くのは大人に任せる。今はこの試合に勝つことだけを考えよう。

 

「2人とも行くよ!」

 

「おう!」

 

「あぁ!」

 

「ありがとよ……シロ!」

 

「え?」

 

「は?」

 

「おい!?」

 

 ︎︎もう片方の袖に仕込んでおいたもう1枚の霊符から大蛇型の式神を召喚する。式神は3人を飲み込んで、一階に続く階段を降り結界の迷路を通り抜け、正面の出入口まで辿り着く。

 

『終~了~!!!蘆屋少年の勝利だ!!』

 

「悪いな、試合は俺の勝ちだ」

 

 ︎︎勝負はそっちの勝ちだ。物間達に何度もしてやられて、使う予定の無かった式神まで使わされた。反省点や改善点も多くあった。

 

お前ら(B組)は俺が思っているより弱くない。これは改めないとな……)

 

「晴臣!最後のなんだあれ!」

 

「私、蛇に飲まれるなんて思ってなかったよ……」

 

「やってくれたねェ!まさか、僕たちに勝てないと思ったからあんな事したのかなァ!」

 

 ︎︎俺はオールマイトの言葉に従い、地下のモニタールームまで歩いていく。出入口では3人が俺を待っていたようで、試合の最後について色々言ってくる。

 

「違ぇよ。お前らが強かったから、負けないために奥の手を使ったんだよ」

 

「……」

 

「悪かった……俺はお前達(B組)のこと見くびっていた。このエキシビションマッチでそれを知ったよ……すまなかった」

 

「ふふ……気にしなくていいさ。僕はもう満足したからね!」

 

「おう!俺もだ!お前も強かったぜ!!」

 

「……私も別に怒ってないよ。アンタが強いのは事実だしね」

 

 

 

325:名無しの転生者

……?なんかめでたしめでたしって感じ?

 

326:名無しの転生者

そうなのか?

 

327:レジェンドプロデューサー

当人達が納得してるんだ。

俺たちが今更蒸し返す必要も無い。

 

328:竜舞ガブ

せやな。

イッチがB組と仲良くなれた!それでええな!

 

329:縁柱ドンモモタロウ

それもそうだな!

 

330:聖剣使いのプロブレーダー

終わりよければすべてよし。

なんか試合前よりも馴染んでる気がするな。

 

 

 

 

「さぁ!最後の講評といこうか!まずは素晴らしい試合を見せてくれた4人に拍手を!」

 

「凄かったぞ!」

 

「物間!やるじゃねぇか!」

 

「晴臣強かった!」

 

「最高の試合だったよ!」

 

 モニタールームに戻り︎︎オールマイトが講評を始める。俺たちはクラスメイトから拍手と称賛が送られ、嬉しい反面少しムズ痒い気持ちになる。

 

「さて、戦ってみてどうだったかな!」

 

「序盤、バラバラに潜入する作戦を潰したのにも関わらず、すぐに立て直して良い連携を見せてくれた……物間だけでなく、拳藤も鉄哲も自分にできる精一杯で俺に立ち向かい、奥の手まで使わされました」

 

「取蔭と塩崎のチーム相手に、裏をかくことばかりに集中し過ぎていました。それを晴臣に指摘されて、少しムッとしてあんな事を言ってしまいました。このエキシビションマッチで僕は全力で晴臣に挑みました、そして卑屈になり過ぎていたと気付かされました……ありがとう晴臣」

 

「お互い様だ……気にしなくていい」

 

「俺ァ!もっと硬くならねぇとな!晴臣の攻撃でまだまだだって思い知ったぜェ!」

 

「私も……もっと“個性”に合わせた立ち回りを学ばないとな」

 

「うんうん!このエキシビションマッチは君たちに良い刺激を与えたみたいだね!」

 

 ︎︎俺たちの感想を聞いた、オールマイトは良かったと頷きサムズアップする。

 

「今日の授業!初めての対人訓練だったけど皆良かったぜ!今日得た学びや経験を大事にして明日からも頑張ってくれ!それじゃあアレで締めようか!せーの!!」

 

「「「「「Plus ultra!!」」」」」

 

 ︎︎こうして、雄英に入ってから初めての対人戦闘訓練は終わった。

 

 

 

332:転生者掲示板

 

LIVEモードを終了します。

 

 

333:レジェンドプロデューサー

終わったみたいだな。

 

334:名無しの転生者

いやぁ……凄かったなぁ。

 

335:名無しの転生者

手加減してたとはいえ、イッチがあそこまで追い詰められるとは……。

 

336:レジェンドプロデューサー

イッチも新たな気づきを得たようだし、良い経験になったな。

 

337:ヒロアカ陰陽師

あ、皆さん今いいですか?

 

338:名無しの転生者

イッチ!

 

339:名無しの転生者

試合お疲れ様!凄かったぜ!

 

340:ヒロアカ陰陽師

ありがとうございます。

 

341:レジェンドプロデューサー

それで何か用か?

 

342:ヒロアカ陰陽師

この後、今日の訓練の反省会兼意見交換会をするんですけど、一つ気になったことがあって。

 

343:名無しの転生者

ん?

 

344:ヒロアカ陰陽師

物間が俺の“個性”を“スカ”と言っていたのですがあれってどういう意味なのかと。

 

345:竜舞ガブ

多分、この後教えてくれるとは思うけど、まぁええか。

物間の“個性”でコピーできるのは“個性”だけや。

 

346:ヒロアカ陰陽師

というと?

 

347:竜舞ガブ

物間の“個性”は、“個性”しかコピーでけへん。溜め込むタイプの“個性”なら溜め込んだものまではコピーされへんねん。

例えば、脂肪を消費して身体能力を強化する“個性”をコピーした場合、物間自身の脂肪を消費せぇへんと“個性”が使われへんって感じやな。

 

348:ヒロアカ陰陽師

なるほど……。

 

349:レジェンドプロデューサー

要するに、イッチが数年かけて呪装できたものを、見ただけでは使えないと言うことだ。

 

350:ヒロアカ陰陽師

>>347 >>349 丁寧にありがとうございます。

 ︎︎

351:竜舞ガブ

ええんやで。

 

352:名無しの転生者

ん?つまり、物間は修行すれば陰陽術が使えるってこと?

 

353:レジェンドプロデューサー

やってみないとわからないが、作中の描写的にコピーした“個性”を使いこなせるように特訓していたから、可能性は高いと思うぞ。

 

354:竜舞ガブ

あぁあれな。

 

355:縁柱ドンモモタロウ

そういうことだから、イッチが良ければ物間に相談してみたら?

 

356:ヒロアカ陰陽師

そうですね。

俺の“個性”を使いこなせれば、色々なところで活躍できそうですし、提案してみます。

 

357:聖剣使いのプロブレーダー

この流れで悪いが、俺は落ちるぞ。

 

358:名無しの転生者

えぇ!?なんで急に?

 

359:聖剣使いのプロブレーダー

イッチ達の試合を見ていたら、ワクワクしてなベイバトルがやりたくなった。

ちょうどいいところに仮面Xと会ったし、バトル挑んでくるわ!

 

360:ヒロアカ陰陽師

そう言ってもらえると嬉しいです。

バトル頑張ってください!

 

361:聖剣使いのプロブレーダー

ありがとな、イッチこれからも頑張れよ。

応援してるからな。

それじゃあお疲れ様。

 

362:名無しの転生者

オツカーレ!

 

363:ヒロアカ陰陽師

お疲れ様です。

 

364:竜舞ガブ

そんじゃ俺も落ちよかな。

俺もエクスカリバーニキと同じで、ポケモンバトルしたくなったわ!

 

365:名無しの転生者

対戦相手可哀想……。

 

366:名無しの転生者

アーメン。

 

367:竜舞ガブ

酷いなぁ!

 

368:ヒロアカ陰陽師

あはは……。

俺も着替え終わったんで落ちますね。

 

369:名無しの転生者

そっか!

お疲れ様!

 

370:縁柱ドンモモタロウ

お疲れさん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「物間、今いいか?」

 

「ん?何かな?」

 

 ︎︎反省会兼意見交換会が終わり、それぞれ家路に就く中、俺は物間を呼び止めた。

 

「俺の“個性”……使えるようになりたいか?」

 

「どういう意味だい?試合で言っただろ“スカ”だって」

 

「あぁ聞いたさ。“スカ”の意味についてもさっきの反省会でな。でもな……俺は“呪力”を用いた身体強化に2年かかった」

 

「え?」

 

「俺が初めて呪装できたのは、“個性”発現から2年だ。それからも必死に修行して試行錯誤してやっと今の形に落ち着いた。だから物間も修行すれば使えるようになる」

 

「断言するんだね」

 

「あぁ。俺の“個性”をコピーした時、お前に呪力があるのを見た、なら後は使い方を知るだけだ」

 

 ︎︎物間は俺の顔を見る。物間は俺の発言をゆっくりと咀嚼していき、怪訝な顔をする。

 

「驚いたよ。自分の“個性”を進んでコピーしてくれって……おかしいんじゃない?」

 

「おかしいことなんかのにも言ってないだろ?」

 

「はぁ……。敵に塩送るなんてさ」

 

「敵じゃないだろ、友達だからな」

 

「……いいよ。君の“個性”必ずものにしてみせる」

 

「そう言ってくれると教えがいがあるよ」

 

「本当に君は変わってるよ……」

 

「そうか?」

 

「そうだよ……それより!あの蛇はなんなんだい!最後の最後まで全力で戦おうと思っていたのに、いきなり外に出されて調子狂うね!」

 

「さっきも言っただろ。あれは奥の手だ。どうしても試合に負けたくなかったからな……まぁアイツを使わせた時点で、俺は勝負には負けたと思ってるよ」

 

「それで納得するとでも?……次は僕たちが勝つ」

 

「たち?タイマンで勝つくらい言えよ」

 

「無茶を言ってくれるね……でも、卒業までに一本取ってみせる」

 

「楽しみにしてる」

 

「その自信いつまで保てるかな」

 

「そっちこそ、吐いた唾は飲めねぇぞ」

 

「ふふ」

 

「ははっ」

 

 ︎︎俺達は途中まで一緒に帰った。道中、互いの“個性”について教えあったり、自分と相性のいいクラスメイトが誰か話し合ったりした。物間との会話は楽しく久しぶりに笑えた気がした。

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