呪力は呪力でも呪力かよ!? 作:パンツ男
︎︎屋内対人戦闘訓練が終わり、クラスメイトとも少し打ち解けることができた。翌日、いつも通り登校すると正門の前が記者達で溢れかえっていた。
︎︎記者達は手当り次第に雄英生に声をかけ、オールマイトについて質問していた。そのせいで、生徒が門を通れなかったり、遅刻しそうになっているのに、報道の自由だなんだとお構い無しに取材している。
「マジかよ」
1:ヒロアカ陰陽師
マスコミってなんで存在してるんですかね。
2:名無しの転生者
おいおいどうした!?
3:竜舞ガブ
あぁ、もうそこなんや。
正門にマスコミがうじゃうじゃおんねんやろ。
4:ヒロアカ陰陽師
はい。
おかげで遅刻しそうですよ。
5:聖剣使いのプロブレーダー
なるほどなぁ。
6:名無しの転生者
>>4 なんか怒ってない?
7:ヒロアカ陰陽師
怒ってるってより、朝から嫌なものを見たなって鬱陶しく思ってます。
8:竜舞ガブ
前にマスコミ嫌いって言ってたもんな……。
9:ヒロアカ陰陽師
えぇ。
雛月寮から生還した俺に、事件について一言もらおうと躍起なって、心無い質問をしてきたあのゴミ共……失礼、記者達のせいで、今でもマスコミ関係者を嫌悪してます。
10:名無しの転生者
うわぁ……。
「どうしたもんかなぁ」
「晴臣くんおはよう!こんな所で立ち止まってどうしたの……って!?何あれ!?」
︎︎スレ民に愚痴を零しながら、目の前にいる記者達をどうやって切り抜けるか考えていると、後ろから葉隠に声をかけられた。
「葉隠か……どうしたもこうしたも、アイツらのせいで遅刻しそうだ」
「ど、どうしよう!?」
「韋駄天符、飛天駿脚……喼急如律令」
︎︎慌て始める葉隠を見ながら、俺は後のことを考えてため息をついた。ベルトに取り付けている霊符ケースから、一枚霊符を取り出し呪装する。
「え?きゃっ!?な、何してるの!?」
「しっかり掴まってろ」
「ちょっ!ちょっと!?」
︎︎葉隠をお姫様抱っこし走り出す。助走をつけて一気に跳躍して、塀を飛び越え着地する。さすがの記者達も敷地内に無断で侵入するなんてことはしないだろう。
「大丈夫か?」
「大丈夫だけど……大丈夫じゃない……」
「ん?」
「今こっち見ないでぇ……」
「いや、見えねぇよ」
「あ、待って!?」
︎︎抱き上げていた葉隠を下ろし、俺は校舎に向かって歩き始める。途中で相澤さんの姿が見えたので俺は一言伝えに近づく。
「お久しぶりです……相澤さん」
「蘆屋か……ここじゃ先生だ」
「わかりました……相澤先生、記者達のせいで遅刻しそうだったので“個性”を使用してしまいました、何らかの処罰が下るなら俺だけにお願いします。葉隠は何もしていません」
「晴臣くん!?」
「本来なら敷地外の“個性”使用に対してペナルティを課すところだが今回は見逃す、どう見ても記者達の方に非があるからな。ただし、これが普通ではないからな気をつけろよ」
「はい、ありがとうございます。以後気をつけます」
「ならいい。早く教室に行け」
「はい。行くぞ葉隠」
「え?う、うん!」
︎︎葉隠と分かれてB組の教室に入り、朝のHRが始まるのを待つ。クラスメイトは校門前の記者達の話で盛り上がっていた。
「おはよう!」
︎︎HRでは担任のブラドキング先生が真剣な顔で教室に入ってくる。クラスメイトも先生の顔を見て、何かあるのかと緊張した面持ちで見つめる。
「昨日の戦闘訓練ご苦労だった、Vと成績を拝見させてもらった。自分の苦手や弱点、逆に得意なことを理解したと思う、それを踏まえて今日から頑張っていこう。早速だが、今日は皆に……」
(なんだ?)
(抜き打ちテストとか?)
(……)
「学級委員長を決めてもらう」
「はいはい!俺やりてェ!!」
「俺も!!」
「はい!私もやりたい!」
「私もですぞ!!」
︎︎ブラドキング先生の突然の発表に教室が沸き立つ。皆一斉に手を挙げ、学級委員長に立候補する。
︎︎学級委員長、普通科なら雑務で敬遠される役職だが、ことヒーロー科それも雄英となればその価値は大きく変わる。集団を導く、トップヒーローの素地を鍛えられる役職だ。だからこそこれほどまでに立候補が上がるのだ。
「皆、落ち着きなよ」
「物間?」
「確かに学級委員長は花形だよ。でもやりたいからって務めるような役職でもない。だからこそ、一度考えてみようじゃないか、誰が学級委員長に相応しいかを」
「……確かに一理あるな」
「やりたいだけで、務まるかどうかは別だもんな」
︎︎物間の発言で、クラスが落ち着きを取り戻し静かになる。俺は学級委員長に全く興味は無いが、物間はどうやって相応しい奴を決めるのだろうか。
「物間、学級委員長に相応しい奴ってどうやって決めるんだ?」
「簡単な話だよ。自分以外のクラスメイトで学級委員長に相応しい人を挙げる、その中から多数決で選べばいいんじゃないかな」
「なるほどなぁ……なら俺は拳藤を推すぜ!」
「私ぃ!?」
「ダメか?」
「いや、ダメじゃないけどさぁ……」
「ならいいだろ!オメェなら安心してクラスを任せられる!」
「はぁ……そこまで言われたらやるしかないじゃん」
︎︎物間の話を聞いた鉄哲は真っ先に拳藤を指名した。拳藤も最初こそ驚いていたが、鉄哲の理由を聞いて立候補を受け入れた。それに乗るように何名かは拳藤を支持し始める。
「僕も1人挙げさせてもらっていいかな」
「拳藤以上の適任がいるのか?」
「もちろんさ!そうだろ晴臣!」
︎︎そんな気はしてた。物間は自信満々に俺の名を挙げる。クラスメイトの視線が一斉に俺に向き、とても居心地が悪い。
「物間……」
「君の視野の広さ、戦闘訓練での厳しいながらも僕らを導かんとする言葉の数々!君が学級委員長に相応しいと思うよ!」
「お前、昨日の根に持ってるだろ」
「そんなわけないだろ。君が相応しいと思ったからこそ、挙げさせてもらったんだよ」
「はぁ……挙げてもらってなんだが俺は辞退する」
「えぇ!?なんで!?」
「花形だぞ!いいのかよ!?」
︎︎物間は俺を学級委員長にしたいみたいだが、俺は辞退することを発表する。
「理由は二つだ。まず、俺は学級委員長に対してそこまでやる気がない。相応しいかどうかは置いておくとして、やる気がないやつが学級委員長になるのは、クラスのリーダーとしてダメだろ」
「確かに……」
「それはそっか……」
「次に個人的な理由になるが、放課後はできる限り鍛錬に充てたい。学級委員長の仕事で放課後の時間が潰れるのは俺としては少し痛い、こういう理由から俺は辞退する」
「仕方ない、君の意見も尊重しないとね」
︎︎俺が学級委員長をやらない理由を説明すると、物間はやれやれといった感じで、立候補を取り下げた。
「では学級委員長は拳藤でいいか?」
「はい、選んでもらったからには頑張ります」
「なら、学級委員長は拳藤で決まりだ」
︎︎俺が辞退したことで、拳藤が学級委員長候補に残り、ブラドキング先生が最後の確認を取る。反対意見も特に出なかったため拳藤に決まる。
「次に副委員長だが」
「じゃあ俺やります」
「おぉ骨抜」
「委員長が拳藤なら、副委員長は男子から選んだ方がいいかなって、それに蘆屋は辞退したし適任は俺かなって」
「柔軟な対応かよ!?」
︎︎骨抜が立候補したことで、副委員長はすんなりと決まった。残りの委員会は午後に決めるそうだ。
11:ヒロアカ陰陽師
ということがあったんですよ。
12:名無しの転生者
委員長決めか……確かヒーロー科は人気なんだっけ?
13:竜舞ガブ
せやな。
普通科の委員長は雑務とか押し付けられそうって感じで、誰かに任せようとするけど。ヒーロー科は皆を率いる力がつけられるってことで、めちゃくちゃ人気やで。
14:名無しの転生者
ほぇ……なんかすげぇな。
15:名無しの転生者
……。
16:名無しの転生者
イッチは立候補したん?
17:ヒロアカ陰陽師
いえ、立候補はしてません。
ですが、物間に指名されて任命されかけましたね。
18:縁柱ドンモモタロウ
任命されかけたって……。
イッチは学級委員長に興味無い感じ?
19:ヒロアカ陰陽師
はい。
指名されたけど、辞退しましたから。
そもそもやる気のないやつがクラスのリーダーになるのは間違ってますし、放課後は出来るだけ鍛錬に使いたいんですよね。
20:レジェンドプロデューサー
まぁやるやらないは個人の判断に任せるが、誰に決まったんだ?
21:聖剣使いのプロブレーダー
俺も気になる!
22:竜舞ガブ
拳藤が委員長なのは原作で知ってるけど、副委員長は誰になったん?
23:ヒロアカ陰陽師
骨抜です。
委員長が決まった後、自ら名乗り出ましたよ。
24:名無しの転生者
なるほど骨抜くんかぁ。
柔軟な対応が出来る骨抜くんならいいんじゃない。
25:縁柱ドンモモタロウ
そうだな!
26:ヒロアカ陰陽師
あ、すみません。
昼休みになったんですが、葉隠に呼ばれたので一旦落ちます。
27:竜舞ガブ
おうお疲れ!
28:名無しの転生者
……。
29:名無しの転生者
……。
30:名無しの転生者
……。
31:縁柱ドンモモタロウ
え!?いつのまに葉隠とそんな仲に!?
「あ、お茶忘れた」
︎︎学級委員長と副委員長が無事に決まり、通常の時間割の通りに午前の授業が全て終わった。今は、昼休みで食堂や教室で各々昼食を取っている。
︎︎俺は机に作ってきた弁当を広げると、水筒を家に忘れたことに気づいた。
「はぁ……無駄な出費が増えたなぁ……」
「晴臣くん!」
「ん?」
︎︎高校生の財布事情はシビアなものである。俺の場合、特待生ということもあって今住んでいる学生用アパートの費用は雄英が負担してもらい、施設長から毎月仕送りをいただいているので、同年代と比べて少し余裕はあるが、やはり無駄遣いは良くない。そのために自炊等で節約しているのだが、こんな所で変な出費になるとは思わなかった。
︎︎観念して自販機でお茶を買いに行こうと教室を出ると、同じタイミングで出てきた葉隠に声をかけられる。
「葉隠かどうした?」
「えっとね……今から皆と食堂でお昼食べるとこなんだけど、一緒にどうかな?」
「俺は構わねぇけど……皆はいいのか?」
「えぇ大丈夫よ」
「B組の話聞きたーい!」
「ほらね!」
「わかったよ、弁当取ってくるから先に食堂に向かっててくれ」
︎︎葉隠の提案に、彼女と一緒にいた緑髪の子とピンク髪の子に確認してみた結果、すんなりとOKを貰えた。特に断る理由も無いので、俺は彼女達と一緒に昼食をとることにした。
「えぇ!“個性”把握テスト1位なんだ!」
「じゃあ、あなたが相澤先生が言っていた首席合格なのかしら」
「え?あの人、そんなこと言ってたのか」
「えぇ、把握テストを始める際に首席はB組だって呟いていたのを聞いたわ」
「そうそう、それで爆豪が物凄い顔してたなぁ」
「爆豪……」
「うちのクラスのヤンキーだよ!」
「へぇ……」
︎︎A組の
「それにしてもさ……晴臣くんって相澤先生とどういう関係なの?」
「え!?なになに!?」
「今日、校門前から一緒に登校した時さ……相澤先生のこと相澤さんって呼んでたでしょ。なんでかなぁって思って」
「別に大したことはないぞ。小学生の頃に子供を誘拐する敵に攫われて、助けてもらったことがあるってだけだ」
「大したことだよ!?」
「そうか?まぁ……それで事件解決後からちょくちょく交流することがあったって感じだな」
「じゃあ最近は会ってないのね」
︎︎蛙吹の言葉に少しだけ胸がザワついた。相澤先生と会わなくなった理由が頭をよぎったからだ。あの悲劇の元凶を見つけて復讐すること、あのままプロヒーローの相澤先生と交流していると確実にバレていたと思う。
「晴臣くん?」
「いや……なんでもない……。引越ししたからさ相澤先生の活動地域から外れて、当時はスマホとか持ってなかったし……だから、雄英で教師やってるって知って驚いたよ」
「また会えて良かったね!」
「あぁ……」
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外に避難してください』
︎︎その時だった。校内に警報が鳴り響き、食堂内が一瞬にしてパニックになった。上級生はこの警報について知っているようで我先にと出入口に向かって走り出した。
「え!なに!?きゃっ!?」
「大丈夫か」
「は、晴臣くん……」
︎︎近くを走った生徒にぶつかられた葉隠が倒れそうになったので、咄嗟に抱きとめる。俺は掲示板に意識を割きスレ民に助けを求める。
32:ヒロアカ陰陽師
緊急事態です!
雄英のセキュリティ3が突破されたと警報がなりました!
なにか知っていますか!
33:名無しの転生者
うわっびっくりした!?
34:名無しの転生者
セキュリティ3が突破ってことはマスコミか!
35:竜舞ガブ
イッチ落ち着け!
今回の警報は、マスコミが雄英の敷地内に侵入したからや!
36:ヒロアカ陰陽師
えぇ……。
犯罪じゃないですか……。
37:レジェンドプロデューサー
まぁそうなんだが、しばらくすれば落ち着くから無理に動かなくていいぞ。
38:名無しの転生者
そう言えばさっき葉隠さんと飯食うって言ってたよな?
皆は大丈夫?
39:ヒロアカ陰陽師
上級生にぶつかられて倒れそうになったんで、咄嗟に抱きとめたんで怪我はしてないはずです。
40:名無しの転生者
……。
41:名無しの転生者
イッチ……。
42:竜舞ガブ
なんやろ今、イッチが女に刺される幻覚が見えた。
43:ヒロアカ陰陽師
え?なんでです?
44:縁柱ドンモモタロウ
そういえば、入試の時も葉隠をお姫様抱っこしてたよな……。
45:聖剣使いのプロブレーダー
無自覚タイプか……。
46:ヒロアカ陰陽師
えぇ……皆さんもどうしたんです?
47:レジェンドプロデューサー
イッチ気にしなくていいぞ。
それよりそっちはどうだ?
48:ヒロアカ陰陽師
あぁ、A組の飯田って人が騒ぎを落ち着かせました。
とりあえず、俺たちの周りに怪我人はいません。
49:名無しの転生者
なら一安心だな。
50:名無しの転生者
あのさ……教室戻るまで時間あるだろ?
少し気になったこと聞いていいか?
51:名無しの転生者
なんだ?
52:名無しの転生者
前から思ってたんだけど……なんかイベントズレてね?
53:ヒロアカ陰陽師
え?
54:アサシンディケイド
それについては俺から説明しよう。
55:名無しの転生者
ディケイドニキ!?
56:ヒロアカ陰陽師
イベントがズレるって大丈夫なんですか?
57:アサシンディケイド
それについても後で説明する。
まず最初に原作の流れだと
1日目(入学式)
A組、“個性”把握テスト
B組、入学式
2日目
A組、戦闘訓練
B組、“個性”把握テスト
3日目(マスコミ侵入)
A組、不明
B組、戦闘訓練
といった感じだ、B組のスケジュールについてはあくまで予想に過ぎないが、A組と並行して授業を進めているから間違いはないと思う。
次に、イッチの世界線での流れは
1日目(入学式)
A組、“個性”把握テスト
B組、入学式
2日目
A組、戦闘訓練
B組、“個性”把握テスト
3日目
A組、不明
B組、戦闘訓練
4日目(マスコミ侵入)
A組、不明
B組、不明
という流れになっていて、マスコミの侵入が原作と比べて一日遅れている。
58:名無しの転生者
そう!やっぱりズレてるよな!
59:竜舞ガブ
これはあれか並行世界やからか。
60:アサシンディケイド
その通りだ。
イッチのいる世界は確かにヒロアカの世界だが、厳密に言えば原作そのものの世界ではない。
イッチという存在が追加されたヒロアカの世界と思ってくれ。
それ故に、原作と比べてズレが生じるというわけだ。
61:名無しの転生者
なるほど……。
62:レジェンドプロデューサー
ネタバレになるから詳しくは言えないが、イッチと同じヒロアカに転生したスレ民の世界では、何も関与していないのに、原作キャラの家庭環境が改善しているという報告がある。
63:ヒロアカ陰陽師
でも一日のズレって結構響きませんか?
64:アサシンディケイド
それに関しては問題なしだ。
ヒロアカの世界であることに変わりはないからな、大筋の道は決まっている。今回はほんの少しだけ道が逸れた程度で、次のイベントまでに帳尻合わせが行われて、元の流れに戻るさ。
65:ヒロアカ陰陽師
そうなんですね。
66:アサシンディケイド
ただまぁ……原作に限りなく近い別の世界線ってことは頭に置いておけ、たまに俺たちの知らないイベントが起きることがある。できる限りアドバイスはするが、その時は己のみが頼りになる。
67:ヒロアカ陰陽師
わかりました。
68:名無しの転生者
俺、転生した世界について全く知らんかったわ。
原作に限りなく近い別の世界線かぁ。
69:名無しの転生者
でも、考えてみたらそうだろ。
転生にしても成り代わりにしても、俺たちが動くことで原作の結果が変わってるんだから……あくまでifってことか。
70:縁柱ドンモモタロウ
……。
71:アサシンディケイド
確かに世界線は別だが、そこで関わった人にとってはその世界で起きたことこそが正史だ。
だから、自分の世界で助けられたからといって、原作で死んだキャラは助かったことにはならないなんて思わなくていいぞ。
72:縁柱ドンモモタロウ
ありがとうございます。
73:名無しの転生者
そっか……ドンモモニキは特に気にしちゃうか……。
74:名無しの転生者
ドンモモニキ、俺が変な質問してすみません。
75:縁柱ドンモモタロウ
気にしなくていい。
むしろ、お前が質問してくれたから転生について詳しくなれたんだし、ありがとな。
76:竜舞ガブ
まぁまぁ暗い話はそこまでにして!食事会はどうやったイッチ?
77:ヒロアカ陰陽師
楽しかったですよ。
A組の芦戸と蛙吹と葉隠と一緒だったんですけど、色々と情報共有できたので。
78:名無しの転生者
どんな話したん?
79:ヒロアカ陰陽師
“個性”把握テストでいきなり除籍されかけたことや、爆豪って奴が首席の俺を狙っているとか、戦闘訓練で轟って奴が強かったとか。
80:名無しの転生者
えぇ……爆豪に狙われてんの?
81:名無しの転生者
まぁ……首席が自分じゃない誰かのものになってるわけだし……。
82:聖剣使いのプロブレーダー
でも、爆豪と戦うことがあっても雄英体育祭だと思うし、変に意識しなくても良くないか?
83:縁柱ドンモモタロウ
それはそうだけど。
84:竜舞ガブ
この時期の爆豪はなぁ……まぁピリピリしとる、イッチが会うことは体育祭まで多分ないと思うけど気ぃつけや。
85:ヒロアカ陰陽師
はい。
あ、すみません!教室に戻るようアナウンスが流れたんで落ちますね。
86:名無しの転生者
OK!
お疲れ様!
87:名無しの転生者
またなんかあったら話聞かせてくれ!
お疲れ!
88:竜舞ガブ
学業とか色々大変やと思うけど応援してるで!
お疲れさん!
89:レジェンドプロデューサー
俺やディケイドニキの方でも、他のヒロアカに転生したスレ民に話を聞いて、原作とのズレに関する情報を集めておく。
お疲れ様。
90:アサシンディケイド
そういうことだ、午後も頑張れよ。
お疲れ様。
︎︎マスコミの侵入というトラブルはあったものの、午後の授業は問題なく行われ、あっという間に放課後になった。俺は家に帰って日課の筋トレとランニングをしようと、足早に教室を出る。
「晴臣くん!待って!」
「葉隠か今日はよく会うな」
「そうだねって違う!その言いたいことがあってさ……」
「なんだ改まって?」
︎︎校舎を出た辺りで、葉隠に呼び止められた。急いで追いかけてきたのか息を切らしている。
「朝助けてくれたでしょ、それに昼も……」
「それがどうかしたか?」
「お礼言えてないなって」
「別にそんなこと言って欲しくて助けたわけじゃねぇぞ」
「でも!言わせて!」
「わかったよ」
︎︎見返りが欲しくて助けた訳じゃないが、葉隠はそれじゃ気が済まないと声を張り上げる。そんな葉隠を見て、俺は彼女のお礼を受け入れることにした。
「助けてくれてありがとう!かっこよかったよヒーロー!」
「最後のは言わなくていい……」
「えぇ!?なんでさ!だって入試の時から助けて貰ってばっかりだもん!私にとって晴臣くんは立派なヒーローの1人だよ!」
「そうかよ……」
「あれ?もしかして照れてる?ねぇねぇ!顔見せてよ!」
「嫌だ」
「あ!ちょっと走らないでよ!!待って!!」
︎︎顔が暑いのはきっと気のせいだ。俺は葉隠に顔を見られないよう走った。こんな日々が続けばいい、そう思えるくらいに、俺は雄英で心地いい居場所を見つけることができた。
「また明日!」
「あぁ……また明日」
︎︎ほんの少しだけ、昔に戻れた気がした。