呪力は呪力でも呪力かよ!? 作:パンツ男
「上に行く者にはさらなる受難を、雄英に在籍するなら何度でも聞かされるよ。これぞPlus ultra!」
︎︎ミッドナイト先生の声がスタジアム全体に響く。
「予選通過1位の蘆屋晴臣くん!!持ち
︎︎周りの目が一気に俺に向く。皆、俺を狙ってくるだろう。それがひしひしと伝わってくる。そんな俺達を見て、ミッドナイト先生は騎馬戦のルールを説明する。
「制限時間は15分。振り当てられたPの合計が、騎馬のPとなり、騎手はそのP数が表示された“ハチマキ”を装着!終了までにハチマキを奪い合い、保持Pを競うのよ!取ったハチマキは首から上に巻くこと!とりまくればとりまくる程、管理が大変になるわよ!」
(まずいな……皆、もう既に誰とチームを組むか目星をつけている……
「そして重要なのはハチマキを取られても、また騎馬が崩れても……アウトにならないってところ!」
「てことは……」
「42名からなる騎馬、10~12組がずっとフィールドにいるわけか……?」
「やべぇな」
「いったんP取られて身軽になっちゃうのもアリだね」
「それは全体のPの分かれ方を見ないと判断しかねるわ三奈ちゃん」
︎︎説明を受け、周りの生徒たちは騎馬戦について話し始める。
「“個性”発動アリの残虐ファイト!でも……あくまで騎馬戦!!悪質な崩し目的での攻撃等は、レッドカードとして一発退場とします!それじゃこれより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!」
︎︎皆が一斉にバラけ始めた。
193:竜舞ガブ
イッチ大変やと思うけどチーム探さなアカンで。
194:聖剣使いのプロブレーダー
アテはあるのか?
195:レジェンドプロデューサー
B組はB組だけで騎馬を組んでいるが、イッチを避けているな。
196:縁柱ドンモモタロウ
やっぱり1000万はデカイか。
197:ペンギンストライカー
最悪一人見つければいいんですけどね。
198:アサシンディケイド
かといって今のB組の雰囲気的にA組とは組みにくいしな。
199:フィジカルギフテッド石化中
そうだよね……。
200:名無しの転生者
お、イッチが動き出した!
201:名無しの転生者
誰か組んでくれそうな人いたのかな?
202:縁柱ドンモモタロウ
あれは……庄田と心操か!?
203:竜舞ガブ
イッチ気をつけや!!
そいつの“個性”はッ!!
204:レジェンドプロデューサー
おい待て!
俺たちは応援に徹すると決めただろう!
205:竜舞ガブ
……そうやったわすまん。
「あれは……庄田か?」
1000万というバカみたいなPを与えられてしまった俺は、チーム探しに難航していた。予選で俺の有用性は十分見せたはずだが、Pのせいで明らかに避けられている。拳藤でさえ、微妙な顔して他の奴と組んでいる程だ。
︎︎そんな中、他クラスの紫髪の生徒と一緒に歩く庄田の姿が視界に入った。庄田は呆然と歩いており、その様子がおかしくて、近づいてしまった。
「庄田?大丈夫か?」
「……」
「あ?なんだアンタ……なんか文句でもあるのかよ?」
「庄田!」
「はッ!?……僕は一体……晴臣くん?」
︎︎庄田は名前を呼んでも反応しない。なにかあったのかと少し強めに肩を叩いてみると、急に我に返ったように辺りを見渡す。
「大丈夫かよ」
「すまない……僕も何が起きたのか分からなくて……」
「お前がなにかしたのか?」
「……そうだと言ったら?」
「おまッ「晴臣くん!ダメだ!!」……なんだよ」
「彼の問いかけに答えてはダメだ。彼に話しかけられた後の記憶が曖昧なんだ……おそらく“個性”が発動したんだと思う」
「チッ……」
︎︎スレ民から心操人使と呼ばれた紫髪の生徒は、舌打ちをするとこの場から離れるため俺達に背を向けた。
「おい待てよ」
「晴臣くん何をするつもりだい?」
「お前……俺達と組め」
「は?」
207:名無しの転生者
イッチ!?
208:名無しの転生者
マジで言ってるのか!?
209:レジェンドプロデューサー
落ち着けイッチにも考えがあるはずだ。
210:名無しの転生者
でもよぉ……アイツ!イッチに“個性”使おうとしたんだぞ!
211:竜舞ガブ
心操にも理由があるのは知っとるやろ。
今のアイツなら仕方ないんとちゃうか……。
212:名無しの転生者
それはそうだけどさ……。
213:アサシンディケイド
イッチが組むと決めたんだ。
なら、俺たちはその決断を見守るんだ。
214:名無しの転生者
ディケイドニキ……。
215:名無しの転生者
わかったよ……。
「残り時間あと5分よ!」
「……だ、そうだがどうする?今から新しくチームを見つけるつもりか?」
「なんのつも「勘違いするなよ。これは脅しだ」……」
︎︎心操が話そうとするが、それを遮るように口を開いた。心操の“個性”にかかっても隣に庄田がいる。俺は遠慮なく心操の質問に被せて話を続ける。
「お前がこの要求を断るまたは、“個性”を使えばその瞬間、お前の“個性”を大声で暴露する」
「なッ!?」
「晴臣くん!?」
「お前の“個性”は問いかけに答えた相手を操る能力……“洗脳”だろう?」
「……」
︎︎目を見開き、動揺する心操。自分の“個性”がこの短時間で看破されたことに驚いているのだろう。俺はこの隙を見逃さず徹底的に突いていく。
「図星か、それでどうする?今からチームを探すとして、見つかるのか?もし見つからなかったら……最悪本選脱落かもな」
「晴臣くん!それは非道だぞ!」
「先に手を出したのはアイツだ」
︎︎庄田が俺の言動を非難するが、先に
「……」
「ただまぁデメリットばかり挙げるのも酷か……一つだけ確約してやる」
「何を……?」
「次の本選……必ず1位で勝つ」
心操は俺の目を見た。頭の中で、俺と組むメリットと断った時のデメリットを天秤にかけて、どちらがより自分の利益になるかを考えているのだろう。顔を歪め頭を抱え髪を乱雑に撫でた後、覚悟が決まったようにもう一度俺の目をまっすぐ見た。
「1位になれなかったらどうするつもりだ?」
「俺は不可能なことは決して確約しない。……ただまぁそうだな、例年通りならこの本選の後、優勝を決めるトーナメントが行われる。俺はそこで辞退を申し出る……それでどうだ?」
「チッ……わかったよ、俺は普通科の心操人使だ」
「ヒーロー科、蘆屋晴臣だ」
「僕も同じくヒーロー科の庄田二連撃だ」
︎︎契約成立の握手を交わし、騎馬戦スタートに備えようと僅かな時間で、作戦を立てようとした。
「あ!1位の人!探しましたよ!!組んでください!!」
︎︎よくわからんが、もう1人増えた。
『待たせたな!リスナーの諸君!!』
︎︎15分後、プレゼント・マイク先生の声が響き渡る。周りを見ると、なかなか手強そうなチームができているようだ。
「それじゃ始めましょうか!」
︎︎ミッドナイト先生からも開始を知らされ、全員の意識が鋭くなる。
「さて……始めようか、僕たちB組が来たってことを世間に……A組に知らしめようか!!」
『さぁ!起きろイレイザー!15分のチーム決め券作戦タイムを経て!フィールドに12の騎馬が並び立った!!』
『……なかなか面白ぇ組が揃ったな』
『さァ上げてけ鬨の声!!血で血を洗う雄英の合戦が今!!狼煙を上げる!!!』
217:名無しの転生者
始まったか!!
218:縁柱ドンモモタロウ
12組の騎馬か……誰がどれだ?
219:名無しの転生者
確かに……沢山いてわかんないや。
220:アサシンディケイド
フィジギフニキわかるか?
221:フィジカルギフテッド石化中
バッチリだよ。
まとめるからちょっと待ってね。
222:名無しの転生者
サンガツ!
223:名無しの転生者
ありがとうございます!
224:竜舞ガブ
それにしても心操を脅してチームに加えるとは思わんかったわ。
225:レジェンドプロデューサー
1000万Pのせいで、クラスメイトからも距離を置かれていたからな。
強引になるのも仕方ないな。
226:名無しの転生者
それにしても心操の“個性”をよく看破できたな。
227:聖剣使いのプロブレーダー
多分、問いかけに答えたら操られるってところから洗脳や催眠とかに結びつけたんだろうな。
228:名無しの転生者
なるほど……。
229:フィジカルギフテッド石化中
まとめ終わったよ!
イッチチーム。
イッチ(10000000P)
庄田二連撃(45P)
心操人使(75P)
発目明(5P)
合計10000125P
轟チーム
轟焦凍(200P)
飯田天哉(180P)
上鳴電気(90P)
八百万百(125P)
合計595P
爆豪チーム
爆豪勝己(195P)
切島鋭児郎(165P)
瀬呂範太(170P)
芦戸三奈(115P)
合計645P
緑谷チーム
緑谷出久(205P)
常闇踏陰(175P)
麗日お茶子(130P)
尾白猿夫(155P)
合計660P
拳藤チーム
拳藤一佳(70P)
柳レイ子(80P)
取蔭切奈(15P)
小森希乃子(35P)
合計205P
鱗チーム
鱗飛竜(50P)
宍田獣郎太(65P)
合計115P
鉄哲チーム
鉄哲徹鐵(160P)
骨抜柔造(185P)
泡瀬洋雪(150P)
塩崎茨(190P)
合計685
峰田チーム
峰田実(120P)
障子目蔵(140P)
蛙吹梅雨(145P)
合計405P
葉隠チーム
葉隠透(20P)
耳郎響香(105P)
砂藤力道(135P)
口田甲司(110P)
合計370P
物間チーム
物間寧人(30P)
円場硬成(95P)
回原旋(100P)
黒色支配(60P)
合計285P
小大チーム
小大唯(55P)
凡戸固次郎(85P)
吹出漫我(10P)
合計150P
鎌切チーム
鎌切尖(35P)
角取ポニー(25P)
合計60P
騎馬の組み合わせと、各チームのPはこんな感じかな。
230:名無しの転生者
ありがとうございます!
めちゃくちゃわかりやすい!
231:竜舞ガブ
イッチが1位やから、原作の順位が一個づつ下がっとるな。
232:名無しの転生者
……青山くん……予選で脱落してる……。
233:名無しの転生者
あ、ホントだ。
234:アサシンディケイド
転生者がいる宿命だな。
235:竜舞ガブ
南無三。
236:聖剣使いのプロブレーダー
それにしてもイッチは即席のチームでどうするつもりだ?
237:縁柱ドンモモタロウ
確かにチームがなかなか決まらなくて、作戦とか立てられなかったもんな……。
238:レジェンドプロデューサー
見ていればわかるさ。
イッチならきっと勝ち残るさ。
239:竜舞ガブ
それもそうやな!
頑張れイッチ!
『それじゃあカウントダウンだ!!』
プレゼント・マイクのカウントダウンが始まる。周りは一斉にこちらに狙いをすましてきた。
『3!!!』
︎︎俺は後騎馬の発目からボルトやナットを受け取る。
『2!!』
︎︎皆が俺達を向かって走り出すために体勢が低くなる。
『1……!』
︎︎緊張感が最大に高まり、この場にいる全員が力を込める。
『START!』
︎︎A組の騎馬が一斉に俺達目掛けて接近する。B組の騎馬も漁夫の利を狙っているのが、手に取るようにわかる。
「この騎馬戦!
『A組全騎!蘆屋の騎馬に突撃だァ!!!』
「来たぞ!」
「晴臣くん!逃げないとまずい!!」
「どうしますか?」
「安心しろ……み
︎︎発目から受け取ったボトルやナットに呪力を込め、弾丸のようにA組の騎馬に向かって放つ。
「ッ!?常闇くん!」
「了解した!ダークシャドウ!!」
「飛び道具かァ!!クマ野郎!!」
「来てるぞ轟くん!」
「わかってる!!」
「響香ちゃん!来てるよ!?」
「葉隠わかってる!砂藤!口田!回避するよ!」
「おう!」
「……!」
「峰田ちゃん来てるわよ」
「わかってるよぉ!障子キャッチだ!」
「無理に決まってるだろ!」
「チクショー!障子腕開けろ!!オイラのモギモギでくっつけてやるぅ!!」
『蘆屋チーム!遠距離攻撃で突撃を阻止ィ!!』
︎︎勢いよく飛んできたボルトやナットを、A組の騎馬は式神のようなもので防御したり、爆破で破壊したり、凍らせたり、回避したり、“個性”で地面に貼り付けたりと、それぞれ対処した。
「おい!全部防がれてるぞ!」
「落ち着けよ……隙を作るのが目的だ、ハナから当てるつもりはない。七難即滅 七里離星……喼急如律令!」
「これは第一種目の時の結界……まさか引きこもるつもりか?」
「そんなわけないだろ………………
「な、なんだ?」
「おい!上見ろ!!」
「あれは!?」
『蘆屋チーム!結界で他騎馬からの追撃を防いでいたが……あれは!?』
︎︎結界は詠唱し終えるまでの時間稼ぎでしかない。結界の上空に48体の
「
241:竜舞ガブ
この詠唱!?この式神は!!?
242:ペンギンストライカー
土御門有馬の!!?
︎︎詠唱が完了すると同時に、結界が消える。上空の天狗は一斉にA組の騎馬へ襲いかかる。
「争奪戦?違うな……」
︎︎俺は天狗にハチマキを狙われるA組に向かって叫ぶ。
「これは