呪力は呪力でも呪力かよ!?   作:パンツ男

33 / 36
33スレ目

『ヘイガイズアーユーレディ!?色々やってきましたが!!結局これだぜガチンコ勝負!!頼れるのは己のみ!ヒーローでなくてもそんな場面ばっかりだ!わかるよな!!心・技・体に知恵知識!!総動員して駆け上がれ!!』

 

 ︎︎レクリエーションが終わり、雄英体育祭のメインイベントである最終種目が始まろうとしている。

 ︎︎最終種目はステゴロのトーナメントバトルで、それに伴いフィールドの中心にはセメントス先生が用意してくれた特設リングがある。

 

「晴臣、頑張ってくれよ」

 

「わざわざここまでありがとな」

 

「まぁ優勝は君だろうけど……油断しちゃダメだよ」

 

「あぁ……じゃあ行ってくる」

 

 ︎︎入場ゲートの前で物間が見送りに来てくれた。さっきまで葉隠の件で荒ぶっていた奴と同一人物とは思えない。昔、スレ民が言っていた物間の評価を思い出した。今になってなるほどと納得するしかないだろう。

 

『一回戦!この体育祭の台風の目!ヒーロー科……蘆屋晴臣!!』

 

『対するは!最終種目に意外な挑戦者!普通科……心操人使!!』

 

 ︎︎プゼント・マイク先生の紹介でスタジアムに上がり、互いに向き合う。

 

『ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする、あとは「まいった」とか言わせても勝ちのガチンコだ!!ケガ上等!!こちとらリカバリーガールが待機してっから!!道徳倫理は一旦捨ておけ!!ただし命に関わるよーなのはクソだぜ!!アウト!ヒーローは敵(・)を(・)捕(・)ま(・)え(・)る(・)た(・)め(・)に拳を振るうのだ!』

 

 

 

441:ヒロアカ陰陽師

最終種目始まりました。

 

442:竜舞ガブ

おぉ!

 

443:レジェンドプロデューサー

イッチは一回戦の最初だったな。

 

444:ペンギンストライカー

相手は心操くんでしたね。

 

445:縁柱ドンモモタロウ

向こうは自分の手の内がバレてるから、どうやって攻めてくるか……。

 

446:聖剣使いのプロブレーダー

心操がどう出るか楽しみだな!

 

447:アサシンディケイド

イッチ頑張れよ。

 

448:フィジカルギフテッド石化中

皆で応援してるからね!

 

449:ヒロアカ陰陽師

はい!

 

450:転生者掲示板

 

LIVEモードに切り替えます。

 

 

 

 

 

『最終種目最初の対戦カードは!予選本選1位通過の蘆屋晴臣とここまで目立った活躍無し心操人使だ!!』

 

「……やっぱそうなるよな」

 

 心操はプレゼント・マイク先生の煽りに納得しつつ、少し不満気な顔をする。

 

「蘆屋……本気で来てくれ」

 

「……」

 

 ︎心操の覚悟を感じ取った俺は頷き、開始の合図を待つ。会場の空気が張り詰める。試合開始を今か今かと待っている、そんな期待が緊張となり俺達に伝わってくる。

 

『レディイイイイ!!?スタート!!』

 

「はぁぁッ!!!」

 

「……」

 

 ︎︎開始の合図と同時に心操が勢いよく突撃してくる。俺は片手で心操の攻撃をいなしつつ、腰のケースから霊符を取り出す。

 

「韋駄天符、金剛符、轟腕符……飛天駿脚、鎧包業羅、砕岩獅子……喼急如律令!」

 

 ︎︎いつもの呪装を完了すると反撃を開始する。

 

「今出せる本気で相手してやる……耐えろよ」

 

「ッ!!」

 

 ︎︎砕岩獅子で強化された腕力から放たれる拳が心操の腹に突き突き刺さった。

 

 

 

452:竜舞ガブ

重いのが入ったで!?

 

453:名無しの転生者

心操くん大丈夫か!?

 

 

 

 

『蘆屋の拳がクリーンヒット!!これはキツイぜ!!』

 

「……ッ!?……ゲホッ……!」

 

「……」

 

 ︎︎心操は膝をつき腹を押さえて咳き込む。それでも俺を見る目はまだ死んでない。

 

「……心操……なんで俺に“個性”を使わない」

 

「……あ?」

 

「俺に本気を出せと言ったくせに思えは出し惜しみするのか?俺に喋らせるなんて簡単だろ……ネットで俺の名前を調べれば怒らせるネタくらいすぐ出てくるぞ」

 

「お前が……」

 

「ん?」

 

「お前が……言ったんだろ……俺はそんな事しないって……!」

 

 ︎︎俺の言葉に心操は怒りを露わにする。確かに対戦カードが決まった時、心操にお前はそんな事しないと言ったが……。

 

「俺の……“個性”は“洗脳”……!敵向きの“個性”だってずっと言われてきた……!俺も……そう思ってた……否定するのも……諦めてた…………でも!お前は違うって言ってくれた!」

 

 ︎︎心操は痛みを堪えて立ち上がり、拳を握り直した。

 

「だから!例え付け入る隙があったとしても!お前にはそんなことをしたくない!正々堂々戦いたいんだ!!」

 

「……そうか……すまない。お前のことを……理解していなかった」

 

「いいよ……さぁ構えろよ蘆屋……!」

 

「晴臣でいい……来い!心操!」

 

『何がなにやらだが!両者構えた!』

 

「はぁッ!!!」

 

「……ッ!」

 

 ︎︎心操が勢いよく突撃する。全力を乗せた拳が放たれる。その覇気にほんの一瞬だけ身震いした。

 

「……流星拳(メテオスマッシュ)・紅焔降燐(プロミネンスドロップ)」

 

 ︎︎心操の拳が俺の突き出した指に触れる。

 ︎︎俺は心操の拳に寸勁を放った。衝撃が心操を吹き飛ばし場外へと押し出す。

 

「心操くん場外!蘆屋くん二回戦進出!!」

 

 

 

455:縁柱ドンモモタロウ

やっぱりそうなるわな。

 

456:聖剣使いのプロブレーダー

“個性”を使わない心操に勝ち目が無いことはわかっていたが……。

 

457:レジェンドプロデューサー

勝負の世界とはそういうものだ。

勝つ者がいれば当然負ける者がいる。

 

458:竜舞ガブ

それに悲観することもないで。

“個性”は強力やし、普通科で唯一最終種目まで勝ち残ったんや。

きっと大丈夫や。

 

459:名無しの転生者

そりゃそうか……。

 

 

 

 

「やっぱ強いな……」

 

 心操は腕を押さえながら俺の方へ近づいてくる。

 

「お前も強かったぞ」

 

「お世辞はやめてくれ……結局お前には手も足も出なかったんだからさ」

 

「最後の一撃……あの覇気は本物だった。一瞬だけでも俺を震えさせたんだ、自信持て」

 

「そっか…………晴臣、俺頑張るよ……今は無理でも必ずヒーロー科に転入して……プロヒーローになる!」

 

「応援してる……それに後ろを見てみろ……お前のことを応援してるのは、俺だけじゃないみたいだぞ」

 

「え?」

 

「普通科で最終戦まで残ったんだろ!?凄いぜ!!!」

 

「ヒーロー科相手によく頑張った!!!」

 

「俺ら普通科の星だな!!!」

 

 ︎︎俺に言われて振り返った心操は目を見開いた。普通科の観客席から心操を称える声で溢れていた。

 

「雄英も馬鹿だなぁ。あれ普通科かよ」

 

「まァ受験人数ハンパないからな、仕方ない部分はあるけどな」

 

「戦闘経験の差はなー……どうしても出ちまうもんな……もったいねえ」

 

「聞こえるか?心操……!お前すげえぞ!!!」

 

「…………」

 

 ︎︎体育祭を見に来ていたヒーローからも自分の活躍を知ってもらえて評価された。心操は顔を上にあげ、俺に背を向けながら叫んだ。

 

「晴臣!勝てよ!……俺の分まで勝ってくれ!」

 

「あぁ……約束する」

 

 

 

461:ペンギンストライカー

心操くん良かったですね。

 

462:竜舞ガブ

せやな……。

 

463:縁柱ドンモモタロウ

ガブリアスニキ……?

なんか元気ないな。

 

464:レジェンドプロデューサー

轟のことだな。

 

465:聖剣使いのプロブレーダー

そうか……。

緑谷がいないから……。

 

466:竜舞ガブ

イッチ、試合終わったとろで悪いけどLIVEモードやめて、掲示板に参加してくれへんか。

大事な話がある。

 

467:転生者掲示板

 

LIVEモードを終了します。

 

 

468:ヒロアカ陰陽師

ガブリアスニキ話って?

 

469:竜舞ガブ

轟くんについてや。

 

470:ヒロアカ陰陽師

……。

 

471:レジェンドプロデューサー

騎馬戦の時、イッチは轟に言ったよな。

なぜ炎を使わないのかって。

 

472:竜舞ガブ

実はな……。

 

473:ヒロアカ陰陽師

本人から直接聞いたので大丈夫ですよ。

 

474:竜舞ガブ

あ、そうなんや。

 

そうなんや!?

 

475:縁柱ドンモモタロウ

なら話が早い。

イッチ、原作じゃ轟は緑谷と体育祭で戦って自分の“個性”と折り合いをつけるんだ。

 

476:聖剣使いのプロブレーダー

初期ろき君から脱却するんだけど……緑谷が最終種目に上がらなかったから……このままだと後々の展開的にマズイことになりかねないというか……。

 

477:ヒロアカ陰陽師

俺は今の轟が嫌いです。

 

478:名無しの転生者

……。

 

479:竜舞ガブ

わかっとる。

今の轟の在り方はイッチにとって地雷ということは理解しとる。

せやけど現状イッチしか、轟を何とかできるやつがおらへん。

 

480:ヒロアカ陰陽師

……俺は荒治療しかできません。

 

481:名無しの転生者

イッチ……。

 

482:レジェンドプロデューサー

……皆、確かに今後の展開については重要な話だ。

だが、イッチの思いも尊重するべきだ……。

 

483:竜舞ガブ

……イッチ、俺は轟を何とかして欲しいと思てる。

でも、イッチがそれをせぇへんくても恨んだり後で蒸し返したりするつもりはない。

 

484:名無しの転生者

……。

 

485:名無しの転生者

……。

 

486:ヒロアカ陰陽師

頭を冷やしてきます。

 

487:名無しの転生者

……イッチ。

 

488:竜舞ガブ

イッチには辛い思いさせてしまうな……すまん。

 

489:レジェンドプロデューサー

……もしもの時は、俺とディケイドニキで何とかする。

 

490:竜舞ガブ

アホなことは考えんなよ……レジェンドニキ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「好き勝手言いやがって……」

 

 ︎︎ドンマイコールが響くスタジアム。俺は観客席を離れ自販機が置いてある休憩スペースで、スレ民達への愚痴をこぼした。

 

(わかってる……スレ民達はこの先の展開を知っている……だから轟をここで助けろと言ってるんだ……わかってる……わかってる……でも、頭で理解しても心が追いつかない……)

 

「クソッ!」

 

「わっ!?」

 

 ︎︎スレ民の言ってることは最もだ、それは理解出来る。でも、心が追いつかない。あの日の光景がチラつき轟のために動くのに躊躇ってしまう。

 ︎怒りが抑えきれなくなり、壁を叩いてしまった。同時に通路側から驚く声が聞こえた。

 

「……誰だ」

 

「ご、ごめん……」

 

「緑谷か……驚かせて悪かったな」

 

「ううん」

 

 ︎︎どうやら声の主は緑谷だったようで、驚かせてしまったことを謝罪する。

 

「……えっと……やっぱり轟くんのこと……怒ってる?」

 

「そりゃな……」

 

「なんでって……聞いてもいい?」

 

「…………緑谷は誰かを助けられる力を持ってて……でもそんな力を使っても大切な人を助けられなかった……なんてことがあったらどうする?」

 

「え?」

 

「……やっぱ今のなし……ただムカついたんだよ。自分は悲劇のヒロインですみたいな生い立ち話して……恵まれた“個性”を持ってるのに……それを使わないなんてな」

 

「……そっか」

 

「で?なんでここに来たんだ?ジュースでも買いに来たって感じじゃないだろ」

 

「……轟くんを……助けたい」

 

「は?」

 

 ︎︎ベンチに座り話していると、緑谷は唐突に轟を助けたいと言う。

 

「何を言って……」

 

「“個性”の話をしている時の轟くん……とても辛そうだった……轟くんのせいじゃないのに……お母さんを傷つけたって自分を責めてるんだと思う……」

 

「それで……俺に何とかしろってか?」

 

「ち、違……わなくはないけど……本当なら僕が動くべきなんだと思う……でも、僕はもう体育祭で轟くんとぶつかることなんてなくて…………唯一希望があるのが蘆屋くんで……」

 

「勝手だな」

 

「それはごめん……でも、かっちゃんじゃ轟くんを助けることはできないし…………轟くんより実力がある蘆屋くんなら……轟くんに左を使わせることができるんじゃないかって……あの話を聞いた君なら……」

 

「ふざけんなよ……」

 

「え?」

 

「お前も……俺に押し付けんのかよ……俺は…………轟が嫌いだ。あいつを見てると怒りがふつふつと湧いてくるんだよ」

 

「ちょ、ちょっと落ち着いて……!」

 

「どっか行ってくれ……助けたいのはお前だけなんだよ!それを俺に押し付けんな!」

 

「……ごめん」

 

 ︎︎緑谷はそう言って観客席へと戻って行った。休憩スペースのスピーカーから、塩崎がA組の上鳴に勝利したとプレゼント・マイク先生の実況が流れてくる。

 

(……最悪だ……こんなこと今まで無かったのに……体に精神が引っ張られるのもいい加減にしろよ……。緑谷にも当たっちまった……クソ)

 

 ︎︎雄英に入学してから自分の変化に戸惑っている。同年代の子と触れ合った結果なのか、今まで怒りや復讐心だけだった毎日に、別の感情が芽生えた。それからだ、まだ若い肉体に精神が引っ張られ感情的になりやすくなった気がする。神威や聖にバカにされた時、確かにムカついたが、表に出すことはなかった。でも、今は年相応と言うべきか怒りが抑えきれなくなっている。

 

 ︎︎緑谷が帰ったあともベンチで黄昏れている。スピーカーから、プレゼント・マイク先生の実況が流れ試合結果だけは知ることができた。庄田と骨抜そして鉄哲が対戦相手のA組を倒して次にコマを進めた。

 


 

「……」

 

 ︎︎泡瀬洋雪と爆豪の対戦が始まったようだ。俺は重い腰を上げて控え室に向かう。

 

「あ!晴臣くん!」

 

「……葉隠」

 

「ちょうど良かった!今から控え室に頑張れって応援しに行こうと思ってたんだ!」

 

「ありがとな……」

 

「……なんかあった?」

 

「いや……」

 

「……とりあえず控え室入ろ」

 

 ︎︎控え室の前で葉隠と鉢合わせた。葉隠は俺の変化に機敏なのか、何かあったかと心配する。俺は何もないと取り繕うとすると手を引かれて控え室に押し込められた。

 

「ほら座って……話してみてよ」

 

「なんでこうなんだよ」

 

「いいから」

 

「はぁ……葉隠のクラスに轟って奴がいるだろ。そいつ“個性”を半分しか使ってねぇだろ」

 

「そうだね、私も授業で戦ったけど氷しか使ってなかった……まぁ氷だけで終わったって方が正しいけど……」

 

「……詳しいことはあんまり言えねぇけど……次の試合で轟に炎を使わせて欲しいって頼まれてな……俺は轟の在り方が受け入れられなくて……そもそも今日初めて会ったような奴のために、他クラスの俺がお節介焼くってのもなんかムカついてよ」

 

 ︎︎葉隠に促されて俺は自分の胸の内を明かした。どういうわけか俺は葉隠に弱い。友達だからか、それとも《黒虎》として初めて出会ったあの日にかけられた言葉のせいなのか、真意はどうあれ俺は葉隠に弱いのだ。

 

「そうなんだ……確かに晴臣くんからすれば、轟くんにお節介焼くギリとかないもんね」

 

「だろ」

 

「じゃあさ……ムカついてる気持ち全部ぶつけたらどうかな?ほら、漫画とかでさヤンキーが殴りあって最後に友達になるとかあるでしょ!あんな風にさ“個性”を使わせるとかお節介とかそういうの全部置いて、ただ自分に正直になればいいよ!」

 

「……それでいいのかよ」

 

「いいんだよ!晴臣くんはさ……難しく考えすぎなんだよ。轟くんにムカついてむしゃくしゃするなら次の試合で全部ぶつければいい……後のことはスッキリしたら考えればいいよ」

 

 ︎︎葉隠の底抜けに明るい言葉を受け、俺は頭にかかっていたモヤが晴れるような気がした。

 

「そっか……単純でいいんだ」

 

「うん!」

 

「ありがとな葉隠」

 

「どういたしまして!」

 

「……なぁついでに一つ頼んでもいいか?」

 

「ん?なぁに?」

 

「次の試合……轟が諦めないように応援してやってくれ」

 

「轟くんを?」

 

「あぁ……俺は次の試合で、轟にこの怒りを全部ぶつける……だから試合がすぐに終わらないように、轟に声をかけ続けてやってくれ」

 

「わかった!」

 

 ︎︎葉隠は腕を上げて俺の頼みを聞いてくれた。同時に泡瀬と爆豪の試合が終わった。結果は爆豪の勝ち、俺は立ち上がるとスタジアムに向かうために控え室を出る。

 

「あ!晴臣くん!」

 

「ん?」

 

「轟くんも応援するけど!晴臣くんのことも応援するね!」

 

「……ありがとう」

 

「うん!頑張ってね!」

 


 

 ︎︎俺は通路を歩き、スタジアムに続くゲートに向かった。陽の光が差し込むゲート前に誰かが壁にもたれている。

 

「君が蘆屋くんだな……午前の活躍見ていたよ」

 

「エンデヴァー……」

 

 ︎︎俺がゲート前に来たことに気づいたエンデヴァーは、壁から離れこちらに向かってくる。

 

「身体強化に結界や様々な能力……そして炎による攻撃、とても素晴らしい“個性”だな」

 

「はぁ……」

 

「親御さんはとても喜んでいるだろう」

 

「俺に親はいねぇよ……なんの用かは知らねぇが、俺みたいな有(・)名(・)人(・)に話しかけるなら少しくらいリサーチしとけよ」

 

「なに……いや、君は……そうか通りで苗字が……」

 

「はぁ……もういいですか?」

 

「そうだった……ウチの焦凍はオールマイトを超える義務がある。毛色は違うが君はこの大会でも最上位に匹敵するだろう……だからこそ、この試合は焦凍にとっていい刺激になるだろう。くれぐれもみっともない試合はしないでくれたまえ」

 

 ︎︎エンデヴァーは言いたいことだけ言って満足したのか俺の横を通り過ぎ、奥へと歩いていく。

 

「言いたいことはそれだけだ、直前に失礼した」

 

「すみません……俺からも一ついいですか?」

 

「何かな?」

 

「炎と氷でオールマイトを超えられるとでも?」

 

「なッ!」

 

「互いの弱点を補完できる2つの力は確かに素晴らしいものなんでしょうね。でも、相手は拳一つで天候を変える超人ですよ。拳一つで吹き飛ばされるでしょう」

 

「だから俺が覇道を歩ませてやるというのだ!」

 

「あっそ……まぁ見ててくださいよ。アンタの最高傑作とやらが俺に負ける様をね」

 

「ッ!!」

 

 ︎︎エンデヴァーの炎が強くなるのを感じて足早にこの場を離れ入口に向かった。ゲートを通り、特設リングに上がる。目の前には轟がいて、午前の部や昼休憩の時よりも目つきが鋭くなっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

491:ヒロアカ陰陽師

皆さん轟との試合が始まります。

 

492:竜舞ガブ

そうか……。

イッチはどうするつもりや?

 

493:縁柱ドンモモタロウ

轟を助けるのか?

 

494:ヒロアカ陰陽師

いえ、助けるつもりは微塵もないです。

 

495:名無しの転生者

やっぱり……。

 

496:ヒロアカ陰陽師

この怒りを全てぶつけようと思います。

 

497:竜舞ガブ

そうか、なら遠慮なくやったれ!

 

498:ペンギンストライカー

イッチ、頑張ってくださいね!

 

499:ヒロアカ陰陽師

はい!

 

500:転生者掲示板

 

LIVEモードに切り替えます。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。