───時は流れ、57年後。
♪エルマル - あきない
MMC/VI/IV
とーっても久々にこの日記を見つけたので書く。夢珠御珠さんと戦ったりした高等部時代から、本当に色んな事が起きた。
まず、私とクレアは高等部卒業後すぐ結婚した。ただワケあってしばらく子供は作らなかった。国王がビャッカを開国し、私を外交に指名したからだ。クレアや御兎も指名され私達は3人で色んな所を飛び回った…飛行機でも、自分でも。あ、ドットは教師になったよ。
途中で裏社会のヤバい組織とか、天界・魔界の大事件とか、宇宙人とか…ここに書いてると寿命がなくなるようなことがたくさんあったがほぼ全て解決した。おかげで私はビャッカの英雄と呼ばれちゃった、悪い気はしない。
今日で73歳になった私だけど、外見は未だに20代後半。約半年前に亡くなったクレアもそんな感じだし、未だ健在な御兎やドットもそう。ドットは吸血鬼だし元からか。
退職してようやく子供を作…る前に、私はとある子を拾った。
「
「何ですか、お母様」
「久々にこの日記見つけたけど、何か書く?」
「日記?…あーコレ御兎とお父様が10歳の頃にあげたヤツですか?」
「そーなの」
「らーですか」
「それで、書く?」
「最後のページにサインなら書きます」
「有名人かな?」
私みたいな白髪美少女で、名前は空原夢珠。一応私とクレアの養子なんだけど、本人の希望で苗字は空原になっている。10年前、裏道で倒れていたのを助けた所『さっきまで地獄にいたのに何故ココにいるのでしょうか』と変な事を言われた。私を見るや否や目が飛び出るぐらい驚いてたのもよく覚えている。
…そう、彼女は嶺宮御珠さんの転生だ。記憶はちゃんとあるらしく、地獄で1000年ほどの刑期を終えた後無理やりココに送られたらしい。どんな内容だったか聞くと『R18Gな内容ですがいいですか?』と真顔で言われたので追及はそこでやめた。
今では前世の面影を残しつつ第二の人生を謳歌している。今は15歳。能力は前世と違って『反転』になっていて、かなり汎用性が高い。
「所でお母様」
「何~?」
「妹たちのご飯は作ったのですか?」
「…今、何時だっけ」
「5時半です。手伝いますから、ほらダッシュ」
「わ~っ!」
夢珠を拾って数年後、私とクレアは退職しようやく育児する時間ができた。この身体って便利なんだよね、アラサーならぬアラセブでも子供産めるもん。なんなら三つ子を産んだ、私の生命力すごくない?
名前は長女のサク、次女のサチ、長男のクリウス。サクとサチは目の色以外瓜二つで、初見だと気付けないんだよね。クリウスも女だったらヤバい事になってたかも。今は2歳2ヶ月で、とりあえずア〇パ〇マ〇を見せてれば喜ぶ。
「はい、あーん」
「あー♪」
「サクはいい子ね、サチもあーん」
「んー」
「食べないと戻れないよ?」
「…あー」
「はーい。最後にクリウス──」
「あむっ!」
「速っ!」
家族関連はその辺で、周囲の人の事を言うとまずドットはしばらく結婚するつもりがないらしい。吸血鬼である以上寿命差が辛いとかどうとか。御兎がずーーーっとアタックしてるけど。
御兎はドットにアタックしつつ、仙人の修行をしている。どうも仙人になると寿命という概念がほぼなくなるらしい。私もやろうかな、と一時期思ったけど死んでからの先約があるのでやめた。
セレスト先生はあのまま定年まで教師をして、家族に恵まれて生を終えた。それなりに幸せな人生だったと思うよ。御珠さんが遺した成果を昇華させ、一部をカリキュラムに組める程にしたのは素直にめっちゃ凄かった。
クロドは卒業後日本に行って、そこでの魔法の発展に一枚嚙んでいる…と言っても私もだけどね。約30年前にとある事が原因で世界全員が逸脱者になった時、日本でそれをどう教育するかで私が手伝う事になった。
さらに、私は日本で母校のフラウ学園みたいなやや特化した高校を作る動きをしていた。結果的に5つ…沖縄の那覇、福岡の花町、鳥取の羽合、東京の空木、そして北海道の輪花ができて、それぞれが属性亜種をなぞらえた『花称号』持ちの生徒を輩出する。ちなみに初代は全員私の弟子だよ。
「そういえば夢珠、最近学校はどう?」
「ランク2位以下が雑魚すぎてお話にならないです」
「うわぁ私の娘つっよ…それ以外はどうなの?」
「友達とゼットゼットしてます。先週声真似縛りでカラオケしました」
「ワイワイね。声真似って、例えば?アニメキャラとか?」
「某ピエロ」
「なんで知ってんの!?」
「前世知識です。友達にも見せました」
「………」( ゚Д゚)
書くとしたらこれぐらいかな?最後に私の人生を総評しようか。
生まれは病弱というマイナスありでこの世に来たけど、9歳でそれがひっくり返った。かけがえのない親友ができて、逸脱者になって…でも少し後に両親が亡くなった。
それでも何とか立ち直って、ビャッカという新天地に行きそこでメキメキと力を付けていった。中等部に入って、悪夢を見て、高等部で夢珠の前世である御珠さんを倒して狂気に侵された御兎も救った。
卒業してからは────
・
・
・
───そして退職して、子供に恵まれ今に至る。一言で表すと『波乱万丈』だね、間違いなく。人生山あり谷ありと言うけれど、これじゃあオリュンポス山とマリアナ海溝だよ。
…でも、これはいい人生だったと私は自信を持って言える。本当に退屈しない、素晴らしいものだった。
お父さん、お母さん。私を産んでくれてありがとう。クレア、御兎、ドット…皆、私を支えてくれてありがとう。サク、サチ、クリウス、夢珠。どうか強く元気に、幸せに生きて欲しい。
それじゃあね。
♪エルマル - 炎天桜舞V7(冒頭のみ)
「貴女も、この日記を読むべきでしょう」
夢珠が渡した日記を、妹が受け取る。
「日記、空原咲夢…まさか」
「我々の母親が書いたものです。コレを読めば、貴女も何か思いつくことでしょう」
「そっか…分かったわ」
読むと決めた妹は、日記のページを開くのだった。
→桜咲く。改(仮)
終
これにて完結です。ご精読ありがとうございました。