夢に咲く。   作:Lcrcl (エルマル)

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Not Enten.


Sakuramai

MMXXXVII/VII/XV

 

気持ちの整理はそろそろできたし、ビャッカ王国に引っ越して落ち着いたので書く。

 

私とクレアはビャッカ国立フラウ学園の初等部に転校して、前の日記の前日には初登校を終えていた。クラスメートは皆いい人そうで、なんならもう友達ができた。名前はドット・リフティア、吸血鬼。

 

吸血鬼らしく眼光は鋭くコウモリの羽が生えているが、日の元には出れるらしい。出てる間は羽が消えて人間になるというデバフはあるけど。一部の人は能力なるものを持ってる、と教えてくれたのも彼だ。クレアが言い忘れてたと焦ってたね。

 

授業の内容は凡そ日本と変わらないけど、大きく違うのは魔法の授業があること。特殊体育だっけ?そんな名前の教科でやる。担当はマーズ・セレスト先生。めっちゃ魔法が強い家系の人らしい。

 

まずは転校生である私とクレアの力を見るってことで、その場から動かない先生に服含めて一発当てれば10万マホンか魔導書をあげると言われた。あ、マホンはこの国の通貨ね。

 


 

「10万マホン貰えるんだし、本気で行こう」

「流石に冗談だと思うぜ…?」

「なら魔導書が欲しい」

 

珍しくやる気マックスな咲夢。そんな現金だったかコイツ?

 

「では始めようか。どこからでもかかってこい」

 

セレスト先生が杖を構えてそう言った。なるほど、動かないとはいえ俺たちのようなガキ相手でも油断するつもりはないようだ…かなりの霊力を感じる。

 

「フレイムバレット」

「風斬」

 

「ほう…ドームシールド」

 

火の弾丸と風の斬撃。使い慣れた技を放つが球状のバリアに弾かれた。

 

「お前たちのそれは初等部にしてはかなり強いな。だが強化はまだされてないようだ」

「「強化?」」

「技は使い手に馴染むと次第に威力が上がる。例えば…こんな風にな」

 

杖の先に霊力が集まり、火球を形成していく。

 

「イグニッションIV」

 

火球は俺たち目掛けて一直線。まだ距離があるというのにもう熱を感じる。

 

「…さっきの技、やってみる?」

「だな、使いやすそうだし」

 

先程の先生の動きを真似つつ、2人の霊力を合わせて技を発動する。

 

「「ドームシールド!」」

 

火球と盾はしばらく拮抗し、やがて盾が耐え切った。それを見た先生は感心してるようだった。

 

「素晴らしいな。先程の技は本来のイグニッションの5倍の威力があるというのに…ならばコイツはどうだ?」

 

今度は空いてる左手から緑色の…花びら?のような物を出した。

 

星空飛梅(せいくうとびうめ)

「っ…わっ!」

「うぇぇ!?」

 

段違いな威力の攻撃に、避ける以外の選択肢はなかった。

 

「…風属性?」

「その亜種だな。各属性には花の名を冠した亜種がある…これは梅属性だ」

「なるほど…」

「…火の亜種は何ですか?」

 

興味を持ったのか、咲夢はそう尋ねた。

 

「桜、だな。基本技は桜舞という」

「桜…やってみます」

「え?」

 

今やってみるって言ったかこの子?

 

「……!」

「おいマジでやんのか!?」

「この前偶々一枚出した」

「そうなの!?」

 

それは言って欲しかったぜ。

 

「空原君の属性は桜か…来い!」

「桜舞」

 

シュルルッ、と赤い花びらが放たれる。結構細かく動かしてるな…さっきの星空飛梅よりはそりゃあ弱いが。

 

「ほいほいほーい」

 

流石に初めてだからか花びらは杖にかき消される。

 

「鍛えれば間違いなく伸びるな、君達は。残念ながら私に攻撃は当たら──む」

「…くっ」

 

こっそり背後に回り込ませてた霊力弾を避けられる。バレちゃったかぁ。

 

「隙をつくのはいい事だが、目線や感知でバレるぞ。気をつけ──」

「飛梅」

「──る、がいい…梅属性もだと?もしや──」

「フレイムバレット」

「──、私の言葉を遮らないでくれるか?」

「…分かりました」

「よろしい。一旦模擬戦は以上「当てました」…何?」

 

当てた!?一体どこに…お?

 

「証拠としてズボンに一つ、傷をつけました」

 

よく見ると、ちょっとした焼け跡がコートにあった。よーく見たら気付くレベルだ。

 

「む…!一応訊くがどのようにやった?」

「フレイムバレットを避けられた後、小さくなって消える前に炸裂させたんです。コートは分厚いしバレずらいかなって」

「ハハッ、そうかそうか。ならば君たちの勝ちだ、約束通り10万マホンと魔導書のどちらかをやろう…空原君とリート君、それぞれにね」

「俺にもですか!?」

「隙をつく意思がなければ空原君は攻撃出来なかったろうからね、君も受け取る資格がある」

 

連携して当てたからか、よっしゃ!

 


 

最終的に私は魔導書、クレアは10万マホンを貰った。価値で言うと魔導書の方が高いらしいけど載ってる技の難易度でバランスはちょうどいいと思う。

 

貰ったのは『華の書』というタイトルのもの。模擬戦で私は最低でも桜と梅、2つの亜種を使えるのが確定した。そこで先生が『5つの亜種全てを合わせたものは華属性と呼ばれている。花びらの色は白くなり威力も段違いに高い。君はその可能性があるしコレがおすすめだ』と言ったので選んだ。

 

本によると雷、土、水の亜種はそれぞれ桃、椿、柊らしい。火・風・雷と土・水でモチーフの分類が違うけど何かあるのかな?(特にない)

 

とりあえず亜種を全部使えるようにして、華属性はその後かな。と考えた私は今日までクレアやドット、土日は御兎と練習するようになった。現状は椿がそろそろ行けそうな感じになっている。

 

今後は多分間を空けつつ一気に書く感じになると思う。ではでは。




1マホン
大体5円ぐらい。

豆知識:5属性の亜種である花のモチーフは国によって違う。ビャッカ(と日本)は桜、梅、桃、椿、柊。ただしどの国でもモチーフは花で、合わせたら華属性。

7

次回もよろしくおねがいします。
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