夢に咲く。   作:Lcrcl (エルマル)

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少し飛びます。10話構成故に仕方ない。


Mirror Match

MMXL/IV/X

 

今日は中等部一年の始業式だった。私、クレア、ドット、そしてこの前引っ越してきた御兎の4人といういつメンで登校した。

 

中等部からはランクなるものがあり、ランク戦というタイマンに勝つと上げることができる。高いほど内申が良くなったり、学費が減ったりするらしいので上げることに特しかない。

 

早速放課後にランク戦を御兎とすることになった。ランク変動の仕方もよく分かってないけどとりあえずやってみた。

 


 

『初めてのランク戦、準備はいいですか?』

「はい!」

「はい」

 

アナウンスが聞こえてきたので元気よく返事する。咲夢はいつも通り冷静だ。

 

『それではランク戦…開始ッ!』

 

ルールはシンプル、気絶・場外・降参で勝敗が決まる。なので私の作戦は…押し流すこと!

 

「流れ渦II!」

「ストーンウォール」

 

水流が石の壁に阻まれる。ちょっと前までソイルウォールじゃなかった?いつの間に技が土から石になってんの?

 

「こっそり修行した」

「心読まないで!?」

「顔に出てたよ」

「んぬぬ…じゃあコレはどう?アクアニードル!」

 

水の針を大量に出す。コレなら壁も貫通しちゃうもんね!

 

「…問題ない」

 

咲夢はそう言って霊力で何かを具現化した。その形状は…

 

「刀…?全部弾くつもりなの?」

「いや、消し飛ばす。ついでに御兎を場外にする」

「はぁ?」

「コレもこっそり練習してた技。くらえ」

 

世末開裂(よもつひらさか)

 

次の瞬間、咲夢が放った斬撃から凄い風圧が発生。私は吹っ飛んで気付いたら場外にいた。

 

『勝者、空原咲夢!』

「…よし、上手く行った」

「えっ、ちょ今の何!?名前もなんかイカしてるし…」

「世末開裂…名前は日本神話から取った。今は斬撃と一緒に霊力を大爆発させただけ、でも能力を使えばかなりイカれ性能にあると思う」

 

イカれ性能って…てか、能力?

 

「能力とかあったの咲夢?」

「うん。破壊」

「ゑ」

「デストロイ。怖いでしょ〜、クレアの創造とは対なる能力だね」

「…クレアも能力持ってるとか私聞いてないんだけど」

「あれ、言ってなかった?」

 


 

ランク戦は技の初お披露目から初勝利。ランクはどうやら相手の方が上だと相手のランクになるっぽいようで、私のは元々御兎より上だったので変動なしだった。残念。

 

ランク戦も終えたのであとはいつも通りドットの家で染料を作るのを手伝った。ドットの能力は『色彩』、特殊な染料を入手することでその素材の力を扱えるようになる。使ってる時は髪色とかも変わる、変身系の主人公っぽい能力だね。

 

今日は『抹茶の染料』を作った。抹茶といってもゾンビ抹茶から作る。ゾンビ抹茶はビャッカのそこかしこに広がる荒野で採れるゾンビ草を粉末状にすると作れる。普通の抹茶より味が深く、人気がある。故に生産量が多く染料を作りやすい…と思いきやそんな事はない。

 

どうやら力を得る条件として素材は自前で用意する必要があるらしい。なので私たちは荒野で数十分ほど草むしりして、ドットの家で抹茶にした。能力で作られた容器が満タンになる量を使えばいいので、残りはお菓子とか飲み物の素材にした。美味しかった。

 


 

「よし、コレで充分だ。今回もご協力ありがとう」

「いいって事よ、余りはお菓子とかに使えるしな」

 

素材を僕の作った容器に入れ、魔力を込める。すると容器ごと緑色の光となって僕の体にスッと入った。

 

「早速使ってみなよ、新たな力」

「あー…今回のは回復技なんだ。自分や他人の大怪我をほぼ瞬時に治せる効果があるんだけど」

「………」

「そんなあからさまに落ち込まなくてもよくないかい…?」

 

確かにちょっと前の『触手の染料』は面白い技を使えるようになったけどさ…そうだ。

 

「次のは少し難しいけどカッコいい物を選ぶよ」

「…!」

「単純すぎない?」

 


 

MMXL/IV/XV

 

今日は朝から外が騒がしいと思えば、どうやら近くの荒野に大魔獣が現れたらしい。出所も不明でかなり強いとのこと。日曜だし行ってみよう、ってことでいつメンでそこに向かった。

 

荒野にはまさに大魔獣って感じの怪獣がいた。ソイツ相手に戦ってるのは…なんとセレスト先生だった。普段は杖で戦ってるイメージだったけど、ガッツリ拳を振りかぶっていた。近接メインとか言ってたっけ。

 

先生の拳が大魔獣に当たった瞬間、衝撃波が発生し遠目に見ていた私たちが吹き飛びかけた。トンデモ威力。大魔獣もその一撃で消し飛んだようでいなくなっていた。

 

近付いて先生に話を聞くとどうやらココ含めてビャッカ各地で似たような大魔獣が発生したらしい、全部無事に処理されたけど原因は究明中とのこと。

 

大事にならなきゃいいけど…なんか嫌な予感がする。

 

MMXL/V/III

 

ゴールデンウィークだし、両親の墓参りをしようと支度していた所で御兎から連絡が来たので見てみると…『へるぷ』の3文字。急いで電話を掛けるとなんと彼女が大魔獣に追いかけられていた。焦っていたのか場所がかなり端折られてたけど何とか現場に辿り着き、御兎と一緒に大魔獣と戦った。

 


 

「御兎!」

「咲夢っ、助けて!先生が複数体相手してて手一杯だったの!」

「先生がいないのはそういう…分かった、援軍は呼んでるから私達2人でしばらく耐えよう」

「うん…!」

 

『グォォォォ!』

 

鳴き声うるさっ!にしてもよく私やられなかったね。

 

「まずはコイツ…曇天裂椿(どんてんれっしゅん)

 

咲夢が何かを打ち上げると、それらが花びらとなって雲を突き抜け大魔獣を狙う。

 

「当たった!でも…」

「効果は弱い、なら次の手を立てる。連携で行こう」

「オーケー!」

 

『ゴグ?ゴォォ!』

「ザ・ブレイズII」

「ヒドロブラスターV」

『ガァ!』

 

大魔獣が火を吹ちてきたので、イグニッションの進化系と水の高圧砲で相殺しつつダメージを与えた。

 

「ダメージは入ったけど…このままじゃジリ貧にならない?」

「………」

「…咲夢?」

 

咲夢は何か思いついたのか私の方を見て話す。

 

「御兎、能力とか使って隠れて」

「何するつもり?」

「能力ありで世末開裂を使う。範囲をミスったら多分御兎が粉微塵になるよ」

「こ、粉微塵!?流石にそれは「試してみる?」結構ですはい」

 

素直に私の能力『ミラー』で持参した手鏡に入り込む。

 

「投げるよ?」

『了解〜』

「…えいっ」

 

咲夢が鏡を遠くに投げ、それが地面にぶつかる前に私は出てきて着地する。

 

「ここは丘…なら咲夢はあっちの方、に……え…」

 

私が飛んできた、つまり咲夢がいた所には──

 

「何、あの綺麗な扇形」

 

美しい形状のクレーターが出来ていた。

 


 

私の能力、破壊は単に対象をデストロイする訳ではない。『使用した技の威力を数倍に上げつつ、対象の防御が一定以下だと貫通する』というのが本質だ。先生に色々手伝ってもらい判明した。

 

そんな私の能力を使用しつつ大魔獣に向かって世末開裂を放った。すると大魔獣は消えて無くなり、何とまぁ綺麗な扇形のクレーターが残った。人に向けてやる技じゃないと改めて分かる。

 

遠くでクレーターを目にした御兎はその後数時間は人外を見るような目で私と接するようになったが、それはまた別の話。明日書こうかな。

(本作では出しません)




クレア→Crea
創造(Create)をもじって作った。

世末開裂
日本神話の黄泉比良坂から。咲夢がカッコいいと思ったので採用したらしい。とても強い。

咲夢の能力:破壊
使用する技の威力を増幅させ、対象の防御が一定以下であれば消し飛ぶ。ちなみにセレスト先生は普通に耐える。怖いね。

クレアの能力:創造
想像しているものをある程度実体化できる。精度は作った回数や想像の具体性による。鍛えれば食べ物も作れるかもしれない。

御兎の能力:ミラー
鏡関連は大体できる。入ったり、反射先に移動したり、光線を撃ったり…鏡空間?何の話?

ドットの能力:色彩
特殊な染料を入手することでその素材の力を得る事ができる。力は様々で、先祖代々受け継がれた能力故に分かってる染料もある。

6

次回もよろしくおねがいします。
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