強さ順(現在)
咲夢(能力あり)>御兎=クレア≧ドット>咲夢(能力なし)>クロド
今回だけ極端に長いです。
MMXLIII/V/XVII
気付けば高等部に入って一ヶ月が経つ。そんな今日、私はついに華属性のオリジナル技を編み出した。名前は『
見返すと言ってなかったけど、世末開裂に詠唱なるものも入れてみた。技名同様日本神話から取ってみたから使うのが楽しみだ、大魔獣かかってこい。先生から安直すぎるとか言われたけど気にしない。
『グォォォォ!』
普段から行ってる特訓スポット(荒野)に大魔獣が数体出現していた。やたら多いなおい…
「………」
「…咲夢?」
「昨日、大魔獣かかってこいって書いた」
「マジで来ちまってるぞ…今回は俺が「待って」…?」
「完全詠唱・世末開裂を試したい」
「詠唱?あー、セレスト先生が安直とか何とか言ってたヤツか?」
「うん」
最近倒してなかったし、殺りたかったんだが咲夢の頼みなら仕方ないか。
「いいぜ、ただ次は俺だからな?」
「もちのツモ」
「ロンだろそこは…離れた方がいいか?」
「無論」
「へいへい」
転移魔法で離れ、声は聞こえるようにしつつ観戦モードに入った。
「通常でも地面が消滅するが、詠唱が入ればどうなることやら…」
『行くよ』
「お?」
「………」( ゚Д゚)
ただ神とかの名前を羅列してるだけじゃねーか!?そりゃ安直とか言われるわ!しかしちゃんと詠唱だったらしく、咲夢を中心に膨大な量の霊力が渦巻く。霊力だけじゃねぇな…神力?ゴッドパワーもあるのかコレ?マジで?
「っ…!」
発動直後、それによる突風で後ずさる。咲夢の能力の性質上、俺がモロ喰らえば生きてるか怪しい威力してるな…能力をフル活用してもギリギリだろう。足切り性能が半端ない能力だ。
「地形はどうなった?地図とか書き換えられるレベルか?」
恐る恐る顔を上げ、突風の発生源を見る。
「…今度は半球かよ」
扇形ではなく、咲夢を中心に半径数百メートルが消し飛んでいた。斬撃要素どこだ?と困惑してると、咲夢が転移魔法で俺の所まで来た。
「クレア」
「ん、来たか。手応えはどうだった?」
「………」( ゚Д゚)
「お前も驚いてるのかよ」
コイツ口数は少ないけど表情は豊かだよな、それが可愛いんだが。
「封印する…愉悦の魔女以外には使わない、と思う」
「どんだけソイツを恨んでんだお前…」
悪夢の内容も話してくれないし、余程トラウマなんだろうな。
「大魔獣はもういないし、放課後デートに行こう」
「俺らまだ付き合ってないだろ…」
「…まだ?」
「あ。いやその」
「ふーん」
まずい。色んな意味で。
MMXLIII/V/XVIII
前々からクレアは人としても男性としても好きだった。多分あっちもそうだと思う、今日の会話から予想する限り。
御兎やクロドにこの前好きな人とか聞いてみたけど、別に~って感じで返された。じゃあ問題なくクレアにアタックできると確信した私は度々アピールしている。
クレアが隠し持ってたエロ漫画からストライクゾーンに私が入ってるのは把握してたので、そこで描写されてた仕草をさりげなくやったりするとクレアが面白いぐらい反応してくれる。
堕ちるのも時間の問題、絶対私の隣に立たせてやる。
MMXLIII/V/XX
昨日は寝覚めが最悪だった。愉悦の魔女に見せられたあの悪夢を数年越しにまた見たのだ。彼女の霊力は感じなかったので本当にタダの悪夢だけど…嫌な予感がする。
クレアが心配してくれたのか、久々に同じベッドで寝た。しかも頭を撫でるというオプション付き。『最高かよ、勝ったな』という感じで私は素晴らしい睡眠ができた。
起きてからはクレアに『今日以降しばらく部屋に入らないでくれ』と言われたが、私の誕生日間近だし何か用意してくれてるのだろう。素直に承諾した。
MMXLIII/V/XXVIII
御兎がしばらく休むらしい、原因は用事とのこと。私の誕生日には間に合うから大丈夫と電話を貰った、声が少し息切れしてたのは気になる。秘密の特訓だろうか。
最近、何か引っかかりを感じる。誕生日に向けてそわそわしてるだけならいいけど。
「くっ、はぁ…はぁ…!」
「その程度ですか、御兎」
どうして、通用しないの。私の技が…ッ!
「貴女しか来ないのではちっとも面白くないではありませんか。最低でも空原咲夢を呼んで来て下さい」
「黙れ、この家系の…面汚しが!」
「私に苗字はもうないのですが…ただの御珠ですよ」
愉悦の魔女。本名───嶺宮
「数年前から貴女以外の家系を洗脳しながらこの家に居ついてました。ただ口外しないように魔法を掛けましたが…まさか自分1人で解決しようと動くとは」
「………」
「私を倒すためのその努力は認めます。えぇ、私は努力して強くなった者は好きですとも───ただ」
魔女は付いたホコリを払うような動作をして、私の方を向いて言う。
「そんな人を一方的にボコすのも、また一興だと思うのです」
「クソ…っ」
「しかしまぁ、貴女じゃ足りないですね。やはり前菜じゃこの程度…主菜である空原咲夢は、彼女の誕生日で頂くとしましょう」
「───」
コイツ、咲夢の誕生日を荒すって言った?
「させない…絶対にッ!」
「おや、まだ立てたのですか。そんな生まれたての小鹿のような足で」
「光遍───」
「ストーンスパイクXV」
「が……」
顎に石塊を突き上げられ…私は気絶した。
「さて、と。この子はまだいいスパイスになりそうです。空原咲夢の誕生日、その前日に行かせましょう」
MMXLIII/VI/III
今日は御兎が学校に来た。用事は済ませたらしいけど、気分はあまり良くなさそうだった。授業中もずっと落ち着きがなかったし、訊いてみてもはぐらかされた。
絶対何かあるに違いない、と思った私はこの日記を書いたあと彼女の家に突撃するつもりだ。日が変わるまで30分だし急ぎ足で。
「っし、行こうぜ」
「うん」
クレアと2人で御兎の家に向かう。アポなしだから寝てる可能性がちょっとだけあるけど、気にしない。雑談しながら向かおう…っ?
「───!」
「どうした?」
「あの霊力…愉悦の魔女の霊力を感じる」
「何だと!?」
しかもこの方向は、御兎の家からだ。雑談する時間はない、即座に転移魔法で御兎の家の前まで行った。最悪の想像をしながらドアベルを鳴らす。
「「………」」
数秒待ったのちに、向こうから『は~い』と声が聞こえる。御兎の声だね────は?
「霊力が強まってる?」
「おいおい…」
「ごきげんよう」
「「!?」」
背後から声がしたので振り向くと、そこには御兎をそのまま大人にしたような女性がいた。まるでドッペルゲンガーだ。
「お前が、愉悦の魔女か?」
「いかにも」
「何故御兎の家にいる。彼女に何をしたんだ!」
「語気がお強いこと。そんなに私がお嫌いですか?実際に会ったのは初めてですよn──おっと」
「Stop that f*ckin' talk and answer my question, b*tch」
その顔で必要な事以外私に話すな、御兎が穢れる。
「母語じゃないのに達者な英語ですね?しかし口が悪い…貴女に答えるつもりはございません、自分自身で確認したらどうです?」
「………」
「今はまだ、手出ししてませんから」
魔女に対して最大限の警戒をしつつ、私達は御兎の部屋に向かいドアを開ける。
「すぅ、すぅ…」
「寝てる…」
「ね?彼女と私は親戚でして。名前は嶺宮御珠です」
「な……」
どうして、私は気付けなかったの…?
「…って思ってますね?」
「思考を盗聴するなクソ野郎」
「野郎じゃないですよ失礼な…彼女以外は洗脳しつつ、彼女には口外できぬよう魔法を掛けていたのです。今は起きないよう全員に催眠術を使ってます」
「異様に用意周到だな…」
「用意周到…そうかもしれませんね」
それってどういう…
「空原咲夢、日本で貴女を初めて見た時…私は能力である未来を見ました」
「未来?」
「えぇ…私の能力『分岐視』でね。大体は貴女が父親の同僚を未然に抑え、その結果バッドエンド直行でした。貴女に見せたあの夢は本当なのですよ、違う世界のものですが」
「!?」
衝撃を受ける私を差し置いて、魔女は話を続ける。
「しかし、ある世界ではバッドエンドに行かず私を葬れたのですよ。深淵の狂気に堕ちた私を」
「…何がいいたい」
「そうですね…一言で表すなら」
彼女はこちらへ向き直り、空間魔法を発動しながら言い放った。
「私を殺して下さい」
「───言われなくても。行くよクレア」
「あぁ」
嶺宮御珠
本来は熱心に魔法を習得する努力家だったが、能力で擦り切れ狂気がどーん。マーズ・セレストはかつてのライバル。
御珠の能力:分岐視
対象に起こりうる未来をある程度視ることができるが、未来予知ではない。あくまでそこからの分岐を見れる、対象に使う時間が長い程細かく視ることができる。自分には使えない。
ちなみに、次回から9話まで日記はなしです。やったね。
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次回もよろしくおねがいします。