夢に咲く。   作:Lcrcl (エルマル)

9 / 11
主人公の無双タイム。書きたかった。

追記:UA100に感謝。


Parapower

「じゃ、行こうか───」

「ミラービーム」

「ん」

「は!?」

 

手でビームをかき消す。反射でやったけど出来ちゃった…っと、次だ。

 

「ハイプレッシャーIV」

「ドームシールドXV」

「っな、クソ!」

 

覚醒前の私ならさっきの技を受けてたかもね。だけどそうは行かないよ?

 

天照・岩戸・素戔嗚・八岐・月夜見・伊邪那・八咫烏

「…アレ詠唱ですか?」

「成立はしてるな」

「えぇ…」

 

約二名余計な事を言われてる気がするけど、気にしない!

 

「世末開裂か、周囲を巻き込んでしまうぞ?」

「知ってる。だからお前を止めるにはこの指で充分」

「あ?……まさか!」

完全詠唱・フレイムバレットXXV(25)

「「XXV!?」」

 

詠唱を入れることでXXまで強化してたこの技を更に強くした。威力は多分ヤバい事になってる。

 

「っがァ!」

「からの───世末開裂X

 

ズバッと御兎を攻撃し、狂気を少し消す事に成功。このまま行くよ!

 

「これ以上やらせるかっ、狂ェ!」

「!」

 

衝撃波か…今の私なら出来るかな?

 

「来い!」

「オォォォォ!」

 

私の能力は破壊、ならこの衝撃波を破壊してやる!

 

「ウラァッ!」

「!?…ぐァ!」

 

衝撃波を破壊した勢いをそのままに、御兎を蹴り上げさらに上へ跳ぶ。そしてクルクルと回転して全力の蹴りをぶつけた。

 

不可説転(ふかせつてん)ッ!」

「がは……何故だ、何故突然こんな強く…」

「お前が乗っ取ってる人を助ける為だ」

 

御珠さんと御兎を乗っ取り操った報い、受けてもらう!

 

「ハァッ!」

 

空間を破壊し、裏側からエネルギーを溜める。

 

「一体何を…?」

「空間を裂いたのか?」

「イメージだけはしてたけど、成功したね───トドメだ」

 

嵐天旋華と違って、基本属性を使わず華属性と能力を活用した技。名付けて──

 

裂空(れっくう)白華砲(ビャッカほう)

「───」

 

空間の裂け目から光線を放ち…狂気は完全に消し飛んだ。

 

 


 

 

狂気は消え去り、御兎も目を覚ました。後は…クレアの蘇生。

 

「ドット・リフティア、治療に感謝します」

「僕に出来るのはこれぐらいだった」

 

死んでる事以外は健康体そのものなクレア、魂も抜けてる状態でどうやって蘇生するつもりだろうか。

 

「御珠…」

「覚悟は決めてますよ、初めからこうするつもりでしたので」

「まさか、自分の命を?」

「その通りです。まだ発展途上なので私のほぼ全ての寿命と霊力を使いますが…蘇生は確実にできます」

 

そう言うと御珠さんは魔法陣を展開した。

 

「では少し離れて下さいね。──────」

「速い…!」

 

聞き取れないほどの速さで詠唱を行う御珠さんとクレアの周囲に霊力が渦巻く。そして詠唱が完了すると手をクレアの胸に叩きつけた。

 

「──蘇生ッ!」

「………」

「どうだ…?」

 

数秒間の静寂。それを破ったのは目を覚ましたクレアだった。

 

「…!っ、生き返ったのか俺?」

「クレア!」

「本当に生き返った!」

「うおちょ待て」

 

数時間ぶりに感じた温もり。もう逃がさない。

 

「…これで、私はお役御免ですね」

「御珠さん…質問がある」

「?」

 

ずっと気になっていた事がいくつかある。答えて貰うまでは死なせない。

 

「まず、どうして大魔獣を召喚したの?」

「貴女の強さを確認するためです。私を殺すにはある程度強くないといけませんからねぇ」

「じゃあ次。貴女は分岐視を持ってるなら、どうして深淵の狂気を避けられなかったの?」

「自分に私の能力は使えません、故に狂気に魅入られるのが分からなかったのです」

「…つくづく不便だね、それ」

「分かります?」

「次で最後の質問」

 

多分、コレが一番モヤモヤする。

 

「──なんで私だったの?」

「私、とは?」

「日本で視て、貴女を殺すように仕向けたのは」

「…ふふっ」

「何がおかしいの」

「あーいや、少し面白いと思いましてね。こんな事を言うのもなんですが───運命の悪戯、でしょう」

「は…?」

 

どういう事?

 

「と思ってます?」

「盗聴するな思考を」

「倒置法…っほん。私の過去話を聞いてください」

 


 

アレは事件を起こして間もない頃でしょうか。ビャッカから逃げた私は近隣の国々を回っては能力で私を助けうる存在を探していました。しかしやはりと言うべきか、そのそも逸脱者でもない一般人ばかりな所で視ても死亡確定、仮に逸脱者だったとしても無謀でした。

 

そんな時私は自分の親戚がいるという町まで足を運びました…貴女方の故郷ですね。そこで私はまだ9歳の貴女方を偶然見かけたのです。当時は逸脱者が3人、しかも子供がいると驚きましたが…その数秒後に人生最大の衝撃を受けましたね。

 

片や死亡確定、片や敗北という未来がほぼ確定してる中でもう1人の子に視えた『バッドエンド』と『ハッピーエンド』という未来。あの瞬間は正に『脳を焼かれた』と言うべきですね、うん。気持ち悪いですか?あんな極端な運命を見たのは初めてで、むしろ希望が持てましたよ。その数日後に貴女の両親が亡くなったと知り再び絶望しかけましたが…

 

そこで行動に移しました、視えた未来が再現される確率を限りなく100%に上げる為に。御兎以外の2人が引っ越した後に彼女の両親を洗脳し、中学に上がると同時にビャッカへ引っ越させ、そこにいる嶺宮本家も洗脳してから、強さを確認する為に大魔獣を定期的に召喚。私への殺意を募らせる為に悪夢を見せて、誕生日前日の夜に貴女だけ気付くよう霊力を出す。

 

…傍から見ればストーカーかもしれませんが、私は結構必死でしたよ。失敗=どこかしら私の関係ない所で貴女が狂う=世界滅亡だったので。

 


 

『………』

「…何か?」

「ストーカーだね。とても気持ち悪い」

「正直で誠によろしい。質問は以上ですか?」

「うん。…そろそろ寿命でしょ?」

「やはり、気付きますか」

「霊力が弱まってるからすぐ気付く」

 

蘇生直後も普通にあったハズの霊力は、今にも消えそうなくらい弱まっていた。

 

「死ぬ前に、貴女方への餞別を。マーズ」

「…鍵?」

「この空間から出たら地下室へ行ってください、そこにある書斎の鍵です。研究の成果がありますからどうか使って下さい」

「分かった」

「では…空原咲夢、クレア・リート、嶺宮御兎、ドット・リフティア」

『?』

 

 

「貴女方に…幸せな未来が訪れることを、願います」

 

 

笑みを浮かべて放ったその言葉を最後に、『愉悦の魔女』嶺宮御珠は言切れた。




御珠の研究成果
OFFエリア(一定範囲の能力無効化)
緊急蘇生(自身の霊力を半減させ復活。発展途上)
など、非常に有用な技の数々がある。

結局どういうこと
クレア死亡→御珠が蘇生からの死亡という結果は変わらなかったが、過程が大きく変化した。それによるバタフライエフェクトは未来に現れることでしょう。

X

次回で最終回です。よろしくおねがいします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。