あ〜……面倒くさい。
なんでこんなことになってんだ。
俺が何したって……
少しでも俺への罰を忘れるなってか。
だとしても、面倒くさい。
ただただ買い物しに来ただけだってのに。
なんでこうも厄介事に巻き込まれにゃならんのだ。
本当に面倒くさい。
目の前の生徒達に銃を向けられるなんて。
前言撤回してやる。
今日は心地のいい日なんかじゃねぇ。
厄日だコノヤロー。
時は数十分前。
とあるD.U.地区。
赤いコートを羽織った青年は、日が昇った青い空を見上げている。
「…毎日こうも静かにしてらんないのかね」
いつもとは違う、とても静かで平和な今日を見て愚痴をこぼす。
「でも今日みたいな心地のいい日に買い物が出来るなんてありがてぇな」
青年はいつもの様などこか諦めた表情ではなく、少し柔らかい表情をしていた。
少し軽やかな足取りで迷うことなくスーパーへと入っていく。
(ここのスーパー割といい値段だし品揃えもいいからありがてぇんだよな)
青年が様々な商品に目星を付けながら店内を闊歩する。
(今日の夜食は何にしようか、とりま昼はカップラーメンと惣菜で良さそうだな)
良さげな商品を見つけてはカゴに入れ、買い物を楽しんで居た時。
「……なんだ?」
少し外が騒がしくなり、自然と入口付近に意識が向く。
ドァァンン
「なぁァ?!」
突然の事だった。
銃とは違う、とても重々しい爆裂音がD.U.の市街地に鳴り響く。
青年は急いでカゴを置き、黒い空間から2丁のM500を取り出し、スーパーを出る。
「…ンだよこれは」
そこは先程の平和な空間ではなく、ただの地獄絵図だった。
大量の不良達が列を成して行進し、十台ちょっとの戦車がそれぞれの動きを見せながら進んで来ている。
住民達は悲鳴を上げながら逃げ惑っている。
だが青年は溜息をつきながら引き金に指を掛け、構える。
ダァンンッ
「グベラッ!」
「な、おいテメェ!」
1人の不良の頭部に着弾し、不良は倒れ付す。
その真横に居た不良が気付いた様に青年への銃口を向ける。
不良がまた口を開こうとする
ダァンンッ
「ウベッ!」
…間もなくその不良にも弾丸が着弾する。
周囲の不良達がざわめき初め、銃口がこちらを向き始める。
「はぁ…まともに買い物ぐらいさせてくれよ」
青年はそう吐き捨てると、不良達の前から姿を消した。
「なっ?!」
「消えたぞおい!」
「ドコに行きやがった!?」
困惑と驚愕。
不良達が青年が消えた事にまだ脳が追い付いていない時。
ダァンンッ
無慈悲にも、爆裂音が響き渡る。
「グベェッ?!」
無慈悲な弾丸はまた、一人の不良の頭部に着弾する。
「どこだ!?」
「急いで探せ!」
不良達は青年を捜索する。
が、まだ不良達には困惑が残っていた。
その困惑が牙を向き、動きを鈍らせる。
ダァンンッ
ダァンンッ
二連続で鳴る爆裂音。
動きが鈍っているただの不良はもはやただの的に過ぎない。
二発の弾丸はそれぞれ別の不良の頭部に着弾する。
「フルメタルジャケットじゃなくてソフトポイントだからそこまで傷にはならんだろ…多分」
ショッピングを邪魔された恨みはあるが、別に怪我を負わせたい訳ではない。
それにほんの少しの不良達だったらまだ見逃せたが、今回ばかりはそうはいかない。
一個中隊ぐらいの人数、それに加えて十台を超える戦車の数。
見過ごせる訳がないのだ。
青年はシリンダーから空薬莢を排出し、装填する。
瞬時に狙いを定め、目標を沈める。
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ…
「…終わりってところか」
しばらく銃弾を不良達に撃ち込み、全てを沈めた。
撃ち漏らす事もなく、最低限の弾薬で全てを沈めたものの、やはり数が多かった為、ソフトポイントは残り50発、爆裂徹甲弾は今変えたので残り10発となっていた。
ギヴォトスでは銃撃戦は当たり前の為、常に大量の弾丸を持ち合わせていようとも今回の様なイレギュラーには流石に堪えるものがあった。
「…奥が騒がしいな」
周りにもう住民はいないが、どうやら何処かの誰かが銃撃戦を行っているらしく、奥からドンパチと音が聞こえる。
「…面倒くせぇ」
そう言葉をこぼしながらも、青年は奥へと続く道を歩み始める。
しばらく進むと、先程居た大通りより更にデカい大通りに出た。
左手に複数人の集団が見えた様な気がしたが、それより先に右手から戦車がこちらに砲塔を向けている。
誰かが叫んだ様な気がした。
そんな事より早く青年は戦車の頭上へと飛び、頭を下にしながら身体を回転させる。
ドォンッ
とても重々しい爆裂音と共に弾頭が先程まで居た場所に突き刺さる。
「もう少し早く動いてりゃ当たってたかもな」
ダァンンッ
ダァンンッ
ダァンンッ
「ま、そんな事ねぇだろうな」
一発目は戦車のエンジンの上にある装甲に突き刺さり、爆散する。
一発目によって開いた穴から二発目三発目が侵入し、エンジンに突き刺さり、爆散する。
エンジン内部の圧縮された酸素と燃料に火が灯り、エンジンは爆発する。
操縦して居た不良達は「ヒ〜!」と情けない声を出しながら逃げていった。
青年は溜息をつき、その場から離れようとした。
ガチャリ
と、後ろから銃が突き付けられる。
「貴方、どうやったらあんな動き方が出来るの?そして何者?」
「…」
(面倒くせぇ)
青年は両手を上げながら後ろへと振り向く。
「何者って言われてもなぁ……ただの旅人で、危なそうだったから鎮圧しただけに過ぎない」
「それじゃぁあの動きは何なの?」
「ここで生きていく為に身に付いたもんだわ」
「嘘を付かないで、ヘイローも無い人があんな身体能力がある筈ないわ」
「つっても本当の事なんだわな」
「有り得ないわ!ヘイローも無い人があんな身体能力なんて」
「有り得ない以前にホントの事だから何も言えないんだわ」
「そんな筈ないわ!」
「そんな筈ないって言われてもなぁ…」
(あ〜…面倒くせぇ)
(この身体能力とか身体については何にも分からんから本当に何も言えねぇんだよな)
(…はぁ、どうしよ)
ミレニアムの制服を身に纏っている生徒に詰められている青年は頭を悩ませていた。
どうにか出来ないかと迷っていると
「皆さん、彼から銃を下ろしてください」
一人の生徒の声が響き渡る。
「な、なんでよ!?」
「彼は私の知り合いです、それに、彼は理由もなく私達に危害を加えません」
一人の生徒がそう言うと、周りの生徒達は渋々銃を下ろす。
青年はその生徒を見て、少しばかり落ち着いた。
「…久しぶりってところだな、チナツ」
「少しでもいいですから顔を出しに来てくださいハス
「…俺みてぇな奴とはあんまり関わらない方がいいんだよ」
「最近委員長がまた過労気味なんです、なので少しでも顔を見せに来てくれれば…」
「…分かったよ、今週中には行くさ」
青年とゲヘナの制服を纏った生徒は少しばかり雑談を交わす。
置いていかれている三人の生徒と少し奥に居る”大人”に青年は身体を向ける。
「まぁここは、1つ挨拶でもしておこうか」
シッカリと、当たり前の様に青年は名乗り始める。
「俺はクトゥルフ学園所属だった、ハス
ハス蛇が持ってるM500は改造品で、様々な弾丸が打てるようになってる。
見た目のモデルはHELLSINGの旦那。
名前とかはクトゥルフ神話のハスター。
結構キメラ。
相変わらずの駄文ですいません。