面倒くさがり屋は旅人   作:梅雨空 蒼穹

2 / 2
第1話 買い物さえ平和にできねぇ

あ〜……面倒くさい。

なんでこんなことになってんだ。

俺が何したって……

少しでも俺への罰を忘れるなってか。

だとしても、面倒くさい。

ただただ買い物しに来ただけだってのに。

なんでこうも厄介事に巻き込まれにゃならんのだ。

本当に面倒くさい。

目の前の生徒達に銃を向けられるなんて。

前言撤回してやる。

今日は心地のいい日なんかじゃねぇ。

厄日だコノヤロー。


時は数十分前。

とあるD.U.地区。

赤いコートを羽織った青年は、日が昇った青い空を見上げている。

 

「…毎日こうも静かにしてらんないのかね」

 

いつもとは違う、とても静かで平和な今日を見て愚痴をこぼす。

 

「でも今日みたいな心地のいい日に買い物が出来るなんてありがてぇな」

 

青年はいつもの様などこか諦めた表情ではなく、少し柔らかい表情をしていた。

少し軽やかな足取りで迷うことなくスーパーへと入っていく。

 

(ここのスーパー割といい値段だし品揃えもいいからありがてぇんだよな)

 

青年が様々な商品に目星を付けながら店内を闊歩する。

 

(今日の夜食は何にしようか、とりま昼はカップラーメンと惣菜で良さそうだな)

 

良さげな商品を見つけてはカゴに入れ、買い物を楽しんで居た時。

 

ザワザワ

 

「……なんだ?」

 

少し外が騒がしくなり、自然と入口付近に意識が向く。

 

ドァァンン

 

「なぁァ?!」

 

突然の事だった。

銃とは違う、とても重々しい爆裂音がD.U.の市街地に鳴り響く。

青年は急いでカゴを置き、黒い空間から2丁のM500を取り出し、スーパーを出る。

 

「…ンだよこれは」

 

そこは先程の平和な空間ではなく、ただの地獄絵図だった。

大量の不良達が列を成して行進し、十台ちょっとの戦車がそれぞれの動きを見せながら進んで来ている。

住民達は悲鳴を上げながら逃げ惑っている。

だが青年は溜息をつきながら引き金に指を掛け、構える。

 

ダァンンッ

 

「グベラッ!」

「な、おいテメェ!」

 

1人の不良の頭部に着弾し、不良は倒れ付す。

その真横に居た不良が気付いた様に青年への銃口を向ける。

不良がまた口を開こうとする

 

ダァンンッ

 

「ウベッ!」

 

…間もなくその不良にも弾丸が着弾する。

周囲の不良達がざわめき初め、銃口がこちらを向き始める。

 

「はぁ…まともに買い物ぐらいさせてくれよ」

 

青年はそう吐き捨てると、不良達の前から姿を消した。

 

「なっ?!」

「消えたぞおい!」

「ドコに行きやがった!?」

 

困惑と驚愕。

不良達が青年が消えた事にまだ脳が追い付いていない時。

 

ダァンンッ

 

無慈悲にも、爆裂音が響き渡る。

 

「グベェッ?!」

 

無慈悲な弾丸はまた、一人の不良の頭部に着弾する。

 

「どこだ!?」

「急いで探せ!」

 

不良達は青年を捜索する。

が、まだ不良達には困惑が残っていた。

その困惑が牙を向き、動きを鈍らせる。

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

二連続で鳴る爆裂音。

動きが鈍っているただの不良はもはやただの的に過ぎない。

二発の弾丸はそれぞれ別の不良の頭部に着弾する。

 

「フルメタルジャケットじゃなくてソフトポイントだからそこまで傷にはならんだろ…多分」

 

ショッピングを邪魔された恨みはあるが、別に怪我を負わせたい訳ではない。

それにほんの少しの不良達だったらまだ見逃せたが、今回ばかりはそうはいかない。

一個中隊ぐらいの人数、それに加えて十台を超える戦車の数。

見過ごせる訳がないのだ。

青年はシリンダーから空薬莢を排出し、装填する。

瞬時に狙いを定め、目標を沈める。

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ…

 

「…終わりってところか」

 

しばらく銃弾を不良達に撃ち込み、全てを沈めた。

撃ち漏らす事もなく、最低限の弾薬で全てを沈めたものの、やはり数が多かった為、ソフトポイントは残り50発、爆裂徹甲弾は今変えたので残り10発となっていた。

ギヴォトスでは銃撃戦は当たり前の為、常に大量の弾丸を持ち合わせていようとも今回の様なイレギュラーには流石に堪えるものがあった。

 

「…奥が騒がしいな」

 

周りにもう住民はいないが、どうやら何処かの誰かが銃撃戦を行っているらしく、奥からドンパチと音が聞こえる。

 

「…面倒くせぇ」

 

そう言葉をこぼしながらも、青年は奥へと続く道を歩み始める。

しばらく進むと、先程居た大通りより更にデカい大通りに出た。

左手に複数人の集団が見えた様な気がしたが、それより先に右手から戦車がこちらに砲塔を向けている。

誰かが叫んだ様な気がした。

そんな事より早く青年は戦車の頭上へと飛び、頭を下にしながら身体を回転させる。

 

ドォンッ

 

とても重々しい爆裂音と共に弾頭が先程まで居た場所に突き刺さる。

 

「もう少し早く動いてりゃ当たってたかもな」

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

ダァンンッ

 

「ま、そんな事ねぇだろうな」

 

一発目は戦車のエンジンの上にある装甲に突き刺さり、爆散する。

一発目によって開いた穴から二発目三発目が侵入し、エンジンに突き刺さり、爆散する。

エンジン内部の圧縮された酸素と燃料に火が灯り、エンジンは爆発する。

操縦して居た不良達は「ヒ〜!」と情けない声を出しながら逃げていった。

青年は溜息をつき、その場から離れようとした。

ガチャリ

と、後ろから銃が突き付けられる。

 

「貴方、どうやったらあんな動き方が出来るの?そして何者?」

「…」

(面倒くせぇ)

 

青年は両手を上げながら後ろへと振り向く。

 

「何者って言われてもなぁ……ただの旅人で、危なそうだったから鎮圧しただけに過ぎない」

「それじゃぁあの動きは何なの?」

「ここで生きていく為に身に付いたもんだわ」

「嘘を付かないで、ヘイローも無い人があんな身体能力がある筈ないわ」

「つっても本当の事なんだわな」

「有り得ないわ!ヘイローも無い人があんな身体能力なんて」

「有り得ない以前にホントの事だから何も言えないんだわ」

「そんな筈ないわ!」

「そんな筈ないって言われてもなぁ…」

 

(あ〜…面倒くせぇ)

(この身体能力とか身体については何にも分からんから本当に何も言えねぇんだよな)

(…はぁ、どうしよ)

 

ミレニアムの制服を身に纏っている生徒に詰められている青年は頭を悩ませていた。

どうにか出来ないかと迷っていると

 

「皆さん、彼から銃を下ろしてください」

 

一人の生徒の声が響き渡る。

 

「な、なんでよ!?」

「彼は私の知り合いです、それに、彼は理由もなく私達に危害を加えません」

 

一人の生徒がそう言うと、周りの生徒達は渋々銃を下ろす。

青年はその生徒を見て、少しばかり落ち着いた。

 

「…久しぶりってところだな、チナツ」

「少しでもいいですから顔を出しに来てくださいハス()さん」

「…俺みてぇな奴とはあんまり関わらない方がいいんだよ」

「最近委員長がまた過労気味なんです、なので少しでも顔を見せに来てくれれば…」

「…分かったよ、今週中には行くさ」

 

青年とゲヘナの制服を纏った生徒は少しばかり雑談を交わす。

置いていかれている三人の生徒と少し奥に居る”大人”に青年は身体を向ける。

 

「まぁここは、1つ挨拶でもしておこうか」

 

シッカリと、当たり前の様に青年は名乗り始める。

 

「俺はクトゥルフ学園所属だった、ハス()と言うものだ」




ハス蛇が持ってるM500は改造品で、様々な弾丸が打てるようになってる。
見た目のモデルはHELLSINGの旦那。
名前とかはクトゥルフ神話のハスター。
結構キメラ。

相変わらずの駄文ですいません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ウェスタン•オブ•キヴォトス(作者:SCOPEWOLF)(原作:ブルーアーカイブ)

キヴォトスの廃墟を鉄の馬が咆哮をあげて駆けていく▼その道を塞ぐものは、あまりにも大きな鉄の塊から放たれる弾丸に吹き飛ばされた▼人は言う▼「ヤツは危険な無法者だ」と▼また、他の奴らも語る▼「ヤツは金に目がない亡者だ」と▼誰もがヤツに銃口を向ける▼それでもソイツは止まらない▼ソイツはまるで、放たれた弾丸のようにキヴォトスを駆け抜けたのさ


総合評価:56/評価:-.--/連載:15話/更新日時:2026年05月03日(日) 07:00 小説情報

ゲヘナの外交官(作者:白福 学)(原作:ブルーアーカイブ)

キヴォトスでは珍しい男子生徒、荊尾クチナ。彼はいつだって楽しい事に飢えていた。今日も今日とて、彼は敬愛すべき議長閣下の命令で西へ東へ飛び回る。忙しくも退屈しない日々。そんな充実した日常はある日、連邦生徒会長の失踪という特大のイベントによって更なるカオスに突入した。はたして、クチナはこの激動と混迷の時代をどう楽しんで生きるのか。▼


総合評価:14/評価:-.--/連載:2話/更新日時:2026年04月03日(金) 16:40 小説情報

青春を、取り戻しに(作者:打率3割)(原作:ブルーアーカイブ)

元ゲヘナの風紀委員長は卒業した後、カイザーPMCに就職。▼自分に使える時間が無く、やりたいことを失ってしまう。▼だがある時、主人公はアビドスにあるカイザーPMCの基地がたった5人に攻められホシノを奪還されたと知る……▼


総合評価:385/評価:6.73/連載:8話/更新日時:2026年04月21日(火) 20:51 小説情報

荒んだ人生で心が壊れたうつ病男性がキヴォトスに転生(作者:ダブクロチャンネル)(原作:ブルーアーカイブ)

衝動的に書いたブルアカ二次創作▼簡単なあらすじ▼転生した主人公がブルアカの世界で好きなように生きる話▼2025年6月22日―追記―▼当小説では以下の銃器の種類をこのように省略します▼ハンドガン:HG▼サブマシンガン:SMG▼ショットガン:SG▼アサルトライフル:AR▼グレネードランチャー:GL▼マシンガン:MG▼スナイパーライフル:SR▼ロケットランチャー:…


総合評価:472/評価:5.8/連載:37話/更新日時:2026年04月26日(日) 14:14 小説情報

キヴォトスの亡霊(作者:枝那)(原作:ブルーアーカイブ)

銃弾飛び交う学園都市に▼『SAKAMOTO DAYS』のチートジジイもどきをぶち込んだだけの話▼※作者は単行本の内容しか知りません。本誌の内容のネタバレはお控えください。


総合評価:460/評価:8/連載:8話/更新日時:2026年05月04日(月) 22:51 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>