大地よ、輝く夜に黎明を齎せ   作:M4kura

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有給なので初騰荒です。今回ちょっと短いです。


大地よ、刹那を見極めよ

「いろは!かえで!助けて!」

彩葉と一緒に勉強している時、かぐやに泣きつかれた。なんだ、急に。

「このままじゃかぐや結婚しないといけないの」

どうやら料理の配信で求婚コメントが殺到し、かぐやがゲームで勝ったらいいと返したらしく、今追い詰められているので代わりに戦ってほしいとのこと。

 

『KASSEN』。ここ数年のゲーム業界を席巻している、戦国時代の合戦をモデルにしたフルダイブ型のアクションゲームだ。『KASSEN』専門のプロゲーマーが多く存在するぐらい、このゲームの人気は他の追随を許さない。今回のルールは『SETSUNA』といい、一対一の二本先取した方が勝ち、と言うゲームだ。実を言うと、『KASSEN』をやるのは初めてだ。

そう考えているうちに対戦が始まってしまった。相手が襲いかかってきた。

「…遅いっ!」

主武装である槍、『撃雲』を呼び出し、隙だらけの胸を一突きして一勝。

夢に出てきた奴ら(刃とか鉄墓とか)と比べると、練度も殺意も足りない。

相手の武器をいなし、胴を穿つ。

相手を吹き飛ばし、龍霊でトドメを刺す。

撃雲を投げ、相手の頭を吹き飛ばす。

相手の攻撃を読み切って、首を断つ。

龍霊で隙を作り、相手を詰ませてトドメ。

そうして勝利を重ねていき、最終的に十五連勝した。彩葉と合わせて三十連勝だ。

この身体は「大地」の半神だ。並の相手が敵うようなものではない。加えて、五感が機能しているので、通常よりも多くの情報を得られる。

だが、この『SETSUNA』で五感があることの大きなデメリットに気づいた。それは…

 

俺はツクヨミ内で痛覚が存在する。

 

通常痛覚は存在しないのだが、セプターから作られたアバターの影響で五感が存在するに伴って実装されているのだろう。リアルで傷が付くことはないが、傷つけられた痛みは受ける。『KASSEN』のようなバトルゲームをやる時はなるべくダメージを受けないよう、気をつけなければならない。

「大地」の権能にはシールドの付与もあるため、ダメージを受ける機会はなかなかないと思うが…

────────────

『STAR RAIL』が配信活動をしてヤチヨカップの順位を上げていく。それに付随して集まってくるのがふじゅ〜だ。

ふじゅ〜は感情がポジティブに動いたと判定されれば、運営から支払われる形になっている。ツクヨミ内での取引に使われ、さらにふじゅ〜は現実の金銭に変換できる。

 

今、かぐやの口座には大量のふじゅ〜が溜まっている。俺もおともペットが流行したので、それなりに口座に金が入ってきている。

彩葉が所詮あぶく銭、水物と釘を刺しているが

「でも〜、合法でござんしょ〜?」

確かにそうだが、お金を使うにあたって言っておきたいことがある。

「かぐや、稼いだ金のことだが」

「えー、かえでも何か言うつもりー?」

「いや、使うのはかぐやの自由だ。かぐやの稼いだ物だからな。だが…」

かぐやと目を合わせる。

「かぐや、お前の稼いだ金の中にはリスナーから送られてきたものも多くある。よく考えて使わなければリスナーからの信頼を裏切ることになる。大切に使うといい」

「…うーん?」

「今は心に留めておくだけでいい。そのための一歩として…まず部屋を片付けよう、俺も手伝う」

部屋にはかぐやの配信用の物が散らかっている。

「えー、無理だよー。引っ越そうよ〜」

などとかぐやは言っていたが、なんとかスペースを作れるように片付けた。

 

今日はツクヨミ内のライブハウスでかぐやのソロライブがある。伴奏はいろPだ。俺は歌や楽器ができるわけでもないのでライブには参加しない。裏方で応援だ。

ライブハウスへ向かう途中、かぐやと彩葉がハンドサインをしていた。かぐや曰く「仲良しのやつ♡」らしい。

俺もやろうと誘われたが断った。それはかぐやと彩葉の合図だからだ。代わりとして三人でハイタッチするのが俺たち三人の合図になった。

 

ライブハウスに着き、二人が準備していく。

かぐやと彩葉はどこまで行くのだろうか。俺はどこへと向かうのだろう。

「楽しんでくるといい」

と無責任に二人を応援する。

スタッフの合図が飛び、幕が上がる。

熱狂が押し寄せる。

 

かぐやの初ソロライブが始まった。




楓…ダメージのフィードバックを受ける。最悪ショック死もあり得る。彩葉とかぐやの二人のサインに割り込むのは流石に気が引けた。
彩葉…二人で分担したので、対戦人数は減った。(総数は少し増えてる)
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