バスで寝過ごしたら遊園地に着いた。   作:癒トリ素引き侍

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なんも思いつかねぇ!フィーリングだこんなもん!

こんなタグをつけて欲しいって言う場合はバンバン言ってください。修正します。

※前半少し飛んでました。再投稿してます。(3/7:04:37)


寝過ごして遊園地

『次はー月ノ森前ー、月ノ森前ー』

 

「っんが?」

 

 

ぼんやりした意識が上からの機械越しの声で引き戻される。

 

 

「……やっべぇ、これ多分やったかぁ?」

 

 

バスからの催促するような音声を聞いて外を見てみれば外は真っ暗、おまけに山奥。

バスに乗った記憶だけはあるにはあるが、それ以降全く記憶がない。

 

目覚めた俺の目の前に広がる窓の風景はどうもこうもなく、多分も何もなく、どう見ても降りるべき場所を通り過ぎて長い時間を乗り過ごしたバカの見る景色そのものである。

 

 

『お降りの方は、降車ボタンを押してください』

 

「……降りた方が、いいか」

 

 

これからの帰り道の事を考える。スマホを見ると時間を午後8時過ぎ、家に帰ることを考えるなら出来るだけ早く行動した方がいいと結論づけて、右に見える降車ボタンをとりあえず押してみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、始まりの始まり。

 

夜に集う者たちとの出会いと、これからの自分の生き方を探すための出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

「まじでどうすっかな……」

 

 

ゴトンと音を立てた自販機から今買ったばかりの見たことも聞いたこともないメーカーの飲み物をとりながら、考えを巡らせる。

 

何を悠長に、なんて思いながらも実際帰り方どころかここが何処なのかすら皆目見当もつかないわけで、とりあえず落ち着くしかない。というかできないのが現状なのだ。

 

 

「歩くのは……無しだよな。降りたけどもう一回バス乗るか? いやでも次のバスって一時間ぐらい先だし……」

 

 

しかしあまりにも土地勘が無さすぎる。来た道を戻るのが早いというのも確かにわかるが、バスがどの道を通って、何処を曲がってここまで走ったのかなんて当然しらない。

 

山を降りて人のいそうな麓まで行くというのもここからだとどれだけの距離になるのかもわからないし、最悪遭難するハメになる。というか実際、今この状況がそれに片足を突っ込んでるものだが。

 

 

「……これ、詰んでる?」

 

 

ポツリとつぶやいた自分の言葉に、一瞬血の気が引く。

 

親にも全く連絡がつかないし、友人その他諸々も漏れなく全員全滅。身につけているのは制服と色々が入ったカバン、財布と学生証のみ。この状況をたった1人で打開するしか今の俺には選択肢がないが、その選択もミスれば最悪の可能性が舞い込む事だってある。こんな山奥、昨今なら熊だの何度のに出くわす事もあるわけで、命の補償すら正直ない。

 

 

 

 

 

 

『ーーッ、ーー…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ……今の、声か?」

 

 

 

 

しかし、そんな暗闇の山の中で、確かに聞こえた叫び声にも似た何か。

 

 

音の聞こえた方に反射的に振り向くが、帰ってくる反応は相変わらず何もない。しかし、ここに来てようやく掴んだ何かの気配に思わず心臓が少しだけ跳ねる。

 

 

「行って、みるか」

 

 

なんであれ、手がかりは手がかり。覚悟を決めて道路から外れた木と草が生い茂る獣道に、ゆっくりと歩き始める。出るのは鬼か蛇なのか。恐怖がないわけでもないが、今は少しの可能性に賭けてみるしかないのだ。

 

 

 

 

 

「カッパに、狸……それと……看板」

 

 

ビビりながらも少し歩き、森を抜けた先にあったのは、おかしなオブジェクトに寂れたゲート。月と僅かなライトに照らされた人の気配のなさそうな大掛かりなテーマパーク。ということは……。

 

 

「(ここ、もしかして閉園した遊園地なのか? いやでも、なんで明かりが……)」

 

 

この時間帯まで営業してるにしてはあまりに整備の行き届いてなさそうな諸々に、ゲートにつけられた看板もお世辞には綺麗とは言えない。

 

 

「ワンダ、ヒル……?」

 

 

口に出した遊園地の名前も、全く聞き覚えのないもの。情報社会である現代でも、そんなテーマパークがあったなんて聞いたこともない。

 

 

「ッよし、ここまでくると度胸だ。行くしかねぇ」

 

 

最悪幽霊やら怪奇現象の類とも考えられたが、ここまで来て引き返すわけにはいかない。正直、あの人気のない森の中をこの廃園を背にもう一度歩いて行く勇気も残っていない。

 

 

それに、ここまで来てようやく聞こえてきた。

 

マイクのような物を通して出る人の声。実況のようなテンションの高い女性の声が、今度はしっかりと。

 

 

何度目かの覚悟をきめて、ゲートを潜り抜けた。

 

 

目指すのは、声の元である一際輝く屋根が見える場所。期待と不安の二重螺旋に埋もれながら、夜の遊園地を歩き出した。

 

 

 

 

 

「しっかし、何なんだここ……ぇ、これ大仏? なんで?」

 

 

動かなそうな遊具になぜか置いてある戦車。挙句の果てにはずいぶん立派な大仏まで備え付けられている。

 

特色が強い、なんてレベルじゃない。色んなものが折り重なって、夜の背景と重なり合うあべこべの色が混ざり合ったような異質な空間だ。

 

 

「……メリー、ゴーランド」

 

 

そんな色物の空間の中でもさらに夜を際立たせる一つの遊具。これでもかと付け加えられたライトや巻きつけられ、吊るされたイルミネーションに照らされた、年代物のようなメリーゴーランド。

 

 

「っ人だ……!」

 

 

そして、ようやく見つけた人の影。メリーゴーランドを囲う柵の上やその中心には、これまで見ることのなかった自分と同じ人間が何人も

「やぁ」

 

「っいぃ!?」

 

 

 

突如、後ろからかけられた声に思わず飛び上がる。驚きの上に驚きを重ねられるサプライズに似たなにかなのだが、内心全く嬉しくない。というか、後ろに人の気配なんて全くなかったんですけど……?

 

 

「驚かせるつもりは無かったんだ。あまり見ない顔だったからね」

 

「は、はぁ……(絶対嘘だろ)」

 

 

穏やかに笑う和服の様な衣装を着た長い白髪の男の言葉を聞きながら、バクバクとうるさい心臓を抑えて何とか返事を返す。何わろとんねん人の気も知らないで。

 

 

「剛毅果断。道を外れ迷い込んだ先で、僅かな光を辿りながらこの夜を歩いた気分はどうだった?」

 

「(……何言ってんのか全然わからねぇ)」

 

 

どうしよう、選択肢ミスったかもしれない。

 

 

「おいで」

 

「……はい?」

 

「途中からだろうけど、見て行くといい。帰りのバスが来るまでにはまだ時間もある」

 

 

そうまで言っておそらくここの関係者っぽい謎な男は、自己紹介もなしに言うだけ言って俺の横を通り過ぎ、メリーゴーランドに歩いて行った。

 

 

「……見て行くって、だからなにを?」

 

 

何から何まで置いてけぼりのこの状況で何の説明もせずについてこいというのも無茶な話に聞こえるが、関係者に悪い印象を持たれると帰り道すら聞けなくなる可能性もなくはない。ここはおとなしく謎の男についていく。

 

共に遊園地をぐるりと回る柵の上に登る途中、周囲の人間から少しばかりの視線を貰うが、普段見かけない人間よりも、何やら他のものに熱中しているようだ。

 

 

「どうやら思ったよりファイトが進んでいるね。新リーダーはここ最近、随分調子がいいみたいだ」

 

「ファイト……?」

 

「あそこだよ」

 

 

俺の疑問に男が答えるように、メリーゴーランドの中心に指を指す。中央にライトアップされた煌びやかなフィールド、そこに立つ2人の人間の間に挟まれたテーブルの上で行われているのは……。

 

 

「……『ヴァンガード』、か?」

 

 

 

 

自分が小さな頃に遊んだことのある、数多あるカードゲームの一つだった。

 




Q.なんでワンダヒルスタートなんですか?
A.物語の都合上、文字通り都合がいいからです。

やべぇぞこのシロガネパイセンのムーブ合ってんのか!?


見月 凪斗(みつき なぎと)18歳
主人公であり黒髪黒目のごく普通の一般人。ヴァンガードは小さい頃に少しスタンダードルールでやった程度。新ルールは全く触っていない。
近い未来に超トリで轢き殺される。
使用デッキ:???
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