無価値な世界でも、君がいる   作:ユイトアクエリア

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アワーノーツ出るまでの話は全部0-〇表記で行きます
でもこの辺の設定はあんま変わりません


0-1:登校初日

『初めまして、こんにちは。雪代零(ゆきしろれい)と言います。

いろんな事情で引っ越してきました。

目と耳は使えないし、ついでに顔もほぼ見えないし、鼻も口も手も使い物にならないぐらい鈍いけど、よろしくお願いします』

 

前もって文字を打っておいたスマホを、最近の学校らしくプロジェクターに繋ぎ、画面を投影。

 

こんだけ(へりくだ)ったんだ、いじめられてもおかしくはない。

別にそれでもかまわないとさえ思っていた。

生きれて約ひと月、そう思ってた。

 


転校生にとってはおなじみのイベント、休み時間全方位集中型質問コーナー。

目と耳がほとんど使えない俺を気遣う者はいたものの、やはり俺に興味がある人間はよっぽどの好奇心旺盛らしい。

 

『なぁゼロ!お前アニメ好き?』

『ゼロ?』

『あだ名だよあだ名!零ってゼロとも読むだろ?だからゼロ!かっけーし!』

『君たちがいいなら、それで構わない。よろしく頼むよ』

 

どうやら、ひどく気に入られたようだ。

ゼロなんていうあだ名までもらってしまった、これでは死ぬときに後悔しそうだ。

 

『アニメ、だったか。生憎光が強いものは見れなくてな』

『あーそっか。見えないんだっけ。どうやったらゼロが楽しいもんできるかなぁ』

『別に構わなくともいい。俺はそんな気にしてない』

『あ!じゃあ今度の土曜日暇か!?』

 

土曜日、確か予定は何もなかったな。

 

『あぁ、暇だけど』

『じゃあこれ!一緒に行こうぜ!』

 

じゃじゃーん!と効果音が付きそうな具合でスマホを見せつけてくる。

そこには「ライブイベント開催」と書かれている。

 

『ライブイベント?』

『そう!世の中は大ガールズバンド時代なんだってさ!音なら聞こえるんだろ?チケット余っててさ、どうかな』

『そうだな。わかった、同行しよう』

『まじで!?やったぁ!!』

 

律儀にスマホに打ち込んでから喜ぶ、なんだか愉快な奴だ。

 

『念のため、車椅子用に変更できるか聞いておいてくれないか?足は問題ないんだが、もしもの時があったら困る』

『任せろ!』

 

なんだか頼もしいんだかただのバカなんだかわからなくなってきた。

それにしても、ライブか。

こんな耳になってから、まともに音楽なんて聞いちゃいなかったが、今の耳ではどう聞こえるのかな。

少し楽しみだ。

 


 

学校生活はそつなくこなした。

普通になれない俺も、普通を演じることはできる。

わかる問題があれば手を挙げ、回答を口に...スマホに読み上げさせる。

帰りは途中まで学友と、なんて、いかにも普通な学生を()れている。

見た目はあれでも、中身は完全に高校生のそれだ。

 

...今は、だけかもしれない。

 

転校してすぐだから、まだ色眼鏡で見られているだけかもしれない。

 

肝に銘じておこう。

 

俺は決して、ほかの人間と同じではないのだから。

 

 

 

 

 




アワーノーツ、いつ配信なのかめっちゃ気になる
ムジカの映画が秋だし、映画記念とかやりたいだろうから
ゆめみたアニメより後、ムジカ映画より前なんかな
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