ナルサス界隈で有名なネタをぶっ込んでいます。
繋がりのかたち
試合が終了し、ナルトはチャクラ不足でぐったりしているサスケの腕を肩にまわし担ぐと、大歓声の中、巨大なクレーターのできた試合会場を立ち去ろうとしていた。すると、選手の出入り口に白い制服を身にまとった医療班の男性が二人の行く手を遮った。
「うずまきナルト、うちはサスケに間違いありませんか」
「ん?ああ……」
項垂れていたサスケも顔を上げ眉をひそめる。
「火影様の命により、精密検査目的にて木ノ葉病院に一週間入院していただきます」
その理由はなんとなく想像できるが、あまりに一方的だ。ナルトは当然納得いかずに口を開こうとした。すると視界の端に火影の傘を被った自来也の姿を捉えた。そしてその隣には、フガクとミコト、そしてイタチや再不斬や白の姿がある。
「サスケ、たった一週間だ。行ってきなさい」
「試験場をこんなにしたんだ。里の皆も当然驚いとる。そして今回のことは里のご意見板の強い希望もあってのぉ。ナルト、サスケ、すまんがしばらくの辛抱だ」
火影直々の頼み事であれば、話は違う。ナルトとサスケは互いにチラリと視線を交わすと、やがて小さく頷いた。
「わかったってばよ」
医療班の男性の誘導に従い歩き始めた時、白がナルトの腕を掴んだ。
「僕たちは君とサスケ君の事、それから良くしてくださったうちは一族のみなさんの事、大好きですよ。また居場所を与えてくれたこと、本当に感謝しています」
「急にどうしたんだってばよ?」
「……いいえ、何でもありません。外出を制限されている身ですから、伝えられる時に伝えておきたくて」
「ふーん、ヘンなやつだな」
白は微笑んでいた。
里の意向による精密検査のための入院ということで、入院費用はもちろん、日用品に至るまで全て無償だ。木ノ葉病院に到着すると、病院の玄関でシズネが二人を出迎えた。
「君たちの部屋はここです。個室もありますけど、君たちのことですから二人部屋のほうが良いでしょう?」
「さっすがシズネの姉ちゃんだってばよ」
「どういう気の回し方してるんだ」
「いいえ、とんでもありません。……検査は明日から始まります。一応、これが検査項目になります」
その用紙には軽く二〇項目以上はある検査内容が書かれていた。見るだけで胸やけがしそうだ。ナルトはろくに確認せずに備え付けの机の上に置いた。
「なあなあ。オレってばもう普通に生活するぶんには回復してっけどさ、ずっとこの部屋に居ろってことないよな」
「病院の敷地内であれば自由です。ただ、検査の時間には部屋に居てくださいね。時間は前日にナースが知らせに来るはずです。……他にわからないことがあれば、ナースをつかまえて聞いてください。それでは」
シズネは忙しいのだろう。簡潔に説明すると足早に病室を後にした。
サスケは窓際のベッドに陣取り、ナルトはもう一方の空いたベッドに腰かけた。しばらくすると、ナースが寝衣を持ってきた。今やナルトとサスケは時の人。部屋にやって来た若いナースは緊張した面持ちでそれぞれ手渡すと、すぐに病室を立ち去った。
お揃いの淡い水色の病衣に着替えると、それだけで病人でもないのにいかにも病人といった風貌だ。
「……ちゃんと、腕、付いてるってばよ」
「そうだな」
「サスケ、……お前も興奮した?」
「……」
「オレは……興奮した。変だよな。傷付けたくねぇのにさ」
ナルトは自分の手のひらを見つめた。その手には確かにサスケに向けようとした螺旋丸があった。寸前で霧散したチャクラは自身の皮膚を傷つけ、赤く爛れている。その痛みさえもジワリと温かく感じる。
「……別に、変じゃない」
おそらく、自分たちの関係は他者に理解できない類のものだ。あの頃とは違い、今はたくさんの縁が自分たちを取り巻いている実感がある。それでも互いを万が一にも失うことがあれば、途端に生きていけなくなるだろう。
「なあ、……覚えてっか?」
「ああ」
「……ホントかよ?テキトーに答えてねぇ?」
「あの事だろ?今思い出しても笑える」
「んだよ……わかってんじゃん」
笑える話。あの時は互いに入院しており、まだ療養中にも関わらずナルトは隔離されているサスケの病室に忍び込んできて土下座で嘆願した。
ーー初めてはおまえがいいってばよ。
ーー……どうかしている。
全ての繋がりを切り捨て、最後は力で負けて、死ぬと言ったのに死なせてくれず、生かされて。色んなモノを捨ててしまっていて、最後にはナルトしか残っていなかった。一度は殺して欲しいと思うほどに心を許してしまった相手に身体を預けることなど造作もない。それに、己の罪に関する沙汰を待つ身でもあった。それでも自暴自棄になっていたわけではない。冷静だった。
サスケが常日頃にない心理状態にあったことは少しの想像力があれば分かったことだろう。それにも関わらずナルトは図々しくも乗り込んできた。とんでもなく狡く無神経なバカだ。特にサスケに対しては輪をかけて酷い。
「ああ、本当にあの時はお互いどうかしていた。その後どうなるか、後先考えずに行動できるのにはある意味尊敬する」
「あん時やっときゃよかったって、あとから後悔したくねーんだってばよ」
その声はいつものふざけた調子ではなく、ナルトはベッドに転がったまま真顔で天井を見ている。
「どこかで聞いたようなセリフだな」
こいつはそんな男だとサスケは小さく笑った。
「……つか、こんな話、こんなナリでしてんのおかしいな」
「ああ」
話している内容がもう少年のそれではなく、いい大人が盃を酌み交わしてするようなものだ。
「ちょっと外に出てくる。お前は休んでろよ」
サスケは布団を被り、窓の方へと寝返りを打って背を向けた。ナルトが部屋を出ていくと、くるりとまた向きを変えて病室のドアを見つめた。
ナルトが向かうのは、同じ病院内のある一室。特異なチャクラはナルトの中のチャクラに呼応している。その場所はスタッフに聞かずともすぐに分かった。最上階の最奥にある個室。その扉の向こうにはたった一つの気配。夕飯も終わった時間で面会者はおそらくもういない時間だ。
ナルトはそっと病室のドアを開けた。目的の人物はベッドに横たわっており、予想外にその目は開いていた。すぐにその目は無断で入って来たナルトを捉える。
「我愛羅。大丈夫かよ」
「……ああ。俺のあの姿を見ただろう。何とも思わないのか」
「いいや。オレも同じだ」
「お前と俺とは違う」
「まあ、違うっちゃ、違うな。オレは狐でお前は狸」
「……。」
「我愛羅、お前ン中の奴と、話したことあるか?」
「……ないな」
「そっか。でも、いるんだろ?」
「ああ……。俺は恐れている。アイツに全部持っていかれることを。身体も、精神も、全て」
「わかるってばよ。けどな、お前だけはそいつを化け物扱いすんなよ」
「……?」
「オレもさ、化け物と思ってたんだ。初めは。けどさ、こいつもオレと同じくらいかそれ以上につらい目にあってきたってこと知ったら親近感がわいてきてさ。……身体を共有する仲だし、いつの間にか相棒だと思えてきたんだってばよ」
「相棒、か……。俺もなれるだろうか」
「お前が望むなら、なれるってばよ」
「……ナルト?」
「ちょっと黙ってろ」
ナルトは、横たわる我愛羅の額の上にそっと手をあてた。我愛羅とナルトの尾獣の封印の方法は全く異なるもので、我愛羅は主に頭部にその多くが封印されている。
(守鶴、もう一人のお前だってばよ。少し我愛羅に歩みよってくんねぇか、話してやってくれ)
小さな狸のような姿をした獣は、我愛羅の奥に住まう巨大な狸に声をかけた。大きさは違えど、互いに自分自身だと気づく。
我愛羅はいつの間にか眠っていた。
ナルトってズカズカ入ってくるよね。我愛羅に対してもそう。嫌なものではないからすごいんだわ。
ナルサス観がうまく表現できない。友、ライバル、兄弟、家族、…一般的な言葉では言い表せないファンタジーなんだよどちくしょう!!!誰か語彙力、表現力!!だからせくろすも普通にやるんだよ!!コミュニケーションの一種なんだよ!