もし二人であの頃に戻れたなら(完?)   作:冬乃菊

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中忍昇格祝い

 里をあげて執り行われたうちは一族の追悼式から約一週間後、ナルトとサスケは火影からの辞令交付を受けるために火影室を訪れていた。そこには既にヒナタとシカマルの姿があり、火影の隣には綱手と彼らの担当常任であるカカシとアスマもいた。

「なんだ、オレたちが最後か」

「おせーぞ、ナルト」

 シカマルはナルトに対しそんな軽口を叩きながらも、その視線は彼の後のサスケに向けられている。

「……どうした?」

「いや。……何て言ったらいいのか。……サスケ、今回の事は気の毒だったな」

「その事か。……もう済んだ事だ」

 サスケの表情は変わらず動かない。例の事件の後、このようなやりとりは何度かあった。今回の事件は先の九尾来襲以来の大事件として、一週間が経過した今となっても人々の話題にのぼる。真相を知っているだけに、サスケは“遺族“の顔を演じていた。

 それにしてもあれだけの人数が殺されたという事に、仮にも忍である里の人たちが何も疑問に思わないのには驚く部分がある。何を根拠にそれが真実だと信じているのか、それはやはり里をあげてうちは一族の追悼式を行ったことに尽きる。

 あまりにあっさりしているサスケの反応に、シカマルは肩透かしをくらったが互いに忍だということもありサスケもきちんと自分の中で整理をつけているのだろうと納得した。

「そろそろ、いいかのぉ。……まずは、皆、中忍昇格おめでとう。辞令を渡そう」

 自来也が目配せをすると、カカシとアスマがそれぞれ部下に中忍という文字の入った少し分厚い上質紙を配った。その用紙にはちゃんと自分の名前が書かれている。

「まずはシカマル」

「はい」

「お前はこれからもしばらくの間は今と同じチームで行動することになる。たまに臨時で他の忍と組むこともあるかと思うが。……例えば……ここにいるカカシやヒナタだとかのぉ」

「わかりました」

 カカシとヒナタの名は上がっても、ナルトとサスケの名は上がらないことに違和感があった。

「次はヒナタ」

「ヒナタに関しては私から伝えよう。……これからは私が先導し医療忍者を育ててゆく。里を上げてのプロジェクトだ。その一人目の選抜者としておまえを考えているが、いいな?」

「……はい!」

「このプロジェクトの成果はおまえの成長にかかっとる。ま、他にも選抜者を選考する予定だからそう気負うな。当然だが任務もこれまで通りカカシと組んで就いてもらう」

「……わかりました」

 言葉の綾だろうか。自来也はシカマルの辞令交付の時と同様にナルトとサスケの名を挙げなかった。ヒナタは返事をしながら隣に並ぶ二人の顔を見た。

「それから、おまえたちに二人ついては直接報せが行くだろう」

「おう!」

「わかった」

 ナルトとサスケは平然と返事をしているが、何も知らされていないヒナタとカカシは自来也の言葉を聞いて目を丸くしていた。その話が本当ならば、第零班は解散ということになる。

「話は以上だ。そこの机に制服を準備しとる。忘れずに持っていけのぉ。……ああ、洗い替えは後日自宅に届くようになっとる」

 入り口の丁度横の辺りに、いつもはない机が設置されており、その上には様々なサイズの制服と、サイズと枚数を記入する用紙が置かれていた。

 辞令交付が終ると、次は登録変更のための写真撮影がある。その写真は、里の制服を着ての撮影が義務付けられている。ちなみに特別上忍からは特に指定がない。理由は不明だ。

 更衣室へ移動し着替え終ると、ナルトは部屋の端に置かれた姿見の前で一人ポーズを取りまくっている。

「……何してんだよメンドクセー。とっとと写真撮って帰るぞ」

「だってよ!だってよ!オレってば中忍の制服着んの初めてでさ!」

 前の人生(?)では一般的なルートを通らず火影となったナルトは、今まで一度も里の制服を着たことがなかった。特に着たいと思ったこともなかったが、いざ着てみると理由もなく無性にテンションが上がった。

「そんなに嬉しいか?ったくおかしなヤツだな。なあサスケ……」

 サスケに同意を求め振り返ると、木ノ葉の忍ベストを両手で拡げて眺めていた。少し手が震えている様にも見える。

 中忍選抜試験の最終試合では圧倒的な力を見せつけた二人だとは思えない光景。中忍になどなれて当然だ。それ以上の力もあるはずだ。そんな二人が中忍昇格をここまで喜んでいるのが、シカマルにとっては意外でならなかった。二人はけして中忍になれたことに対して喜んでいるわけではないのだが、彼にはそのようにしか見えていない。シカマルもそれなりに中忍になって嬉しくはあったが、昇格するということはそれなりに責任も重くなるということで、彼にとっては嬉しさよりもそちらの方が気がかりで単純に喜んではいられなかった。

「……おい。サスケ、行くぞ」

「あ、ああ」

 サスケもナルトに同じく、里の制服を着ることなく中忍にも上忍にもなることなく年を重ねていた。今さら里の制服を着るのは感慨深いものがある。柄にもなく地味に感動していた。シカマルの声で我に返り、サスケはサッとベストに腕を通す。すると、一通りポーズをとり終えたナルトは、サスケに飛びつき肩に腕を回した。

「サスケっ!オレたちおそろいだってばよ!」

「ああ」

 サスケはナルトのボケにツッコミを入れるどころか、穏やかな表情をしている。

「……や、これは制服な。ちなみに俺も同じ服着てるからな。おまえらメンドクセーぞ」

 アカデミーの頃からこの二人に関しては色々と思うところがあったが、この調子ではいつまで経ってもこの近すぎる距離感はそのままなのだろうと半ば呆れてため息をついた。シカマルから押し出される形で二人が更衣室を出ると、外には同じ制服を着たヒナタが待っていた。

 

 写真を撮り終え火影塔を出ると、外にはカカシとアスマとチョウジといのが待っていた。

「今から皆でメシ食いに行こうって話になってさー。どう?」

 時間はちょうどお昼時だ。

「マジ?!行くってばよー!」

 

 一行が向かったのは里に一軒しかない焼肉屋、焼肉Q。アスマの班の行きつけだ。

「今日はおまえらのお祝いってことで、俺とアスマのオゴりだから。中忍試験の後の打ち上げも結局できなかったしね」

「先生ありがとうございます」

「カカシ先生サンキューってばよ!」

「ありがとう」

「すんません。いただきます」

「いのとチョウジに関してはこれからの活躍に期待する。肉食って修行に励め」

「「はーい!!」」

 肉が運ばれてくると、チョウジが率先して肉を焼き、率先して焼けた肉を胃袋に入れていく。肉から目を離したらチョウジの胃袋に入ってしまうという緊張感。アスマとカカシが気がけて焼けた肉を部下たちのタレの中に放ってゆく。いくら肉ハンターであっても上忍のスピードには敵わない。

「そういえばナルトくんとサスケくんはこれからどうするの?火影様から今後の事について何も話されなかったけれど……」

「あー、あれな。ヒナタには言ってなかったな。オレとサスケ、ダンゾウって人に声かけられてさ、暗部に所属すっことになった」

「暗部?」

「ナルト……そういうの、俺にも教えて欲しいなー。一応君たちの上司だからね。前にも同じようなこと言った気がするんだけど。……ま、暗部ってのは、通常の任務よりもちょっと、こう、忍の闇の部分ってカンジの任務をこなす役割があってね。もちろん危険度も高い。重要な情報を得る可能性があるから」

「そのダンゾウって人は何モンっすか?」

「そうだな……言うなれば、三代目が表ならばダンゾウは裏だ。そう言えばわかるか?三代目と同じように、初代、二代目火影様から教えを受けた者の一人だ。……おまえら、大丈夫か?」

 アスマはダンゾウについての話はあえて言葉を濁し、ナルトとサスケの顔を見た。彼の言いたいことは分かる。ダンゾウについての詳細は口に出さずとも、上忍という立場にあるため色々と情報は持っているのだろう。彼に関する闇の部分も話も。

「問題ない。ヤツの弱味なら知っている」

「そうそう。オレらも条件出してっから」

「エ?……何言ってんの」

「条件、だと……?ダンゾウ様に?」

 カカシとアスマは顔を見合わせる。この二人の言うことにはあまり首を突っ込まないようにしようということで終わった。

「よく、わからないけれど、……もう零班として一緒に任務はできなくなるんだね。寂しくなるな……」

「ヒナタ……。勝手に決めちまって悪ぃな。でもオレらがダンゾウんとこに行ったからって、任務被らないって決まったわけじゃねーし、寂しいけりゃいつでも遊びに来いよな。サスケもいるし」

「……え?」

「だから、いつでも遊びに来いって」

「そうじゃなくって、サスケもいるしってどういうこと?」

「ん?ああ、今サスケな、オレんとこにいんの」

「ええええ?!……っ!サスケくんひどいよ!抜け駆け!?」

 滅多に声を荒げないヒナタが急に取り乱し、たまたまお互い通路側に座っていたためサスケの胸ぐらを掴んで立ち上がった。そのサスケはヒナタから目を反らしている。

「すまない」

 この状況についていけていない人物が一人。彼らの事をアカデミーの頃から知っているシカマルとチョウジといのは、あの状況がまだ続いているのかと軽く呆れに近い感情を抱くだけであるが、彼らとほとんど関わったことのないアスマにとってはまさに未知との遭遇だった。これがカカシの言っていたナルト教、ナルト信者。

 

 アスマ班とカカシとは店の前で別れ、ナルトはヒナタとサスケを両脇に、それはもう上機嫌で今にも鼻歌でも歌い出してしまいそうだ。中忍になってようやく里の忍らしくなれたのもそうだが、こうして仲間と一緒に里の路をのんびり歩くという状況なのもまた良い。

「ヒナタ、ホントたまには遊びに来いよな」

「えっ!……う、うん」

 ナルトだけでなくサスケも同居しているらしい男所帯の、しかもワンルームのアパートにはさすがに行きづらい。誘ってくれるのはものすごく嬉しいが、行ける自信がない。

「……わたしもご飯とか誘うから」

 行く自信がなければ呼ぶしかない。

「いいのか?!そん時はサスケと一緒に行くってばよー」

「バカか。ヒナタはお前を誘ってるんだ」

「……違うよ。もう。ちゃんとナルトくんとサスケくん二人のことも考えてるから」

 ヒナタは珍しく不満げな顔をしてサスケを見た。そんな事を言われてナルトから変に思われるなんてことは避けたい。心配せずとも、ナルトはそんな事は気にしないのだが。

「なあ、サスケ」

「ああ」

 突然、ナルトの表情が変わった。サスケにはその原因が何であるかわかっているようだ。彼らがそのようなやり取りをする理由は一つしかない。

 白眼で確認することでヒナタがその存在を知るとほぼ同時に、モノクロの獣が背後から向かってきた。三人は瞬時に飛び退き別々の場所へと散った。モノクロの獣は地面に激突し、黒い液体へと変わって地面を黒く汚した。追撃がないことを確認すると、その獣が向かってきた方角を見据える。

「……さすがは、といったところですかね。気配は消していたつもりでしたが」

 建物の上に立っていた少年は、巻物と筆を仕舞いながらそんなことを呟いた。

「まーったお前かぁ?!サイ!」

 ナルトはさも最近同じようなことがあったかのような口ぶりだが、そんなことはなかった。ナルトは前の人生の記憶をさも実際にあったことのように口にする。混乱を招くに違いないが、サスケは特に否定もせずに心の中で「またか……」と呟くのみ。もちろん突然名前を言い当てられたサイは当惑していた。

「……僕の名を?まだ知らされていないはず」

 ダンゾウからはまだ話していないと言われていた。行き違いがあったのかとサイは戸惑いつつも地面に降り立った。彼には攻撃してくる素振りはなく、ヒナタとサスケは再びナルトの横に並ぶ。

「僕は、サイ。これから君たち二人と僕でスリーマンセルを組むことになりました。君たちの力は知っていますが、今回は念のため……」

「大方ダンゾウから監視でも頼まれたんだろう」

 そういうことは口に出さず、腹の中に閉まっておいて欲しい。もちろん図星だったが、サイの胡散臭い微笑みは変わらない。

「んで、オレたちどうだった?」

 ダンゾウと話したあの日から、何者かが自分達のことを探っている気配はあった。その人物が彼というのも気づいてはいたが、特に知られて困るような私生活を送っているわけもなければ、とんでもない秘密を抱えているものの見ているだけではわからないだろうと游がせていた。

 サイはしばらく考える素振りをすると、やがてゆっくりとナルトとサスケの二人の顔を見るとその胡散臭い笑みがさらに深くなった。

「……上にはとんだホモ野郎だ、とだけ報告しておきます」

 ナルトとサスケはサイの言葉に目を丸くしたものの、互いに顔を見合わせ破顔した。

「たしかになー。一般的にはそう見えるかもしんねーけどオレはサスケ以外の男はムリ。それに、どっちかてーとバイってやつだろ。サスケも」

「単純に、ナルト以外に興味が持てないだけだ」

 滅多にストレートな愛情表現をしないサスケのその一言に、ナルトは耳を疑った。できることなら録音しておきたかったとまで思うくらいに。

「サスケ……!オレもサスケのことが好きだってばよ。ヒナタとはまた違う次元で!」

 誰も好きだとは言っていない。

「それがおホモ達っていうんですよ」

 ヒナタは、三人の言い合いを聞きながら一人悶々と考えを巡らせていた。今までナルトとサスケと一緒に前に進んできたこの日々を振り返ると何度となく頭に過った考えがある。だが、これまで周囲は気遣っていたのか第三者が直接的に彼らの関係を言葉に表すことはなかった。一方、このサイという男は歯に衣を着せぬ物言いをするためその言葉が出てきた。そこでやはり、と思うのだ。二人の関係はそう見えるのだと。

「わたしっ、ナルトくんとサスケくんがそういう関係にあったとしてもこの気持ちは変わらないからっ……!」

 ヒナタはこれまで何度かそういった関係について調べたことがある。日向一族の書庫や木ノ葉図書館で。そこで最も自分に都合の良い解釈がその衆道という言葉だった。それは昔、主従関係を発端としその後は男性同士の絶っても絶ちきれない絆を示すものとも捉えられるようになった。相手は一生に一人きり、そしてその関係は命がけだ。そしてそういう関係にある男性にも妻はいたりする。もしナルトとサスケがそういう関係ならば、自分もなんとか横に立てるのではないかと考える程に思春期の少女は拗らせていた。そして今日、その拗らせていたものが爆発した。

「ちょ、ヒナタ?!」

 ヒナタは全力でその場から立ち去っていった。お陰で三人の終わりが見えなさそうなおホモ達論争は中断。ポカンとした顔でヒナタの去った方向を見ているナルトを見て、サスケは小さくため息を付いた。

「オイ、つっ立ってないで追いかけたらどうなんだ」

「へ?」

「もしかすると、このままずっと距離を置かれかれないぞ。……例えばトネリのところに嫁に行くとか」

「そ、それはマズいってばよ!!」

 サスケもヒナタも別腹だ。というのもナルトは生まれた時からずっと一人で育ってきた。彼にとっての家族、夫婦、恋人、親子、兄弟だとかいうものの概念や価値観は世間一般の人々とは少しズレている。

 彼女と共に過ごした人生はかけがえのない宝物だ。彼女は自分よりも大切だと思える子ども達を、あれ程に憧れた家族をくれた。そしてそこはかと知れぬ深い愛情で家庭を守り、育ててくれた。彼女には自分の横に立っていて欲しい。本当に身勝手な考えだとは思うが。ナルトはサスケの言葉に背を押されるように、ヒナタを追って駆け出した。

「君も、追いかけなくて良いんですか?」

「バカか。オレが追いかけてどうする」

「……僕は人間関係だとかはもちろんですが、恋愛だとかさらに分かりません」

「何が言いたい」

「君が彼の事を想っているということは何となくですが、分かります」

「フン。……ナルトの側にはヒナタがいるべきだ」

 自分でも矛盾したことを言っている自覚はある。

「なるほど。…………全く理解できません。勉強しておきます」

「それで理解できるものならやってろ」

「僕には感情がないと思っていたんですが、今少しだけ腹からこう…グッときました」

「つまり……イラッとしたのか」

「ああ、これがイラッとするという感情なんですね」

「あと、念のために言っておくが、オレとナルトと……ヒナタとの関係はアンタの学習参考にはならない」

「僕にもそれくらいわかりますよ」

 

 ナルトはヒナタの背を追った。仙人モードで感知すれば彼女の居場所は一目瞭然。

移動スピードも比較にならない。すぐに追い付いた。

「ナルトくん?!」

 突如、目の前に降り立ったナルトを前にヒナタは足を止めた。理由が何であれ、自分を追ってきてくれた。たったそれだけの事実がヒナタの胸を打つ。

「やっと追い付いたってばよ!……なんつーか……その」

「どうしたの……?」

「ヒナタ!!!」

「は、はい!!」

 この目は、ナルトが心から何かを伝えようとしているときの目。ずっとナルトのことを見ていたヒナタにはわかる。

「またオレの子を産んでくれってばよ!!」

 この言葉は確かにナルトの本心であるが、何事にも順序というものがある。

「っ?!」

 その後、ナルトは卒倒したヒナタをおぶって日向邸まで送り届けた。帰宅後、ナルトはサスケにその後の経緯を話すと説教されていた。

「テンパりすぎだろう」

「色々言ってっとなんか回りくどくなっちまいそうで……」

 それに話しているうちに平気で前の人生のことも口に出してしまいそうで、躊躇したのもある。

「回りくどくてもヒナタなら聞いてくれる」

「あ、そっか」

 

 それから数日後、早朝、窓を鳥がつつく音で目が覚めた。その足には小さな筒がくくりつけられている。ナルトがその筒から紙を取り出すと、鳥はすぐにその手をすり抜け飛び去った。

「なになに……?第七演習場へ?……って、今日?!」

 ナルトの後ろからサスケもその用紙を覗き込む。差出人の名前はないが、それは見覚えのある筆跡だった。

 

 演習場で待っていたのは、先日彼らに仕掛けてきたサイという少年と、その隣にはあの木遁使いの青年。

「俺はヤマト。一応お前達の上司ってことになるからよろしくな」

「なるほど……。さてはヤマト隊長も、俺たちの監視だな!」

「……いや、そんなことないよ。はは」

 ヤマトは妙な沈黙の後にナルトの言葉を否定した。

「つまり、サイは俺たちの監視。隊長は俺たちとサイの監視ってところか」

「……そういうのはせめてヒソヒソやってくれないか」

 この男は暗部随一といわれるやり手の忍だ。初代火影のみの木遁の能力を使いこなす実力者。凄まれると少し怖い。カカシならヘラヘラっと笑ってそれで終りというところを、このヤマトという男は流さずに掴んでくる。ヤマトはしばらく悩んでいたが、やがて口を開いた。

「……先の中忍試験でのお前達の戦いは、恐らく口伝で広まっている。そのせいか裏ではお前達の首に一千万の値が付いたらしい。これがどういう意味かわかるか」

「オレらに寄ってきた賞金稼ぎのやつらを一掃する機会だってばよ」

「ガキだからとなめてかかってくるんだろうな」

「……何とも当たらずしも遠からずな。まあ、そういうこともあるから裏の事情にも詳しい俺がお前達の隊長に選ばれた」

 もちろん、ナルトやサスケの言うように彼らの行動を監視するためでもある。

「そんなお前達に早速任務だ」




【ボツネタ】
「アスマ、こいつら面白ぇだろ。分かりやすい三角関係でさ」
「……矢印の方向が、なんというか……こう、イカれてるかんじが」
「これが第零班の絆だってばよ!」
「カカシ、今まで何を教えてきたんだ……」
「俺が?……何も教えてないなぁ」
「んなことないってばよ!大事なのはチームワークだ。それはカカシ先生から教わった大事なことだってばよ」
「……え、いつ教えたっけ?」
「えーと、……大昔?」
「はいはい。チームワーク、大切だね」
「だったらあの二人、止めたらどうなんだ」
 サスケとヒナタは、ナルトの好きな所を言い合うという謎の戦いを始めていた。
「や、聞きたいからほっとくってばよー」
「「……。」」
 やがて言い合っていたサスケとヒナタは、ただのナルトに関するトークに変わっていた。最終的に意気投合したようだ。
「ほらな!いつもこうだからさ」
「や、いつもって……おまえな」

【あとがきと言い訳】
 ヒナタが崩壊してる。すみません。実はサスケ、いつでもヒナタになら殴られて当然だと思っていますよ。
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