もし二人であの頃に戻れたなら(完?)   作:冬乃菊

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第四次忍界大戦終戦式典

 戦場から帰還した翌日、火影塔広場にて第四次忍界大戦終戦式典が執り行われた。里の礼装を羽織り、広場に向かう道中から目的地に到着してもなお度々視線を感じる。それもそのはずで、うちは一族はサスケを除く全員が殺されたとされているからだ。

 火影塔のバルコニーには、五代目火影・自来也と三代目火影・ヒルゼンが立っていた。自来也は先の戦いによる後遺症から声を失っており、そのため先代であるヒルゼンが代わって演説を行うようだ。

「第四次忍界大戦の終戦をここに宣言する。皆々の協力のもと、戦は短期で終戦となり里の被害もできうる限り最小限に抑えることができた。奇跡的にも殉職者もナシじゃ。さて、年寄りの話はここまでにし、今回の立役者にご登場願うとしよう。うずまきナルト、うちはサスケ、前へ」

 一気に広場の温度が上がる。二人の姿が見えると同時に誰からともなく大きな歓声と拍手が沸き起こった。

「えーコホン、皆さんご存知、うずまきナルトだってばよ!と、こっちはサスケ。まずは皆さんお疲れ様でした!思ってた以上に戦が早く終わってよかったってばよ。しかも今回は五大国と隠れ里が協力したってのが歴史的快挙ってやつで、戦が終わってもこの関係性が継続できたらいいなと思ってます!隠れ里どうしの因縁とか色々あっかもしんねーけど、これから来る未来ではそんなん関係ねぇ。オレたちの世代で世界平和も実現するからな!あと、オレってば九尾の人中力だけど、今んとこ完全にコントロールできてるし、万が一いざってときでも隣のサスケちゃんが写輪眼でどーにかしてくれるので安心だってばよ。なっ、サスケ」

 ナルトはそう言いながらサスケの肩に腕を回して抱き寄せるが、鬱陶しそうにその手を剥がされていた。

 演説の後半は少し悪戯心もあった。これまで九尾の人中力であることから嫌悪感を抱いていた者や、うちは一族をよく思わない者は、少し罪悪感のようなものを抱いたかもしれない。

 しかし、ナルトの話は里の皆を引き込む力があった。話の内容が特に良かったわけではなく、ナルトが人を惹きつける力を持っているようだ。かつての四代目火影のように。おそらく、この場にいる多くの者が彼の将来を火影と予想したに違いない。

「サスケもなんか言えってばよ」

「オレはいい」

「一言お願いしまッス!」

「チッ、ウスラトンカチが。……上手くは言えないが、オレもナルトのいう未来を共に見てみたいと思う。ただ、……それだけだ」

「とゆーワケで、オレたち二人はこれからも里のため世のため頑張るってばよ」

 

 

「次に、既に知っておろうが皆に正式に公表することがある。この度、数年前のうちは一族惨殺事件は戦に関する諜報活動を始めるにあたっての布石であった。この場にて、多大な貢献に謝意を表する」

 フガクは火影の言葉に深く頭をたれる。周囲からは拍手が贈られ、ようやく自身の悲願が叶ったことを実感する。話では九尾事件には触れられなかったものの、今回の戦により、あの事件に現うちは一族頭主およびその他の一族の者も関与していないことは明らかとなった。

 

 

 ここに来た目的はただ演説を聴きに来ただけではない。フガクは式典が終わるとすぐにサスケの姿を探した。程なくしてナルトと共に同期たちに囲まれているのを見つけて、その腕を掴む。

「父さん……」

「サスケ、もう家には帰らないのか?」

 疑問系ではあるが、暗に帰ってこい、という意図を察することができる。サスケは一瞬躊躇するようであったが色々と考えたのか小さく頷く。

「……明日にでも帰る」

 フガクが今確かめたいのはそれだけだ。サスケにはこれまでのことや輪廻眼のことなど、多くのことを聞かねばならない。一族一同の求めでもあった。

 

 まもなく六代目火影の就任式が始まる。

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