魔法少女よオギャらせろ!! 作:オギャァァァアアアア!!!!!!!
───話をしよう。
私こと
中学生になった頃から孤立することが増え、■■■や■■■行為、公衆■■■■■水魔法をしているAI写真がばら撒かれたことは数知れない。
女子校なので、男子にバレて面倒臭いことにならなかったのはせめてもの救いだ。
そして二年へと進級した今では、『おやまぁザッコ♡』という
どこの部活動だよとツッコミたい所だが、実際何名かの新入生が虐めに加担し始めたので笑えない。
面倒が嫌いな学校側は、私が|大人しめな陰キャである《達観した視野と冷静沈着なブレインを持っている》ことを良いことに、虐めの事実を半ば黙認している。
今の理事長には真っ黒な噂があり、こちらとしても迂闊に動いたら死ぬので
ちなみに両親は出張で家を空けることが多く、帰宅時のやつれた顔を見ていると、いつも胸が締め付けられる思いがして、とてもじゃないが虐めの事実を打ち明ける気にはなれない。
せめて、親の知らぬ所で虐めを完結させようと耐え忍んでいるが、それもいつまで保つのだろうか。
さて、ここまで酷い扱いを受けている理由は簡単、ここが魔法少女専門の学校であり、私は学内序列最下位のド底辺だからだ。
───今から十数年前、
そんな中、突然出現した妖獣と呼ばれる怪物。
そして妖精の導きによって立ち上がったある魔法少女の活躍は、瞬く間に世間へと広まった。
英雄として持て
当然、後を追うように数多の少女がステッキを手に取り、最強の地位を競い始めるようになった。
今やテレビの女性タレントの大半が、戦功ランキング上位を経験した元ランカーであり、その傾向は人気ストリーマーなどのインフルエンサーでも同様である。
言うまでもない、時はまさに、魔法少女戦国時代であった。
昨今のJCは
当然、妖精側もそれを承知して校門前で待ち構える。
これが春の風物詩、『校門狩り』だ。
解散と同時に少女達が一斉に教室から飛び出し、レポート提出に走る立大生も顔負けな速度で、当たりの妖精目掛けて敷地内を駆け抜ける。
かくいう私も皆を救う英雄に憧れ、校門前で魔法少女デビューを果たしたのだが、道中で転倒して妖精選びに失敗。
相棒に決まったのはぐーたらの酒カスであり、一つだけ手に入る
強化された身体能力も力以外はせいぜい同年代の男子と同レベルであり、
これでどうやって戦えばいいんだ。
そんなこんなで魔法少女としての戦果を挙げられず、落ちぶれてしまったのがこの私であり、実力至上主義社会において、敗者の末路というのは破滅以外にないだろう。
さながら私は死刑を待つ囚人のように、無気力な毎日を送っていたのであった。
もし、私に魔法少女として活躍できるだけの力があればと望んだことは何度もあるが、そんなことを考えた時はいつも、心に虚しさが残るだけだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
視点:小山颯子
それは、そんなある日の早朝のことだった。
「なぁ小山、ボインボインの魔法少女っていると思うか?」
始業の二時間前には教室に着き、机をキープした上で菓子パンを食べ、
「・・・・・・ボインボインは非現実的だ。Pix■■でも漁っていれば■■■■ぐらいは見つかるんじゃないのか?」
カ■ヨムと虐めによってそっち系の知識を身につけた私は、幾つか候補を脳裏に浮かべながら餡パンを齧る。
「そうか、ならボインでいい。お前のクラスにボインの魔法少女はいるか?」
私の机に腰掛けるこの
ニヤニヤと笑いながら話す様子は
「虐めてくる相手の胸を見る余裕なんてものはない。・・・・・・だがそうだな、
「あー、
「・・・・・・同感だ。なんせ主犯格だからな」
クラス内順位トップの彼女とは至近距離で話すことが多い。
まぁそれも、成績ドベの私を直に
「てかお前虐められてんのか?」
「そうだが、それを聞いて何になる?まさか助けてやるなんてのたまう気か?」
元よりそんなものは望んでいないと付け足す間にも、チャラ男は
「いや、ちょっと
首に掛けた悪趣味なネックレスは夜明けの光を浴びてギラギラと輝き、幾つかの指輪を着けた手がこちらへ伸びてくるので両手でそれを跳ね除ける。
「ったく、ツレねぇなぁ」
「ナンパする気なら始めからそうしろ。初手ボインボインは悪手としか言いようがない」
本を開き直し、蒸しパンの袋を開けていると、チャラ男はその金色の髪を掻きむしった後、「俺とお前の仲じゃねぇかよ」と根拠のない言い訳モドキを繰り出す。
流石にドン引きするしかない、何が『俺とお前の仲』だ。
何しろ、目の前にいるこのチャラ男は・・・・・・
「
正真正銘、赤の他人だったからだ。
「・・・・・・私はてっきり、虐めっ子共の内一人が
「ちげーよ、あんなガキと関わるメリットなんてどこにもねぇ」
「私もガキなのだが」
どうやら私の机に座っているのは、学校の誰とも縁のない、完全な不審者だったようだ。
それも女子校に侵入した一般変態男性である。
通報すれば間違いなく豚箱にぶち込める状況になったと気づいた私は、張り詰めていた緊張の糸がほぐれていくのを感じ取り、冷静になった手でクリームパンの袋をこじ開ける。
さて、チャラ男の正体がボインボインと鳴くだけのよくわからないお猿さんと判明した所で、次なる疑問が浮かんでくる。
「それで、君の目的は何だね?まさか私と話したいだけの物好きではないだろう?」
「言っとくけどな、引くなよ?それと即通報はやめろ、いいな?」
「何を今更。これ以上君への好感度が下がることはないと約束しよう。通報は知らん」
念の為スマホを非常コールモードにしておき、11と入力する。
最後に入れる数字は、話を聞いた後のチャラ男に対する好感度だ。
0〜9で0なら通報、9なら頭の病院に連れていく。
勿論初期値は0で、8以下は切り捨てだ。
実にわかりやすいルールだろう?
チャラ男は、「聞いてくれるだけでも助かる」と告げ、深く息を吸い込む。
少し溜めた後、彼はその真意を話す。
「俺は、
───ボインの魔法少女にバブみを感じてオギャりたい」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
───最悪だ。
「魔法少女ってのは良い・・・・・・幼い身体と未熟な心、それでいて計り知れないパワーと覚悟を秘めている。不確かな未来に怯えながら今を守るために戦う、まるで
おい待て勝手に話を続けるな。
呆れた私は思い切って0のボタンを押し、警察へ繋ぐ。
「そうか、ちょっとその場で待っておけ・・・・・・たった今警察を呼んだところだ。二度と会わないことを願う」
「おい待てって、まだ話は終わってねえぞ」
「この期に及んで何を話そうと同じだろう。これでも私は女だ。その気になればセクハラを受けたと言って君を吊し上げることだってできるのだぞ?ただの不審者として通報しただけ温情と思え」
「頼む!お前しかいないんだ!」
先程の話ぶりからチャラ男が他の生徒にも接触した可能性は高い。
そうなってくると、私しかいないという発言が意味することは・・・・・・
「どうせ私以外の生徒達に何度も断られた末なのだろう?ならば私も
遠くからサイレンの音が聞こえてくる。
それを聞いてチャラ男も察したのか、先程とは打って変わって真剣な眼差しをこちらに向けてくる。
「・・・・・・わかった、今日は帰る。だがな、最後に一つだけ言わせてくれ」
「───魔法少女の放つ魔法って、実質母乳じゃね?」
事情聴取は簡潔に済み、私の精神衛生を
カスみたいな
「成程。これがいわゆる『ざまぁ』というやつか」
願わくば虐めっ子共もそうなって欲しいが現実はそうもいかない。
汚職がバレたのかとさっきまで冷や汗をかいていたクズ教師に、「二度と警察を呼ぶんじゃねぇよクズが」と