わりとどこのホロ二次でも「こよりに薬作らせとけばOK」という風潮がある気がするけど、彼女だけじゃなくそもそも存在自体が便利すぎるんですよホロックス…
本当毎回ありがとうございます
YMD!YMD!!
「え?
どうやってこの世界に来たのかでござるか?」
あの後、五人がかりで境内の掃除を終え休んでいた僕はたまたま風真さんと話す機会があり、折角なので気になっていた事を聞いてみた
「そうでござるね…結論から言えば時空の裂け目に足を踏み入れてしまったんでござるよ」
「時空の裂け目?」
「世界という布地に空いた小さな穴
文字通り世界の外に繋がっている、時間も空間も無い虚無の落とし穴でござる
当時は分からなかったでござるが、後から考えてみると状況的に風真はそこに足を踏み入れてしまったみたいでござる」
「へぇ...そんなものが」
頷く僕に、だけど風真さんは「他人事じゃないでござるよ」とちょっと真面目な顔をする
「これは理論上どこでも発生するものでござるからね
ほら、神隠しってあるでござるよね?
あれの大半の原因は時空の裂け目でござるから、もし見つけても入っちゃダメでござるよ?」
ーー運が悪いと、どこでもない場所を永遠にさ迷う事になるでござるよ?
そう冗談めかして言う風真さんだが、想像するだに恐ろしい
だから気を付けますと言うと、風真さんは満足気に頷く
「本当あれは困ったものでござるからな…
風真はちょうど、風真家代々伝わる『ドキッ!?呪いの妖刀蒐集508振り封印行脚の旅、ポロリもあるよ♡』が終わった直後だったからまだ良かったでござるが、普通に遭難と変わらないでござるからな…」
「確かに…」
「戦場のど真ん中で飲み込まれてMIA、みたいな状況になったら目も当てられないでござるよ…」
・・・・・・
「そこに跪け!」
「吐いて捨てるような現実を!」
「一刀両断ぶった切る!」
「終わりなき輪廻に迷いし子らよ!」
「漆黒の翼で誘おう!」
「我ら、エデンの星を統べる者!」
「「「「「秘密結社holoX!!!!!」」」」」
(でござるー…るー…るー…ーー)
…
「………えっと」
「え~…という訳で秘密結社holoXの総帥ラプラス・ダクネースだ
よろしくな」
「あ、その…白上神社で祭神をやらせていただいています、白上フブキと申します?」
「うむ、フブキさんだな?
先日はいろはが世話になったようだな!
総帥として礼を言わせてくれ!!」
「あ、はい」
白上神社の境内の真ん中
差し出された手を掴んでブンブンと振るラプラスさんと、そんな彼女に対して今一距離を掴みかねている白上さん
そして、そんな彼女達の後ろで僕らはこそこそと会話をしていた
(…うちは、今ほど白上神社の祭神を継がなくて良かったと思った事はないよ…)
(気持ちは分かりますが、流石に助けてあげたらどうですか?
ほら、白上さんすごい困ってますよ)
(やだよ、うちだって巻き込まれたくない
みこち行ってきなよ)
(えぇ!そこでみこに振る!?
海斗行ってよ!!)
(いや、僕も流石に…)
そんな風に僕らがこっそり身内で醜い争いを繰り広げていると、いつの間にかホロックスの面々と一緒にポーズを決めていた風真さんが戻ってきた
「どうでござるか?
これがホロックスの皆でござる!」
そう言って自慢気に胸を張る風真さん
だけど僕らは何も言えない
と言うのも、あまりに彼女達の印象が強烈過ぎたからだ
確かに初対面の印象は大事だとは言うが、それでも限度がある
そしてあの自己紹介(と言うか名乗り?)は、その最たるものだろう
正直何を言えば良いのか分からず戸惑っている僕らだったが、そんな僕らのもとにホロックスのメンバー達の中から仕立ての良いコートを来た女性がやって来た
「海斗さんとミオさん…それからさくらみこさんで会ってますか?
この度はうちのいろはがお世話になりました」
「あぁ、いえ
当然の事をしたまでですから」
咄嗟にそう返すと、女性は「そう言っていただけると、こちらとしても
助かります」と頭を下げる
「申し遅れましたが、私は鷹嶺ルイ
このホロックスの幹部をしております
以後お見知りおきを…」
「あ、はい
えっとご存知のようですが、海斗と言います
よろしくお願いします」
「みこはみこだよ!」
「うちは大神ミオです
よろしくお願いします」
僕らが一通り挨拶を終えると鷹嶺さんは微笑む
「はい、よろしくお願いしますね
…ところで皆さん、先の我々の口上はいかがでしたか?」
その言葉に僕らはさりげなく視線を反らす
そしてそんな僕らの反応を見て鷹嶺さんは静かに苦笑した
「ふふ、まぁ無理もありません
ですがどうか大目に見てあげて下さい
我らの愛すべき総帥の趣味なので」
「は、はぁ…」
「改めて、今回はいろはを助けてくれた事感謝します
今後とも互いに仲良くしていけると良いですよね」
そう言って鷹嶺さんは僕に握手を求めてくる
それに僕が応えている間、みこさんのもとには黒いフードの少女が詰め寄っていた
「ふ~ん、あなたが模擬戦でいろはを下したさくらみこって人?」
「あぁん?何だお前ぇは?」
「私?私は沙花叉クロヱ
これでもシャチの…って、この世界には沙花叉みたいなのはいないんだっけ?
まぁ、そんな事よりみこさん
暇なら沙花叉とも模擬戦やらない?
一応沙花叉もホロックスの掃除屋だからさ
いろはを下したっていうその実力には興味があるんだ♪」
「…ふ~ん?」
そんな風に火花を散らすみこさんと沙花叉さん
一方、気付くとミオさんもピンク色の犬っぽい耳と尻尾を生やした白衣の少女に絡まれている
「初めまして、ミオさん!
僕は博衣こより!
ホロックスの研究者だよ!!
早速だけどミオさんって神様だよね?
こよもこの世界に来てからそれなりに経つけど、神様に会うのは何だかんだ初めてなんだよね!
だからもし良かったらお近づきの印として少しだけサンプルを取らせてもらえないかな?
あぁ、もちろん無料でとは言わないよ?
このこより印の栄養ドリンク10本セットを進呈するよ!!
これはこよが特別に配合したもので、なんと市販品の10倍もの効果があるすごいドリンクなんだ!
これさえあれば、一本につき10日は不眠不休で働ける事を保証するよ!!
まぁ、副作用で目からビームが出るんだけど…その位は誤差だよ誤差!
という訳でこれをあげるから是非ミオさんの体のサンプルを…」
刹那、気付くと博衣さんの後ろに回り込んでいた風真さんが、彼女を羽交い締めにしていた
「ーーはいはい、こよちゃんはこっちで風真と一緒に神社の資料写真を撮るでござるよ~」
「あぁ、待っていろはちゃん!
神様の体の一部なんて貴重なサンプル、そうそう簡単に手に入るものじゃないんだよ!?
止めろぉ、離せぇっ!!
髪の毛!せめて髪の毛一本だけでもぉぉっ!!」
そうして風真さんに引きずられていく博衣さんを呆然と見送るミオさん
そんな有り様を見た僕の感想は一つしかなかった
「………個性的な方々ですね?」
「まぁ、それが私達ホロックスですので」
鷹嶺さんがウィンクをしたところで、話し合いが終わったのか白上さんとラプラスさんがこちらに歩いてきた
「それではホロックスの皆さん、これから白上達が冥界の扉の場所まで案内します
着いてきて下さい」
そんな白上さんの言葉に、一旦ホロックスの面々が1ヵ所に集まる
「うむ、協力感謝するぞフブキさん!」
「えぇ、それでは行きましょうか」
その言葉に僕達はホロックスの面々を連れて歩き始め
「あぁ、そうそう
その前に一つだけ聞いても良いだろうか?」
「?
何ですか、ラプラスさん?」
「なに、そう大した事じゃない
ただーー」
ーー我輩達は、いつまでこの茶番に付き合えば良いのだ?
なあ…ーー
そうしてラプラスさんは鋭い目付きで振り返り…