1.プロローグ
コックピットの中はある意味、棺桶そのものだ。
最後に死ぬときにいる箱と言う意味で。
弾丸と爆弾、そして、悲鳴と怒号が交じりあう戦場でふと、そんなことを考える。
『うぁ、死にたくない!』
『やだ!やだ!』
そんな言葉と轟音を聞きながら、
どんな言葉を吐こうが喚こうが、戦わなければ死ぬだけだ。
敵の二足歩行機が続々とこちらに迫ってくる。
それを、撃ち落としながら更に前に進む。
俺達の仕事は、味方の露払いだ。
仕事をこなそう。
ハーケンをビルに指して、機体を持ち上げる。
三次元的挙動をとって、相手の頭上を取りコックピットに弾丸をぶち込む。
爆発を確認せずとも当たっているのは確信しているので、次のビルにハーケンを指し、ビルの間を流れるように飛んでいき、次々と敵を落としていく。
これが、俺の仕事だ。
それは、この戦争が続く限り終わらない。
*****
俺達に割り当てられたボロボロの格納庫に戻り、コックピットを後ろにスライドさせて広い世界に全身が触れさせる。
この感覚が唯一、生きていることを実感させてくれる。
コックピットから降り、隣の
「エイト・ワン、どれ位残った?」
「三分の一が死んだ。まぁ生き残った方だな。それにしても、イレブン・スリー、今回もすごかったな」
「みんなが働かなすぎだ。もっと働いて俺を楽させてくれ」
はいはい、と肩を竦めるエイト・ワン。
ここでは、本当の名前なんて意味はない。意味があるのは
無いやつから脱落していく。が、すぐに人員が補充されるから本当に最悪だ。
「イレブン・スリー!また、無茶な軌道したでしょ!部品足りないんだから手加減してよね!」
整備担当のセブン・フォーにそう言われるが、
「手加減したら死ぬだけだ、無理だね」
そう言って、格納庫の外に向かう。新鮮な空気が吸いたい。
後ろでは、まだ何か言っていたが、俺が聞いてないことが理解っているのか、すぐに整備の指示を出していた。
外に出て深呼吸をする。全身を新鮮な空気で入れ替えるのだ。
だが、そんな俺をブリタニア軍人が侮蔑の視線で見てくる。視線だけでなく口も出してくる。
「おい、ナンバーズ!ちゃんと働けよな、俺達が楽できないだろ!」
「……イエス、マイ・ロード」
不服そうにそう返したら、殴られ地面に叩きつけられた。
「ナンバーズごときが舐めるな!」
口の中に血の味を感じながら、俺は立ち上がる。
日が沈む様を見ながら、なぜこうなったのかを思い出していた。
拙作ですが、よろしくお願いいたします。