なんと、俺がランスロットに乗ることになってしまった。
セシルさんから、ランスロット用デヴァイサーのスーツを渡された。
どうやら、一般に支給されているものとは違うらしく、専用の物に着替えて欲しいとのことだった。
着替えるため特派のトレーラー近くに止まっていた、救護用トレーラーにスーツを持って近づいた。
救護用トレーラーの中には、先客がいるようで、上半身に包帯を巻いてベットに腰掛けている男の子がいた。
その男の子は入ってくる俺に気づくと驚きの声を上げた。
「日本人!?」
「そうだけど……」
すると、俺が騎士のスーツを来ているのに気付いたのか、敬礼を取ろう動こうとした。
が、傷が傷んだようで、胸を抑えてうずくまった。
「ううっ……」
「無理しなくてもいいよ」
「いえ……、日本人で騎士候……、もしかして、あなたがアサト卿でしょうか?」
「そうだけど、君は?」
「名誉ブリタニア人の枢木スザク一等兵と言います」
やはり、スザクか。
おそらく、ランスロットのパイロット候補として上がっていたが、
ここにはより適正が高かった俺がいたので、サブプランとして特派の近くに置かれたんだろう。
「着替えてもいいかな?」
「はい!」
支給されたスーツを脱ぎ、新しいスーツを着込んでいく。
……後ろから視線が突き刺さる。質問したい欲求があるが、階級が違いすぎて声を掛けられないのだろう。
スーツを来て、体に合わせて調整した後、簡単にマニュアルを確認していく。
マニュアルに目を通しながら、スザクに質問する。
「何か聞きたそうだね?」
「質問を許していただけますか?」
どうぞ、と、手を出して先を促す。
「なぜ、あなたはブリタニア軍にいるのでしょうか? 日本を変えるためでしょうか?」
「生きるために力が必要だった、からだよ。日本をどうしたいとかそういう大義のためじゃない」
その答えに不満だったのだろう。俯いて拳に力が入っているのが理解った。
俯いたまま、更に質問を続ける。
「自分も同じような力をつけることは出来るでしょうか?」
「それこそ君次第だな。ブリタニアは超実力主義だから。君の事は覚えておくよ」
「有難うございます!」
そうして、スザクからの質問は一旦終わった。
着替えとマニュアルの確認が終わったので、無線機でセシルさんに向かって語りかける。
「着替え終わりましたよ」
『マニュアルには目を通しましたか?』
「一応は」
スザクを後にして医療用トレーラーの外に出る。すると、入り口で待っていた、ヴィレッタが話しかけてきた。
「私も着いて行こうか?」
「いや、カタログスペックを見たけど、サザーランドだと着いてこれないと思うから、ここで待機で」
「わかった」
ヴィレッタと会話をして、ランスロットの前まで向かう。
こうして初めて見ると、ランスロットはアニメで見たより重厚感があり、まさに最新鋭機という雰囲気があった。
無線機から、ロイドさんの声が聞こえてくる
『それじゃ、初期起動に入ろうか』
俺はランスロットのコックピットに入り、キーを差し込む。
無線内では、各起動フェイズが順調に進んでいることがわかる。
そうして、全ての準備が完了した。
「オールシステム、ゴ―。Z-01、ランスロット、出撃スタンバイ完了」
初めての出撃より緊張しているようで、操縦桿を握る手に力がこもる。
「ランスロット、MEブースト起動!」
超高速移動システムに火を入れて、飛び出すための準備を整える。
『ランスロット発進!』
その合図とともに、スロットルを全開で踏んで、最大戦速でトレーラーから飛び出す。
Gを体に感じながら思う。これ、シミュレーターの時より加速力が上がっていないか?
最大戦速で、シンジュクゲットーを最新鋭機が駆け抜けていく。
歴史とは違い、現時点で最高の