俺は、今「あの」ランスロットに乗っている。
今までの
モニターに映るビル群が風のような速さで後ろに流れ行き、それでスピードが段違いだということがわかる。
操縦桿から伝わる小気味よい反応の良さが、この
そうして、俺はシンジュクゲットーのビル群を中を自由に駆け抜けていく。
モニターに映るビルの角にサザーランドが一機、映り込んだ。
IFFは付けたままにしているため、モニターに映るサザーランドが敵か味方の判断は出来ない。
が、そんな事は関係ない。
判断できないなら敵だろうが、味方だろうが、全部潰してしまえばいいだけの話だ。
相手のサザーランドがこちらに気付いたようで、銃口を向けようとこちらへ正面を向こうとしている。
が、遅い。
相手の体制が整う前に、最大戦速で一気に近づき相手の頭部をマニピュレーターで破壊する。
頭部が破壊され行動不能になったサザーランドのパイロットは、脱出装置を使って逃げていく。
それからは一方的な「蹂躙」だった。
レジスタンスはルルーシュを頭として、組織としては優秀かも知れないが、突出した個に対しては脆弱だった。
ものの数十分で、モニターに映る点は全て消えていた。
残るは指揮官機のみとなったので、センサーを起動して周囲を精査する。
すると、モニター前にある崩れたビルから、
そいつに向かってランスロットを移動させる。
「すまないな、ルルーシュ」
そう呟いて、崩れたビルのフロア奥に隠れていた
マニピュレーターで頭部を潰そうとしたが防がれた。
悪あがきをするもんだ、と、出力を上げていき、ジリジリと追い詰めるが、
その出力にビルが耐えきれなかったようで、床が抜け一階まで滑落していった。
一階まで落ちたことで、相手との距離が出来てしまったが、
再度詰めようとした時、片腕の赤色のペイントがされた
「カレンか。上手いな」
ハーケンを飛ばしてきたりと、悪あがきをするが圧倒的有利なのはこちら。
機体性能に物言って、相手の攻撃を握りつぶしたら、脱出装置を使って逃げていった。
その後、改めて周囲を確認した所、
すると、この場から逃げる
サザーランドとランスロットでは、機動性が違いすぎる。
距離を詰めると相手は、こちらに向けて発砲してきた。
それはこちらを狙ったというわけではなく、周囲のビルを破壊して道を塞ごうとしたのだ。
無駄だ。
操縦桿を滑らかに操作して、瓦礫を避ける。
向こうの機体の中で、理不尽を叫んでいるのが聞こえるようだ。
後は、向こうの機体を破壊すれば終わる。
しかし、それは外部マイクが拾った悲鳴が聞こえたことで状況が変わる。
モニターに瓦礫と一緒に落ちてくる、母娘が見えた。
俺には、それを無視する事が出来た。だってルルーシュさえ押さえれば全部終わるのだ。
だが、俺はそれを無視することは出来なかった。
イレブンだとか、日本人だからとかではない。ただ、眼の前の戦争とは無関係な命が散るのを黙ってみる自分が嫌だったから。
自分で自分を嫌いになるのが、嫌だという子供じみた理由で、俺はその母娘を助けた。
案の定、その間に
後で、ヴィレッタから怒られそうだが、まぁ、自分を嫌わずに済んだことに安堵した。
その後、
『全軍に次ぐ直ちに停戦せよ。クロヴィス・ラ・ブリタニアの名の下、全軍直ちに停戦せよ』
と、無線が響いた。それはキングをチェックメイトされた事を表す。
戦術レベルでは勝利することが出来たが、戦略レベルでは負けたのだ。