俺が乗っているランスロットのモニターに映っている味方の光点が次々と消えていく。
政庁周辺にあった増援の光点があらかた消えた時、それは現れた。
政庁の屋上にある空中庭園から俺はモニター越しに、悠々と黒の騎士団の黒い
それはこちら側を視界おさめて俺達を確認したのだろう、こちらに向けてハドロン砲を撃ってきた。
砲撃された俺とコーネリア様は即座に散開して回避した。
空中庭園に砲撃が当たり、爆風が吹き荒れる。
俺はランスロットのフロートユニットを使って相手より上を目指しながら、コーネリア様に通信を飛ばす。
「俺は上から押さえます、コーネリア様は下から」
『ああ!』
コーネリア様は庭園を動き回りながら、スラッシュハーケンを相手に向かって撃ち動きを牽制している。
相手はそれを嫌がって空中に逃げようとするが、空中には俺がいる。
相手の上からスラッシュハーケンやヴァリスを打ち、空中での優位を奪う。
空中に逃げれば俺が、庭園側に逃げればコーネリア様が、相手は右往左往しながら防戦一方になっていた。
そうやって、相手の逃げ道を防ぐ形で着実に追い込んでいた時、
上空から庭園を見渡せる位置にいる俺のランスロットのモニター隅に、味方の
その
コーネリア様はまだ気付いていない!
まずい!
そう判断すると、即座に俺はその
が、その
当たるのはヴァリスの弾の方が早かった。
しかし、ヴァリスが当たった機体は体制を崩しながらも、コーネリア様の機体に向かって槍を投げた。
コーネリア様が乗っているコックピットに直撃はしなかったものの、コックピットを削るような形で当たったため機体は行動不能になり停止した。
槍を放った機体はヴァリスが直撃したためその場で爆散した。
コーネリア様が倒れたことで、2対1の構図が崩れこちらの有利が無くなった。
空中でランスロットと黒い
その時だ。
政庁の中から庭園を突き抜けて、見たことがない大型の機動兵器が姿を表した。
その機体から、聞き慣れた声が聞こえる。
『オール・ハイル・ブリターニア!』
その大型機動兵器にはジェレミア卿が乗っていた。
ジェレミア卿は黒い
『おお! ゼロ!』
と、口走りながら突進していき、相手を巻き込んでそのまま政庁の外まで飛んでいってしまった。
あまりにも急展開すぎたが、相手が離れていったならコーネリア様を救出しないと。
俺はランスロットを破損したコーネリア様の機体の横へと着地させる。
モニターにはコーネリア様が映っていて、自力で外に出られたようだが血を流しているのが見えた。
俺はランスロットに備え付けられた、緊急医療キットを持ちコックピットから降りてコーネリア様へと近づいた。
「血を止めます。そこに座って下さい」
その言葉に従って、コーネリア様は近くの瓦礫に腰を下ろす。
コーネリア様に近づき緊急医療キットから、止血パッチを取り出しコーネリア様の傷を手当しながら聞く。
「あの大型兵器、コーネリア様は知っていましたか?」
「ああ、バトレーらが実験していた機体だ。私も詳しくは知らないが」
「という事は、味方なんですか?」
「おそらくな」
治療を受けているコーネリア様の視線が、俺がヴァリスで撃破した機体を見ている。
そして、理解できないという風に告げた。
「なぜ、ダールトンがあんな行動を……」
「あの機体は、ダールトン将軍だったんですか……」
「解らずに撃破したのか?」
「明らかにまずいな、と思ったので。罰があれば後で受けます」
「いや、あの行動はダールトンらしかぬ行動だった。なぜ……」
あの機体にはダールトン将軍が乗っていたのはすでに知っていたことだが、最もらしい嘘で隠す。
そして、少しの真実で嘘をさらに隠す。
「ギアス」という力があること。そのせいでダールトン将軍は不可解な行動を取ったかも知れないと。
そう告げると、明らかに困惑した表情をコーネリア様はした。
「そんな物がこの世にあるのか?」
「俺も信じられませんでしたが、実際に見てしまったので」
コーネリア様の止血を終え、包帯も巻いて一旦の治療は出来た。
「これで大丈夫かと思います」
「ああ、私はこのまま陣頭指揮を取る、お前はゼロを追え」
「イエス・ユア・ハイネス」
俺はそう言ってランスロットのコックピットに戻り、状況を確認するためにアヴァロンに通信を飛ばす。
視界の橋ではコーネリア様が、政庁の中に入っていくのが見えた。
通信はセシルさんが受けてくれた。
『カイくん、そっちの状況はどう?』
「横槍は入りましたが、コーネリア様は無事です。それと調べて欲しい事があるんですが」
『何かしら?』
「この空域から離れていっている味方機がいないか、確認してください」
『ちょっと待ってね。……一騎、ここから離れていっているのがあるわ』
「何処に向かっているか、検討がつきますか?」
『おそらく、神根島の方角ね』
「有難うございます」
アヴァロンとの通信を切り、スザクの方へ通信を切り替える。
「スザク、聞こえるか」
『カイ! 聞こえているよ』
「そっちの状況を教えてくれ」
『学園で黒の騎士団に捕まっていたが、ヴィレッタ卿やアヴァロンに助けられた。今はエナジーフィラーの交換中だ』
「なら、交換が終わり次第、神根島に向かうぞ」
『神根島に?』
「ああ、そっちにゼロが行った可能性が高い。俺もエナジーフィラーを交換したら向かう」
「イエス・マイ・ロード!」
俺はランスロットを補給部隊のところまで飛ばして、エナジーフィラーを交換してもらう。
エナジーフィラーを交換し終えると、再度ランスロットを空中に踊らせた。
進路を神根島の方に向けて飛んでいると、スザクのランスロット・トライアルも合流してきた。
そうして、俺達は神根島へと向かった。