コードギアス・フロントライナー   作:なべを

27 / 45
8.皇帝陛下

ブリタニア皇帝、そんな人物が俺とスザクに会いたいと言っている。

 

そんな渦中の俺とスザクはアヴァロンの更衣室で、パイロットスーツから制服へと着替えていた。

これから、皇帝陛下に会うというのだ。パイロットスーツでは不敬というもの。

着替えてる最中に、スザクは、俺ならやってそうだな、みたいなノリで聞いてくる。

 

「カイは皇帝陛下に会ったことがあるの?」

「……あるわけ無いだろ」

「……だよね」

 

そう言って、その会話は途切れた。

後は無言で着替え続ける俺達だけが残った。

 

数時間後、アヴァロンはブリタニア帝国の首都ペンドラゴンに到着した。

宮殿前に着陸して、これから謁見の間へと向かう。

 

皇帝陛下は謁見する際に一つ条件を付けた。ゼロを連れてこい、というものだ。

そのため、スザクにゼロを捕縛してもらっている。

ゼロは拘束具の付いた囚人の服を着せられ、アイマスクをしている。

ギアス対策はしとかないとね。

 

着陸後、待っていたお付の人に先導されて、俺達は謁見の間の扉の前まで来た。その扉の重厚さにゴクリを生唾を飲む。

俺がこれから会うのは、世界最大国家の最高指導者、にして神を殺そうとしている人物。

その圧はいったい、いかなるものか。

 

そして、お付の人によって扉がゆっくりと開かれる。

扉が開かれ、俺はスザク、そしてゼロを伴って謁見の間へと足を踏み入れた。

 

その部屋はそれなりに広いが、照明が少ないので薄暗い部屋だった。

柱が何本も立ち、質素ながら豪華さがあったが周りに人は居ない。が、人の圧はたしかに感じる。

その圧は部屋の一番奥、最も高い位置にある皇帝の玉座に座る人物から発せられていた。

 

ブリタニア皇帝、シャルル・ジ・ブリタニア。

 

その人だ。

玉座に収まらないほどの巨躯。そして、その眼光は全てを手にした傲慢さがあり、確固たる自信も伺える。

 

俺とスザクは皇帝陛下の玉座の前まで歩き、膝を着き頭を垂れる。スザクはゼロを組み伏せてアイマスクを外した。

俺は緊張を堪えながら告げた。

 

「拝謁の名誉を頂き光栄極まります。自分はカイ・アサトと申します」

「同じく、拝謁の名誉を頂き光栄極まります。自分は枢木スザクと申します」

 

皇帝陛下はこの場にふさわしい重く低い声で告げた。

その視線はゼロへと向いている。

 

「……元皇位継承権17位、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。久しいな我が息子よ」

 

ゼロは父親である皇帝陛下に向かって、何か言おうと頭を上げようとするが、

 

「ギアスは使わせない」

 

そういって、スザクがゼロの頭を床に押さえつける。

そして、妙に落ち着き払った声でスザクは皇帝陛下に進言した。

 

「恐れながら申し上げます、陛下。自分を……、いえ、自分()を帝国最強の十二騎士。ナイト・オブ・ラウンズにお加え下さい」

 

俺は頭を垂れながら、驚愕した眼で隣のスザクを見た。

スザクがナイト・オブ・ラウンズに加えて欲しいという言うのは、知っていたが、それに俺も含めるとは思ってもいなかった。

それに皇帝陛下が応える。

 

「ゼロを捕まえた褒美が欲しい、と」

 

その言葉にゼロが反発する。

 

「友達を売ってまでなりたいのか!」

「そうだ」

 

感情のこもっていない声で、スザクは即答した。

 

「よかろう、その答え気に入った。では、ナイト・オブ・ラウンズに命ずる。左目を押さえてゼロの頭をこちらに向けさせろ」

「イエス・ユア・マジェスティ」

 

スザクはギアスが宿っているゼロの左眼を封じて頭を持ち上げた。

 

「反旗を翻した不肖の息子よ。だが、まだ使い道はある」

 

そう言いながら、皇帝陛下は椅子から立ち上がり、こちらに向かってゆっくり歩いてくる。

そうして、俺達の前で立ち止まると皇帝陛下は高らかに宣言した。ギアスの宣言を。

 

「記憶を書き換える! すべてを忘れて只人に戻れ! シャルル・ジ・ブリタニアが刻む! 新たな偽りの記憶を!」

「やめろーー!!」

 

こうして、ゼロの反乱は、ゼロの消滅という形で決着が付いた。

その後は、俺達の拝命が行われた。

 

「枢木スザク、貴様にはナイト・オブ・セブンを。カイ・アサト、貴様にはナイト・オブ・イレブンを任ずる」

 

それだけ言うと、皇帝陛下は謁見の間から去っていった。

ゼロは、警護の人が何処かに連れて行った。その後、俺達は謁見の間から脱した。

そして、扉の前で一呼吸して落ち着いてからスザクに語りかける。

 

「スザク、俺までナイト・オブ・ラウンズに加えなくてもよかったのでは?」

「カイ、君にはこれまでの恩がある。それを考えたらこれくらい安いものだよ」

 

こいつめ、とスザクの肩を軽く拳で叩き、2人笑い合う。

こうして、俺は帝国最強の十二騎士の一人、ナイト・オブ・イレブンとなったのだ。実感はあまりないが。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。