コードギアス・フロントライナー   作:なべを

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9.ナイト・オブ・ラウンズ

謁見が終わった俺とスザクは、しばらく王宮で過ごすことになった。

 

その間に俺とスザクがラウンズになったことが周知されたようで、いろんな人からお祝いされた。

一番初めに祝ってくれたのは、アヴァロンで一緒にペンドラゴンまで来ていた、ヴィレッタだった。

 

俺にあてがわれた部屋の扉がノックされたので、どうぞ、と返す。

ヴィレッタが、失礼します、と礼儀正しくして入室して、俺が座っている机の前まで来ると、

 

「ラウンズ就任、おめでとう御座います」

 

と、一礼しながら言ってきた。

 

「そんな他人行儀にならないでくれ」

「ああ、おまえがそう言うならそうしよう」

 

あっという間にいつも通りのヴィレッタになった。

 

「しかし、ラウンズになるだろうとは思っていたが、速かったな」

 

顎に手を当てて、こちらを見てくる。

 

「俺もびっくりだよ。それはそうと、ヴィレッタも爵位を貰えたんだって?」

「ああ、これで正式に帝国貴族の仲間入りだ」

「これからは、ヴィレッタ卿って言ったほうがいいのかな?」

「やめろ。おまえに言われると悪寒が走る」

 

立場は変わったが、俺達の関係は変わっていない。

相変わらず、上司と副官、というかそんな感じ。

 

 

次にお祝いをくれたのはコーネリア様だった。

部屋にある机の通信機に向かってコーネリア様と話をする。

 

『お前がラウンズに就任するとはな。お前と初めて会った時のことを思い出していた』

「また古い思い出ですね。ラウンズまで来れたのはコーネリア様のお陰もありますよ」

『ふん、おべっかを使うな。それで、就任式は何時やるんだ?』

「就任式? そんなのやる必要ありますか?」

『あるに決まっているだろう!』

 

怒られた。

向こうで机を叩いたのか、その音は通信でこちらにまで届いた。

 

『ラウンズともなれば帝国貴族の中でも上位に位置する。そんな人物が式を開かないなど、マナーがなっていないと噂が立つぞ』

「それくらい別に……」

『いや、だめだ。……解った、お前には私直々に帝国貴族のマナーを叩き込んでやろう』

 

そういう、コーネリア様は何か使命に目覚めたようで、にやりと笑いながら

 

『覚悟しておけ』

 

そういって、通信は終わった。

俺は机に突っ伏した。俺も終わった。

 

 

その次はシュナイゼル殿下だった。

殿下はアヴァロンに来ているため、宮殿の中庭で殿下と対面でお茶をすることになった。

 

「ラウンズ就任、おめでとう」

「ありがとうございます」

「君の輝かしい経歴を見れば当然という感じもするがね」

「そうでしょうか? それと、特派の件ですが」

「ああ、これまで以上に君の好きにしていいよ。ラウンズ配下ともなれば、特派ももっとやりやすいだろうから」

「お心遣い感謝します」

 

そんな簡単な会話だけのお茶会だった。

お礼を言われるというより、今後のことを確認し合ったが近いな。

 

 

それから更に数日が経ったとき、部屋にラウンズ専用の礼服が届けられた。

その白を基調とした礼服に着替えると、やっとナイト・オブ・ラウンズになったんだと実感が湧いてきた。

着替え終わって姿見で格好を確認していると、

特にノックは無かったが、ヴィレッタが部屋に入って来たので自慢してみた。

 

「どうどう? 似合ってる?」

「着られてる感じだな、浮いてる」

 

ショック。

 

すると、今度はちゃんとノックがあった。「どうぞ」というと、スザクが部屋に入ってきた。

スザクもラウンズ専用の礼服に着替えている。

ヴィレッタがスザクに挨拶をする

 

「これは枢木卿。ラウンズ就任おめでとう御座います」

「ヴィレッタ卿、止めて下さい。今まで通りに接せてもらえると助かります」

 

何処かで見たようなやり取りだった。

その後、スザクは俺の方を見て来訪の目的を告げた。

 

「カイ、ラウンズ専用の部屋に行ってみないか? 今、他のラウンズの方も集まっているそうだよ」

「なら行ってみようかな? ……ヴィレッタも来る?」

 

行けるわけ無いだろ! と怒られながら俺と、スザクは部屋を出た。

専用の部屋へと繋がる廊下を歩きながら、スザクは眩しいものを見るように眼を細めて俺を見ていた。

 

「君たちみたいな関係が羨ましいよ」

「そう?」

「ああ、信頼できる人が近くにいるというは、心強いからね」

 

それは今までの積み重ねみたいなものだからな。時間がものをいう。

俺はヴィレッタを信頼している。向こうも信頼してくれてるといいな。

 

「スザクにも、そんな人ができるよ」

「そうだといいな」

 

そんな感じで話をしながら、部屋の扉の前まで来た。

扉が自動で開く。

すると、何かが飛んでくるのが目に入ったが、俺は即座に対応出来なかった。

そうして固まっていると、隣のスザクが飛んできた物を左手で捕まえた。

 

「ああ、君たちが新しいナイトオブラウンズか」

 

スザクの手に握られている物を見ると短剣のようだった。

 

入り口から見えるその部屋は思っていた以上に広く、手前には椅子と長机がある会議場があり、その奥にはラウンジが併設されていた。

その会議場にラウンズの方々が7人ほどが座っていた。

皆、こちらを見ている。

 

俺はスザクに眼で礼を言うと、部屋の中に入っていきながら挨拶した。

スザクも同じ様に部屋に入りながら挨拶をした。

 

「この度、ナイト・オブ・イレブンを拝命した、カイ・アサトと申します」

「同じく、ナイト・オブ・セブンを拝命しました、枢木スザクと申します」

 

俺達は会議場の机に近づくと、机を挟んだ向こう短剣を投げた人物が名乗る。

 

「ナイト・オブ・テン、ルキアーノ・ブラッドリーだ。一体どんなコネをつかったんだ?」

 

ルキアーノ・ブラッドリーと名乗った人物は、紅い髪が特徴的で好戦的な顔つきをしていた。

ブラッドリー卿は訝しげに俺達を見ている。それに対して俺が返答する。

 

「コネなんて使っていませんよ。実力を評価していただいたようです」

「そういえばアサト卿、貴様はコーネリア様と仲が良かったな……」

 

そういったゲスな考えをするブラッドリー卿に対して、近くに座っていた人物が立ち上がり止めに入った。

 

「ブラッドリー卿、言葉には気をつけて下さい。……ナイト・オブ・スリー、ジノ・ヴァインベルグだ、よろしく」

 

ジノ・ヴァインベルグと名乗った青年は背が高く、スラリとした体躯。そして、金髪を後ろで三つ編みにまとめているのが特徴だった。

そのヴァインベルグ卿に礼を持って俺とスザクは返答する。

 

「「よろしくお願いします」」

 

そんなやり取りが合ったからか、この場に見知った顔がいることに今、気づいた。

その人は手前側の椅子に座って、体をこちらに向けて俺を見ていた。

 

「お久しぶりです。ノネットさん」

「ああ、久しぶりだな少年」

 

そう、ナイト・オブ・ナイン、ノネット・エニアグラムがいた。

久しぶりにノネットさんと会うが、あの時と全く変わらず快活にみえる。

 

「まさか同僚になるとは、人生解らないものだな」

「そうですね」

 

そう言ってお互いが同じ様に肩をすくめあう、そして目が合うと笑いあった。

 

「なんだなんだ、もう知り合いがいるのか」

 

ヴァインベルグ卿がそう言って、会議室の席を勧めてくれた。

空いている椅子に座ると、ヴァインベルグ卿が他のラウンズの方々を紹介してくれた。

この場にいたのは、

 

ナイト・オブ・ワン、ビスマルク・ヴァルトシュタイン。

 

ナイト・オブ・スリー、ジノ・ヴァインベルグ。

 

ナイト・オブ・フォー、ドロテア・エルンスト。

 

ナイト・オブ・シックス、アーニャ・アールストレイム。

 

ナイト・オブ・ナイン、ノネット・エニアグラム。

 

ナイト・オブ・テン、ルキアーノ・ブラッドリー。

 

ナイト・オブ・トゥエルブ、モニカ・クルシェフスキー。

 

つまり、空席を除くほとんどのラウンズがここには集合していた。

来ていないのは、ナイト・オブ・ファイブ一人だけらしい。

その人は、あまりこういう場には顔を出さないという話だ。

 

その場はノネットさんが俺の過去話を話し出したりと、話に花を咲かせて終わった。

自分の過去を話の肴にされて恥ずかしかったが、ラウンズの人達と距離が縮まったのでいいとしよう。

 

 

その1週間後、コーネリア様が首都ペンドラゴンの俺の部屋にノックも無しに突然現れた。

 

「コーネリア様!? 突然どうしたんですか? エリア11は?」

「エリア11はギルフォードに預けてきた。それと、お前の就任式を今夜行うぞ」

「急すぎませんか!?」

「手筈は全てこちらで整えてある。それまで、お前には帝国式マナーを叩き込む」

 

まじか。

就任式が開始される夜まで、徹底的にマナーを叩き込まれた。

あの人鬼だわ。

 

その日の夜、本当に就任式が執り行われた。

豪華なシャンデリア、真っ赤な絨毯、色とりどりの料理、そして着飾った貴族たち。

これだけで眼がチカチカする。

 

コーネリア様が声を掛けてくれたのか、はたまた、物珍しさからか結構な人数が集まった。

シュナイゼル様もノネットさんも参加してくれた。

 

沢山の貴族の方に挨拶をしてさらに慣れないマナーに気を使っていたので、ヘトヘトになりながらバルコニーに逃げた。

手すりに寄りかかっていると、ヴィレッタが後から入ってきた。ヴィレッタに向き合う。

ヴィレッタは爵位を貰ったためか、礼服で来ていた。手にグラスを持ちながらヘトヘトになっている俺を見て、

 

「大変そうだな」

「あたりまえだよ。こちとらこんな式に出たこともないんだよ?」

「私はコネが増やせて助かるがな」

 

そう言いながら、ヴィレッタは優雅にグラスを傾けた。流石、様になっている。

口を潤わしたヴィレッタはこちらを向き、俺の眼を見て聞いてきた。

 

「それで、次はどう動くんだ?」

 

俺はその問いに用意していた答えを返す。

 

「欲しいものがある。そのためにE.U.へ向かう」




多分、あんまり関わらないと思うので短くなると思いますが、次からは亡国編になります
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