俺達が戦場に出るようになってから、数年がたった頃。
「ねぇ、聞いた?」
「何を?」
コックピットで操縦桿周りの調整をしながら聞き返す。
「なんか、お姫様が来るんだって」
「お姫様?どのお姫様?」
貴族のお姫様か、皇族のお姫様か、お姫様は沢山いるから誰だろうか?
「ブリタニアの魔女って言われてる人」
「ああ、コーネリアね」
「そう!その人!
「そうだな」
会えるわけ無いだろう。と思いながらも相槌をうつ。
そもそも、俺達を認識しているかも怪しい。
そうして、変わらぬ日常として、今日も俺達は戦場に出る。
『騎士達の奮闘に期待する!』
『イエス・ユア・ハイネス!』
コーネリアの訓示が聞こえてくるが、俺は返答しない。返事したとても聞いてもいないだろう。
森の中、最善線を駆け抜ける。
今回の相手は一味違った。
正規軍ではない為か、ゲリラ戦がとても上手かった。
こちらの教科書通りに動く連中ではカモられる程に。
俺達、フロントライナーもかなりやられていた。
すると、緊急無線が飛び込んできた。
『姫様が前線に出て、連絡がつかない!誰か見ていないか!』
震えながらも大きな声で、焦っている騎士様の声が聞こえてくる。
周りにいないってことは、あのお姫様、俺達より前に出てるのか。
まじかよ。
俺は、スロットルを踏んで更に前と進んでいく。
森の切れ目が目に入る、と同時に中破している
周りには、ゲリラの二足歩行機が集まっている。
やばい!
そう思ったときには、全速で突っ込んでいた。
森の切れ目を抜け、ドリフトしながらゲリラに正対する。
こちらに一番早く反応した機体に対して、ライフルを向けて発砲して撃墜する。
それを機に、相手は散開して逃げようとする
その逃げる相手を一機、ハーケンで捕まえて、こちらに引き寄せてからライフルを直打ちで当て無力化する。
中破している
コックピットは無事に見えるが、大丈夫だろうか。
コックピットを手動で緊急オープンさせると、負傷しぐったりとしたコーネリアが出てきた。
気を失っているようだ。頭と脇腹から出血している。
救急キットを使って、簡単な止血をして俺の
お姫様は思ったより軽かった。
サブシートに乗せて、
その振動で、コーネリアが気が付いたようだ。
途切れ途切れのか細い声で聞いてくる
「……お前はだれだ…」
「ただのナンバーズですよ」
「……名を名乗れ」
「俺の名前なんて意味はないですよ。まぁ、呼ぶならイレブン・スリーとでも呼んでください」
イレブン・スリー、と俺の名を口ずさんだところで、また気を失ったぽく静かになった。
傷が開かないように、振動がないような綺麗な操縦を心がけた。
途中で、慌てふためいている騎士様に出会ったので、コーネリアを助けた事、負傷していることを告げ、基地まで連れて行くことを告げた。
そうして、基地の病院の前についたので、膝をつかせコックピットを開け、サブシートのコーネリアを下ろそうとしたら
「ナンバーズが触れるな!」
と騎士様に怒鳴られて、体が硬直した。
そんな俺をよそに、騎士様はコーネリアを下ろして病院に入っていった。
呆然と一人残された俺は、格納庫へ帰ることにした。
名前を告げたりしたが、まぁ、何か変わるわけ無いか。覚えているわけ無いだろう。
そうして、一ヶ月が立った頃か。
俺達の格納庫に一人の人物が乗り込んできた。
「ここか!イレブン・スリーという少年がいるというのは!」
そこには、白い軍服に紫のマントを纏った、ナイト・オブ・ナイン。ノネット・エニアグラムが立っていた。