1.魔神
その日のブリタニアの空は高く青く、雲一つ無かった。
とある人とブリタニア王宮でお茶をした帰り、俺はラウンズ専用の部屋へ向かって廊下を歩いてた。
と、廊下の先に見知った背中を見つける。
その見知った背中に向かって小走りで追いつくと、肩を軽くぽんっ、と叩いて挨拶をする。
「やぁ、スザク。久しぶり」
「ああ、カイか。久しぶりだね」
肩を叩いた相手が俺だと解ったら、笑顔で挨拶を返してくれた。
そのまま一緒になって専用部屋へ向かって歩いていく。
「結構、活躍してるみたいだな。いろいろと話は聞いてるよ」
「ああ、ありがたい事にシュナイゼル殿下に口利きをしてもらってね。そっちの方も順調だって聞いているよ」
「まぁ、問題児ばっかりだけど順調だな」
2人一緒に専用部屋に着くと、奥のラウンジにはすでに何人かのラウンズが集まってくつろいでいた。
ラウンジへと足を踏み入れて、まずは顔見知りに挨拶する。
「こんにちは、ノネットさん」
「やぁ、少年」
ノネットさんは椅子に座りながら、手を上げて挨拶を返してくれる。
その右隣に立っているモニカさんにも笑顔で挨拶をする。
「こんにちは、モニカさん」
「ええ、こんにちは、アサト卿」
こちらも手を上げて挨拶を返してくれる。
そうやって順番に挨拶していたところに、むくれた顔のジノが肩を組んで絡んできた。
「なんだよ、俺達には挨拶は無しかよ。つれないないなー」
「そんな事言うなよ、ジノ。アーニャもこんにちは」
椅子に座っているアーニャは挨拶の返答の代わりに、こちらにカメラを向けて写真をとった。
そんな中モニカさんの隣に立っている、この場で一番目上の人間が声を上げる。
「目上の人間にも挨拶は必要だぞ、アサト卿」
「ええ、ビスマルク卿。こんにちは」
腕を組み、うんうん、と頷ずいている。この人変な所でおちゃめだよな。
そして、
「おやおや、こちらには挨拶はないのかな?」
「ルキアーノ卿に挨拶が必要だとは思っていませんから」
ラウンジの一番端にいるこの人に関しては、適当に扱ってもいいだろう。
俺も空いてる椅子に座る。スザクは俺の後ろに立つようだ。
そうやって、みんなで雑談に花を咲かせながら、楽しくお茶を楽しんでいた。
その時は来た。
『私は、ゼロ。日本人よ! 私は帰ってきた!』
突然ラウンジのモニターがジャックされ、かつて世界に宣戦布告したあのゼロが映っていた。
俺はスザクの方を見るが、その顔は険しかった。
モニターに視線を戻しゼロを見る。いろいろと手を回していたが、やっぱりこうなったか。
ゼロは言う。世界は何一つ変わっていない、弱肉強食のままだ、と。
そして続ける。
『たった今、愚かなるカラレス副総督に天誅を下した!』
モニターからはゼロの演説が途絶えること無く流れている。
正義は自分達にあるかのように。
『私はここに、合衆国『日本』を宣言する!』
こうして、再び魔神が目覚めたのだ。
*
翌日。
屋敷の書斎で机に座りながら、俺はコーネリア様と通信で話をしていた。
もちろん、話題はあのゼロの事だ。
こんな状況で通信しているからか、はたまた、相手が俺だからか、いつもより砕けた感じがある。
なぜなら、コーネリア様はいつもは絶対に見せない、疲れの表情をしているからだ。
「それでゼロの通信先は特定できたんですか?」
『ああ、中華連邦の総領事館からだ』
「それは手が出せませんね」
『だから、頭が痛い』
コーネリア様は頭に手を当てて髪をくしゃりと握る。結構、追い詰められてる感じがするな。
やはり、相手がゼロである以上、こちらも大胆な手に出ないといけないらしい。
「そちらに向かいます」
R2の構成どうするか難しい