不出来なものを見せてしまい、申し訳ありませんでした。
自分の不調がそのまま文章に載ってしいました。
今後はこのような事が無いように努めますので、よろしくお願いします。
政庁の屋上にある、色とりどりの華が割いている空中庭園。その真ん中にはテラスがある。
その周りを護衛官と制服を来たヴィレッタ、レイラが固めている。
そのテラスで、俺とナナリーは向かい合って座っている。
ナナリーは皇族に復帰してからは、その位に合うような華やかなピンクのドレスを着ている。
足が不自由なため車椅子に乗っているが、それも豪華な仕様になっている。
俺は相変わらずラウンズの白い制服だ。マントはヴィレッタに預けてある。
俺はテラスの机の上に手を乗せて指を組み、ナナリーに改めて行政特区「日本」について尋ねる。
「改めて聞くけど、行政特区『日本』、本気なんだね?」
「はい、私はユフィ姉様がやろうとし事を継ぎたいのです」
その眼は閉じられているが、向けられる態度と声色が本気だということを表している。
あの惨劇の中心にいた俺としては、かなり複雑な気分だ。
その気持がナナリーにも伝わってしまったのか、不安そうに尋ねてくる。
「あのぅ、カイさんは反対なのですか?」
「いや、反対はしないよ。でも、日本人にそれが受け入れられるかは、また別問題だからね」
「そうですよね……」
しゅんとして縮こまるナナリー。でも俺の言葉で元気を出してくれたようだ。
「ひとまず、ナナリーの本気は解った。微力ながら手伝わさせてもらうよ」
「ありがとうございます!」
そういって、ナナリーはテラスの上に置いてある、俺の手を細く柔らかい平和を望む手で掴んできた。
ユフィの手もこんなのだったのかな。そう、ふと思った。
ただ、俺の手はもう真っ赤に血で汚れてしまっているから、この手がそれで汚れないかが心配だった。
ナナリーとの話を終えて、俺は空中庭園を後にした。
その後ろをヴィレッタとレイラが付いてくる。ヴィレッタがマントを俺に掛けてくれた。
空中庭園から降りるエレベーター内で、俺の後ろに控えている2人から報告を聞く。
「報告を」
「ああ、現在の所、行政特区『日本』への参加表明者はいない」
「まぁ、だよな。次」
「コーネリア様がお呼びです。すぐに来て欲しいと」
「解った、これから向かおう。次」
「お呼びした方々が先程到着した。お前の部屋に通してある」
「早かったな。コーネリア様の所に行ったら向かう。それまで相手を頼む」
「「イエス・マイ・ロード」」
報告を終えた2人をエレベーターに残したまま、俺はエレベーターを降りてコーネリア様の執務室へと足を向けた。
コーネリア様の政務室の前に着いて、扉をノックする。
「入れ」
コーネリア様の返答があったので、扉を開けて中に入る。
政務室の中には制服をビシッと決めたコーネリア様が一人、机に掛けながら事務作業をしていた。
その机の前まで歩いて向かい、コーネリア様と正対する。
それが視界に入ったのだろう、事務作業を止めてコーネリア様はこちらに顔を向けた。
「お呼びとのことでしたが」
「ああ、内密な話だ。ゼロから行政特区『日本』への参加表明が秘密裏にあった」
俺は疑問をあらわにする。
「……それ本当にゼロからなんですか?」
「本物かどうかの確認は出来きない。が、今夜、詳細を話し合うための機会を設けた。お前も参加しろ」
「ナナリーは?」
「まだ早い。ひとまずお前と、枢木卿だけで十分だ」
「それなんですが、ジノとアーニャをエリア11に呼んだので、2人にも参加してもらう、でもいいですか?」
「ヴァインベルグ卿にアールストレイム卿が? ……解った参加は問題ない。あと、そういうのは早めに報告しろ」
「イエス・ユア・ハイネス」
その短い会話だけで要件は終わったと判断したので、コーネリア様に背を向けて部屋から出た。
政務室を出て、俺にあてがわれた部屋へと足を運んだ。
自分の部屋なのでノックもせずに扉を開けて部屋に入ると、
ヴィレッタとレイラが、中央にあるソファーに座りながら対面のソファーに座っている客人の相手をしていた。
俺も中央にあるソファーに近寄り、ラウンズの制服を着ている客人達に挨拶をした。
「やぁ、ジノ、アーニャ。急に呼び出してすまないね」
「なーに。気にするな。暇を持て余していたからな。いい機会だったよ」
アーニャは返答の代わりに携帯のカメラをこちらに向けて、シャッターを切った。
「それで? 俺達まで呼んだ理由ってなんだ? ここにはスザクもいるから戦力的には問題無いはずだろ?」
お茶請けのクッキーを食べながら、ジノは質問してくる。
俺がソファーに近づくとヴィレッタとレイラは立ち上がり、俺が座るスペースを開けてくれた。
その質問を聞きながら俺はヴィレッタとレイラの間に座ると、レイラがお茶を用意してくれた。
「ああ、エリア11としての戦力的には問題ない。あくまで非常事態に対して俺が自由に動かせる人物が欲しかったんだ」
「非常事態?」
アーニャがチラリとこちらを見て聞いてくる。
「ああ。ゼロ、そして黒の騎士団が復活した今、『ブラック・リベリオン』のような反乱がまた起こされた場合を想定しているんだ」
「考えすぎじゃないか?」
「いやそうでもない。……これはさっきコーネリア様から聞いたんだが、ゼロが行政特区『日本』への参加を表明してきたらしい」
「はぁ? 本気かよ!」
「本気かどうかより、表明された時点で何かあると考えるべきだ」
そうなんだよなぁ。
これからのことを考えると向こうは中華連邦に行くってことだろ?
その後のいざこざを想定するに、戦力はある方がいいに決まっている。
「それで、コーネリア様はどうするって?」
「今夜、ゼロと秘密裏に話し合う事になった」
「それ、俺達も参加していいか?」
「コーネリア様には確認したから問題ないよ」
その後は、ペンドラゴンであった事を聞いたりと雑談に花を咲かせた。
そして、その夜。
皇族専用のラウンジを使って、秘密裏の会談は行われることになった。
こちらの参加者は、コーネリア様、スザク、ジノ、アーニャ、そして俺だ。
壁に設置されているモニターの前にある椅子に、コーネリア様と俺が座っている。
スザクとジノは椅子の後ろに立っていて、アーニャはラウンジ備え付けのバーカウンターに座っている。
密談の開始時刻。
俺達の正面モニターがノイズ混じりになった後、ゼロの姿が映し出された。
それを見た、コーネリア様の体が強張った様に見えたが、見ないふりをした。
こちらと映像が繋がったことを確認すると、ゼロが話を開始した。
『ほう、ナイト・オブ・ラウンズが4人も。それに総督まで。……副総督の姿が見えないが』
それに対してコーネリア様が冷静を装って答える。
「今回は事務レベルの話だ。副総督は関係ない。それで黒の騎士団の意見は纏まったのか?」
『こちらには100万人を動員する用意がある』
「……その人数、本当なのだな?」
『ただし、条件がある。私を見逃して欲しい』
その言葉に部屋の中が一瞬、ざわめいた。
『とは言え事情はあるだろう。そこで
その要求にスザクが反応した。
「黒の騎士団はどうする!?」
ジノがその言葉の後を継ぐ。
「捨てる気だろ。自分の命だけを守って」
『だから、内密に話をしているのだよ』
「つまんない」
アーニャが本当につまらなさそうにつぶやく。
俺はあくまで冷静にコーネリア様に向かって言う。
「エリア特法にそれに該当する項目があるので、総督権限で追放は可能です。それに悪くない提案かと」
コーネリア様は顎に手を当てて思案している。
長い沈黙の後、コーネリア様が口を開いた。
納得がいっていない様子だが実務を取ったのだろう。
「……解った。お前の要求を飲もう」
『では、お互いに実のある会談だった』
そう言ってゼロは通信を切った。
その結果に納得出来なかったスザクはコーネリア様に食って掛かった。
「コーネリア様! 本当にゼロの要求を飲むおつもりですか!?」
「エリア11のことを考えれば、黒の騎士団がいなくなる事は最大のメリットとも取れる」
「ですが!」
「枢木卿。お前の心情も理解できなくはない。が、これは総督としての決定だ」
コーネリア様も苦渋の決断をしたのだろう。
椅子の手すりを握っている手の色が力が入っているため白くなっている。
こうして、行政特区「日本」の話は前に進んでいった。
いろんな思いを交錯させて。