フレイヤの弾頭が全てを吹き飛ばした後、俺はランスロットを抱えたままアヴァロンへ着艦した。
着艦後、格納庫にランスロットを下ろす。ランスロットの反応がない。スザクは沈黙したままだ。
先ずは部隊の生存を確認しないと。俺は無線機に向かって語りだす。
「ヴィレッタ、レイラ。損害報告を」
『こちら、ヴィレッタ。政庁で護衛に着いていた部隊は無事だ』
『こちら、レイラ。指揮所を外縁部まで移動させていたので、人的損害はありません』
「了解した。では、両部隊は合流後、待機していてくれ。情勢がどう転ぶかわからない」
『『イエス・マイ・ロード』』
紅蓮のコックピットを開けて、格納庫へと降り立つ。
格納庫には、今から飛び立とうとする皇族専用機があった。
すると、格納庫に通じる扉が開きシュナイゼル様一行が皇族専用機へと足を運んでいく。
その中にコーネリア様の姿を見つけた俺は、コーネリア様に駆け寄って無事を確かめる。
「コーネリア様、ご無事でしたか」
「カイか。お前も無事だったようだな」
「ええ、なんとか」
そんな会話をしている俺達にシュナイゼル様が近づいてくる。
「ちょうどよかった。アサト卿、君も一緒に来て貰えるかな?」
「どちらに、でしょうか?」
「これから黒の騎士団の旗艦に向かう。停戦を呼びかけるためだ。それには手土産も必要だからね」
そういって、シュナイゼル様は紅蓮の方を見る。
「まさか紅蓮を引き渡すと?」
「そう、交渉としては良いカードだ」
「それなら、自分が行かなくても……」
「君には聞きたい事があるからだ。そう、ギアスについて」
「……イエス・ユア・ハイネス」
このタイミングでギアスについて探られるとは。ごまかせると思ったんだけどな。
そうして、俺はラウンズの制服に着替えてから再度、紅蓮に乗り皇族専用機の護衛に付いた。
紅蓮とアーニャが乗るモルドレッドで護衛に付きながら、皇族専用機は黒の騎士団の旗艦「斑鳩」に近づいてく。
黒の騎士団はこちらをすんなり受け入れた。もうちょっと抵抗するかと思ったが、フレイヤの衝撃がまだ残ってるのだろう。
紅蓮、モルドレッド、皇族専用機は斑鳩の格納庫に降り立ち、俺はコックピットから降りた。アーニャはコックピットで待機だ。
皇族専用機から降りたシュナイゼル様達と一緒に、俺達は会議室へと通された。
下手側の椅子にコーネリア様、シュナイゼル様、そして俺が座る。
黒の騎士団が出揃う前にシュナイゼル様が俺に聞いてきた。
「では聞こうか、アサト卿。ギアスについて。独自に動いていたようだしね」
俺が饗団の事で動いていた事も知っているのか? この人何処まで知っているんだ? 底が読めない。
ひとまず、ギアスのこと、饗団の事をかいつまんで説明した。
出来る限り客観的に言ったつもりだが、どう受け止められるのだろうか。
「なるほど、ありがとう」
「カイ、お前……」
コーネリア様は俺が独自の情報と行動をしていたことに驚いていた。
そうして話し込んでいると、黒の騎士団の面々が入ってきた。しかし、そこにゼロの姿はない。
黒の騎士団の面々の前が上手に座ると、シュナイゼル様は語りだした。
ゼロの正体が弟である、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアであること。
ギアスという特殊な力があること。
そして、ルルーシュがユフィにギアスを賭けて、日本人を虐殺させた事。
黒の騎士団の面々はその情報に混乱している。
その中のひとりが声を荒げる。
「そんなん信じられるかよ!」
「ユーフェミアの事に関しては録音があります」
シュナイゼル様が懐から取り出してレコーダーには、スザクとルルーシュが会話が録音されていた。
その中で確かにルルーシュは自分がギアスを掛けて、日本人を殺せと命じたことを認めている。
さらにシュナイゼル様は言った。
「ギアスに関しては、彼も証言してくれます」
シュナイゼル様は俺の方に手を向けた。
……このために連れてきたのか。
「ああぁ!? 日本人を裏切った奴なんかの証言なんか聞けるかよ!」
「……ギアスという力については本当だ。それは『日本人』として証言しよう」
その言葉に黒の騎士団の面々は押し黙ってしまった。
そんな中、シュナイゼル様は静かに言う。
「皆さん。ゼロを引き渡して貰えますか」
結局ゼロは、ルルーシュは逃亡した。
黒の騎士団内で混乱が起こったがその後、黒の騎士団とブリタニア軍との正式な停戦条約が結ばれ、ゼロの死亡が報道された。
だが混乱はブリタニア側でもあった。
斑鳩からアヴァロンへ戻ったシュナイゼル様一行はそのまま、アヴァロンの遊戯室に入った。
現状で権力を持っている人物がそこに集まっているからだ。
そこで俺達は、スザクの覚悟を聞かされる。
シュナイゼル殿下は自分をナイト・オブ・ワンにして頂けるんですか? と。
スザクのその言葉はつまり、シュナイゼル様が皇帝になるということだ。
そして、シュナイゼル様はその言葉を引き受けた。
つまり、クーデターの始まりだ。
スザクは言い切った。
「自分に皇帝陛下暗殺を命じて下さい」
「解った。それと、アサト卿」
「はい」
「君も枢木卿について行ってもらえるかな?」
「自分がですか? ……わかりました」
そうして、俺とスザクは皇帝陛下暗殺の為、神根島に向かうことになった。
シュナイゼル様にとって、俺はもう用済みの駒なんだろう。
なら独自に動いても問題無いよな?
スザクには先に行ってもらって、俺は通路でアンナに通話を掛ける。
「アンナ。『アレクサンダ Type-09』は今どうなっている?」
『ロールアウト直前で、後は微調整だけかと思います』
「了解した。悪いけど優先度をあげて頼む」
『イエス・マイ・ロード』
俺の専用機も動けるようにしておこう。