コードギアス・フロントライナー   作:なべを

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4.Cの世界

神根島に向かう飛行機の中は沈黙が支配していた。

どんなに話を振っても、隣りに座って運転しているスザクは返事をしない。

 

「なぁ、本当に皇帝陛下を殺すのか?」

「……」

「それでなんとかなると思っているのか?」

「……」

 

何も応えてくれない。ただ、じっと運転席から空を見ているだけだ。

ふぅ、と溜息をついて、シートに深く腰掛ける。

 

「まぁ、いいけど。……なぜか俺はシンジュクであった頃のお前を思い出すよ」

「……結果が全てなんだ」

 

それだけ言って、スザクはまた沈黙した。

 

 

神根島に着いたスザクは飛行機を着陸させると、飛行機に詰んでいた剣を取り出し鞘から抜き放った。

俺は持ってきた銃の動作確認をする。ほんとこういうのは苦手だ、

 

剣を抜き放ったスザクは、そのまま遺跡の方にさっさと駆けて行った。

俺は慌てて付いていく。が、身体能力の差でじわじわと離されていく。

 

スザクが遺跡についた時、ちょうど皇帝陛下がお供を連れて遺跡に入ろうとしているところだった。

それを視界に入れたスザクは飛び出していき、あっという間にお供の人達を斬り殺した。

 

そして、スザクは皇帝陛下に向かって

 

「あなたの罪は、ギアスに手を付けたこと」

 

そう言い放ち、スザクが皇帝陛下に向け上段に構えた剣を振り下ろそうとした。

しかし、横からその間に素早く滑り込んでくる影があった。

その影は、スザクの剣を受け止め鍔迫り合いの様相を呈している。

その相手を見てスザクは驚愕を露わにしていた。

 

「ヴァルトシュタイン卿!? どうしてここに!?」

「ギアスのことを知っているのがお前だけだと思っているのか」

 

その緊迫した様子に一切の興味が無いようで、皇帝陛下は

 

「俗事はまかせる」

 

そう言って、遺跡の奥へとそのまま足を進めていった。

ヴァルトシュタイン卿はそれに返答する。

 

「イエス・ユア・マジェスティ」

 

そうして、スザクとヴァルトシュタイン卿の切り合いが始まったが、俺が間に入れる隙などまるでなかった。

下手に銃を撃てばスザクに当たってしまう可能性が高い。俺には見守ることしか出来なかった。

 

そんな剣戟のバランスは崩れつつあった。剣の腕はヴァルトシュタイン卿の方が上のようで、スザクは除々に追い込まれていっている。

剣を大きく弾かれて、スザクが地面に倒れ込んでしまった。

 

その隙を見逃すヴァルトシュタイン卿でなく、スザクにとどめを刺そうと剣を構えているのを、俺は銃で撃って牽制した。

が、その銃弾をヴァルトシュタイン卿は切って落とした。

未来予測のギアスを使っているのか!

 

そこで一瞬の隙間ができた時。

遠方で爆発が起こった。

それに気を取られたヴァルトシュタイン卿を見て、俺はスザクに向かって叫んだ。

 

「今の内に逃げろ!」

 

スザクは立ち上がると俺の方に向かって走って逃げてきた。

が、遠方で行われているKMF(ナイトメアフレーム)から飛んできたミサイルによって足場が崩れ、俺達は崖下に堕ちていった。

 

 

どれだけ気を失っていたのか。

焦点が合わない眼を開けると、アーニャが俺を見ているのに気がついた。

 

「アーニャ?」

「ち、気づくの早すぎ」

 

そう言って俺から離れていった。

ぼーっとしている頭を振って眼を覚ます。

そうして、周りを見るとアーニャ以外にも緑の髪をした少女が黄色いぬいぐるみを抱いて岩に腰掛けていた。

アーニャは質問してきた。

 

「何やってたの? こんな所で」

 

いつもとは違う口調が気になったので聞いたみた。

 

「なんかいつもと感じがちがくないか?」

「今の私はマリアンヌ。ルルーシュとナナリーのお母さんよ?」

 

マリアンヌが表に出ているのか。という事は計画は最終段階に入っているのだろう。

隣を見るとスザクが瓦礫に横たわっている。

痛む体を押して、スザクへと近づき肩を揺さぶる。

 

「おい、スザク! 起きろ!」

 

肩を揺らし続けるとやがてスザクは眼を覚ました。辺りを見合わすと、

 

「あれ、ここは……? なんでここにC.C.(シーツー)が!?」

 

緑の髪をした少女をみてスザクは驚いたようにその少女の名前を口にした。

アーニャ……マリアンヌがしてきた質問に、俺が答える

 

「それで? あなた達ここへ何しに来たのよ?」

「俺達は皇帝陛下を追って……」

「へぇ、シャルルを追ってきたんだ。じゃあ目的は遺跡ってところかしら。なら一緒にいきましょ」

 

そう言って、アーニャとC.C.(シーツー)は立ち上がり、遺跡へと足を向けた。

痛む体を押しながら、俺とスザクはそれに着いていった。

 

俺達が遺跡奥にたどり着くと、扉は破壊されていた。

マリアンヌが近くの機械を触って起動できないか試している。

その間、俺ははもっともらしいをC.C.(シーツー)に質問をした。

 

「それで、この扉の先には何があるんだ?」

「Cの世界だ」

「Cの世界?」

「お前たちの言葉で言うなら集合無意識といったところか」

 

機械をいじっていたアーニャが立ち上がり愚痴をこぼす。

 

「だめー。動かないわ。お願いね、C.C.(シーツー)

 

C.C.(シーツー)の手を取ってアーニャは扉に手を掛けた。

すると扉が鈍い光を放ち始めた。

 

俺の眼が幻をとらえていなければ、アーニャの体からマリアンヌが抜け出て扉に吸い込まれていった。

意識が無くなったアーニャの体をあわてて受け止めて、その場に寝かせようとする。

すると、横から黄色いぬいぐるみをC.C.(シーツー)が差し出してきた。それを枕代わりにする。

そうして、静寂が戻った扉の前で俺はC.C.(シーツー)に聞いてみる。

 

C.C.(シーツー)だっけ? 俺を向こう側に送れる?」

「カイ!?」

 

スザクが慌てたように制止してくる。

 

「お前、何が目的だ?」

「俺は真実を見たいんだよ」

「……なら僕も送ってほしい。僕も真実が見たい」

「……どうなっても知らんぞ」

 

俺達はC.C.(シーツー)に導かれて向こう側へ渡った。

 

そこでは2つの世界が争っていた。

 

過去を見ている、シャルル。

そして、

未来が欲しい、ルルーシュ。

 

舌戦が繰り広げられていたが、決着は着いた。

それは自らが望む世界の強さなのか、神が選んだからなのか。はたまた……。

 

勝利したのは未来を望んだルルーシュだった。

そして敗北した、シャルルとマリアンヌは光となって消えていった。

Cの世界にはルルーシュ、スザク、俺、C.C.(シーツー)だけが残っていた。

C.C.(シーツー)は素朴な質問をしてくる。

 

「お前たちはこれからどうするつもりなんだ?」

 

それに、スザク、ルルーシュが反応する。

 

「僕は確認しないといけないことがある。偽りの君主に」

「なら。俺も確認することがある、裏切りの騎士に。そして、最前線を走る騎士に」

 

そこで俺達は、ルルーシュの計画「ゼロ・レクイエム」に関して説明された。

 

「……本気で出来ると思っているのか?」

「出来る。いや、やって見せる。それが俺の選択の責任だからだ」

 

いくらかの逡巡のあと俺は言った。

 

「……解った。お前のその高潔さを信じよう」

「カイ……。解った。僕も君を信じよう」

「では、計画に乗ると?」

「「ああ」」

 

そうして、「ゼロ・レクイエム」の名の下、俺達は結託することになった。

 

 

1ヶ月後。

皇帝陛下が久方ぶりに公の部隊に現れるということで、謁見室には皇族、そして貴族達が集まっていた。

TV中継も入っている。

お付の中のひとりが声を上げた。

 

「皇帝陛下、御入来!」

 

そうして、皇帝陛下が壇上へ足を踏み入れた。

その人物は、皇帝陛下の椅子に座り、優雅に足を組むと宣言をした。

 

「私が第99代皇帝、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです」

 

場が騒然となった。その時、皇族の長兄であるオデュッセウス・ウ・ブリタニアが前に出てルルーシュに諭すように言った。

 

「いささか冗談がすぎるんじゃないかなルルーシュ、そこは父上の……」

「第98代シャルル・ジ・ブリタニアは私が殺した」

 

その言葉を聞き、その場は更に混乱していった。

その中のひとりが声を泡げて言った。

 

「誰か、あの痴れ者を排除しなさい!」

 

その言葉に反応して、近衛兵達がルルーシュに向かっていく。

しかし、上から飛んできた影がそれを全て撃退する。

その影、枢木スザクはルルーシュを守るように前に立ちはだかった。

そしうてスザクはルルーシュの隣に移動すると、ルルーシュがスザクに対しての説明を行った。

 

「紹介しよう。我が騎士、枢木スザク。彼にはナイト・オブ・ラウンズを超える称号としてナイト・オブ・ゼロを与える。そして」

俺が壇上へと上がり、ルルーシュの隣に立つ。

 

「彼はカイ・アサト。彼にはナイト・オブ・ワンの称号を与える」

 

オデュッセウスはあくまで諭すようにルルーシュに語りかける。

 

「ルルーシュそれは良くないよ、国際中継中に悪ふざけなんて……」

「それでは、わかりやすく説明しましょう。……我を認めよ!」

 

その場にいた全員に絶対服従のギアスが掛けられた。

 

『『オール・ハイル・ルルーシュ!』』

『『オール・ハイル・ルルーシュ!』』

 

こうして、ブリタニアの歴史は書き換えられた。

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