壁一面のガラス窓から温かい陽の光が入る執務室の中で、俺の身の上話が始まり、
話が進むにつれ、対面にいる2人の顔がどんどん曇っていくのが理解った。
話終えた時、温かい光が入る部屋とは正反対に、その場の空気は重かった。
コーネリアはため息を吐き、手を額に当てながら呟く。
「なんということだ……」
ノネットさんは、笑顔を貼り付けているがそれが逆に怖い。
「ここまで腐っていたとはな」
その2人の反応は俺にとっては想像外のことだった。
ただのイレブンである自分の境遇に本当に怒っているように見える。
その反応に戸惑っていると、
「よし! 理解った!」
と、ノネットさんが膝を叩いて、場の空気を変えようとした。
「何が理解ったんです?」
「これから君をどう扱うかだ」
その言葉を聞いて、背筋が伸びた。
ナイト・オブ・ラウンズという最高位にいる人から、
自分の扱いを決めたと言われれば、誰でも緊張が走るだろう。
「まず、君、というか、君たちか。君たち全員に名誉ブリタニアの資格を与える。
今までの功績を考えれば当然だろう。そして、君だ」
ノネットさんは、こちらに指を指し、眼を合わせる。そこには興味の色が見て取れた。
「君には試験を受けてもらう」
「試験ですか?」
「そう。騎士の資格があるかの試験だ」
その言葉に、驚く。
その提案はナンバーズには決して出ることが無い提案だからだ。
動揺と同時に疑問が出たので、改めて確認する。
「ナンバーズでは騎士には無れないと思いますが…?」
「確かにそうだ。だが我がブリタニアは超実力主義。実力があるのならチャンスを与えるべきだ」
「チャンス……」
「そう。そのチャンスを掴むかは君次第だと言うことだな」
笑顔で言われた、その言葉からは明らかな挑発も含まれていた。
お前は、前に進むことを自分で選べるのか? と。
俺は考える。
ナンバーズが騎士に成れれば、どういう眼で見られるかは、なんとなく想像がつく。
が、騎士になれば、少なくとも今までのように使い潰されることはない。
「わかりました。その試験、受けさせていただきます」
頭を下げながら、決意を持った返答をする。
その返答に満足したのか、ノネットさんが笑顔になる。
「よし、いい返事だ! 試験の内容に関しては、コーネリアと相談して決めるからな」
「先輩!? 私も関わるのですか?」
「当たり前だろう? 君の命の恩人なのだ。前例を覆すには、君の推薦も貰う必要がある」
「……わかりました」
コーネリアはしぶしぶといった様子ではあったが、その提案を受け入れた。
受け入れてくれたことに、感謝し頭を下げる。
「コーネリア様、ありがとうございます」
「お前には恩がある。それを返すだけだ」
俺にとっては、僥倖である。
もし、皇族とラウンズの推薦ということであれば、騎士になれる確率は高くなるだろう。
更に言えば、騎士になって以降もそれが、アドバンテージになることは言うまでもない。
まさに、人生を掛けた試験が始まる、自分の中で、緊張が高まっていき手に汗が浮かんでくる。
が、同時に、それを楽しみにしてワクワクしている自分もいる。顔に笑顔が浮かんでいるからだ。
自分の人生という、絶望しか先が無かったものに、希望と言う光が当たったのだ。
それを手放すつもりは無い。