コードギアス・フロントライナー   作:なべを

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7.その後

騎士候になってから数年が経ち、15才になった。

その後、俺の周りは劇的に変化した。

エリア14の総督府で、俺に与えられた個室の椅子に座りながら振り返る。

 

まず、フロントライナーの部隊は消滅した。

全員が名誉ブリタニア人の資格を得たので退役したためだ。

まぁ、当然だろう。だれも、戦場に居たいなんて思わない。

 

俺は、相変わらず最前線に出ている。

戦功を上げ続けていれば、ナンバーズでも嫌味は言われることはあっても、扱いが悪くなることはない。

推薦してくれたコーネリア様、ノネットさんの顔に泥を塗ることもないし。

 

*

 

部屋の机の前で、今後の予定を感情が乗っていない事務的な声で、ヴィレッタ・ヌゥが報告する。

 

「この後、特派から、開発中のKMF(ナイトメアフレーム)のシミュレーターを試してほしい。と来ている」

「了解。……もう少しこう、上官への敬意とかないの?」

「おまえに? 敬意?」

 

鼻で笑われた。

 

「戦場でのお前には敬意を払うが、それ以外が全く出来ないお前に払えんな」

「いつも助けて頂きありがとうございます……」

 

机に手をついて頭を下げる。マジでヴィレッタがいないと回らない環境になってしまった。

 

これが1番の変化。ヴィレッタが俺の部下になったのだ。

本人からの強い希望らしく、初めはナンバーズだとしても敬意はあったが、俺が戦場以外はまるで駄目だということが解り、そのしわ寄せが全部ヴィレッタに行った結果、敬意なんてものは砕け散った。

そのしわ寄せが全部ヴィレッタに行った結果、敬意なんてものは砕け散った。

 

なぜ、俺の部下になったかというと、元々のヴィレッタは出世のチャンスを狙う野心家。

騎士候になった後、誰の下に付くのか良いのかを考えた所、俺のところに来たっぽい。

まぁ、はたから見れば、ナンバーズという事に目をつぶれば、豪華な推薦者と数々の戦果を上げている俺は有望株に見えただろう。

 

「あの時の私は目がくらんでいた」

 

と、ヴィレッタは愚痴をこぼしている。

 

「それにしても、特派か。あそこって、シュナイゼル殿下の直轄だろ? 俺の所に来なくてもデヴァイサーは他にいるだろうに」

「……デヴァイサーということだけを見れば、お前以上のデヴァイサーがいないからだろう」

「お褒めの言葉ありがとう。じゃ向かいますか」

 

そうして、ヴィレッタを伴って部屋を出て、特派が根を張っている格納庫に向かう。

格納庫に着くと、そこには特派の研究施設が広がっていて、片隅にシミュレーターが見える。

シミュレーターの近くにいるオペレーターに声をかける。

 

「こんにちは、カイ・アサトです。シミュレーターへの参加要望があり来ました」

 

そのオペレーターは俺の名前に合点が行ったようだ。

「ああ、カイ・アサトさん! お越しいただき有難うございます。早速ですがシミュレーターに乗っていただけませんか?」

「了解しました」

 

そのシミュレーターは外観上は普通のコックピット型シミュレーターと変わりない。

無線からオペレーターの声が聞こえてくる。

『聞こえますか?』

「はい、聞こえています」

『では、段階的に難易度を上げながら試します』

 

そうして、次世代KMF(ナイトメアフレーム)のシュミレーターが開始された。

 

*

 

ヴィレッタは、シュミレータが始まると周りのスタッフが、慌ただしく駆け回っているのを眺めている。

おそらく、あの人のシミュレーターの内容がずば抜けているから、慌てて人員を増やしているのだろう。

 

自分より年下だったからか、初めての印象は頼りない男だった。

あの経歴に見合わない、柔らかさというか、そういうのを持った人物だった。

だが、戦場では違う。

誰よりも最前線を行き、誰よりもKMF(ナイトメアフレーム)を過激に操り、戦果を上げる。

敵にとっては悪魔、味方にとっては最高の守護天使だ。そのギャップが未だどう接していいか迷わせる。

一つ理解っていることは、あの人といると戦場には事欠かないということだ。

 

*

 

シミュレーターが終了した。

難易度的にはどれ位だったかはわからないが、最後までクリアする事が出来た。

コックピットから出ると、始まる倍以上の人だかりが出来ていて吃驚した。

 

「これは一体……」

 

白衣を来た男性がが興奮した様子で、顔が近付く位こちらに詰め寄ってくる。

「すごいよ! 君! これほどまでの適合率を出すなんて!」

 

その熱量に若干引きながら礼をいう。

「はは……、有難うございます」

「何か気になったことはあったかい?」

「流石、次世代KMF(ナイトメアフレーム)というべきか、とても素直に動いてくれました。が、ときどき操作にラグを感じました」

 

そういったら、周りの喧騒が静寂に変わった。

 

「ラグを感じた……?」

「あの性能でラグを感じるなんてあるのか……?」

 

そういった声が聞こえる。

 

「ハッハー! ランスロットにラグを感じるか! それは良い研究になるね!」

 

そう言って、白衣を着た人はシミュレーターに備え付けられたデバイスに向かって嵐のように去って行った、

その人を呆然と見やっていたら、オペレーターの人が声を賭けてくれた。

 

「本日は以上で終了となります。もしかしたら再度お願いすることがあるかも知れませんが、その時はよろしくお願いします。

本日は貴重なデータを提供して頂き有難うございます!」

 

そのオペレーターの人もお礼を言うと、白衣の人の所に言ってあれやこれやと話をしている。

興味は俺よりも、シミュレーターのデータの方に移ったようだ。

 

「戻りますか」

「はい。それにしても相変わらず頭がおかしい操縦でしたね」

「……褒めてるよね? それ?」

「もちろん」

 

ヴィレッタとそう言い合いながらその場を後にする。

まさか、この騒動が、シュナイゼル殿下の耳にまで入るとは思ってもいなかった。

 

その1年後、俺の下に一通の辞令が届く。

【イレブンの総督府への移動を命令する】

 

歴史が始まるのだ。




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