コードギアス・フロントライナー   作:なべを

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2.地獄

シンジュクゲットーは地獄そのものだった。

 

『止めてくれ!』

『なんで私たちが……!』

『消えろ! ブリタニア人が!』

 

レジスタンスに加担した人はともかく、全く無関係な人物までも殺されている。

クロヴィス総督が発した、「シンジュクゲットー殲滅」。

それに駆り出された俺とヴィレッタはその光景を眼の前にして、何も出来ずにいた。

 

『どうするんだ?』

 

無線でヴィレッタがあえて感情を乗せない声で聞いてくる。

ここで何もしなければ命令違反になり、命令を実行すれば殺戮者だ。

 

……甘かった。

俺が騎士候になれたから、歴史は世界は変わるもんだと思っていた。

よく聞くバタフライ効果というやつで、世界は変わっていくものなんだ思っていた。

 

だが、現実という世界にはそんなもの関係無かった。

ナンバーズの命なんて路傍の石ころと変わらない、と言わんばかりに散っていく。

これじゃ、あの最前線にいた頃となにも変わっていない。

 

「……イレブンは殺すな。適当に周りに合わせろ。これは()()()

『イエス・マイ・ロード』

 

ヴィレッタを俺の命令に従って、適当に建物を撃っている。

 

「戦争」なら俺も人を殺す。互いに正義があるから殺してもまだ自分を納得させる理由がある。

だが、「虐殺」は畜生にも劣る行為だ。そこまで、連中に合わせる義理はない。

 

そうやって、第三者的な目線で戦場を見ていたからか、外の様子が変わっていることに気がついた。

 

「向こうの対応が場当たり的じゃない? 組織化されていってるのか?」

 

つまり、見つけた相手に喧嘩を売るのではなく、相手にするやつを明確に選んでいるのだ。

ということは、頭が出来たのだ。

……ルルーシュが動き出したのか?

 

そうして、この状況を把握しようとしていたが、向こうの方が一枚上手だった。

瓦礫の向こうで大きな崩落が発生する音が聞こえ、モニターに映る味方のIFFがどんどん消えていく。

 

「おい、状況はどうなっているんだ!」

 

そう、無線に問いかけても要領を経ない回答しか返ってこない。

次のアクションを決めかねていた所へ、落ち着いた女性の声が無線から聞こえてきた。

 

『はじめまして、アサト卿。一度、旗艦まで戻ってきていただけますか?』

「あなたは?」

『特別派遣嚮導技術部のセシル・クルーミーと申します。あなたのお力を借りたいのです』

 

*

 

旗艦へと戻ると、その前に一機のトレーラーが待ち構えていた。

あれが、言っていた特派のトレーラーか。

 

それに近づき、サザーランドのコックピットから降りる。続いてヴィレッタもコックピットから降りて隣に来る。

コックピットから降りた俺達にトレーラーから、一人の女性がこちらに近づいてくるので、その人に向かって名乗る。

 

「カイ・アサト。参りました」

「アサト卿。お待ちしておりました。先程、挨拶しました、セシル・クルーミーです」

「まずは、どういう状況か説明をお願いできますか?」

「はい。敵の策略によりこちらの戦力の半分が損失しました」

 

やはり先程の崩落は、ルルーシュによる策略か。

セシルと話していると、そこに白衣の男性が割って入ってきた。

 

「そこで、我々のランスロットの出番というわけ」

「ランスロット?」

ん? 俺がランスロットに乗るのか? スザクじゃなくて?

 

「はい、私たち特別派遣嚮導技術部が所有する、第7世代ナイトメアフレーム。ランスロットに乗って敵組織の殲滅をお願いしたいのです」

 

そう言うと、トレーラーの後部の拘束具が解放され、布で隠されていた白いナイトメアフレームが顕現した。

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