くたばり損ない魔法少女わたしの独りゴト   作:土縁屋

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掲示板+【配信】ちょっとした騒動に巻き込んじゃう件・3

ダンジョン総合Part1048

 

 

448:名無しの探索者

 

【速報】ダンジョンスタンピード発生中

 

最下層レベルのモンスターが下層・中層付近にまで侵攻してきてるらしい

 

 

457:名無しの探索者

 

スタンピード?

またか?

 

ほんの一週間くらい前にも起きてたし、この短い期間に立て続けなんてありえるのか?

 

 

462:名無しの探索者

 

最下層って、Sランクパーティでも攻略できてないところだろ

伝説級のモンスターが雑魚野良モンスターみたいにひしめいてるって魔境

 

そんなところからモンスターが上がってきてるって……マジでヤバくねえか?

 

 

466:名無しの探索者

 

>>462

 

やばいなんてもんじゃない。世界の終わりだぞ

 

 

470:名無しの探索者

 

トリックスター・ミミックか?

マッスルキング・ミノタウロスか?

それとも、ギガジエンド・バジリスクなのか?

 

どいつが侵攻して来てるにしても、ダンジョン内のパワーバランスは無茶苦茶になるぞ

 

 

473:名無しの探索者

 

>>470

 

なにそのクサダサネーミングの羅列。ここは芸人を語るスレか?

 

 

475:名無しの探索者

 

>>473

 

頭についてる奴は称号だぞ

このモンスターはこれこれこうだから伝説級なんですって称号。

 

正直、わかりにくいしダサいのは否めないけどな

 

 

481:名無しの探索者

 

//:murakumochan,kawaii,yattane.com

 

お前らこれ見ろ!

最下層で配信してる奴いるぞ!

 

 

484:名無しの探索者

 

売名乙

 

 

488:名無しの探索者

 

>>481

 

こんな状況で最下層に潜っとるやつなんかおらんやろ

しかも配信って

 

配信目当てのライト探索者に潜れる階層ちゃうで

 

 

490:名無しの探索者

 

で、配信してる子はかわいいのん?

 

 

493:名無しの探索者

 

“顔は”かわいいぞ

 

 

500:名無しの探索者

 

……情報収集のために見てみなくちゃならんようだな。その配信を

 

 

506:名無しの探索者

 

わかりやすくて草

 

 

507:名無しの探索者

 

>>493

 

顔はってなんだよ

 

 

 

 ───

 

 

 

 はじめまして、こんにちは! さよなら、ばいばい!

 逃げ惑うアリもどきキモ虫の背中へ必殺のソバット! からの、ムラクモちゃんタイフーン(単なる回し蹴り)! 

 ふっ、この世は力だぜ。弱い奴は淘汰されるしかないのさ……まあ、キミ達節足モンスターは強かろうが弱かろうが、滅ぼすけどね。敗因は一つ……ムラクモちゃんに目を付けられちゃったことだーっ!

 

 虫くんを追いかけて三千里。長く果てないダンジョン道をゆく、健気な美少女ムラクモちゃん。その目的はもちろん……世界平和! 皆さんの笑顔が我々の原動力です!

 ……ホントぉ? 単に気に食わないやつを滅ぼしにかかっているだけでは? ……知らない聞こえない! 一度決めたことは曲げないんだーっ! はいはい、かっこいいかっこいい。

 

 

【なんだこれは……(困惑)】

【大侵攻じゃなくて、大逃走じゃったか……。いや、どういうこと?】

【コメントの流れがとんでもなく速くなってるw】

【下層と中層あたり、とんでもない騒ぎになってるぞ。上級以上のパーティに緊急クエ発行されて、あの虫モンスター討伐隊組まれてる】

【↑ なるほどね。それで大量に人が流れてきてるのか】

 

 

 そんなこんなのカクシカマルウマ。

 気分は目の前に吊り下げられたニンジンくん(味:アリもどきフレーバー)に向かってプリティーヒップふりふり、お馬さん。ひひーん! やあこんにちは、インセクトジェノサイダー号です。目につくキモ虫をやっつけちゃうぞ♡ パカラッパカラッ……なんつって。

 

 そんで下層の中腹あたりかしらん?

 その辺りに差し当たったところで、戦闘音が聞こえてきたの。

 どんな些細な陰口も決して逃さないムラクモ・イヤーの鑑定によれば、距離はそう遠くないかも。けっこうな大人数が戦ってるみたい。

 

「……んー」

 

 

【ムラクモちゃん?】

【なんか考えてるみたいだけど、ロクなことじゃなさそう】

【タイラントロリ「細かいのをいちいち潰すの飽きたから、ダンジョンもろとも殲滅じゃー!」】

【↑ 頭トロール・デストロイヤーロリ思考やめろ】

 

 

 ちょっとだけ迷っちゃう。何を迷うかって、戦闘音のところに行くかどうかってこと。

 それなりの人数が戦ってるんなら、向こうは任せて他の場所に散らばってそうなキモ虫をプチプチ潰してった方が効率的なんじゃないのって。……ど、どうしたんだ、ムラクモ! ムシケラ級知能のお前が効率だなどと口にするなんて……さてはニセモノだな!? よくぞ見抜いた! 我が名はニセクモ! 見よこの賢そうな顔立ち! 本物とは大違いだぞ!

 ……誰の顔がマヌケ面だって? おっと自覚アリ! アリもどきだけにね!(ドッ!

 

 ……。

 まあ、考えるのは性に合わないし、他に散らばってるとして、探すのも手間だから、とりあえず目に付くやつを潰しちゃお。

 

 

「たったかたー……♪ たった、たったかたー……♪」

 

 

【えぇ……】

【し、思考に決着が着いたみたいだね。うん。よかったよかった】

【↑ 本当にそうか? 俺にはダンジョンで急に変な鼻歌を歌い出したやべえ奴にしか見えんのだが……】

【それでも……。それでもムラクモちゃんはかわいいから(震え声)】

【鼻歌混じりに通り道のモンスターを滅ぼしてくやつって、もはや一種の妖怪だろ】

 

 

 平和戦士ゼンブマンのテーマをご機嫌に口ずさみつつ、口ずさみつつ。歩みを軽やかに目的地へハイキング・in・ムラクモちゃん。世界の皆に愛と希望をお届け!

 

 はい。

 んーで、音の場所。

 

 

【うっわ。阿鼻叫喚やんけ……】

【あいつ、『篝火の守り人』のエスターか? 地竜を両断したって噂のSランク】

【↑ 嘘やろ? あいつの大剣、あのアリもどきに全然通じてないぞ】

【つか、レイラたんもおるやんけ!】

【まじで錚々たるメンツで草】

【……ちょっと思ったんだけど、この配信主って、実はとんでもない化け物なのでは?】

【↑ いまさら何言ってんだ? まっとうに強いだけの人間がタイラントロリだなんて呼ばれると思うか?】

 

 

 ……うーん、弱い。ほっといたら全滅しそう。

 なんか大剣背負ってるおっさんが死にかけてたので、背後から襲い掛かろうとしてるアリもどきの頭部へデコピン弾を飛ばして消し飛ばす。──いけない! あんまりにあんまりな光景だったから、思わず素に戻っちゃった。

 ……素ってなんだよ腹黒系か? ま、まっさかぁ~。なっばなぁ~。つるりーん。

 ……ムラクモちゃんには裏表なんてありません。いいね?

 

「帰って。あれ、潰す、わたし」

「なっ! き、君!」

 

 

【すまねぇなエスター。うちのムラクモちゃんは人間の言葉と常識が苦手なんだ】

【バーバリアンロリが蛮族語を喋ってる……】

【オレ、ハラヘッタ、オマエ、クウ】

 

 

 

 キモ虫達ってば、喜び勇んで大親友兼飼い主ちゃん(もちろん、気付いてたよ! いることに! ……手振っとこ)や、おっさん達相手にハッスルしとったくせに、わたしに気が付いた途端に逃げの態勢に入りだしたの。

 ……ま、まるで災害扱いじゃないのよ。ちょっぴり傷付くんですケド……。

 

 まあいいや。死んでね。

 とりあえず近場の二匹の頭部を引っ掴んで、ごっつんこ! キャッ! なんて情熱的な口づけかしら! 強引なる愛の仲介人わたし。頼まれなくても仕事しますし、結果二人は死ぬ。

 まあ! なんて迷惑なんざましょ。

 

「う、嘘だろ……! あの化け物達が、ゴミを払うみたいに……」

「今のは……魔力弾か? いや、まさか実戦であんなモノを……」

「ちゃーちゃんがんばって!」

 

 

【レイラたん以外戦慄してて草。……いや、そうなるわ】

【レイラたん完全に観戦モードで笑う】

【なんだろ。タイラントロリに戸惑うやつらの反応がすっげぇ気持ちいい】

 

 

 てんてこ、てんてこ、てんてこ~。

 素敵な素敵な地底広間でダンスパーティなんかに夢中になってると、踊りについてこれないキモ虫貴族さん達は足をもつれさせて数を減らしてく。

 ……ここが終わったら、ダンジョン全部、しらみ潰しに探し回ってあげないとな、なんて考えてたの。

 

 そしたら──。

 

「ギィィ……」

「……おんなじ手が二度も通用する訳ないでしょ」

 

 

「ま、魔力迷彩か……? この俺が気が付かんとは……」

 

 

【あ、あいつ! 最下層で最初に襲ってきた!】

【奇襲の機会を窺ってたのか?】

【てか、どこに隠れてたんだ? 突然現れたよな?】

【解説おじさんと化したエスターが教えてくれたやろ。透明化してたっぽい】

 

 

 愚かでござるな! ニクカマキリ!

 生き残ったなら、さっさと逃げ去ってどこぞで怯え暮らしていれば長生きできたものを……。……まあ、いずれ見つけ出して殺すけどね。

 

 ……でも。

 傷を受けたのなんか、マージで久しぶりだったのん。いくらムラクモちゃんが油断してたとはいえ、偉業ですよ、これは。えらい! すごい!

 その功績を称えて、名を名乗ってあげよう! ムラクモちゃんのプリティーネームを抱えて、地獄でも健やかに暮らすんだよ!

 

 受け止めた鎌を腕もろとも引き千切ってあげると、二度目の悲鳴。あらま、おかわいそうに。いま楽にしてあげるからね。

 まだ諦めてないのか、即座に踵を返そうとする背中へ飛び掛かって、押し倒しちゃう。ジジッ……って感じのキモ音を聞き流し聞き流し。

 弱っちいクソザコ抵抗を抑えつけて、首元……首なのかな? なんでもいいや。頭を支えてる奴を掴む。

 

「わたし、華亥ムラクモ♡ あなたを──あなた達を滅ぼす魔法少女だよ。覚えて逝ってね♡」

「キシャァアア!!」

 

 ボギッ!!

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