くたばり損ない魔法少女わたしの独りゴト   作:土縁屋

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【配信】ちょっとした騒動に巻き込んじゃう件・5

 マイネームイズ・ムラクモ・ハナイ♡ ソーキュート・プリティプリティ・ガール! inクソったれインセクトジェノサイド!

 うーん。自分でも何を言ってるかわからにぃ……わから兄さん。……なんかちっちゃい子を近付けたくない名称だわね。

 

 

 はい。

 つーわけで、キモクイーン・ナナフシもどきちゃんを滅ぼしていくわけなんですけども。ここで一つ問題が生じちゃったの。

 なんだって!? どういうことだムラクモ! ちゃんと説明しろ! へいへい。……どうもねえ、ゲロキモ女王ったら、あの虫怪人くんを呼び出せるみたいなのん。

 ……いや、呼び出すっていうか、産み落とすっていうかね。ずるり、べちゃあって感じ。

 ひゃあぁ〜(ぶりっ子)。きも過ぎ(素)。

 

 

【うわぁ……】

【キモ生物は、産卵シーンまでキモいのかよ……】

【てか、やばくね。要するにあいつ、無限湧きギミック持ちボスってことだろ】

【↑ しかもあのカマキリもどきの怪人はタイラントロリにダメージ通せるしな。……下手すりゃ、“二つ名持ち”でも死にかねねぇ状況だぞ】

 

 

 そんなもんだから、目の前で産卵シーンを見せられたわたしのSAN値ったら、直葬待ったなしなのだわよ。おかげさまで、しばらく卵食べれくなっちゃいそうだもん。

 そりゃあ大問題だ許せねぇ! キモ虫達には責任を取って滅んでもらいましょう! オーケー!

 まー、理不尽! あんたロクな死に方しないわよ! うっせぇ! こちとらまともに生きてたって最低な死に方した人間山程知っとるんじゃきっーく!

 ……うん。逆ギレはみっともないのでやめましょうね。はうっ、お耳痛いのん。

 

 まずは手近なニクカマキリくんに八つ当たりボンバー! おーっと! ムラクモちゃん選手渾身の張り手がムシケラ選手のどてっ腹に炸裂ぅ! これは苦しいか!? キモ虫、弾け飛んだーっ!

 ふん、紙装甲め。ちゃんと防御力にステ振りしないからそうなるんだ。……現実侵食性ゲーム脳わたし。

 

 仲間の凄惨な死にもめげずに襲いかかってくる、勇者キモ虫怪人その他大勢。

 さすがにボス部屋となったら、忠誠心すごいわね。最初に襲ってきたやつなんか、形勢不利ってなったら、逃げまくってたのに。背水の陣ってやつ?

 くっ、出たな侵略者ムラクモ! 興亡の一戦、これに在り! 奮い立てよ国民! えいえいおーっ! ……やめてよね、ちょっと罪悪感芽生えちゃったでしょ。

 

 まぁ、君達が今日絶滅するって予定は変わらないけどね。……ゲロキモ・インセクトクイーンもバラッバラにして焼却処分してやるぜェ。ゲヘヘ。チンピラムラクモちゃん? 楽しみだなぁ、どんな悲鳴を聞かせてくれるのやら……そこまでよ! セルフレーティングパーンチ! ぎゃあーっ! ふっ、悪は滅びた。

 

 安心するのはまだ早いぜ!

 おりゃあ、とパンチパンチ(バギドゴッ!) 鎌を引っ掴んではムラクモちゃんブリーカー!(ボギィッ!) それっ、カメラの前のみんなにサービスだよ♡(ウインクぱちー) そんでもって、無防備な頭部にはアイアンクロー!(グチャア!) 

 並みいる虫怪人を千切っては投げ、千切っては投げ。まるで果物狩りだぜ。摘むのはキモい虫の生命だがな! わっはっは! ……邪悪な発言しちゃいましたわね。下郎系ホームレスわたし。

 

 気まぐれだけどね。ムラクモちゃんに目を付けられちゃった運の悪いキモ虫……何匹目のやつだっけな。うーん……。ま、なんでもいいや。

 特別に名前付けたげるよ。今日から君は聖なる棍棒、ゲボヘドロンだ! まー! なんて素敵なお名前なんざましょ。光栄に思ってよねっ。

 掴んだ足を柄に見立ててブンブンブンッ。もうっ、ムラクモちゃん怒っちゃいましたからね、先輩っ。ぷんぷんぷんっ。なんつって。

 

 

【おおぅ……相変わらずの残虐ファイト……】

【虫モンくん達見る間に数を減らしてて草。いや、親玉の産卵速度を遥かに上回る殲滅速度なんだが……】

【いや、力業過ぎるでしょ、まったく効率的じゃない。広範囲攻撃の火炎魔法持ってんだからそっちを使えばいいのに】

【↑ 馬鹿野郎! バーバリアンロリなんだぞ! 知能トロールクラスのムラクモちゃんに、効率プレイなんかできるわけねぇだろ!】

【頭トロール・ムラクモちゃんもかわいいなぁ】

 

 

 しばらく振り回してると、ゲボヘドロンくんも使い物になんなくなっちゃったので、お別れです。さらば相棒……お前の振り心地、けっこうよかったぜ。じゃあの。

 

 やっぱ拳こそが最強にして絶対の武器だよね!

 ということでね、攻撃再開! おらおら、どうしたどうしたっ。こんなもんかいワレェ! どかーんっ、ばきーっ。はんっ。キモ虫組の弾き玉も大したことないわね。んだとコラーッ! バキューン! なんてこったい! ムラクモちゃんが死んじゃった! ……口はわざわいの元ってやつだわね。自業自得の最期だったわ。

 ……ていうか、使い捨ての鉄砲玉扱いはわたし達魔法少女もだったわ。ありゃまぁ、うっかり。

 まま、使い捨ての仲間同士、仲良くしましょうよぉ。そーら、友好の印の……ムラクモちゃんインパクト(鯖折り)! 

 べきべきーっ。

 

 ふっ、他愛もなし。

 ゴールは近いわね! マラソンランナームラクモちゃん! 彼女の卑劣なラフ・プレーが罪のない虫怪人くんを襲う! わたしの道を阻むな! 死ねぇい! ばしーっ!

 ああ、愛しの女王さま。可愛い可愛いムラクモちゃんがそこに行くまで待っててね♡ すーぐにグッチャグチャのメッタメタにしてあげちゃうからっ。

 

 ニクカマキリを慈愛の抱擁で愛でつつ、愛でつつ(真っ二つになっちゃった。愛が深すぎたのね)。キモナナフシへ熱烈な視線を送ったげる。

 ……恥ずかしかったのかな? 透明な卵巣からきったない卵を産み落としてたソイツは、急におかしな靄を吐き出したの。

 そしたらね、なんだか甘ったるい匂いがして、なんだか頭がボーッとしてきちゃった。

 

「……?」

 

 

【なんだ?】

【ムラクモちゃん?】

【タイラントロリの手が止まった? 敵を倒しきってもないのに?】

【目が虚ろだ。……まさか、精神攻撃を受けてるのか?】

【↑ 虫モンスターにそんな知能あるか?】

 

 

 んー?

 おおぅ。

 景色が歪んで見える。なんか吐き気もするし、頭も痛い。……幻覚魔法? 違う。 なんやこれ。こわっ。

 ゔ。おぇっ。吐きそう。……食べ過ぎちゃったかな? なんちゃって。……葛根湯飲んだら治るかしら? 養命酒の方がいい? ぶぶーっ! お酒は二十歳になってからでーすっ! けっ、マジメかよ。

 

 それよりなにより、最悪なのは気分より視界なんだよね。

 なんだろうね、幻覚だろうけどナナフシもどきがめちゃんこたくさん増えて、うぞろうぞろウゴメいとるの。……やめてよね、本当にキミ気持ち悪いんだからぁ。そんなにワサワサされると、背筋ゾゾゾ〜ってしちゃうでしょ。

 いやホントに。 

 

 

【おい、なんかあの靄に触れたカマキリもどき、溶解してってるぞ……】

【強酸の霧か? いや、強毒の霧か?】

【……これは、タイラントロリに通じるレベルの毒を吐けるナナフシを讃えるべきか。それとも強毒を受けても、動きを止めるだけのタイラントロリに戦慄するべきなのか……】

【言ってる場合か! これ何気にピンチだぞ!】

【お前ら、忘れてるかもしれないけど、ムラクモちゃんは強酸の池に落ちても這い上がってくるやべー女だぞ】

 

 

 はぁー。わたし、酔っ払っちゃったみたい(しなだれかかりー)。おねーさんのおうちに、お泊りに行っても、いい? ……え? ダメ?

 ゆるせぬ! 据え膳食わぬは乙女の恥だぞ! なんか腹が立ったからこの部屋もろともお前らみんな圧殺してやる!

 

 教えてやろう! ムラクモちゃんの得意技を! 怪奇! 今明かされる華亥ムラクモの異能! わ〜、ぱちぱちー。

 それは! サイコキネシスだーっ! なにー! ムラクモちゃんの正体見たり! 魔法少女ではなくサイキッカーだったのかよ! ……嘘です。魔力を使って何かを圧縮するのが得意ってだけなのん。

 

 お手々をゲロキモインセクトクイーンに向かって掲げちゃう。別にこんなことしなくてもいいけど、こっちのがかっこいいもんね。

 そんでもってぎゅっと握り込んじゃう。

 まずはムラクモちゃんを悩ませるピンクのもやもやからギュッと丸めてポイッと。……ピンクのもやもやに悩まされるって……キャ! お年頃! やめろ! 生々しい反応はやめるんだ! ムラクモちゃんの脳内レーティングが上がってしまうだろ!

 

 

【いや雑ぅ!】

【いつもながら滅茶苦茶で草】

【お、おれはタイラントロリならどうってことないって信じてたけどな!】

【ナナフシもどきちゃん、動き完全に止まって笑った。これ、タイラントロリに戦慄してるだろ】

 

 

 できることなら、この手で直接ベッコベコにへこませてあげたかったけれど……ごめんなさい、アナタ。わたし、配達員の彼と道ならぬ関係に……! お、おい嘘だろ……許せんスマッシャー! キュイーンっ! 

 キモ虫クイーンを容赦ない圧縮が襲う! そーれベキベキー。枯れ木に力を掛けましょう〜、ベキベキー。

 

 

【うわぁ……。無数の足が滅茶苦茶にへし折られながら圧縮されてる……】

【腹は見るなよ。卵巣のところな。マジで見るなよ、フリじゃねぇからな】

【!閲覧注意!】

【↑ ムラクモちゃんの配信じゃあ、このくらいは日常茶飯時だろ】

【……どうしてか急にごぼう食いたくなってきたかも】

【↑ おい! 頭タイラントロリになってるぞ! 気をしっかり持て!】

 

 

 なんか抵抗してたけど、見る間に折り畳まれってって、女王虫はゲボヘドロ100%絞り汁を撒き散らしながら、カラカラになっちゃった。

 ……なんか、キューブコンソメみたいだわね。これ、スープの調味料に使えるかしら? ……やめとこ。お腹壊しそうだし。

 ゲボヘドロキューブちゃんを握り潰してサラサラの砂へと転生させたげる。……うん。いい肥料になったな、俺も嬉しいぜ。

 そんでもって石畳に向かってぺいぺいー! なんて非道な! 肥料無駄遣い法第一条に抵触しますわよ! 逮捕だ! うわーん! 出来心なんですぅー! 違法肥料ばらまき業者わたし。

 

 女王も死んだし、多分これでキモ虫絶滅も達成したでしょ。

 ひと仕事終えたらお腹空いてきたし、屋台おじさんのところに行こ。

 

「配信終わるよ」

 

 

【あれだけのモンスターを倒したってのに、これだよ! 情緒もクソもねぇw】

【お疲れー。次の配信も楽しみにしてるよー】

【やべぇ配信者を見つけちまったな……。アーカイブ漁らないと】

 

 

 視聴者数:20014

 

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